CDプレーヤー、2台導入…。

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     Marantz CD5000が意外に(or 予想どおり?)よかったので、いよいよ CD2300(改)を売っ払える状態になり、しかし CD5000だけでは読まないディスクが出てくると困るので、後任の適当なローコスト機を探した。

     思いついたのは、マルチビットDAC最終世代で、かつ ALPHAや D.R.I.V.E.がついていないもの、ということで、DENON DCD-755IIをゲット。
     DENONの単品最低価格のCDPは、DCD-700番台で、DCD-735のあと、2000年にDCD-755が登場し、DACはバーブラウンのマルチビット最終世代でサイン・マグニチュード方式の PCM1702になる。
     この機種は、『FMファン』の、長岡鉄男氏の「ダイナミックテスト」の最終回(2000年第13号)を飾った。長岡氏の逝去に伴う急な打ち切りだった。

     当該号は手許にあるが、DCD-735の繊細ながら低音不足の音に対して、十分低音も量感がある、とまあまあの評価だ。
     755は2005年にマイナーチェンジして 755IIとなり(CD-R/RWを再生可とした)、これで DENONのマルチビットDAC時代は終焉を迎える。
     DENONの方針ではなく、バーブラウンも1ビット方式に宗旨替えし、マルチビットDAC自体が過去のものとなったからである(と考えられる)。

     1年後の2006年に、同じシリーズ型番で DCD-755AEが登場しているようだが、デザインが大きく変わっただけでなく、すでに1ビットDACであり、700番台には搭載してこなかった ALPHAプロセッサーの進化型・AL24を搭載し、ここで同じ型番シリーズではあるが、755は大転換しているのである。

     今回、なぜ 755IIにしたのかというと、755の基板にある半固定抵抗が、755IIにはないからである(画像省略)。
     だからといって 755IIでデジタル・サーボに変わったわけではないらしい。
     ジャンク品を修理・調整する場合はこのVRが重宝するらしいのだが、そういう技倆も意思もない私は、完動品を求めたく、そうであればズレる可能性のあるVRはないにこしたことはない。

     さて ─ よさそうな出品品はリモコンがなかったので、単品で出品されているものからひとつ落札、完全な形で入手できた。

    SL-PS700とDCD-755II

     で、この写真、Marantz CD5000にはどいてもらっているのだが、上の黒いCDPは!?

     じつは、入手できた DCD-755IIは問題のない機体であると思われるが、ディスクを入れてTOCを読む時、とくに読んだあとにもどる時らしいのだが、「シュイ〜ン、キュル、キュルルーン!」とそうとうな動作音を発する。
     これは仕様であろうし、いったんTOCを読ませたあと頭出しする時にはさほどでもないので、音楽鑑賞に決定的な妨げではないけれど、ちょっとびっくりした。

     そして、決定的なのは、音が面白くないこと。
     透明感は高く、歪み感はきわめて少ないのだが、出てくる音が「人が楽器を演奏している」ぬくもり感、手触り感をほとんど持たないのである。
     CD5000とは正反対とはいえ、これでは何を聴いても何も感じない。

     PHILIPSの、他では聴けない味わいのあとではどうにもショックであり、マルチビットDACは、ALPHAや D.R.I.V.E.で厚化粧したり、8パラとかでないと音楽が鳴らないのか、と落胆したことしきり。

     そんなことでまたウェブ上を狂った^^;ように徘徊していると、Technics/Panasonicの1ビット・タイプ、いわゆる「MASH」の搭載されたものの中で、1991年の SL-PS700(39,800円)が、当時の評論家、リスナーの絶賛のみならず、今でもいろいろなサイトで賛嘆されているのに惹かれた。

     オク上で、さして高額でなく、リモコンもついている動作品が出ており、何しろ古い機種なので不安はありつつ即落した。
     どうだろう、と恐るおそる開封。

     古いわりにはずいぶんきれいな機体で、とりあえず動作も良好(上写真上段の黒いCDプレーヤー)。
     この機種、よく楽しませていただいている『B級オーディオ・ファン』さんのサイト中に、余すところなく詳述されているので、もはや屋上屋を重ねるに及ばない。

     いろいろなところに特記されているのが、トレイの出入りのスムーズさ。
     ほとんど無音で、速くもなく遅くもなくトレイが移動する。
    ディスクを吸い込んだあと、「ガチャッ」というような音は皆無、中のほうで「ゴトッ」と小さな音がする。
     TOCのサーチ、シーク音は聞こえるが静か。
     これには驚いてしまった。十数万円のCDプレーヤーでもこれほどスムーズではないのではないか、と思う。

     最初に再生したエルガーの「愛の挨拶」では、中間部のヴァイオリンの超高音がじつに美しい。
     いろいろ聴いてみると、高精細な情報量という方向ではないが、どんな音楽も生きいきと、そして美しく鳴る。
     DCD-755IIと比べればなお、聴いていて楽しい。

     デザインは、背が高くて個人的には嫌いなタイプであり、ボタンも多いので、気になるだろうと思っていたが、実際に見てみると、以前使った Technicsの機種(たぶん SL-P770だったと思う。SL-PS700の約2年前のリリースか)と格段に違って、パネル左は何もなく、10キーは小さく、意外と格調がある。

     驚いたことがもうひとつ、四半世紀近く昔の製品なのに、パナソニックのサイトで取扱説明書がダウンロードできる。
     説明書を見ると、このプレーヤーは、搬送時のピックアップ破損防止のために、安全な固定確認法がある。
     固定ネジのような方法ではないので、開梱時に誤って壊すこともないし、またこのことはほとんど知られていないだろうし、したがって実行されないまま多く輸送されてきたと思われるが、全く問題は起きないようである。

    DCD-755IIでよい音源

     DCD-755IIには聴くべきものがなく、3台もCDPを置いておけないので、すぐオク出しにせざるをえない。
     全く取り柄がなかったかというと、面白いことに、DENON/日本コロムビアの日本人スタッフ中心で制作されたアルバム、1枚しか持っていないのだが、カルミナ四重奏団のシマノフスキーの弦楽四重奏曲(上写真、左)は、例外的にめちゃくちゃよかった。

     高精細なヴァイオリンを中心とする音の動きが精緻きわまりないタペストリーを織ってゆくようで、息を呑む。
     これは、搭載されている ラムダS.L.C.というデバイスが、元もとDENONが録音現場のために開発したものだそうなので(カタログ)、ちょうど“録ったデッキで再生する”のと近似した現象が起こったためではないかと思う。

     が、残念ながらDENONレーベルで日本人スタッフ中心で制作したCDは、この1枚しか持っていない。
     この1枚のためだけに DCD-755IIを置いておくということちょっとムリである。
     DENONレーベルでも、ペーター・ヴィルモースら欧州スタッフで制作したフルネ指揮のショーソンの交響曲は他レーベル同様、精彩を欠いた。

     他には、SL-PS700や CD5000ではトゥッティでヴァイオリンの強奏に歪み感の大きい、ミュンシュ/パリ管のブラームス:交響曲第1番(EMI)も、味気ない再生音ながら、DCD-755IIは最も歪み感が少なかった。

     という次第で、Marantz CD5000と Panasonic SL-PS700は、私がこれまで触れてきたCDプレーヤーの中で、外観・操作感・音のいずれにおいても、例外的な存在感を持つ機種であることは間違いない。

     ─ とりあえず、そんなとこです〜。

    MARANTZ CD5000導入 − 紹介&ちょっと深掘り篇

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       ちょっとまえにほのめかした、MARANTZ CD5000が再出品されていたので、落としてしまった。

      MARANTZ CD5000

       中身スカスカの激安CDPで、何も特記するようなことはないはずなのだが、これが海外サイトでは特別扱い^^なのである。

       まず、MARANTZ CD34の PHILIPS版、CD104とか、東芝製CDPとかをリスペクトして掲げているこちらのページの真ん中あたりに、
       「Here is my bedroom wonder, the MARANTZ CD5000, which has a great, great tone stock with no mods thanks to its tda1549 DAC and good buffer」
      と紹介されている。

       本機が特別な関心を集めるのは、ひとえにそのDACが、PHILIPS最後のオーディオDACともいうべき TDA1549だからである。
       上の Jacques氏のページに「See Lampizator for more details」とあるように、改造マニアとして著名な Lampizator氏のサイトに詳しい。

       この‘Lampizator’というハンドルネームは、主宰者がポーランド人であり、ポーランド語で真空管のことを「Lampa」という(「ランプ」のことで、電子管をもいうらしい)ので、“あらゆるコンポを管球化する人”の意味で付けたとのこと
       管球化以外の興味からも、CDプレーヤーの内容面で、このサイトはよく逢着していたように思う。

       Lampizator氏の、PHILIPS CD751紹介ページは、そのブラウザ・タイトルが「Philips_tda1549」であるように、TDA1549情報を掲載している。

       このページの上から、管球化した CD751の内部写真がひと渡り並んだあと、TDA1549TをDACとして搭載したCDプレーヤーを挙げていて、どうやらここに挙がる8機種、ただし PHILIPS CD753は MARANTZ CD5000と同一内容なので、7機種だけしか TDA1549を使ったモデルは存在しないらしい。

       使われているモデルはほとんど普及、というか最安価帯のものばかりのようだが、アルケミストのものがあるのが面白い。さすがに2ヶ使い(差動?)である。これは高価なのだろう。

      Alchemist NEXUS APD32A
      アルケミスト NEXUS APD32a

       サグデン Sugden Audio は現存する英国のメーカーだが、わが国ではほとんど知られていないようだ。

       ─ で、Lampizator氏は CD753にも1ページを割いていて、たぶん撮影後に6H6PのSRPPだかのバッファーを加えたのだろうが、サイトには改造前の写真とともにリスペクトの文章をものしている。

       管球化前の状態でもたいそう Lamp氏のお気に召したようで、末尾には、「Cover it with a rug and play it to the audiophiles and they will say Wadia 860 (毛布をかけてオーディオマニアに聴かせたら、ワディア 860だというだろう)」と書いている。
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        CD5000を聴いての感じでは、それはかなりムリっぽい^^;;。

       PHILIPS/MARANTZのCDPとしても、PHILIPSのDACを使ったモデルはこれで終わりとなり、というか、PHILIPS自体がオーディオ用チップの開発・製造をやめてしまったのでそうせざるをえなくなって、NPCのDACを使ったあと、その後の CD5000番台はシーラス・ロジック社製DACを用い、MARANTZはシーラス製DACを全面的に用いるようになって今に至る。

       ─ さて CD5000のインプレは日本語サイトにはほとんどないが、英語圏では Audioreview.comのユーザーレビューは好評だ。

       反対に酷評なのは、こちらの掲示板
       CD5000と、NADの C521BEEを比較して、圧倒的に C521BEEのほうがいいとする。
       C521BEEのほうは「The bass was tight and undistorted, the highs were incredibly detailed」と高評価、CD5000は「Don't buy it(買うな)」と言っている。

       上の評では、CD5000は特定の音源で低域に歪みが聞こえる、と言っている。聴いた感じでは低域がタイトでなく、混濁感はある。
       いっぽうの NADというブランドは、以前少し日本に紹介されたことがあるが、デザインはドンくさく、評論家もユーザーもほとんど無視状態だった。

       NADは昔の『ステレオ』誌の紹介ではイギリスのメーカーとなっていたが、現在のウェブサイトを見るとカナダ本拠のようである。
       英語版 Wikipediaで見てもそのようで、英国発祥ののち、資本関係の変遷でカナダ本拠となったらしい。

       横道にそれるが、NADはイギリスなどでは低〜中級価格帯製品のブランドとしてかなり大きな支持を得ているように見受けられる。
       C521BEEは、CD5000の Audioreview.comの参考価格$249に対して$299の製品だが、同サイトのレビューページでも CD5000を上回る高評価である。

      C521BEE
      NAD C521BEE

       この C521BEEのオリジナル機・C521のサービスマニュアルもダウンロードできたが、このCDPは CEC CD2300と同じ、BurrBrown PCM1710UをDACに採用している。
       が、オペアンプ電源は±12Vとなっている(デカップリング抵抗を介するので、若干下がるか)。

       CD5000も、オペアンプ電源は±約10Vである。
       より高い電圧を安定化するとトランスのコスト(巻線)がかかるせいか、何と、コンデンサーと抵抗のみのリップフィルターとした非安定化電源であるが、こうした欧州設計CDPは、安価品でもオペアンプの電源電圧をケチらないのである。

       これは、春にいささかトチくるって落とした PHILIPS CD473でも同じだった。
       さまざまなデジフィル技術の巧みを尽くしても、オペアンプは±6Vくらいで動かす日本設計機との違いはこの辺だ。

       CD5000は、私としては珍しくまだボンネットをあけていない。
       すでにネット上で CD5000と CD753の内部写真をイヤというほど見ているからでもあるが、CD5000は、CD753の電解のうち、オペアンプまわりの電源デカップリングと入り口・出口のカップリングの、計6本だけを ELNA CERAFINEにしているらしい。

       TDA1549とセットとして組むデコーダー・チップは、PHILIPS/MARANTZのCDPでは自社の SAA7372や SAA7378となっている。
       というわけで、トラポ、制御系チップからデコーダー、DACまで、CD5000は重要なパーツは全て PHILIPSブランドで固めてある。
       トラポは、一部ディスクで音飛びが発生した CD6000OSEと同じ、VAM1201ということで不安もあるが、今のところきわめて快調である。

       TDA1549Tと PCM1710Uは、スペック的にかなり近いDACといえそうだ。私にもわかる違いポイントを掲げると ─

        PCM1710UTDA1549T
      THD+N -92dB(0.0025%)  -90dB(0.003%) 
      S/N比110dB110dB
       チャンネル・セパレーション 94dB100dB
      チップ内最大fs48fs96fs
      ノイズシェーピング4次2次

       というところで(比較の意味のない項目を挙げているかもしれない)、若干 PCM1710Uのほうが進んでいるようだが、最終的アップサンプリング周波数は TDA1549Tのほうが高く、それでいて消費電流はきわめて少ない(トータル24mA)。
       このDACは、BCC(Bitstream Continuous Calibration)というD/A変換方式を謳っている。DAC7のスイッチトキャパシター・フィルターの名称は記載されいていない。

       さて、音のほうは‥‥次の記事あたりで^^;。
       ひとことでいうと、ヨーロッパ調マイルド型。3月に、ちょっとムダな散財をした、PHILIPS CD473の音に近いといえば近い。

      CD2300、いったん故障^^;;。

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         昨日、秋学期の初日の出勤前に、ちょっとCD聴いてから出よっかな〜、とスイッチを入れると、CDの音が出ない。CD2300のヘッドフォン端子から音が出ていないので、CDPのほうのトラブルと判明。

         あっりゃ〜、明け方には鳴ってたのに、と落胆して、ボンネットをあけて各部電源電圧を測ると、め〜っちゃくちゃ~~
         アナログ(オペアンプ)の±6V(5.9V)電源は、+側が1.6Vほどなのに、−側は何と-10.6Vも!
         デジタル系電源は、3Vほどしか出ていない。この状態で、トラポは正常動作し、FL表示も正常。

         え、え、え?…
         時間がないので仕事に出、帰ってから‥‥疲れたのでしばらく横になり、深夜にボンネットをあけ、基板を取り出してためつすがめつ。
         どうやら各電源間が短絡しているようだ。アナログ電源のプラスマイナス間も短絡。
         えぇ〜っ、ど・こ・が!? わけがわからず、いろいろなところにテスターの導通&ダイオード測定モードで当たってみる。

         すると、デジタルの+電源用のダイオードと、アナログの+側電源用のダイオード(トランスの同じ巻線を共用)の両端電圧がおかしく、時に導通する。
         あっちゃ〜、ダイオードのどれかがイカれたのか、と思ったが、いろいろ触っていると短絡が消えており、ダイオード両端電圧もふつうっぽい値が出る。
         ふむ、ハンダくずなどで短絡していた箇処が消えたのかな、と実装して電源を入れると同じ〜~~。電圧は異常のまま。

         電源を落とし、基板を実装したままいろいろ測ってみる。
         と! デジタル系電源のGNDとアナログ電源のGNDとが導通していない。
         そして、デジタル系単電源(+8V、+5V)のGNDのほうは筐体とも導通していない。
         はっはぁ〜ん、ここがオカシい、と見て、アナログGND(アナログ電源GND、かつアナログ信号GND)とデジタルGNDはどこで1本化しているのか‥‥とず〜っとたどってゆくと、アナログRCA出力端子の直前で1本化され、RCA出力端子のアース側で筐体と1点アースしている。

         前日にハンダを増し乗せしたところで、たっぷりハンダは乗っていたのだが、デジタルGNDからつながる部分にクラックが生じ、ここでデジタルGNDが切れ、アナログGNDおよび筐体アースから浮いていたのである。

         デジタル系+電源とアナログ±の+電源とは同じ巻線から取るので、GNDがコモンにならないと電圧が正しく定まらない‥‥という説明でいいのか、よくわからないが、出力端子直近のデジタル系から来るGNDのパターンとアナログGNDが接する部分のレジストを‥‥

        出力端子GNDレジスト除去。
         こぉ〜っのやっろ〜!!とヤスリで剥がして、レジストの粉を掃除機で吸い取り、そして‥‥

        出力端子GND増しハンダ。
         こぉ〜っのやっろぉ〜!!とハンダを、ただし信号ラインと短絡はしないように、盛った

         で‥‥‥実装 → 測定いたしますと、各部電源電圧正常 v(^_^)。鳴りました。

         いっやはや〜 (´o`;) ‥‥‘もう愛着はなくなっている’なんて言ったので機嫌を損ねたかにゃ〜。

         パーツが損傷している可能性がなきにしもあらずだが、異常電圧の状態でも、それぞれのデバイス、コンデンサーなどの耐圧を超える電圧は一切なく、レギュレーター類には異常動作の際の保護シャットダウン・システムもあるだろうと思われ、とりあえずいけそう、かもです。

        まだ触ってます (^^;

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           またCEC CD2300のオペアンプを換えた。
           もう換えないと言ってましたが〜‥‥だってほかに遊ぶオモチャがないんだも〜ん^^♪

           基板に直接ハンダづけしてしまうので、はずしたオペアンプは廃棄になってしまう(オクに出すとき、いちどハンダづけしたかどうかわからなくなるのはいやなので)が、もういろいろ試聴することもあるまい、とナショセミ LME49720を付けた。

          LME49720

           音出しすると、ソケットを介して聴いたときとはずいぶん違うトゲのある音。
           グールドのブラームスでは、ピアニストの椅子から出ると思われるノイズがキシキシと小さく細かく、しかしはっきりと聞こえて煩わしい。
           ピアノ自体も、音と音とが共鳴して出てくるような付帯音もある。

           ムター+カラヤンのブラームスの協奏曲は、高域の鋭さばかりが耳につく。きわめて透明ではあるのだが。
           情報量の過多がかえって災いしているという感じである。

           少し慣らすと変わるのかもしれないが、PCM1710Uとはどうも合っていない。
           PCM1710Uのデータシート・アプリケーションで使われているのは同じBBの OPA2604だが、ソケット時から、悪くはないが「これが2640?」な感じもあるので、やめる。OPA2604は、もう少し電源電圧が高くないと素顔が見えてこないのかも。

           元の NJM2068DDにしようかとも思ったが、2068ではあまりにまた味がなさすぎるので、ソケット時にもそこそこバランスのよかった NEC μPC4570を選んでみた
           μPC4570は、グールドのピアノはぐっと雰囲気がよく、聴きやすい。他の音源は‥‥深夜につき翌日。

          μPC4570 on CD2300
          去年くらいに買ったものだが、「NEC」のロゴはない。

           LME49720のデータシートはPC内に持っているが、ググってみると、何と TIのサイトに出てくる。ほぉ、TIも同型番でセカンドソースを出しているのか、と思ったのだが‥‥なんと! ナショセミは TIが買収していたのである。知らなんだぁ〜。
           ということは LM3886も TIが販売するデバイスになるわけだ。バーブラウンDACとナショセミ・オペアンプが同じカンパニーで。
           ま、マランツとデンオンも今は同会社ですが。

           ということで、PCM1710U+LME49720の、“祝・TI&ナショセミ合併バージョン”‥‥はボツでした、というオチです^^。

           ‥‥で、翌日。
           夜が明けたあと、少し聴いてみたが、直づけの μPC4570、なかなかいい。
           LME49720ほど神経質ではなく、NJM2068DDほど無味ではない。
           例の、ベルリンQのモーツァルトの四重奏も、中域が厚めに出て高域の刺激は少なく、よい再生だろう。
           J.シュトラウス『こうもり』の台詞からアンサンブルも、DP-1001(改)で聴けた独特のリアル感はないにしても、ずっと続けて聴き進められる快適な音調である。

           スペックだけで見ると、NJM2068のほうが少しだけいい。μPC4570の利点は、チャンネル・セパレーション:120dBという数値(NJM2068は不記載)で、ステレオ・イメージの再現に優位かも。
           最低推奨動作電圧は両方とも±4V。この点は LME49720が±2.5Vと低いので、これに期待したのだがあんまりよくなかった。

           総じて基板直づけになると、ソケット実装と微妙に音が違ってくるような気がした。
           こての熱の影響も、実装直後は‥‥あるのかな? しかし接点抵抗的には明らかに条件はよくなるはずである。
           LME49720も μPC4570も、ソケットを介した時より倍音、あるいはいわゆる声の‘サ行’が若干強めに聞こえたような気がする。

           夜になって、セル/クリーヴランドのドヴォルジャーク:交響曲第8番(EMIのほう)を聴いてみた。
           なかなかいい。が、この音源は左側に寄って聞こえる感じがあり、もう一度オペアンプの足のハンダをちょっと乗せなおし。

           ついでにRCA出力端子付近の基板のアースにもハンダを少し盛った。端子板自体がラインケーブルの抜き差しの際にストレスを受けるので、この部分に引っ張られて基板の銅箔が浮いてきている。浮いていても、切れなければいいわけである。

           音は、今後鳴らし込むことで滑らかになるかもしれない。
           どうやらこの現状で CD2300は「音楽を聴く機械」としてはとりあえず使える。

           いやぁ、なんだか平凡な結末(or 経過)ですね〜 (^_^;)ゞ。
           それにしても CD2300=PCM1710Uの音には、もう飽きてきてます。しかしこれがけっこういいのは、飽きてもそれなりに音楽が聴けること。
           ある意味、ほんとうに音楽が聴ける機器かどうかは、オーディオ装置としてその機器に「飽きて」以降にわかることかもしれません。

          9月になりました…。

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             ‥‥ナンにもしないうちに‘無給の夏休み’2週間は終わりそうである。

             CDプレーヤーの‘コンデンサー交換遊び病’からはやっと恢復しつつあるような…。
             とはいえ、この10日間は昼夜逆転でひと晩中ネット徘徊以外に何もしていず、ず〜っとオーディオ機器の情報、オク情報、キットの現状などを眺めておりましタ^^。

             昨日、土曜の晩には、トイレと、床の続く洗面所の床を、数年ぶり(!)に雑巾がけしました^^;;。
             これがまあ、この時期の収穫でしょうか。

             母が亡くなってから、もう十ウン回忌は過ぎていて(もう法要、してません~~)さすがに何度か掃除はしているはずだが、モノはそのまま、「ポリデント」のほとんど未使用パッケージがホコリの山をかぶってましタ^^;。
             なんぼなんでも「ポリデント」は要らんなぁ、と不燃ゴミ‥‥私はまだ入れ歯、ありません。

             CD2300の音 ─ やっぱり右側の倍音のエッジが立つのかなぁ、と、オペアンプの入出力ピンのハンダを乗せなおしたくなりつつ、プラシーボ的オブセッションであることも明白だし、何よりもう CD2300には執着がなくなっているので、ほったらかしで聴くだけ聴く。
             と‥‥マーラーの交響曲第9番(バーンスタイン/ベルリン・フィル)の終楽章、やっぱりいい!

             ネット徘徊の成果は?
             と、適当なCDPをオクで探していると、MARANTZの CD5000という当時3万円の軽量機に目が向いた。

            CD5000

             いろいろ画像などをググると、このプレーヤー、中身はほんとうにスカスカで、トラポの後ろにちっちゃい基板があり、そこにDAC、アナログ(NJM4560一基)を全部乗せ、リアパネル近くに手持ちぶさたそうな電源トランスがちょこん。

             言ってみればフルサイズ・コンポの筐体にポータブル・プレーヤーの中身を組み込んだようなもの。
             これが意外に海外で音の評価が高い。

             とはいえ1万円を超えると落札する気が失せる。ちょうどよさそうな出品があったのだが、メカ・制御系が、音飛びを発生した CD6000OSEと同じで、かつほとんどの出ものが中国製造なのもイヤで迷っているうちに終わっていた。

             このプレーヤーのDACは、PHILIPS TDA1549というヤツで、ポストLPFが不要の電圧出力DAC、データを見てみると、CD2300の PCM1710Uとどんぐりの背比べのようなスペックだった。
             自分の出品は、1つは落としてもらえたので、明日以降発送。

             このところ、オーディオ機器を好きになれるかどうかの基準は「外観」になってきている。
             ナカミチ IA-4sは、パネルを見ていてとても快適に感じる。ツマミの光沢感までよろしいです。
             CD5000は、さして悪くないが、チャチいし、そうよくもない。

             こんなふうで、何の刺激もなくなった味気ない夏の終わりだが、このところ(話題急変^^;;)ニンニクをよく食べ、ニンニクを3〜4かけ食べた翌日(翌夕方?)は、寝起きがいい(ようだ)。

             それと、この十数年来、左手の甲を中心に消えることなく、ちょっと緩和してはまたブリ返していた湿疹が、不思議に消えてきている。
             なんかいいことでもあるんでしょうかね〜^^。

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            ライヴ・イン・コンサート1991
            ライヴ・イン・コンサート1991 (JUGEMレビュー »)
            内田光子,モーツァルト
            神韻縹渺。
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            Symphony 7
            Symphony 7 (JUGEMレビュー »)
            Bruckner,Berlin Philharmonic Orchestra,Wand
            やっぱりこれは、音楽の世界遺産!
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            チャイコフスキー : 交響曲第6番ロ短調<悲愴>
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            ベルリン放送交響楽団,チャイコフスキー,フリッチャイ(フェレンツ)
            ※クラシックで1枚、といったらコレ!! 新しい国内盤が出ています。
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            Symphony No. 8
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            D. Shostakovich
            ムラヴィンスキー/レニングラードの決定盤!!
            求めやすい alto盤が、Amazon.co.jpにも入りましたので、入替えておきます^^。
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            はてしない物語
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            ミヒャエル・エンデ
            “虚偽”の時代への警鐘!
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            風邪の効用 (ちくま文庫)
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            野口 晴哉
            やっぱりこれは入れておかないと…。
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            野生の哲学―野口晴哉の生命宇宙 (ちくま文庫 な 38-1)
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            永沢 哲
            整体の創始者・野口晴哉の核心に初めて思想研究として迫った力作!!
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            「ひきこもり」だった僕から
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            上山 和樹
            ‘本館’に所感をアップしてます(^^)。
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            言葉と無意識 (講談社現代新書)
            言葉と無意識 (講談社現代新書) (JUGEMレビュー »)
            丸山 圭三郎
            小冊子ながら、限りない示唆に満ちた名著
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            シンクロニシティ (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)
            シンクロニシティ (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ) (JUGEMレビュー »)
            F.デヴィッド ピート
            ‘シンクロニシティ’を可能なかぎり、‘トンデモ’から離れて説いた良心的な一書。
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