Sony CDP-XE700の、デジタル系コンデンサー交換計画を立て、日ケミ KZHを調達しているが、まだ未着手‥‥で、そのまま聴いている。
ゆうべから今朝まで、長時間かかって前記事を書き、途中、パソコンのキーボードが全く反応しなくなって困ったが、どうも接続しているフレキケーブルのコネクターあたりの、若干の接触不良だったようで、いったんキーボードを浮かせてから戻すと、反応が戻った。
キーボードを抑える化粧パネルをとめるビスのネジ山が、ちょっと潰れかけ;;;。
そんなこんなで昼夜逆転して夕刻に起き出したため、さきほどちょっと聴いただけなのだが、CDP-XE700、音がいい。
寿命が来たらしいピックアップ KSS-213Bを互換品 KSS-213Cに交換したあと、動作は快調だけれど、ほんの気のせいていど音の艶が減殺したかのような感じがしていたのだが、いろいろ聴いてみて、やはり、「音楽を聴く」にはとても快適な響きを聴かせてくれる。さすが桝谷大人の見立てだ、と再度感服。
コンデンサーを‘盛った’PHILIPS CD750は、細かい音が鮮やかに聞こえてくるが、「音楽」に身を浸そうとすると、CDP-XE700の音が、ぐっと心地よい。
個々の楽器や、倍音域をけっして強調せず、それがかえって中域〜中低域のソフトな深みにつながり、「ステージがそこに広がっている」感じが、神経質でなく、出る。
これはやっぱり、デジタル系と駆動系だけに限ってとはいっても、電解数本の交換でさえしないほうがいいかも、と思い始めてもいる。
電解の低ESR化方向での進化は、このCDプレーヤーのリリース後に著しいと思うが、XE700には、メインの平滑からデジタル系まで、汎用電解コンデンサーはほとんどなく、ほぼすべて日本ケミコンの音響用標準品、ASFと AVFで固められている。
駆動系+7V電源の安定化電源出口を倍の容量の KZHにすることで、アクチュエーター・コイルの動きなどを繊細にすることができ、解像度も増すのでは、などと想像するが、今のままがいちばんいいのではないか。
上の写真の左側は、廉価レーベル・英Regisが、多くの原盤からライセンスを取ってデンマークの作曲家、カール・ニールセン(ニルセン)の、ヴァイオリン、クラリネット、フルートの協奏曲を1枚にしたもので、購入した時は、Marantz CD-5001で全く読まず、レーザー調整ネジ(ピックアップは、今回 XE700に使ったのと同じ KSS-213C)、を微妙に調整して何とか鳴るようになった、という、プレスに問題のあるディスクで、マスタリングも2曲めのクラリネット協奏曲はメタリックな高弦の音など最悪だった。
ところが、ピックアップだけ交換した CDP-XE700で聴き始めると、トラッキングに問題がないだけでなく、そこそこ聴けるではないか。
若干は、部屋の影響もあるかもしれないが‥‥左右両方が壁の22平米1DKだと、小ぢんまりと鳴るのである。
右は、デジタル録音の割りにモヤモヤした、激安廉価盤‘クワドロマニア’の、ダグラス・ボストック指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルによる、これもニールセンの交響曲全集。
CDP-XE700ではモヤモヤ感が増して、CD750(改)のほうがいいだろう、と、第5番の第2楽章を聴き比べると、CD750が鮮明な音だったが、XE700のほうがゆったりと音楽を味わえる。
― この時期のソニーのCDプレーヤーは、「フルフィードフォワード方式デジタルフィルター」というものの搭載を売り物にしていて、フラッグシップ機から最安価帯まで、また光学固定式であるとないとにかかわらず、このタイプのデジフィルの搭載をうたっていた。
ところが、光学固定式で最安価品の XE700は、回路図を見るにDSPからDACにデジタル信号は直結していて、デジフィルとしてのチップは存在しないのである。
ずっと前にいちど、ソニーの安価CDPを買って、あまりにヒドい音質に落胆したことがあるが、それは光学固定式ではもちろんなく、しかし「フルフィードフォワード…」搭載だったと思う。
こういう、日本のメーカーの、音づくりのデバイスに関しては、DENONのアルファ・プロセッサーもケンウッドの D.R.I.V.E.も、最終的に好感が持てないものばかりだった。
開発陣は「《音楽》がわかっていないのではないか」とばかり感じさせるものだった。
そういうものが搭載されていないから、ということではないのだろうが、CDP-XE700は、ソニー製品としては初めての「あたり!」である。
AmazonとオクでのCD漁りは、ちょっとしたものが高騰している昨今、サーフィンしているとかえって購買意欲が落ちて来る。
その中で、バルトークの《2台のピアノと打楽器のためのソナタ》は、1枚は欲しかったので、ラベック姉妹とグァルダ、ドルーエのものが、未開封で定価よりちょっと安かったので購入(右)。
EMIから Warnerに移った音源だが、日本盤で、日本のワーナーは、元EMIの雰囲気を残して、インレイカードの、ディスクの背に当たるところを赤にしている。
左は、吉祥寺のブックオフで買った、ヘルムート・ヴァルヒャ(東芝EMIでは「ヴァルハ」と表記)独奏の、バッハ《フランス組曲》全曲。東芝EMIの初回CDだ。
この音源、Warnerの再発がまだなく、東芝EMIの最終版、ARTリマスターのものは、Amazonで4,000円くらいで出している。
もちろんその値段では、買う人はまずいまい。
が、ヴァルヒャの EMI音源(バッハのチェンバロ楽曲)は高めになってきているところへ、帯なしとはいえ2枚組税込950円だったので、速攻でレジに。
ブックオフでCDを買うのは、そうとう久しぶりかも。
畏友にも勧められていた音源なので、帰宅してちょっと聴いてみて、まず最初、エラく落胆した。
なぜか‥‥ヴァルヒャの使っている楽器が、いわゆる‘モダン・チェンバロ’=アンマー・チェンバロで、これの高域が、シャリンシャリンと耳障りなのである。
ネット上のショップなどの試聴ファイルでは、コープマンや曽根麻矢子さんのものを気持ちよく聴いていたのだが、あちらはリュッカースなど歴史楽器(かそのレプリカ)で、高域がチャリンチャリン響くことがない。
失敗したな〜、と思って、すぐオクに出そうかとも思ったけれど、高域の質をちょっとがまんして聴いていると、さすがヴァルヒャ、という、ほんとうに一点一画をゆるがせにしない格調の高い演奏で、手放さずに聴き込んでみようかと思うようになっている。