パナソニック SL-PS700とマランツ CD5000で、手許のCD群を自在に楽しめており、依然として‘オデオ平和’です^^。
今までのCDPではどうにもほこりっぽかった、アマデウス弦楽四重奏団によるハイドンの四重奏曲集(DG TRIOの3枚組。写真左奥)。O.I.B.P.を称していなくて、エミール・ベルリナー・スタジオでのマスタリングとしている。
この中から、作品76-5、通称「ラルゴ」を CD5000で聴いた。ほこりっぽさが最小限になり、弦に甘い艶が出て、とても聴きやすい。
続いてズスケ四重奏団(ベルリン弦楽四重奏団)によるモーツァルトの弦楽四重奏曲集(Edel[=Berlin Classics]、6CD、写真右奥)から、第20番 K.499「ホフマイスター」を聴く。
これもじつに甘美、そして原録音もいいので、響きが豊かだ。
古典派の弦楽四重奏曲を続けて、音に満足して聴いた。
たいていの音楽史やCD紹介の本では、ハイドンが先に来て、続いてモーツァルトになるが、これはハイドンのほうが早く生まれている(1732年。モーツァルトは1756年)からしようがない。
が、ハイドンの作中でも最も完成度が高いといわれるらしい、作品76の弦楽四重奏曲群(「皇帝」を含む)は、1797年、つまりモーツァルトの死後6年経って完成している。
いっぽうモーツァルトの「ホフマイスター」は1786年完成(← 渡辺 和『クァルテットの名曲名演奏』ONブックス)というから、10年早いのである。
ハイドンの「ラルゴ」をアマデウスQの演奏+CD5000の音で聴くと、さすがに完成度が高く、音楽的感興も大きい。が、直後に「ホフマイスター」が流れ出すや、その楽想と響きの豊麗さに、ハイドンの印象が薄くすらなりそうだ。
ズスケQのモーツァルトはまた、SL-PS700で聴いても悪くないような気がする。
とはいえ、ハイドンの作品76もモーツァルトの「ハイドン・セット」以降の全て(第14〜23番)も、“これぞ古典派の弦楽四重奏曲”という名曲と考えていいのだろう。
個人的にどうしてもハイドンは楽天的すぎて物足りないのだが、こういった納得できる音質で、モーツァルトと一緒に聴くと、18世紀末ウィーン(とその他の欧州都市)に流れていた音楽のクオリティの、異様なほどの高さを想像できる。
そして、CD5000は、そういうことをじつにうまく伝えてくれるコンポーネントだ。
タマーシュ・ヴァーシャーリとベルリン・フィルの弦のトップによるブラームスのピアノ四重奏曲全集は、その第1番をCEC CD2300のコンデンサー交換時の試聴によく使ったが、このセットに入っている第3番を、CD5000で聴いてみた(写真右手前)。
ブラームスのピアノ四重奏曲第3番なんていうマイナーな楽曲がこれほどしっかりした構成と内容を持っていたとは、初めて知った。
DGのデジタル録音の国内盤だが、弦のエッジのきつさがやや緩和され、とても充実した響きが聴けた。
CD5000は音はもちろん、動作も素っ気ないが安定しているけれども、CD1枚の演奏が終わってピックアップが戻る時、軽く「ピィ〜」という音がする。とくに耳障りというほどではないけれど、SL-PS700の無音からすると、ちょっと残念ではある。
SL-PS700のほうは ─ ふつうの(というのもおかしいけれど)楽曲、ロマン派の交響曲などを聴くにはこちらを使う。
ゴジラの音楽で有名な伊福部 昭氏の交響曲、「シンフォニア・タプカーラ」は、広上さんが日フィルを振って入れたキング/Firebird盤(KICC176。写真左手前)を持っている。
雄大で深沈たる抒情を聴かせる緩徐楽章はすばらしいが、アップテンポな両端楽章はポッポコポッポコと軽く聞こえすぎ、全曲を通して聴かなくなっていたのだが、SL-PS700では、緩徐楽章のハープと弦の深〜い響きはもとより、急速楽章も地に足の着いたリズムが聴けて、ほんとうにいいと思った。
ClassAA回路とは?
さて、オーディオの話題はしばらくお休み、なのだが、この SL-PS700のアナログ・アンプ部は、国内版パナソニック SL-PS700のパネルには記していないが、海外版 Technicis SL-PS700のパネルには、「ClassAA」と記してある。
いったい、この ClassAA回路とはどういうものなのか?
そのみごとな説明が、こちらのブログ記事にありました。
執筆した方にはまことに感謝すべきと思うが、当該ブロガーさんがおっしゃっているように「非常に複雑、かつ高度な知識が必要とされる」とのことで、私にはよく理解できない。
単純化すると、電圧増幅アンプに電流供給アンプを加え、役割を分担して電圧増幅・電流バッファーそれぞれがスムーズに働くように考案したもの、ということらしい。
見てわかる特徴は、4本の抵抗ブリッジで、松下/テクニクスではこの抵抗値セットが決まっている、という。
が、入手できた SL-PS700の海外版サービスマニュアルでは、低抵抗側、すなわち10Ωと33Ωが、それぞれ10倍 → 100Ωと330Ωになっていた。わずかなバリエーションである。
この抵抗ブリッジの形、うろ覚えではあるが、以前、身内が先輩からお借りしていたクオード 405IIの回路図で見たような記憶が‥‥(ネット検索では、似た回路図は見当たらないのだが…)。
いわゆる「カレント・ダンピング」というやつである。
ネット上でもいくつか、クオードのカレント・ダンピング回路との共通アイデアではないか、という指摘を見ることができる。
だとすると、フィードバックではなく、フィードフォワード回路、ということになるのか…。
もっとも、SL-PS700は、この回路ゆえに音がいい、というのではないような気がする。テクニクスのCDPにほんとうに落胆した、(たぶん)SL-P770にも ClassAAは採用されている。
という次第で、平和なオデオが続きますように^^♪
─ が‥‥今後18ヶ月くらい、ハードにもソフトにも支出したくない、とこの前書いた矢先なのだが、いろいろと聴かなかったディスクも聴き出すと、音質面でちょっと気になるディスクがすでに数点出てきており、オクやショップを漁りだしている始末^^。
今までのCDPではどうにもほこりっぽかった、アマデウス弦楽四重奏団によるハイドンの四重奏曲集(DG TRIOの3枚組。写真左奥)。O.I.B.P.を称していなくて、エミール・ベルリナー・スタジオでのマスタリングとしている。
この中から、作品76-5、通称「ラルゴ」を CD5000で聴いた。ほこりっぽさが最小限になり、弦に甘い艶が出て、とても聴きやすい。
続いてズスケ四重奏団(ベルリン弦楽四重奏団)によるモーツァルトの弦楽四重奏曲集(Edel[=Berlin Classics]、6CD、写真右奥)から、第20番 K.499「ホフマイスター」を聴く。
これもじつに甘美、そして原録音もいいので、響きが豊かだ。
古典派の弦楽四重奏曲を続けて、音に満足して聴いた。
たいていの音楽史やCD紹介の本では、ハイドンが先に来て、続いてモーツァルトになるが、これはハイドンのほうが早く生まれている(1732年。モーツァルトは1756年)からしようがない。
が、ハイドンの作中でも最も完成度が高いといわれるらしい、作品76の弦楽四重奏曲群(「皇帝」を含む)は、1797年、つまりモーツァルトの死後6年経って完成している。
いっぽうモーツァルトの「ホフマイスター」は1786年完成(← 渡辺 和『クァルテットの名曲名演奏』ONブックス)というから、10年早いのである。
ハイドンの「ラルゴ」をアマデウスQの演奏+CD5000の音で聴くと、さすがに完成度が高く、音楽的感興も大きい。が、直後に「ホフマイスター」が流れ出すや、その楽想と響きの豊麗さに、ハイドンの印象が薄くすらなりそうだ。
ズスケQのモーツァルトはまた、SL-PS700で聴いても悪くないような気がする。
とはいえ、ハイドンの作品76もモーツァルトの「ハイドン・セット」以降の全て(第14〜23番)も、“これぞ古典派の弦楽四重奏曲”という名曲と考えていいのだろう。
個人的にどうしてもハイドンは楽天的すぎて物足りないのだが、こういった納得できる音質で、モーツァルトと一緒に聴くと、18世紀末ウィーン(とその他の欧州都市)に流れていた音楽のクオリティの、異様なほどの高さを想像できる。
そして、CD5000は、そういうことをじつにうまく伝えてくれるコンポーネントだ。
タマーシュ・ヴァーシャーリとベルリン・フィルの弦のトップによるブラームスのピアノ四重奏曲全集は、その第1番をCEC CD2300のコンデンサー交換時の試聴によく使ったが、このセットに入っている第3番を、CD5000で聴いてみた(写真右手前)。
ブラームスのピアノ四重奏曲第3番なんていうマイナーな楽曲がこれほどしっかりした構成と内容を持っていたとは、初めて知った。
DGのデジタル録音の国内盤だが、弦のエッジのきつさがやや緩和され、とても充実した響きが聴けた。
CD5000は音はもちろん、動作も素っ気ないが安定しているけれども、CD1枚の演奏が終わってピックアップが戻る時、軽く「ピィ〜」という音がする。とくに耳障りというほどではないけれど、SL-PS700の無音からすると、ちょっと残念ではある。
SL-PS700のほうは ─ ふつうの(というのもおかしいけれど)楽曲、ロマン派の交響曲などを聴くにはこちらを使う。
ゴジラの音楽で有名な伊福部 昭氏の交響曲、「シンフォニア・タプカーラ」は、広上さんが日フィルを振って入れたキング/Firebird盤(KICC176。写真左手前)を持っている。
雄大で深沈たる抒情を聴かせる緩徐楽章はすばらしいが、アップテンポな両端楽章はポッポコポッポコと軽く聞こえすぎ、全曲を通して聴かなくなっていたのだが、SL-PS700では、緩徐楽章のハープと弦の深〜い響きはもとより、急速楽章も地に足の着いたリズムが聴けて、ほんとうにいいと思った。
ClassAA回路とは?
さて、オーディオの話題はしばらくお休み、なのだが、この SL-PS700のアナログ・アンプ部は、国内版パナソニック SL-PS700のパネルには記していないが、海外版 Technicis SL-PS700のパネルには、「ClassAA」と記してある。
いったい、この ClassAA回路とはどういうものなのか?
そのみごとな説明が、こちらのブログ記事にありました。
執筆した方にはまことに感謝すべきと思うが、当該ブロガーさんがおっしゃっているように「非常に複雑、かつ高度な知識が必要とされる」とのことで、私にはよく理解できない。
単純化すると、電圧増幅アンプに電流供給アンプを加え、役割を分担して電圧増幅・電流バッファーそれぞれがスムーズに働くように考案したもの、ということらしい。
見てわかる特徴は、4本の抵抗ブリッジで、松下/テクニクスではこの抵抗値セットが決まっている、という。
が、入手できた SL-PS700の海外版サービスマニュアルでは、低抵抗側、すなわち10Ωと33Ωが、それぞれ10倍 → 100Ωと330Ωになっていた。わずかなバリエーションである。
この抵抗ブリッジの形、うろ覚えではあるが、以前、身内が先輩からお借りしていたクオード 405IIの回路図で見たような記憶が‥‥(ネット検索では、似た回路図は見当たらないのだが…)。
いわゆる「カレント・ダンピング」というやつである。
ネット上でもいくつか、クオードのカレント・ダンピング回路との共通アイデアではないか、という指摘を見ることができる。
だとすると、フィードバックではなく、フィードフォワード回路、ということになるのか…。
もっとも、SL-PS700は、この回路ゆえに音がいい、というのではないような気がする。テクニクスのCDPにほんとうに落胆した、(たぶん)SL-P770にも ClassAAは採用されている。
という次第で、平和なオデオが続きますように^^♪
─ が‥‥今後18ヶ月くらい、ハードにもソフトにも支出したくない、とこの前書いた矢先なのだが、いろいろと聴かなかったディスクも聴き出すと、音質面でちょっと気になるディスクがすでに数点出てきており、オクやショップを漁りだしている始末^^。