DACの応答特性と演奏…?

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     Marantz CD5001は SL-PS700の補助・補完としてそこそこ期待どおりに音楽を聴かせてくれる。

    CD5001

     ピックアップのシーク音は気になるので、2008年製ということもあり、メーカーに診断してもらうのもありかもしれない。
     往復送料を含めて1万円以内ていどで静かになれば儲けものかもしれないし(もうちょっと予算が増えてから…いや、減るか><;)、改善されなければ基本診断料以外の料金は請求されないだろうし。

     4月からは消費増税もあることだし、もうオーディオもCDも、散財はいよいよ終了。
     ‥‥ではあるのだが、メーカー製完成品にあるていど満足が行ったところでキットなどにまた目が向いておりまス…。

    AK4399と WM8741。

     旭化成の AK4399というチップを使ったDACが、こちらなどで好評価だ。
     先のリンクは音元出版のサイトだが、こういうデバイスが《オーディオ銘機賞》を受けるなどというのは、いよいよ「製品=機器」に魅力が乏しくなってきた、あるいは魅力ある製品はトンデモな価格になってきたせいかも‥‥。

     またあとにリンクさせていただいた「On Age Audio」さんのページでは、意外と FIDELIXの CAPRICEの評価と測定結果が芳しくない。
     同じブログのこちらでは、同じ AK4399使用のDACでも、キャッスル電子というところ(があったんだ…)の完成品の評価がやや低い。
     この製品、製品ページからわかるように、基本12諭吉+オプション料金となるらしい。

     評価の高い EMISUKEさんのキットも、現行版は AK4399シングルのようなので、ダブルやクァッドと音は違うだろうが、気になる^^。
     とはいえ、パーツとケース、工具類を揃えてかかるには5万円くらいは必要そうだから、まずムリ。
     もうちょっと安く上がりそうなのは、ご存じ〈お気楽〉さんの Wolfson WM8741をシングル使いしたDACキット。

     ‥‥妄想に耽るのはこのくらいにして‥‥この2種のDACチップとも、デジタルフィルターを切り換えられるが、キットのほうでも切り換えを可能にできるようになっている。
     リリース元や試聴ブログで、それぞれのインパルス応答の図示が参照できる。今までのメーカー製CDPにおけるデジフィル切換えと同じといえば同じだが、急峻な通常のフィルター以外に、むしろインパルス応答という点ではリニアでないものを、聴感にどのように快適なものとするかということが追求されてきている‥‥上にリンクした旭化成エレクトロニクスへの取材でもその辺が窺われる。

     AK4399の身上らしい「ショートディレイ」という応答は、立ち上がりは早く、しかし立ち下がりにむしろリンギングを生じさせている。
     本来、アンプではオーバーシュートやリンギングはできるだけ低いのが理想のはずだが、デジタル・デバイスではこれをうまくデザインすることが肝、である面があるようだ。

    ゲヴァントハウス四重奏団のベートーヴェン
     そんなことを考えたのは、このところ一生懸命そのよさを発見しようとしている、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団のベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(NCA)を聴いていて、というとヘンな話だが…。

     この演奏、オーディオ的に言うと、実に「リニアな」演奏という感じがする。楽譜・音符という「入力」に対して、オーバーシュートもリンギングもない、つまり歪みのない演奏=「出力」‥‥まさに超高精度DACのD/A変換のような演奏なのである。
     そしてそれは、私にはとても不自然で、感情のないベートーヴェンに聞こえる。
     このクァルテットは、ある音符が弱音 p であればその音符の音価(ここでは言語学・音声学のそれではなくこちらの意味)のすべてを「弱音」で、反対に強音 f であれば音の始まりから終わりまで「強音」で演奏しているように聞こえる。

     音楽が実際に演奏される場合、4分音符くらいになれば、弾き出しと弾き終わりで音の強さが違うのではないだろうか。
     楽譜に記載されるクレッシェンド/デクレッシェエンドの指示は、通常複数の音符群にわたってつけられ、「ここは段々強く/弱く、だよ」という意味だが、1音符に「f」が付されている場合でも、直前までが「p」であった場合、次の f指示の音は、方形波の立ち上がりのごとく「┌」のように立ち上がるのではなく、若干、この=「_/~」ような揺らぎを持つ、また、持たせることによって「生きた、人間の弾く音楽」となるのではないだろうか。

     この辺、アルバン・ベルク弦楽四重奏団のCDで聴き直すと、フォルテの1音の中に、強弱が、音楽の内容に即して、奏者たちの感情を湛えて表現されていることを実感する。

     音楽もデジタルも素人の私が言うことで、的外れな気はするが、すっきりと‘美しすぎる’ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いて、それからDACのことをちょっと調べてみて、思ったことでした。

     あ、オーディオはもうやめ、っぽいです〜。だってお金ないんだもん。

    CD5001の試聴

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       ‥‥仕事は端境期、それもいつもより減るし、地方税の督促は来るし、今月の光熱費はハンパないし〜^^;。
       という次第で、多すぎる機器はたいした額にならなくともオク出し、オク出し。

       ではありながら、まだゼイタクに安オデオは残っとります。

      SL-PS700と CD5001

       Marantz CD5001は、ピックアップのシーク音は相変らずながら、期待に違わぬ音質と動作で、満足している。
       「音のディテールを聴くには向かず、音楽を楽しむ人向け」とかいった海外レビューがあったり(こ ことか。このページ、ポルトガル語[ブラジル]ページの Google翻訳のURL)するが、これはローコスト機器への常套的表現ではあるにしても(=こうしか言えない)、およそオーディオ的に分析的な聴き方をしても、何も出てこないプレーヤーだ。

       だから‘のんびり音楽を聴く’のに向いているかというと、音楽自体はかなり細かいディテールを表現するので、分析的な聴き方もできる。
       オーケストラでもそうだが、室内楽ではとくに楽器すなわち声部なので、パートのからみがよくわかって面白い。

      試聴ディスク

       評判のゲヴァントハウス四重奏団のベートーヴェン全集(①)、CD5001だと、第1ヴァイオリン・エルベン氏の‘激-美音’にだまされずに演奏そのものを聴くことができた。
       とはいっても、この演奏を聴いて直後にアルバン・ベルク四重奏団のディスクで同じ楽章を聴くと、ABQのほうが‘圧倒的にベートーヴェン’なのである。

       ゲヴァントハウスQのセットは、どの曲を聴いてもベートーヴェンという感じがせず、CD5001で‘正体’がつかめたとはいえ、売っ払おうかと思っている。
       それにしても大勢の人がこの全集に絶賛レビューを書いているけれど、ずっとそう感じていられるだろうか?

       ②は CD5000ではハイ下がりに聞こえすぎる、パスカル・ロジェ+イザイ弦楽四重奏団によるフォーレのピアノ四・五重奏曲(Decca)。
       SL-PS700でも美しく鳴るけれど、‘美しすぎる’嫌いがあるし、CD5001では CD5000とは正反対の高域・倍音がしっかり出る(必ずしも高品位ではないにしても)。
       今夜は CD5001でピアノ四重奏曲第1番を聴いた。これはいい演奏で、深い抒情と静かに盛り上がる熱情に感動♪

       ④はテンシュテット/ベルリン・フィルのワーグナー管弦楽曲集。《タンホイザー》序曲と《指環》の有名曲を収録(EMI ENCORE)。
       先日クナの Decca盤を買ったので、さすがにクナに比べるとテンシュテットも、とくにスタジオ録音でもあっておとなしく、《指環》全曲はサヴァリッシュ/バイエルン国立歌劇場(EMI、③)のを持っている(弟からせしめてしまった^^;)ので、手放そうかと思っているのだが、御大テンシュテットのワーグナーによさを聴き出せないというのも情けない…。

       この音源は、SL-PS700だと、音場の輪郭のない、そして各楽器の存在感も SL-PS700の作り出す美音の色に染められてかえって精彩を欠く。
       いっぽう CD5001では音の薄さと、高域が化粧なしで出てくることが幸いしてか、ずっと自然なステージ感が出て、聴きやすい。
       面白いことに、サヴァリッシュのライヴの全曲盤(③)で同箇処を聴くと、SL-PS700のほうが格段に豊かな情報量・臨場感なのである。

       SL-PS700を入手してすぐ聴いてみて、やや期待はずれだったアバド/シカゴ響のマーラーの《復活》(⑤)。
       この最終部分 ― 声楽の入ってくるところ ― を CD5001で聴いた。ステージの存在感は SL-PS700よりリアルで、高域の質感がやはりチープながら、低域も予想以上に出てきてバランスは悪くなく、‘巨大なシンフォニーを聴いている’感はけっこうある。

       末尾の盛り上がる部分を、SL-PS700でも聴いてみた。すると、当初、女声独唱が耳にびりっと来たところなどが気にならず、鳴りよう全体が入手時より洗練され、キメ細かくなっているような気がした。最初に聴いたときと、音量やこちらのコンディションが違うだろうけれど、何だかこなれてきているような^^。
       この調子で、CD5001も鳴らし込んでいくうちにこなれてくれないか、と期待。

       ⑥は、これまでDACキット、スピーカー・キット、CDP改造などにしこたま使い倒してきた、ポリーニ+アバド/シカゴ響の、バルトークのピアノ協奏曲、とくのその第1番の第3楽章冒頭の、スピーカーのふっ飛ぶような暴力的な開始。
       さすがにこれは SL-PS700では(CD5000でも)金属的なパンチが不足。ここは CD5001のカッチリしたピアノ再生が○である。
       CD5001はどうしても全体にチャチイ音ではあるが、聴き込んでゆくにつれて音の薄さが露呈してくるということがなく、むしろ音楽にのめり込むとしっかり鳴っていることがわかってくる、そんな鳴り方だ。

       これも一種のプラシーボではあろうが、この価格帯でオペアンプに±12Vという十分な高さの電源電圧を供給しているのは天晴れで、そのゆえと思えてならない。
       そのことと関わってか、通電して時間が経つと天板がかなり暖かくなる。
       もっとも、十二分に豊かな音の出る SL-PS700は±約8Vのオペアンプ電源である。一概に低いから音が悪いと決まるものでもない。

       正直、SL-PS700を補完する、タイプの異なったCDPには、もう少しハイグレードなものが欲しいのだが、サブ機があるだけでもわたしにはゼイタクだ。

       CD5001のようなローコスト機にも、海外のレビューサイトでは、大勢のカスタマーがそれなりにマジメな評価を投じているのにはある種感動する。
       日本だとこのクラスは「ハイコンポから買い換えて音はわかりませんがよかったみたいです〜」か、さもなくば「オモチャだ」というレビューばかりになるだろう。

       ‘向こう’で、NADのようなブランドがそれなりに普及し、わが国の Rotelなどは海外市場しかほぼ相手にしない、という状況、反対にわが国ではオーディオらしいオーディオ機器はどんどん中古車並みの価格になってゆく、これは日本のマニアのあり方とも連動してきているので、マニア諸賢にも責任は大きい、といったら総スカンを喰うだろうなぁ〜。

       あれ、話題がそれました^^;。

      これはゼイタク…かなぁ…。

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         新しく入れたマランツ CD5001が何とか使えそうなので、CD5000は手放すということになる‥‥のだが、やたらに個性的な CD5000は、他の2台と比較しつつ鳴らすとどういう感じになるのか試してみたくて、3台をラックに入れてみた。

         CD5001のラインケーブルは、メインで使っているモガミ NEGLEX 2534だったが、ずっと出番のないカナレ L-4E6Sではどうか、とつなぎ換えてみると、音の拡がりが狭まるようでよくない。
         では、CD5000のほうに L-4E6Sを使ってみると? とやってみると、アルゲリッチの弾くシューマンが、帯域感は狭くなるようだが、実体感のある音が出てたいへん面白い。

         そこで、と、このまま 4E6Sをつないだ CD5000の上か下かに CD5001を置き、2534でアンプとつなぐ。
         CD5001を下に置けば、CD5000の重みで少し音が落ち着くのでは、と思ったけれど、CD5001はレギュレーターがかなり発熱し(SL-PS700と同じく消費電力14W)天板がそこそこ温もるので、CD5000を下にした。

        CDP 3台体制。

         う〜ん‥‥安物のCDプレーヤーばかりだが、3台つないで(IA-4sのライン入力[しかないが]を3つ全部使う)とっかえひっかえ試聴すると、ちょっとばかり‘オーディオが趣味’ふうな気分がしてくるから不思議^^。

         これはなかなかゼイタクな遊びでした。
         CD5001は、先に書いたとおりほんとうにふつーの安価単品コンポという音。味がないが、それでいて基本的クオリティはなかなかしっかりしている。
         そして、3台の中では高域がしっかりと出て、最も寒色な、蛍光灯的な音である。

         SL-PS700は、ピアノの音の、とくに柔らかくボヤンとした音で、ピアノというよりメロトロンかエレクトーンのような電子楽器の音に聞こえてしまう音源がある。そして、美しい音を強調するが、ときにそれが音が滲む感じにつながる。
         この点 CD5000は、3台の中では最も暖色系の音作りながら、ピアノはピアノらしく鳴る。

        CD5000の得意なディスク。

         上の3枚は、とくに CD5000でうまく鳴るCDである。

         左手前の、アルゲリッチのシューマン(上記)、伊Ricordi原盤の RCA国内盤で、‘ジャリ〜ン’という倍音を強調したマスタリングが、ちょっと耳につくことがある。
         CD5001であっさりした、輪郭の明瞭で軽量な音で再生しても、音楽と、演奏家の意志は十分伝わってくるが、CD5000+L-4E6Sでは、まるでバックハウスみたいな重く厚い響きが出てきて、反面‘ジャリ〜ン’感は薄れる。これはいい。

         右手前のは、有名なウエストミンスター・レーベルの、レオポルト・ウラッハ+コンツェルトハウス四重奏団による、モーツァルトのクラリネット五重奏曲。
         MCAビクター社が、米MCAの倉庫で見つけた、状態のよいマスターテープをMCAビクターでマスタリングしたもので、元録音の性格もあるが、若干金属的な音になってはいるもののクオリティは高いだろう。米MCAの Millenium Classicsシリーズよりいいと思った。

         これは CD5001では、聴けることは聴けるが、やはり高域が耳につくし、ヴァイオリンが中音域で奏するパッセージには色気がない。
         SL-PS700ではぐっと聴きやすくなり、艶が出るが、やや人工的に美しく響かせている感じもしてくる。
         これが CD5000では、じつにアナログ感の豊かな、聴きやすくてかつ実体感のある音になる。

         奥の1枚は、日本フォノグラムの初期廉価CDシリーズ、「グロリアCD」シリーズの1枚で、ハイドンの協奏曲集である。
         前にも書いたけれど、このシリーズは日本でマスタリングしたかと思うくらい音が芳しくない。
         その代わり、日本独自のアルバム構成・企画が実現しているものもあり、コリン・デイヴィスがBBC交響楽団を振ったベートーヴェンなどはこのシリーズでしかCDリリースされていないように記憶する。

         この1枚も、一時カラヤンの師匠格でもあったことが伝えられるベルンハルト・パウムガルトナー(「パ」は半濁音!)指揮ウィーン交響楽団によるトランペット協奏曲(ソロはゼーフェンシュテルンという人)、イングリット・ヘブラーのソロに、シモン・ゴールドベルクが指揮を執ったピアノ協奏曲、それにあのイ・ムジチによるヴァイオリン協奏曲、という珍しいハイドンの協奏曲尽くしの1枚。

         ゴールドベルクの音源は、のちにゴールドベルクの PHILIPS録音を集成したものに入ったが、他はどうだろう。
         で、この中のヴァイオリン協奏曲のソロ(フェリックス・アーヨ)の音が、ふつうの(CD5001のような)CDプレーヤーでは、ザラついた音になり、汚い。
         これが CD5000では、見違えるほど艶麗な音になる。SL-PS700でも美しい音になるが、音が滲む感じが出る。
         CD5000でこの楽章を再生すると、うっとりするほど美しい。バックの合奏のピチカートの存在感、低域の厚みなども驚くほど芸術的だ。

         こういう音を聴くと、この個性的なCDプレーヤーは、手許に置いておきたくなる。
         CD5000のDAC・TDA1549が海外で‘Magic DAC’と呼ばれるのもむべなるかな、である。
         しかし他方、CD5000でなくては、というディスクは、これら数枚なのである。

         生活費が数千円でも欲しい私の暮らし向きからすると、手放すのが賢明なのだが、しかしオクに出してみても、いいところ5〜6千円の収入にしかなるまい。
         とはいえ、私のような者がCDプレーヤーを3台も所有し、常用するというのは、分不相応な気はする。う〜ん、コマッタァ〜。

         CD5000は中国製造ながら、その全体が PHILIPS製品といってよく、この価格で「正真正銘の PHILIPS」と言えるCDPはなかなかないし、音も個性的なので、未練はたっぷり。
         SL-PS700は、「松下」のワンブランドの個性的CDP、CD5001は CD5000とは打って変わってまさに「Marantz Japan」の雰囲気の、言ってしまえば無臭キャラであり、これはこれで貴重だし、優れている。

         ま、一週間はこの状態でいろいろ聴きますか…。 ※ただでさえ端境期になる2、3月の仕事がさらに減ることがわかったこともあり、CD5000は速攻オク出し決定^^。
         ‥‥やはりCDP三頭体制は性に合わないし、直で機器の上に機器を乗せるのも好みでない。(1/26付記)

        MARANTZ CD5001導入。

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           パナソニック SL-PS700の秀逸さに感心しながら、マランツ CD5000のピックアップ・シーク音、とくに演奏終了時にピックアップがもどる時の「ビ〜」という音が気になり、音質的にも暖色系ばかりの SL-PS700と CD5000とは少し毛色の違う、そしてシーク音の静かな安価CDPがあれば、とネットオク上に探しまくった。

          CD5000の上に CD5001。

           そして、けっきょく入手したのは CD5000の、なんと同ブランドで型番1字違いの CD5001
           マランツとなるとゴールド・ヴァージョンを思い浮かべるが、オクの出ものには人気があり、すでに入札があったので、黒ヴァージョンを選び、結果即落してしまったが、半年保証つきの中古ショップ価よりは4割方安く入手できた。
           リモコンはもとより、取説に加えて元箱と、梱包用発泡スチロールまで完備の、ほぼ完存品。上の写真は CD5000と重ねて撮ってみたもの。

           本機は2005年発売だが、平成21年(=2009年)3月に大阪は日本橋のシマムセンで購入したという保証書が付いていたので、すでに後継機 CD5003(=私も2010年に一度新品で購入・使用)の発売後なので、大幅な値引きで求められたものだろう。購入後まだ4年ということになる。
           CD5001は、そこそこの期間モデルチェンジせずに売られていた機種らしい。

          CD5001(S)

           上はゴールドのヴァージョンだが、左側のトレイ・ベゼル、中央の表示パネルと、右のトレイの反対部分を、アルミ押出し材成型というパネルをくりぬいて、樹脂のパネルやベゼルを配置する際、アルミ・パネルとの間に隙間を持たせているが、視覚的にそれが「隈」のように見える。

           これはデザインなのだが、よくない喩えではあるが、何となくご老人の深すぎるほうれい線のような感じもして^^;、他のゴールド・パネルのマランツ製品とはずいぶん印象が違う。‥‥というようなゴタクで、黒しか入手できなかった言い訳とする。

          ラックの中の CD5001

           CD5001を入れると、コンポはすべて黒となる。存在感はないが、それでいいかも。

           CD5001は、CD5000から「1」だけ型番が違うけれども、中身は全く別もの、メーカーさえ違うと言ってもいい。
           CD5000は、ほぼオールPHILIPSパーツで固め、DACは PHILIPS最後のDAC・TDA1549を使ったユニークなもの。

           CD5001は直の後継機ではなく、直接の後継機は、CD5400(2003年)で、ここでマランツの最安価帯CDPのDACが、NPCからシーラス・ロジックの CS4392に変わる。CD5000が PHILIPSのDACを使ったのは、PHILIPS CD753をマランツ・ブランドで発売したためにそうなったようだ。

           CEC CD2300導入直前に手にした CD5003は、ご立派なディスクリート・バッファー(HDAM)搭載のわりに、音はキンキンした感じで薄っぺらく、けっきょくCD2300を選んで手放してしまったのだった。

           CD5001も同じDACなので、聴いてみて落胆する危険性は低くないなと思ったのだが、Audioreview.comなどでのカスタマー・レビューが高評価で、その辺は前代の CD5400や後継の CD5003よりよさそうでもあることだし‥‥と、買う理由付けを探す。

           サービスマニュアルも手に入れたが、CD5001が後継機 CD5003と違うのは、アナログ・バッファーにオペアンプを使っているところ。NJM2068を、片チャンネル1基=2段としていて、評価できるのは、アナログ電源が三端子レギュレーター 7812と7912で安定化されていること、つまり、オペアンプの電源電圧が+/-12Vなのである
           アナログ・オーディオ電源をケチっていないのはたいへんよろしい、と思う。

           制御系の電源は、3本ある3,300μFの平滑コンの1本(あとの2本がアナログ電源)が担当するようだが、CS4392のアナログ電源+5Vは、こちらからではなく、アナログ電源の+12Vをさらに7805で降圧して供給している。
           オペアンプにも、1基ずつデカップリング抵抗4.7Ωを設置したあと、47μFのパスコンをあてがっており、容量こそ小さく、オーディオ用でもない、たぶん中華電解だろうけれど、とにかく丁寧に設計されているという印象を持った。

           前任の CD5400との違いは、フロントパネルがアルミ押出し材になったことだけらしく、それで約400gほど重い、ということらしい。

           で、インプレですが‥‥
           まず、ピックアップのシーク音は、かなりデカい(うぷっ)。トラック頭出しでは「シャ、シャ、シャ〜」というし、ディスク演奏全終了時に戻る時に、「シャ〜」という。
           う〜ん (´_`;) これなら CD5000のシーク音のほうがまだ小さく、我慢できるものといえるかも…

           こらアカン、直でオク出しだぁ〜、と落胆しつつ、しかしまあ音だけはじっくり聴いてみようやないか、ということで、いろいろ聴く。
           SL-PS700で少し合わないのはピアノの場合が多く、金属的な響きが木質感寄りになってしまう。
           そこで、ピアノ曲のCDを聴いてみる‥‥個性や味わいはないが、言い換えるとクセがなく、とても聴きやすくて、音楽の形が、音楽の進行にしたがって自然に耳に入ってくる。これは悪くない。

           演奏終了時のピックアップもどり音だが、CD5000のは、小さいが「ビ〜」という電子音的な音、対して CD5001のは、「シャ…」と一瞬で終わる機械音的な音。
           意外にも「ビ〜」という電子音的ノイズのほうが小さくても気になるのである。

           鳴らして(慣らして)いるうちにメカがこなれてややシーク音が下がったのか、私の耳が慣れたのか、あまり気にならなくなってきた。
           そうなると、ディスク演奏中のメカ音は極小であるし、音自体も、いわゆる‘S/N感の高い音’なので、音楽がたいへん自然に聴ける。少なくともこの前のDENON DCD-755IIよりはずっと聴き応えのある音だ。
           これは、いけるかも、となってきた。
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          マスタリング違いCDへの買い換え…の嵐^^;

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             昨年11月以来、CDプレーヤーはパナソニック SL-PS700というレファレンスといってもいい機器に出会い、CD再生が楽しめるようになってきているが、それ以後CD購入の嵐が、ということはもう書いているけれども、とくにマスタリングやプレスの違いで納得のいかなかった盤を買い換えるということがまた、暴風雨の域に達し、やっと一段落しかけている。

            マスタリング違い買換えディスク群

             上の写真、上段(奥)側から、
            ・ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ヘンリク・シェリング(Vn.)、シュミット=イッセルシュテット/ロンドン交響楽団(PHILIPS)。
             これは、日本フォノグラムの「クラシックCD文庫」('92年、1,500円)から、ユニバーサルの「SUPER BEST 100」('05年、1,000円)への買い換え。
             最初、「シェリングの芸術」とかいった1,000円シリーズで買ったのだが、LP時代からこの録音は《ロマンス第2番》とのカップリングであったのに、その廉価シリーズはコンチェルトのみのリリースだった。

             それで、中古店で「クラシックCD文庫」版を見つけて買ったのだが、これがどうも微妙に音が悪い。《お気楽》DACの時はオペアンプ選択で、ずいぶんよくなりはしたが、メーカー製CDPでは気になる。
             ソロ、オケともども、弦の音色がザラつくのである。

             そこで、ついに上記リンク記事にも書いている UCCP-7043(ユニバーサルの PHILIPS廃止に伴ない、すでに PHILIPSから Deccaに変わっている)を買ってしまった。
             じっつにビミョーな違いだが、やはり新盤のほうが滑らかである。

             PHILIPS=日本フォノグラムで初めて1枚1,700円を実現した「グロリアCD」(LP時代の千円盤「グロリア1000シリーズ」を承けている)もそうだったが、「クラシックCD文庫」も、日本フォノグラムでアナログテープからCDマスタリングしたのでは? と思ってしまう音のザラつき感があった。
             この2つの廉価シリーズのマスタリングには、私はかなり ― 由来にも音質にも ― 疑念を持っている。

            ・続く2点は、DG国内盤の廉価シリーズ「Deutsche Grammophon LEGEND」から、向こうの DGの O.I.B.P.リマスター盤「ORIGINALS」への買い換えである。
             ひとつはフリッチャイ/ベルリン・フィルのドヴォルジャーク:《新世界》、他。もうひとつは、かのムラヴィンスキー/レニングラード・フィルによるチャイコフスキーの後期3大交響曲集。

             これは、LEGENDの国内盤を音量を上げて再生すると、金管楽器が濁って歪むように聞こえたので、ORIGINALSを買ってみた。
             このあたりは、O.I.B.P.化の評判は全般に悪いのだが、私は意外といいと感じてきている。
             まだちょい聴きだが、適度な潤いが加わって、歪み感もなくいいようだ。この辺はシステムによっては旧マスター使用の LEGENDを採る人もいるだろう。

             余談だが、ムラヴィンスキーのアルバムはショップでは意外と高く、オクで新品を落としたら、ケースにかなりなクラックが入っていた。
             交換等は要求しないがクラックのある旨、ナビで伝えたが、その件の返事はなかった。なかなかよい商品を安く出品している人なので、ちょっと残念だったが、音が何よりである。

            ・その次は、反対に ORIGINALSのマスタリングでは、SL-PS700でヤワに聞こえすぎてしまうカルロス・クライバー/ウィーン・フィルのブラームス:交響曲第4番。
             これは、クライバー追悼盤が別マスタリングと思しいので、そちらを買った。
             じつ〜に、若干、若干だがティンパニなどの輪郭がしっかりしているように聞こえる。
             この盤は、シューベルトの《未完成》も入っているのでお徳用、というより、ORIGINALSのブラ4だけ(39分41秒)というほうが、外盤では珍しい。

            ワルターのベートーヴェン

             そうそう、もっと大きな買物、いな‘買い換え物’があった。
             ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団のベートーヴェン:交響曲全集は、米CBS初期盤と思しいセットを一昨年暮に求め、その演奏に大感激したのだったが、発売時にマスタリングの評価が高かったという記憶のある、仏Sonyの「INTEGRALE」(アンテグラル)シリーズのものが、あまりお高くなく Amazonに出ていたので、購入。

             これは、音が違った
             ワルターのCBS=Sony盤にまつわる‘伝説’として、SBMやDSD処理を施さない、ジョン・マックルーアの名前がクレジットされた初期盤が最も自然な音だ、というのがある。
             これから見ると、一昨年の CBS盤がそれっぽい感じで、実際そう不満のない音質だった。
             が、やや高域強調で、全体に整音されていない感じ(それがいいという価値観もありだが)に抵抗があった。

             INTEGRALEのマスタリングは、SBMが明記されていて、音は、低域を豊かに響かせたもので、高域のCBSらしい強調感をぐっと抑えている。
             LP時代のフランス盤やオランダCBSのカッティングを思わせるもので、臨場感はむしろ落ちる。
             しかし、「レコードとして聴く」という点では、INTEGRALE盤のほうがまとまっていてよいように感じるし、ケースがぐっと薄型に納まるのも助かる。

            アルベン・ベルクの《死と乙女》

             最後に(いや、まだ来ていないのは、あるのだが…)、シューベルトの弦楽四重奏曲《死と乙女》。
             ヘンシェル四重奏団のディスクから、アルバン・ベルク四重奏団のに買い換えたのはいいのだが、現行海外廉価盤の EMI MASTERS盤は千円未満のショップが多いのだが、1枚では送料がそうとうかかるので、オリジナルの海外盤中古を頼んでしまった。

             これが、ほんとうに‘初期盤’で、ディスクは日本プレスだった。
             聴いてみると、音に潤いがなく、ピヒラーさんのヴァイオリンの音もドライに響く。
             こういう音かもしれない、と思いつつ、EMI MASTERS盤を送料込み千円ほどで送ってくれるショップ(楽天ブックス)があったので、ポチってしまった。

             これまた、海外盤 EMI MASTERSのほうが、ビミョーに音に艶と潤いがあって、いい。
             (P)が初出盤と同じ「1985」なので、マスターは変わらないかと思ったが、EMI MASTERS盤の裏インレイカードには「Digitally remastered at EMI's Abbey Road Studios direct from the original master tapes …」とあるので、シリーズごとリマスターしているのかもしれない。
             このていどだと、余韻の付けすぎとかいうことがなく、オリジナルからの改変もごくわずかだ。

             同じアルベン・ベルクQとハインリッヒ・シフによる、同じくシューベルトの弦楽五重奏曲のディスクでも、「GREAT RECORDINGS OF THE CENTURY」盤(これは ARTリマスター明記)もオリジナルと同じ 「(P) 1983」となっている。
             この音源は、最初国内盤を中古で買った聴いたが、若干「GREAT RECORDINGS …」のほうが潤いがあるように感じた。

             ‥‥こんなふうに、納得のいくディスクだけを選んでいくのは、オーディオマニアで言うと、ある名機と言われるスピーカー・ユニットを実装するのに、同じユニットを十数本も買い求め、特性と音質の合ったもの2本だけを選んで、ステレオ・システムとして使う、というような話に似てこないこともない。

             貧乏に極まって行きつつある私などがこんなことをするのは許されざるべきことかもしれないけれども、1枚のディスクを聴くということには、なんとも妥協しがたい気持ちがあるのは否めない。

             1台の機器、1枚のディスクを決定するのも、ほんとう〜っに、超タイヘンである。
             そういいつつ、マランツの安価CDPを、また1台ゲットしてしまった;;。

            久しぶりにCEC CD2300(改)復帰。

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               久しぶりにCEC CD2300(改)復帰しました。
               CD2300は、オペアンプをNEC μPC4570で固定(基板直ハンダ)し、オペアンプ電源を非安定化したあと、トレイ動作に不調が生じ、かつマランツ CD5000、パナソニック SL-PS700というよいプレーヤーが手に入ったので、しばらく放置していた。

               故障は、トレイが閉じたあと、ピックアップ・アッセンブリーが持ち上がらなくなってしまう状態だった。
               モーターの劣化も考えられるが、とりあえず、最もよくあるケースとしてモーター・プーリーの動きをギア・メカニズムに伝えるゴムベルトの劣化を考え、ネットオクで販売されていた機種指定のない2.5cm径のものを購入。

               ベルト交換修理のノウハウは、よくはわからないが、こちらなどに、TEAC CD-P1850の修理記事としていくつか見かけ、今回はこちらとサービスマニュアルを参考にやってみた。
               途中の工程写真ナシ^^;‥‥メンドクサかったもので。
               作業は厄介この上なかった…。

               リンク記事の方も書いているように、小さなギアがトレイを引き込んだあと、うまいタイミングで大きなギアの下側の歯が、ピックアップ・アッセンブリーを引き上げるパネルをスライドさせるのだが、このタイミングを取るのが難しく、しかもトレイのガイド溝、ガイドの棒状パーツ、ギア部分などは“シリコングリース漬け”になっているので、手につくグリースがトレイのディスク接触部分に付かないように注意し、何度も手を洗い、ティッシュで拭きながら試行錯誤したが、なかなかうまく動作せず、もう遊び尽くしたことだし、捨ててもいいか、とも思った。

               噛み合わせがうまくいっても、モーターが劣化してトルクが少なくなっていればアッセンブリーは持ち上がらないかもしれない。
               リンクしたブロガーの方は「小一時間もかかってしま」ったと書いておられるが、私は小一時間どころか3時間以上かかった。翌日の仕事は夜だけなので着手したのである。

               ― という次第で、トレイが閉じたあとも少し(0.5mmほど)前に出てしまう以外、依然として修理前同様、ものすごいスロースピードではあるがトレイは閉じ、無事ピックアップ・アッセンブリーが上がり、ディスクを読んで再生できるようになった。

               トレイの表て側はティッシュに台所用アルコール殺菌剤を含ませて念入りに拭き、グリースがディスク接触部分に残らないようにしたが、ディスクとの接触部分はごくわずかな面積だけである。

               なお、非安定化後のオペアンプ電源は、+側が9.4Vほど、-側が-10.5Vほどと、ちょっとアンバランスになっているが、安定化時の+/−5.8Vから見ると1.7倍の電源電圧を得ているので、余裕は出ているはず。

              久しぶりの CD2300

               というわけで、‘おかえりなさい、CD2300(改)’。
               それにしても厄介な作業で、もう金輪際CDPのメカは触りたくない。
               ではあるけれども、トレイまで壊しそうになるほど触ったとなると、いじり倒した基板に加えて、もはや自作品のような感じである。

               そこで音であるが、オペアンプ電源非安定化のあとすぐトレイ・メカが故障したのでその音をよく聴けていなかったのだが、やはり、オレの音だぁ〜という音だ。
               DACもオペアンプも、カップリング以外にはオーディオ用電解はほぼ使わない状態になっているが、やはり高域情報が多く、高精細で神経質だ。

              CD2300、試聴ディスク。

               CD2300(改)は、やはりピアノがきれいだ。SL-PS700は、弦はとてもきれいだが、ピアノは木質感が強くなりすぎて、「カキーン」というクリスタルな感触が薄い。この辺は、CD2300(改)[以下(改)省略]の独壇場である。

               PHILIPS 24ビット・マスタリングによるブレンデルのバッハは、SL-PS700で深ぶかとした音色が魅力だったが、CD2300でもきわめて彫りの深い音が聴ける。
               グールドのブラームスも、CD2300ではいかにもオーディオ的な精細感がある。

               アマデウス四重奏団のハイドンは、SL-PS700でもややほこりっぽく、CD5000がベストだったが、今回 CD2300では、曇りのない高域がすっきりしたハイファイ再生を聴かせて、これも悪くない。

               プロカンツィオーネ・アンティクァによるパレストリーナ。これはもう CD2300では天国的透明さ。

               古楽器 ― ガーディナー指揮の《メサイア》― はやはり CD5000がかまぼこ型に聴きやすい音に丸めてくれてベストだったが、CD2300で、ごく透明な高音が余すところなく響くのも、これはこれで、やや疲れるが聴きものだった。
               このCDは、SL-PS700でもまた音楽的で、かつ聴き疲れしない再生ができる。

               古楽器ではないが、リヒター指揮のバッハ:カンタータ集。O.I.B.P.リマスターを施した国内プレスはだいたいエッジがきつめ、あるいは響きすぎる音になりやすく、このセットもそういう感じだ。
               これも CD5000がベストかと思っていたが、ヴォーカルは SL-PS700の素直な再生がよいとも感じる。そして CD2300では、弦の高域はきついが、抑えられることなく出てくる音は、ヴォーカルも含めてじっくり聴く価値はある。

               どうにも高域よりで再生の難しかった、ERATOレーベルのフォーレ:ピアノ五重奏曲(ジャン・ユボー+ヴィア・ノヴァ四重奏団)は、SL-PS700の導入で、そんなに問題なく繊細な音が聴けるようになってしまった。

               いっぽう、ERATO盤の高域がキツいので買ってみた、Deccaの、パスカル・ロジェとイザイ四重奏団のセットは、音の取り方が逆にハイ落ちなので、SL-PS700では平板な音になりがちだ。こちらは CD2300のほうがいいかも。

               その他、先日求めたディスクのうちでは、P.マーク/ベルン響の《スコットランド》は、CD2300ではもやもやした感じが減殺する。
               ゲヴァントハウス四重奏団のベートーヴェンは、高域が繊細ゆえ、CD2300がよいかと思ったら、SL-PS700がうまく整音してくれるふうで、SL-PS700がよいように感じられるが、CD2300でもよさが出る。

               このような感じで、やはり手を入れまくった CD2300は、「神経質に、繊細・精細を極めて、遠く天国を憧れぬくような音」という、よくも悪くも“私の音”になっていることを再確認した。

               この分では、マランツ CD5000を手放すことになりそうだ。
               CD5000は、音質的にはとても魅力あるプレーヤーだが、一点、演奏が終わってピックアップがもどる時に出る「ビィ〜」だけがイヤで、これさえなければ CD2300をジャンクでも処分して CD5000を残しただろう。

               3台のCDプレーヤーを置いておく気はない。ハードもディスクも、常用頻度の低いものを所有しておくのは今の気分に合わないし、それにもまして財政状態が許容しない。

               二頭体制、というのではなく、SL-PS700をメイン・プレーヤーとし、「自分のマスタリングを聴きたい」時だけ CD2300(改)を使う、ということにしたい。

               SL-PS700は、ハイファイというよりも“レコードとしてのよい音”を聴かせてくれるCDプレーヤーだと思う。高額でなくとも、広い範囲の音源に対応し、家庭で音楽を楽しむという目的にはまことに適った逸品だ、ということに改めて感心した。

               いっぽう、思い起こせば CD2300は、2010年の暮、きゃーるさんの東京出張宅(当時)にお邪魔した日のお昼に、地元の無線ショップで購入したものだ。
               このあと、翌年3月には大地震が起こり、私の暮らしは(地震に関係なく^^?)右肩下がり、そのコンプレックスと不安、焦燥の中、アンプやCDPをいじり倒して過ごしてきた3年でした…。

              久しぶりに店頭で中古CDを。

              0
                レコファン渋谷BEAM店クラシック売場の異常な値付け!
                 11月以降、CD漁りが暴走しているが、すべてネット上の物色・ショッピングで、リアル店舗は仕事先近くにディスクユニオンがあれば覗くていど、まず買うことはない。

                 ネット上で漁っていると、ハイドンの弦楽四重奏曲《ひばり》の、昔から名盤とされるスメタナ四重奏団のEMI盤を英Testamentが復刻したものが、Amazonのマーケットプレイスの中古で600円のが見つかり、レコファンの渋谷BEAM店だったので、それなら実店舗に行って盤面を確かめてみれば、と、午前だけの仕事の日、帰りに足を運んでみた。

                渋谷で買った中古CD。

                 クラシック売場を見ていると、あった。店頭価格は800円。これは、Amazonの配送料が340円なので、それを見越してネット価格は安めにしているので、妥当である。
                 が、他がオカシイ。ちょっと廃盤っぽいディスクは、Amazonやヤフオク出品者に見られるようなトンデモ価格を付けているのである。

                 《ヴェデルニコフの芸術》(DENON)の、ヒンデミットが4,400円。これはまあAmazonで他店もそういう価格だ。
                 もうちょっと見ると、ショパン(ダグラス編)の《レ・シルフィード》、他を入れたペーター・マーク/パリ音楽院管のDecca原盤キング盤(たぶん、これ)に、記憶が間違っていなければ、6,400円くらい付けていた。
                 リンクしたAmazonの中古でも3,000円台が上限である。
                 この音源は、同じマーク指揮のメンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》の音楽と2枚組になった現行 Decca/Eloquence(Australia)盤を、Amazonの海外ショップで1,500円ほどで新品を買うことができる。

                 その他にも仰天のぼったくりプレミアム価格が目白押し、プレミアム価以外の中古ディスクもかつてより格段に高くなっていて、食指は動かない。
                 こういう値付けを大手が店頭で実際にやるもんなんだ、とびっくりしてしまった。
                 ディスクユニオン風に“特集”なるものをやっていて、テーマはレオポルド・ストコフスキー。
                 たしかにストコフスキーのCDをこれだけ集めたのは壮観といえるほど集めてあったけれど、1枚がどれも1,000円以上となると、だれが欲しいと思うだろうか? クナッパーツブッシュやフルトヴェングラーではないのである。

                 いやほんとうに呆れた。この担当者は、「ディスクユニオンごっこ」がやりたかっただけなのだろうか。
                 そのくせ、カラスの歌った《ノルマ》の中でも名盤といわれる、1955年の、セラフィンがローマのRAIのオケを振った放送録音の、チェトラ原盤によるキングの国内盤(とうぜん歌詞対訳付き、かつボーナス・トラックの3枚目付き)は、2,000円ちょっと。これなんか5,000円台付けてもいいんじゃない?

                 もうレコファンBEAM店には、2度と行く気はしない。
                 が、あと1枚、ヴァルヒャの弾くバッハ(800円)を買った。まだポリグラム発売の時代のシリーズで、バッハ「オルガン作品集(II)」とある。
                 帰ってAmazonを見たら、中古では340円(つまり本体0〜1円)で買えるものとわかり、その点では損をしたけれど、名曲《パッサカリアとフーガ》ハ短調 BWV582が収録されていて、手許のカール・リヒターによる3枚組には入っていないので、これは貴重(上写真、手前右)。

                 そのあと、向かいのブックオフの500円コーナーを覗き、クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィルの《ワーグナー名演集》(Decca/ユニバーサル、千円盤)があったので、購入(上写真、奥)。
                 手持ちのテンシュテット/BPO盤は、名演なのだろうが、あまり聴かない。
                 クナのは、LP時代にキング盤を持っており、「これは英Deccaの音じゃなさそうだな〜」と思いながらも《ジークフリートの葬送行進曲》を大音量で鳴らして楽しんでいた。

                 久しぶりのクナの《ジークフリートの葬送行進曲》‥‥さっすがの迫力と深みである。
                 このアルバムには《トリスタン》から《前奏曲と愛の死》も入っているが、ちなみにこの両楽曲は、『今昔物語集』に取材したホラー映画『アギ 鬼神の怒り』(早川 光監督、1984年、たぶん未DVD化)の中で、実際にこのクナッパーツブッシュの Decca/ロンドン音源を、たぶんキングレコードの許諾を得てと思われるが、使っていた。

                 『葬送行進曲』は、ジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』でも効果的に使われていた。こちらはノーマン・デル・マー指揮の映画用録音だったと思う。

                ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集の件…

                ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集、他。
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                取り敢えず…。

                0
                   
                  ♥謹賀新年♥

                   ふへ〜。明けちゃった〜。
                   29日〜大晦日は朝からお仕事‥‥朝の出勤でこんなにすいた電車は初体験^^。
                   30日にはノドが少しイガイガしてきた。31日朝には37.3度ほどの熱。
                   時折り咳き込みながら無事過ごして、コンビニ蕎麦(大晦日プライス、高いッ!)に発泡酒など買って帰宅。

                   テレビ見ずにCDを、と思いつつ、発泡酒を飲みながら紅白もちょい覗き。
                   それより、TBSの「KYOKUGEN」で、64歳村田兆次が46歳番長・清原を押さえ込んだのに感嘆。番長もそのあとホームランかっとばし。生中継の企画もなかなか凝っていた。
                   野球なんかゼ〜ンゼンわからない小生も興奮した。
                   そのあと、さすがに紅白のサブちゃんの歌いおさめは拝聴。

                   そしてステレオのほうに移動、ベートーヴェンの《大フーガ》Op.133をブダペストQで!
                   またもやシブすぎて寝かけたら終了。
                   2013年の終わりに(もう日付変わってたけど)と、サンソン・フランソワでショパン《別れの曲》‥‥と行こうとしたら、少しの酔いながら手許が狂って、SL-PS700のトレイにディスクを噛ませちゃった〜><;‥‥うっす〜い線が3本 (T_T)。
                   トレイ前端部がこすってしまったらしい。こすりついでに、ともう1回やっても、また3本ほど。べゼルの上端の、ちょっと出っ張った部分がこするようだ。といっても他の多くのCDPで噛んだ場合より、キズは小さいようでもある。

                   少し酔っただけでキズをつけてしまうなどということは、CDになってLP時代より格段に増えたような気がする‥‥のは、LPライブラリーとお別れしてからもう18年も経つせいだろうか。
                   幸先のよくないこととなったが、幸先よさそうな現象が起きた時でも、続いていいことが起こったことはないので、嘆く要もないのだ。

                   あまりにシブすぎるブダペスト弦楽四重奏団のベートーヴェン全集、ずっと音がよく、技術もスムーズなゲヴァントハウス四重奏団の全集が来て、聴いてみたが、質の高い演奏ではあるものの、今度は皮肉にも音がキレイすぎてアレルギー気味。
                   もしかすると、こっちを処分してブダペストを残すかもしれない。

                   ベートーヴェンの弦楽四重奏曲…名演の全集盤が3セットくらいあってもというところなのだが、このところは「コレクションを作る」ことではなく、「コレクションを磨いて、そぎ落とす」ことが眼目なのである。
                   これは、明らかに私の収入状態からきているのだが、そのことはまた、「自分にとってどんな音楽が大切か」を否応なく問うて来るもので、経済的余裕があって、多くのディスクを求め、手許に置ける状態ではわからない、大切なことだと思う。

                   私自身は足止めを食らうことは少ないが、このところまた人身事故による鉄道の混乱・運休情報が増えている。
                   アベノミクス(←みんな恥かしげもなくよくこの語を口にするもんだ)とかの功績で景気が上向いているとばかり報道される裏で、何かヘンな雰囲気だ。

                   みなみなさま、本年もどうぞよろしう m(_ _)m。

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                  野口 晴哉
                  やっぱりこれは入れておかないと…。
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                  野生の哲学―野口晴哉の生命宇宙 (ちくま文庫 な 38-1)
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                  永沢 哲
                  整体の創始者・野口晴哉の核心に初めて思想研究として迫った力作!!
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                  「ひきこもり」だった僕から
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                  上山 和樹
                  ‘本館’に所感をアップしてます(^^)。
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                  言葉と無意識 (講談社現代新書)
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                  丸山 圭三郎
                  小冊子ながら、限りない示唆に満ちた名著
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                  シンクロニシティ (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)
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                  F.デヴィッド ピート
                  ‘シンクロニシティ’を可能なかぎり、‘トンデモ’から離れて説いた良心的な一書。
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