森友学園、教育勅語の話から…。

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    森友ニュース 1


    森友ニュース 2


     教育勅語礼賛幼稚園の経営者の件が、世を賑わしている、らしい。
     賑わしているだけなら、芸能ニュースみたいなものだからどうでもいいが、ひとつは行政の公正さ、もうひとつは政治家の基本理念の問題の、それぞれ根幹に関わるファクターが大きいので、これは厄介だ。

     安倍首相は、この学校法人が格安で国有地の払い下げを受けたことに対して、「私も妻も認可、国有地払い下げに関係ない。関わっていたら総理大臣を辞める!」と突っぱね続け‥‥るしかあるまい。

     この大先輩の伝に習ってか、例の学校法人理事長・籠池氏と同じく教育勅語礼賛派と思しい稲田防衛相も、籠池氏に「「法律相談を受けたこともなければ、実際に裁判を行ったことはない」と、国会答弁で断言していたが、森友学園が原告の裁判に稲田氏が原告側の代理人として出廷したという裁判所の記録の存在が発覚」して発言を訂正した、という事態が出来している。

     裁判所というのは、ニュートラルな立場で、必要と思われることは文書化して残すものだと思う。それで‘キチンと’証拠文書が残っていたのだろう。
     となると、ことの性質がニュートラルでない、つまり利権がからむようなものについては、徹底して記録文書を廃棄ないしは隠蔽することが、逆に明瞭に推測できるのである。

     学校法人への格安の国有地払い下げに関して、「専門家に鑑定させることもなく、大阪航空局と近畿財務局の話し合いで売却価格を決めてしまう。そして、森友学園との交渉過程の記録はすでに破棄しているとして、公開要求を突っぱねる」のである(こちら)

     公文書を残し、請求に応じて情報公開することについては、先進国におけるその重視に対するに、わが国では意識が低かった、というのはよく指摘される(あ、クロ現だ)。
     が、そんな高等な話ではなく、政官接触の、とくにきわどい場面の記録は、双方ともに絶対公開したくない代ものになりうるから、どうあっても残したくない。

     というわけで上のようなことになるのだが、近畿財務局と学校法人との(「政官」ではないが)近々の接触の記録は残っているそうなので、今後どうなるのか。

     問題は、一学校法人のスキャンダルというのではなく、行政が公正であるのかどうか、それに政治家がどのように影響を与えたのか否か、という点にある。

     世には、何がなんでも現政権を擁護したい人、また現政権を追及する野党を揶揄する人も多い。
     民主党(当時)の松原 仁議員が、籠池氏といっしょに写っている写真を挙げて、「なんで松原は追及せんのか」とやっているサイトが山のようにある。
     いや、格安払い下げの決定された時期に、松原氏が何か大きな権力を持っていたのだろうか? 論そのものがオカシい。
     ただもちろん、スパイ防止法に積極的なこの議員が、胡散臭い右派の手合いと胡散臭い関係にある or あったとしたら、それはそれで問題であり、民進党支持者もアタマの片隅には置いておくべきだろう。


     もう一点は、政治家の基本理念ということ。

     教育勅語を「悪くない」、「普遍的価値がある」と肯定からさらには礼賛する自民党政治家はずっといるようだ。一般市民にも多いだろう。
     しかしいろいろなところに指摘されるまでもなく、教育勅語の基底には、主権在民ではなく、天皇主権の国家観、‘彼ら’が好きな語で言えば「国体」観がある。

     安倍晋三氏や稲田朋美氏が、教育勅語、あるいは教育勅語を奉ずる団体・学校に対して支持・賛同を表明するということは、ほとんどダイレクトに、「主権在民=国民主権」の思想を否認していることの表明なのである。

     これは、単に現行憲法の一部を改‘正’したい、というような話ではない。根本的に、「主権在民の国家」は、認めませんよ、それはよくありませんよ、国民はそれでは幸福になれませんよ、というメッセージなのであって、現憲法の基本理念を否定することなのである。

     それは、政治思想としてはひとつの思想、である。そのような考えを構築し、推進すべく表現するのは、現憲法は保障している。
     が、まさにそういうことなのである。

     具体的に論理矛盾を来たすのは、そのような政治思想・国家観の持ち主である政治家が、「自由民主党」という名称の政党に所属していることだ。
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    2セット、ポチっちゃいました^^。

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      ブルックナー、ヨッフム(DG)  ショスタコ、ペトレンコ


       ま、買うか買わないか考えていると、だいたい買うことになりまス;;。

       ショスタコーヴィチは、オクに久しぶりにバルシャイ/ケルン放送響のセットが安く出てきたりしていたが、当初の予定どおり、Naxosのペトレンコ盤。
       ネットオクに新品が、Amazon海外ショップとタワーや HMVの中間ぐらいの値で出ていたもの。送料別で5,000円の新品。

       マルケヴィッチの子息、オレグ・カエターニのセット(単品はSACDだった記憶があるけれど、セット(Arts)はどうもCDらしい)も安く、気にならないこともないが、単発の時からリスナーの間で評判だったヴァシリー・ペトレンコのものを購入。

       問題はブルックナー。
       ヨッフムのドレスデン盤は、初出の海外盤と、ARTリマスターのボックスを両方聴いたことがあり、両方とも手放している。
       前者は低域は豊かだが中域より上がモコモコ。後者はずっとよくなったが、今度は高域を強調しすぎ、かつ、西側レーベルに来ている旧東独VEBのテープは、どうもどこか劣化しているふうがあって、基本的な透明感に欠けていた。
       加えて、ヨッフムの演奏のいささかの‘あくの強さ’がやや肌に合わず、ということがあった。

       ブルックナーの交響曲全集が欲しいのは、第1番、第2番、第6番の、とくに緩徐楽章が聴きたいからだ。
       後期三大交響曲などは、すでに大名盤が手許に複数ずつあり、それでもう十分なくらいなのである。

       まず、スクロヴァチェフスキー。Arte Novaより、あとで移籍した Oehmsのリリースのほうが若干でも音がいいかも、と思い、試聴ファイルがあるサイトに‥‥と探すと、Prestoclassicalのページで聴けた。
       が、聴いてみると、00番、0番の急速楽章の出だしなどは、楽曲自体がそうなのだが、えらく高速で元気な感じがして、違和感がある。

       う〜ん、ほかに候補というと‥‥と探して、ハイティンクのアナログ期の全集があり、まだ4,000円ちょいで求めることができそうだ。
       この試聴ファイルを聴いてみたら、緩徐楽章の低弦の深〜い響きなんか、じつにいい。

       しかし‥‥よ〜く見てみると、ハイティンク盤は、かなりの楽章でミスターSより演奏時間が短い、つまり速い(繰り返し等は考慮に入れず)。
       ハイティンクのブルックナーは、のちのウィーン・フィルとの再録音、さらに三大交響曲のコンセルトヘボウとの再録音が高い評価を得ていて、60年代のこの全集はほとんど言及されない。

       いや、それなりの巨匠の全集であって、どちらも聴き込めば得るものは少なくないだろうことは想像に難くない。
       が‥‥やはり第1、第2、第6の緩徐楽章の、弦楽の深み‥‥となると、ヨッフムの旧盤=DGのセット、ということになる。

       上のリンクは、DGのサイトのページだが、各楽章1分間ずつ、じっくり(でもないか)聴ける。
       旧全集は、第1、第4と後期三大交響曲だけがベルリン・フィル、ほかがバイエルン放送響の演奏で、これはよさそうだ。

       ヨッフム/ベルリン・フィルのブルックナー:第1番は、40年以上昔だったろうか、国内盤LPで聴いて、第2楽章の美しさがとくによかった記憶がある。
       単発のCDも買った記憶があるが、手放している。

       なんで第1かというと、宇野功芳氏の『名曲とともに』(帰徳書房、1974年)の最終章「ぼくの愛聴盤」中に、夕食後の愛聴盤としてブルックナーのいくつかの中に「ヨッフム指揮の「第一」スケルツォ(グラモフォン MG1361)は浮き浮きするほど愉しい。ヨッフム指揮の「第六」アダージョ(グラモフォン SLGM1388)からは清らかな自然の寂しさを実感し、…」(222〜223頁)とあったからだと思う。

       たぶん買ったLPレコードは文中にあがる MG1361だったのだろう。音質的には高域が明るいカッティングで、のちには不満を覚えただろうが、当時はそこそこ満足していたようだ。
       そうそう、今回初めてヨッフムのDG盤全集を、その第1以外も ― 宇野氏の言う第6も ― 聴ける。

       こちらもオクで新品、4,000円ほど。
       両方とも配達は日本郵便(ゆうメールと、レターパック)なので、ヤマト運輸のドライバーさんの過酷労働にさらに負荷をかけることもなく‥‥が、これはまた現今深刻な問題なのであるが。

       ヨッフムのドレスデン盤は、EMI最末期に Iconシリーズの20枚セットで、ベートーヴェン、ブラームスの交響曲全集にバッハの『ロ短調ミサ曲』なども加えて、大半が再度リマスターされた形でまとめられ、まだDG盤のブルックナーより場合によっては安く入手できる。
       ブルックナーだけでも音質面では改善があると思われるが、さすがに20枚組のCDボックスというのは、手許に置くことだけでも抵抗感がある。
       現在、最も枚数の多いセットは、弟宅から強引にもらってきたサヴァリッシュの『指環』(EMI+NHK)の14枚セットである。


       ‥‥という、「ポチっちゃいました〜」報告でした。

      ぼつぼつCD購入も…。

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        E.クライバーのベートーヴェン
         休みは多いのに、前日の未明までネットを見ていて、起きるのが極度に遅く、意外に音楽が聴けていない。

         が ― 先日、ちょっと衝動買い的に買ってしまった、エーリヒ・クライバーのベートーヴェン、その第6番『田園』の第2楽章を聴いてみた。絶品でした。

         ONTOMO MOOK『リーダーズ・チョイス −私の愛聴盤− 読者が選ぶ名曲名盤100』(音楽之友社、2000年12月)では、読者投票リストに、第6番『田園』のみ、8位に入選している。
         第3、第5はリスト入選はなく、第3のほうがコンセルトヘボウ盤への読者コメントだけが載っている。

         入選の第6番は、ワルター、クレンペラーについで、高齢者=60代の支持が高い。これは初出の時代の影響が大きいだろう。

         私の入手した E.クライバー/コンセルトヘボウの『田園』は、ポリグラム盤ではなくキングレコード盤で、音質に不安がないことはないけれど、実際に聴きすすめると、高域には若干の混濁感がありつつ、中〜中低域と低域(ほんとうの低域はうちでは出ない)の充実感が補い、かなり厚みのある音を聴くことができて、速いテンポで進む第1楽章を通過し、第2楽章に入ると、すでに指摘されるように悠然とした進行になり、もう何もかも忘れて「ベートーヴェンの田園の、小川の光景」に誘い込まれる。

         末尾に近づいて、カッコウの擬音が奏される時には、聴き手は完全に音楽の描く世界に散策している。
         ‥‥あまりにすばらしく、そしてちょっと長く聴いていたので、その日はこの印象でリスニングを終わるべく、第3楽章以下は聴かずに‘針を上げた’…じゃなくてCDを取り出した。

         これは買ってよかった。
         同時に入手した、ウィーン・フィルを振った第3『英雄』、こちらはポリグラム盤だったのだが、高域は透明できれいな音なのに、中〜低域が薄く、全体として音楽の感興が、キング盤のコンセルトヘボウの『田園』のような具合に感じ取れない。
         低域が分厚くないのは、ウィーン・フィルの特色でもあるので、その辺もあると思われるが、キング盤が必ずしも悪いとは言い切れない例を、今回も経験した。
         全体にノイジーなところがあるが、キングに来ているマスターテープをそのまま、情報量を抑えも強調もせずにデジタル化したというふうである。

         もっとも同じマスターを使った MZ規格や K15C規格などのLPレコードだったら、高域の強調感が耳障りだったろう。

         ‥‥ちょっとCDを買い過ぎている、それでいてまだオクや Amazonを渉猟してやまない物欲地獄をさまよっている愚生であるが、手許に集まったディスク群をしげしげと眺め、実際に再生してみて、「いや〜、いいレコードばかりだぁ」と感心しない日はない。

         その上、まだまだじっくり味わっていない、とくにオペラのディスクは全トラックに耳を通していないアイテムも少なくないので、ほんとうに「もう買うのはやめよう」と思うこと頻りなのであります‥‥が。

         だいたいちょっとしたクラシック・ファンでCDを集めている人なら、「こういうのは持っているだろう」というセットで、持っていない(含む:手放した)ものは意外に多い。

         交響曲全集で、持っている作曲家:ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、シベリウス、ニールセン。
         同・持っていそうで持っていない作曲家:ブルックナー、チャイコフスキー、ドヴォルジャーク、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ルーセル、オネゲル、ヴォーン=ウィリアムズ。

         エルガーやスヴェンセンはそれぞれ2曲しか書いていないので、持ってはいる。マーラーは、バラで全曲、あることはある。

        ブルックナー/ミスターS   ショスタコーヴィチ/ペトレンコ


         それらのうち、ブルックナーとショスタコーヴィチの交響曲全集は、持っていてもいいかな〜、と思いつつ、いろいろググっている。

         ブルックナーは、ヨッフムのドレスデン盤、EMIで ARTリマスターしたボックスを持っていたけれど、そんなに聴かないまま、生活費に変わった。
         ショスタコーヴィチは、バルシャイの Brilliant Classics盤をいちど入手するも、これもあまり聴かないうちに換金。
         ひとつには Brilliantにありがちな、情報量の少ないツルツルした音も不満だった‥‥現用の装置ではもっといい印象を得られるかもしれないけれど。

         ブルックナーは、買うとしたらスクロヴァチェフスキーの Oehms盤か。ショスタコーヴィチは、ペトレンコ盤(Naxos)を考えている。

         両セットを揃えるとすると、8,000〜11,000円くらいの出費だろう。
         2016年度分の税金と国保・年金保険料は、1月末までで収め終わったので、少し余裕のある分が回せるけれど、賃貸の契約更新手数料なども今年はかかってくるし、(私としては)お高いスニーカーを、もう1足買った(後述)。
         さてさて。
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