メーカー製が欲しい。(勝手も〜ん w )

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     2台のCDプレーヤーのチューニングも追い込めるところまで追い込み、あと DP-1001に少し手を入れてみたいと思うだけになった。

     この時点で、またもや、手を入れた機器への愛着が霧消し、メーカー製品現行品の情報を漁っているありさま。
     では、手許のシステムが聴けないほどの音かというと、今までと違って、CD 1枚かけるにつけ「お〜、ええ音やん^^!」と感心する状態なのである。

     加えて、財政状態はもう生活ができるかできないかのカツカツ状態。
     この時点でメーカー製云々と言っていること自体、オカシイ。狂っている。

     が、それでも「もし予算があったら…」という機器の情報をググり続けている。
     食指が動くのは、ヨーロッパ・ベースの設計の機種である。日本人が、できるだけ噛んでいないものがいい。

     こんなふうに考えるのは、現用のタンノイ Mercury F1Cが、まったく手を入れていないのに、ここ数年ほんとうに不満を感じさせず、いろいろな音源、機器の音を素直に聴かせてくれているからなのであるが。

     この前、ユニットをちょっとはずしてネットワークを見てみたのだが、やはり電解コンデンサーを使用していた。しかしそういうことが全く気にならず、ネットワーク・パーツの交換をしようという気など全然起きないほど、よいバランスで鳴っている。

     で、それ以外の機器 ─
     以前にも衝動的に欲しくなったことを書いたのだが、ローテル Rotelの薄型プリメインアンプ。
     RA-02から、現在 RA-10までになっており、日本版が求められるのは、このうち RA-05(と RA-05SE)だけのよう。

    RA-05SE

    Rotel RA-05SE

     いつ見てもカッコいい^^。トロイダルトランス搭載で重量5.9kg。
     平滑コンデンサーは、現用のナカミチ IA-4s(改)の15,000μF×2よりはプアそうである^^。
     それでも、いちどこんなアンプで聴いてみたい。

     CDプレーヤーは、ケンブリッジオーディオの Azur 651Cがよさそうだが、安価な 351Cでもいいかも。

    Azur 651C

    Cambridge Audio Azur 651C


    Azur 351C

    Cambridge Audio Azur 351C

     写真はひっくり返っても同じ^^。全く同外観、同サイズ、重量まで同じ(公称4.8kg)。
     651Cは、ウォルフソンのフラッグシップのDAC、WM8742をチャンネルあたり1基使い、可変デジタルフィルター機能を持たせている。
     351Cは、同社の普及型(?)WM8728を1基でステレオ使いにしている。

     両機種とも、ケンブリッジ独自のトランスポートとサーボを売り物にしている。351Cもトロイダルトランス搭載だが、キャビネット全体の中身はスカスカ。
     スカスカなのに重さが同じというのは、かえっていいのか?

     英『WHAT HIFI』ウェブ版では、351Cが五つ星、651Cは四つ星である(反論もある)。

    CD6004

    Marantz CD6004

     『WHAT HIFI』でイチオシのCDプレーヤーは、マランツ CD6004
     日本でもこの機種の評価は高いが、ヘッドフォン出力が特にいい、というものが多い。

     かつて CD5003でいい印象を持たず、シーラスロジックのDACにも好印象がないのだが、『WHAT HIFI』の持ち上げ方は並でない。
     これに、「なんで『WHAT HIFI』はマランツばかり持ち上げるの?」みたいな意見もBBSにあった。
     我が国の『ステレオ』がデンオンばかり持ち上げるのと似た側面があるのなら、ちょっと要注意。

     ─ ではあるのだが、このモデル、中国製でなく、福島白河工場での製造らしい。同社スタッフと思しい人のツイッターでこの件が流れ、コピーされている。
     「「頑張れ福島モデル」と言うことで宜しくお願い申し上げます」なんて言われると、よけい買いたくなるじゃないですか^^。

     さ〜てさて。夢のまた夢はこの辺で。
     手を入れてきた機器類は、なかなか得難いほどのクオリティを感じさせはする。が、先日、DP-1001の拙記事に、いささか不愉快なコメントを頂戴したのだが、そのコメントは、DP-1001はオペアンプの電源電圧が低くてよい音がするはずはないから、改造などやめておけ、というものだった。

     ご自分の考えを押しつけるコメントに辟易し、慇懃に対話をお断りしたけれど、オペアンプの電源に関しては、その方の意見に首肯できるところが確かにあるのである。

     国産中級機以下のCDPでは、オペアンプの電源電圧がなべて低い。トランスを安く上げるという営業面の方策なのだろうか。
     海外製は反対で、先日衝動買いしてすぐ手放した PHILIPSの安価機でも、回路図を見た記憶では±15Vだったと思う。

     ±5Vくらいまで下げても測定上の歪みなどには影響しない、というところから、ぎりぎりまで下げた電源に設計するようだが、そんなところが見えてくると、いかにしっかりした設計と Made in Japanの組み立てでも、使う気がしなくなる(Azur 351Cも低いかもしれないのだけれど)。

     なお、ローテルの製品を扱うショップが増えているようなのだが、同社には国内ホームページがなかったと記憶するが、起ち上がっている:http://www.rotel.co.jp/

    ローテル ホームページ

     海外サイトはこちら:http://www.rotel.com/

    Rotel.com

     デザイン、ぜ〜んぜん違います^^。

     国内向けの新しいプリメインとして、RA-1520というのが出ていて、逸品館に内容紹介と音質レヴューがある。

     基板の拡大写真(下↓ いただき画像)もある。
    RA-1520 基板

     なんと! スチコンを多用している。1本だけ赤い抵抗器は PRPなのか?
     リードをのばして実装したスチコン、1本だけの PRP抵抗。これ、見ていたら、自分で手を入れたアンプみたいな感じがしてきた^^;;。やっだぁ〜、こんなの買うの
     いや、アンプとしてはよさそうなのですよ^^。

     ─ ふっむ〜‥‥これなら、手を入れた IA-4sを“オレ風なんちゃって英国風アンプ”として聴き続けるのもまんざらではないのかな〜。

    [後記](6.29)
     ちょっと恥ずかしい記事、書きましたかね〜。消そっかな〜 …。


     ・・・

    DP-1001、ま〜た手入れ!

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      ベルグルンド:シベリウス交響曲全集
       CEC CD2300(改)は室内楽は埃っぽくなりがちだが、オーケストラはあいかわらず聴き応えたっぷり、先日は、パーヴォ・ベルグルンド/ヘルシンキ・フィルによるシベリウス:交響曲第1番(EMI、デジタル録音)を聴いて、またまた大興奮。

       ベルグルンドのシベリウス交響曲全集は‘ご当地もの’でありながら、あるいはそれゆかかえってロマン派的高揚感だけに頼らない、冷静な音楽作りが特長といわれ、第3番以降がよいという評価があり、私もそう感じてきた。

       しかし、今の CD2300で鳴らしたベルグルンドの‘シベ1’には感じ入った。冒頭の暗〜いクラリネットの弱奏から各楽章の盛り上がりまで、ほんとうに活きいきと聴かせてくれた。

       そこでまたケンウッド DP-1001のほうが気になってくる。高域の抜けがいまひとつで、格調感はあるが CD2300に対して物足りない。

       DP-1001には、オペアンプの電源ピン直近の、フィルムコンデンサーによるデカップリングはない。
       電解も、オペアンプやエミッターフォロアーからずいぶんと遠い位置に置かれていてちょっと「これで大丈夫か」と思うほど。
       だが他社にもこんな設計は多くあるようで、何の問題も起こらない。

       しかしオペアンプの電源ピンに可能な限り近く(無理なら電解の足下でもいい)フィルムコンを実装してみれば、高域の抜けは改善されるだろうし、オペアンプの動作そのものも安定し、より高速なオペアンプを乗せても安心だ。
       反対に、懸念は高域強調になりすぎること。ヴォーカルの子音の過剰強調もありうる。

       が、考え出すとやらないではいられないし、新しく買うパーツはゼロ、残りものばかりなので、出費なし。

      DA基板オペアンプ・パスコン

       D/A基板のオペアンプには、 MMT 0.1μFを入れる。
       写真に赤字で記した4、8がピン番号で、4番ピンが−電源、8番ピンが+電源。

       4番ピンのほうは直近にDACのアナログ電源パスコンのGND側があったが、もうちょい源流より? のジャンパー線を端子に使った。
       8番ピンのほうはソケットの足に直結し、GND側はパターンのレジストをやすりで削りとってハンダを盛り、そこにハンダづけした。


       送り出しアンプのほう。
       こちらはD/A基板のオペアンプと違ってディフェレンシャル入力ではないので、非反転入力端子(3番と5番)がGNDに落ちている。
       そこで4番(負電源)と5番の間に WIMA MKS2 0.1μF。8番ピンにハンダづけした MKS2のいっぽうは、またGNDパターンのレジストを削りとってハンダづけ。

      メイン基板に RBD、WG

       その前に、せっかく1階のメイン基板をはずしたということで、±6.6V全体の安定化&デカップリングの1,000μF(オリジナルは220μF。SMG 1,000μFに交換)を、ちょっと“毒を食らわば”で、極低ESR電解・三洋 WG 16V1,000μFにしてみた。
       奥の背の高い、灰緑色の電解である。φ8mmなのでシルク印刷にかろうじて合う。

       いっしょに、出力カップリングを、今まで印象のよくなかった、しかしせっかくギャレットさんで買ってある ELNA RBD 50V47μFに。
       RBD、なんと鉄足~~。抜いた ニチコン MUSE ESのほうが非磁性だった。

       午後、4時間ほどかけてこれだけの作業〜…。
       案の定、ただでさえ高域強調の、フォーレ:ピアノ五重奏曲(ERATO/RVC)は、そうとう高音がキツい。
       が、CD2300よりは、もともとのDAC7の品位感があって、CD2300より悪いというわけではない。

       よかったのは、カルロス・クライバーの『こうもり』の、台詞部分。ほんとうに目の前でドイツ語をしゃべっている感じである!
       歌手たちの、味のある声質、意味がわからなくても聞き耳を立てさせる巧緻の極みの話しぶり、サイコーである。

       ジャズのサックスもちょっと聴いたが、ズート・シムズ『ズート・アット・イーズ Zoot at Ease』(Famous Door → Progressive)から第2曲「キスのさなかに In the Middle of a Kiss」は CD2300でのほうが低音が適度にふくらみ、サックスの音の荒れも目立たず、快適。

       子音強調などは気になるけれど、三洋 WGは、使い慣れた方の意見では、中・低音は十分出るが、エージングしないとドンシャリと評価されやすいので、じっくりエージングすべし、とのことである。(こちらへの、あなろぐ さんという方のコメント)。

       ということなので、しばらく電源電圧をかけ、鳴らし込むまで評価できないでしょう^^♪

       今回、日本語サイトの範囲で、オペアンプを用いたプリアンプ自作記事を探してみたところ、たいていは電源ピン直近のフィルムコンのバイパスを置くタイプだった。

       また、こうしたオペアンプのデカップリングに関して、アナログデバイセズ社 John Ardizzoni氏の「A Practical Guide to High-Speed Printed-Circuit-Board Layout」は勉強になりそう‥‥なのだが、これは非常な高速回路の場合だろう(もちろん、わずかしか読んでません)。
       それと、よく使われるが「グラウンド・プレーン」という概念がわからない。

      CD2300も、ちょい触り中。

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         ケンウッド DP-1001は何とか完了した感じだ。
         CEC CD2300のほうは、すでにDACパスコンのオール・スチコン化で完了しているはずだった。

         だが、DP-1001の透明度の高い音からすると、何か乳白色の靄のかかったようなマイルドさが、かえって物足りなく感じさせる。
         そこで、DACのVddを、以前より実績のある AVX社のセラミックに戻した。
         はずしたスチコンの1本はVcc1のパラにもってゆく。

         ところが! J-Popの、下写真の曲、NOKKOの歌う『人魚』― TV版『時をかける少女』の、何度めかのリメイク版の主題歌。いい曲です^^ ― のシングル盤、いまやレアな8cmCDを聴いてみると、子音のサチ加減がはんぱないのである


        NOKKO『人魚』


         これはセラコンの歪みだ、という感触がありあり、しかしフィルムにすると今度は甘くなりすぎる危惧があって、Vddではなく、Vcc1のパラのパスコンをスチコンからニッセイ MMTに戻す‥‥が、変化なし。

         そこでVddに、WIMA MKP2 0.01μFを持ってきた。
         これで大きく変わったが、オペアンプのバイパスもWIMA MKS2から MMTに換えてしまい、これは音がスイートになり過ぎた(写真右端)。

         オペアンプのパスコンを、また WIMA MKS2 0.1μFに戻した。
         いちいち写真を撮ってもそのラインナップがアウトになるかもと思い、写真なし。

        CD2300、パスコン推移

         Vddのパスコンのパターンもスチコンのリードを伸ばしてICまで持っていっており、今回はそれをホールのところで切って、リードは給電ラインとして使うよう残した。いやはや。

         素面の時に聴いてみると、DP-1001でも『人魚』の子音はやはり気になる。
         通常よく聴く、クラシックの室内楽や交響曲など他の音源も CD2300で少し聴いたが、まあまあか、ということにしておく。
         金〜日曜の2晩で9時間しか寝ていない〜^^。

         シンドさはもう筆舌の限りではないが、そのくせ基板を取り出すと嬉々として「はんだシュッ太郎」とコテとを振り回している。
         こんなにシンドいことになるのは‥‥これを言うとまたイヤミになるが、自分のブログだから言ってしまおう、音源の種類、とくにハイエンドなシステムでさえ再生しづらい音源が、多種類あるということにある、と思う。

         ところで、WIMA社のポリエステル・フィルムコンデンサー MKS2シリーズは、容量対サイズ比にすぐれ、音質も非難もありつつそこそこ使える品種として愛用されている。
         この MKS2は、今回よく付けたりはずしたりした0.1μFを取ってみると、天井部分(薄型なので面積は狭い)に白字で「μ1J63」と書いてあり、側面に印字ないものと、トップに印字がなく、側面に「WIMA/0.1/63-」と銀色で印字されているものの2種があることに気がついた。

         この品種につき、こちらでは、
        「従来よりこれは流通・販売を含めてあらゆる場で「メタライズド・ポリエステル型」として売られ、それは誰も疑わなかった。/ところがやや違っていて「実はfilm/foil型」であったという実態を公表してきた。/ http://www.wima.com/EN/products_pcm5.htm つまりウソだったのだ。」
        とされている。

         リンクしてある WIMAのページの文言には、この Shinさんなる方の説は見えない、としか読めないのだが、更新があったのだろうか。

         加えて、FKP2と MKP2の違いでも明らかなように、メタライズド・タイプよりも film/foil型(=箔型)のほうが高級なのである。
         メタライズド型が優位なのは、小さく作れることと自己修復性が高いこと、であって、損失、そこから高周波特性面でも箔型(積層フィルム型)のほうがコンデンサーの性能としては有利なはずである。

         ただし、音質面はまた別であり、かつ、製造の方式が変わることとは別に音の変化はあることは考えられるし、これもオーディオ系のユーザーにとって厄介なことだ。
         上記ページに関しては、いちど管理者さんに伺ってみようかと思っている。

        ―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

         先ほど、ちょっとじっくり聴いてみた。
         アマデウス四重奏団のハイドン(DG、アナログ録音。DGでのリマスター)は、DP-1001では鮮麗な響きが聴けるが、やや耳が疲れるタイプ。
         CD2300では、何かホコリっぽくて艶がない。オペアンプ・デカップリングのパラのフィルムはないほうがいいのか、とかまた煩悩が蠢く。
         が、これはディスク自体がかなりホコリっぽい音質のようだ。

        クライバーのブラームス
         今夜の圧巻は、カルロス・クライバー(またw)/ウィーン・フィルによるブラームス:交響曲第4番(DG ORIGINALS)。
         このディスクは、リスナー、評論家ともにベストに選出するディスクなのだが、メーカー製機器に手を入れずに聴いていた時、ハイスピードで駆け抜ける演奏とだけ聞こえ、スポーツカーで走り抜けるブラ4なんて、と売っ払っていた。
         最近、シューリヒト盤などを処分し、やはりクライバーはベスト盤だしなあ、と、980円くらいで出ていたのを求めなおしていた。

         これが、CD2300(改)で、スゴかった。第1楽章末尾の気持ちの籠りきったティンパニの強打。
         第2楽章では、途中のすさまじい盛り上がりのあとの弦合奏の厚み!
         全篇、圧倒的なドライヴ感、グルーヴ感に満ちるいっぽう、センシティヴな濃やかさもある。
         ヴァイオリンの高域端には十分艶があり、木管のブレンド感もいい。

         このディスクにこんなに熱くて豊かな音楽が入っていたことは、今夜初めて知った。
         また、装置についても、今まで演奏を続けているうちにウォームアップして音が変わってくるというのは、自分ではほとんど実感したことはないが、今夜は演奏の進行とともに機器類も‘乗って’きているようにさえ感じた。

         いや〜、スゴかった。

        も〜〜ちょっと。DP-1001

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           もう完成〜と感じたはずの DP-1001、いろいろ聴いているとやはりむずかしい。
           昨晩は、ヨハン・シュトラウス『こうもり』、カルロス・クライバー盤(DG、非リマスター国内盤)から、4人ほどの登場人物たちの会話(台詞)部分を聴く。

           これがどうものっぺりして、CD2300のほうが、声の子音がやや強調されがちなものの立体感があっていいように感じる。
           ふむ〜、スチコンの‘適所’がまだ追い込めてないのかなー、と気になってしようがない。
           こうなるともう、深夜にもかかわらず、疲れているのにフタをあける。

           いろいろやった基板写真は、いちいちアップしても迷惑なハナシで、最後に必要な1枚だけ残そうと思って消していたら全部消した‥‥ので、なし。
           その代わりに、TDA1547のデータシートから、各ピンとパスコン/デカップリングのアプリケーションを。

          TDA1547 ピン・アサイン

           赤で「×」を入れたデカップリング抵抗は、DP-1001では使われていない。
           現状は、ほとんどのパスコンは WIMA MKP2の0.1μFであるが、青い○で囲んだ2ヶ処、左右両Chの「Vref」端子。
           ここには220μFの電解の設置が必須で、これはどのメーカーも同容量を入れている。
           私のはニチコン KWにしてある。その横にパラの100nF=0.1μを置くのだが、スペースがきわめて狭いので、WIMAのポリエステル MKS2 0.1μFにしていた。

           よくよく考えると、この Vref端子は、TDA1547のキモ、スイッチトキャパシター・フィルターのバイパスということになり、192fsにアップサンプルされた信号をアナログ変換する、このDACの心臓部に直結する端子である。

           各電源ピンのデカップリングを MKP2(メタライズド・ポリプロピレン)としていても、ここだけポリエステルでは、と考えた。
           そこで、ポリエステルの MKS2 0.1μFとほぼ同サイズの、MKP2の0.01μFにしてみたら、と考える。
           0.1μFを1/10にする例は、TEACの VRDS-10SEなどに見えるし、パラなので問題はなかろう、と MKP2 0.01μFを置いた。
           すると、やはり音が硬いのである

           では、とここにスチコンのご登場! そのかわり、クロック電源はやはり小さくてインダクタンスが小さいものを、とこちらに MKP2 0.01μFを付け、Vrefにスチコンを。
           この配置は期待したが、アナログ電源(上図、緑の○)と重なると、スイートな感じが強まりすぎる。
           もとより、この辺の感触はいずれもプラシーボていどの差である。

           このあたりで、SAA7350のパスコン(47μF電解のパラ)はスチコンから MKP2に換えている。
           空も白みかけるころ、1回の基板はずしには15個のネジをはずさないといけないのもシンドい。

           Vrefからスチコンをはずし、WIMA MKP2 0.1μF ― すでに TDA1547周りに5ヶも並べている、そこそこのサイズ ― は、スペース的に乗らないだろうけれど乗せてみると、乗った
           そこそこデカいピンクのコンテナのような箱が7つ。

           スチコンは TDA1547のアナログ電源の電解パラ(16、17ピン)のみにまで減らし、試聴。
           う〜ん‥‥ずいぶんリアリティが出てくるようだが、何だかまだ平板さが残り、硬い。

           もう気力も限界に来ていたが、この状態でクロック電源にスチコンを戻した。
           もうこれで終わりに、と音出しすると、左の音が出ない! もう一度あけてみると、1階の電源基板の NE5532Nがソケットから抜けかけていた^^;;。

           プレシ・ディップ社のソケットなのに。
           あまりに何度も作業机とラックとに置きかえたので、その都度、注意はしていても、けっこう重いCDプレーヤーなので衝撃を受けたためだろう。

           オペアンプをきちんと挿して聴いてみる‥‥心理的に疲れきっているせいか音があまりきれいに聞こえない。

           4時間ほど寝て仕事に行き、帰宅して早速『こうもり』。よさそうである。台詞がしっかり聞こえ、かつ強調感はあまりなく、歌手の立ち位置も定まり、余韻感も絶妙‥‥(かな^^;)。

           再生しづらい音源の第一たる、マーラーの『一千人の交響曲』(バーンスタイン/ウィーン・フィル、DG国内盤)の、超-大編成で男女ヴォーカルが絡みまくる冒頭部でも、声がとても魅力的で、他方うるささが今まで聴いてきたプレーヤーより少なく、音響としてだけでなく音楽として楽しめる。

           映画『めぐり逢う朝』のサントラ盤(仏Auvidis/TRAVELLING)から、ジョルディ・サヴァールの弾くヴィオールのピチカートが深ぶかとした響きを醸し出す、サント・コロンブ「Le Pleur(涙)」のソロ・ヴァージョンは、スチコン導入後も CD2300のほうが雰囲気のあるピチカートを聴かせていたけれど、DP-1001のほうも撥弦のリアル感が出てきた。

           クロック電源(直近のパスコン)にスチコンは、やはり合っているのか。
           「スチコンはデジタル系が◎」というのがウッドさんのアドヴァイスで、私はやや疑問もあったのだけれど、やはりウッドさんの意見は経験に裏付けられて正鵠を射ていたわけだ。

          試聴盤


           さて、スイッチトキャパシターでPDM変調波をアナログ変換する、というのが TDA1547の売り物だが、実際にはどうなっているのだろう。
           スイッチトキャパシター自体は、コンデンサーの一端にスイッチを接続して充放電することにより、電力消費のない可変抵抗等価の機能が得られる、として、回路図も見られるが、これのネットワーク(?)でD/A変換するという仕組みは如何に?

           TIのほうは、この形式を採用せず、カレントセグメント方式DACと言っている。
           その双方のアナログ変換の仕組みがよくわかるサイトは、まだ発見していない。
           ちなみに CD2300に使われている PCM1710Uのデータシートには、カレントセグメントの文言は見えない。

           PCM1710Uは、最終ステージでは48fsにアップサンプルし、4次のマルチレベルΔΣ変調器を通して「DAC」でアナログ変換されるが、DACの中身の詳しい説明がない。
           PCM1710Uの「4次フィルター」は、SAA7350の行なうようなノイズシェーピングなのだろうか。だとすると、SAA7350は3次ノイズシェーピングなので、PCM1710Uのほうが高精度ということになる。

           このようなことは、光学ディスクを利用せず、PCで音楽を楽しむオーディオファンにも同様に関わってくることがらでありますね。

          もうちょい、微調整…。

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             NOBLEのスチコンのお蔭で、自分だけで追い込む場合に陥りがちな、楽しめない音から脱し、とても美しい音が聴けるようになった2台のCDPである。

             そのあと、DP-1001のほうは、デジタル系電源のパスコンを WIMA MKP2とし、クロック電源と TDA1547の+アナログ電源VddA(17番ピン)と−アナログ電源VssA(16番ピン)とだけにスチコンを置いたが、高域が少し明るすぎる感じ。

             といってデジタル系チップ(SM5840CPと SAA7350)の電源をすべてスチコンにすると、交換当初の‘きれいすぎる’音に戻りかねない。
             2つのICのどちらにスチコンを入れるか。
             スチコンは高性能ではあるが捲回型であるためインダクタンスが多めと言われるので、192fsにアップサンプリングする SAA7350にはふさわしくなく、デジフィル SM5840CPのデカップリングに入れようかと思った。

             しかし、SAA7350は、デジフィルから送られる20ビットのデジタル信号を1ビットのPDM変調信号に変換して TDA1547に送り出す。
             こちらを見ると(見てもすぐにはわからないが;;)、PDM変調はアナログ的性質も併せ持つと言えるようなのである。

             SAA7350+TDA1547のみならず、1ビットDACはΔΣ変調を行ない、これもこちらなどが参考になるが、アナログ的疎密波に、まさに類比(アナログ)的だ。

             作業内容と関係のないゴタクになってしまうけれど、SAA7350のようなチップの電源には音質を配慮したパーツが肝要なのではないか、と ― まさに我田引水的に ― 考え、ここにスチコンを置くことにした(どんなリクツや^^;)。
             デフォルトは0.47μFのフィルム(ポリエステル)のみ、しかも15Ωのデカップリング抵抗があるので、電解も欲しく、すでにSMG 35V47μFを実装している。

            SAA7350電源にスチコン
            SM5840CPと SAA7350(裏面)付近


             なお、こんなふうに考えると、1ビットDACの電源デカップリングは、高周波特性と音質との両方への配慮が重要だ、ということになる(平凡な結論;;)。
             CD2300では、容量を減らしてフィルムコンを用い、高周波特性と音質を両立させる、という河合 一氏の説が、スチコンによって実現したことになる…。

             とりあえず、高域上がりで聴きづらいことで困っている、ジャン・ユボー(Pf)とヴィア・ノヴァ四重奏団によるフォーレ:ピアノ五重奏曲第1番(ERATO/RVC)を DP-1001で。
            フォーレ:ピアノ五重奏曲
             聴感上高域がわずかに穏やかになったようにも聞こえ、しかし実際にはやはりハイ上がりのまま、その高域が耳に軟らかい。
             個々の楽器とアンサンブル全体の響きがともに上質なものになった。

             演奏は秀逸なのにじつに鑑賞しづらいディスクで、新しく買っているパスカル・ロジェとイザイ四重奏団のディスク(Decca)に、切り換えてゆこうかと思っていたところ、この ERATO盤からも豊かな音楽が聴き取れる。

             オーケストラ曲の再生がどうかが、またポイントではあるけれど、それはまたのちほど。

            スチコンをいただきました♪

            0
               も〜ほんとーにCDプレーヤーいじりは終わりにしようと思っていたところ、ウッドさんから、スチコンが送られてきました (^o^;)!

              NOBLE スチコン

               NOBLE(帝国通信工業)製スチコン(スチロール/ポリスチレン・コンデンサー)、50V10,000pF=0.01μFが10本!
               立派である。薄いピンクのパッケージから銀色が見えるので、アルミ箔スチコンのようだ。0.01μFというのは、スチコンとしては最大級の容量。
               サイズは大きいが、容量の割りにはコンパクトともいえる。

               先日、オク出ししていたSiC SBDをウッドさんが落札してくださったのだが、未使用品を格安でお頒けした(つもり^^;)ので、その代わりに、というお心遣い、と拜した。
               しかし‥‥困った^^!

               だって、もうパーツ交換はもうお仕舞いにしたつもりだったから^^;;。
               2台のCDプレーヤーのDACとオペアンプの電源パスコンは、可能なかぎり追い込み、これ以上触ると収拾がつかなくなるという感触を強くしていた。

               が ― CEC CD2300では混濁感の残る、ケンウッド DP-1001も若干鋭さの勝った音が気にはなっている。
               袋に入ったスチコンを眺めると、不思議に心が落ち着く色をしている…。
               やってみるか、と金曜の夜、手を着けた。

               CD2300のDAC・PCM1710Uのデジタル電源 Vdd(8番と21番ピン)と、アナログ電源 Vcc2L(20番ピン)とVcc2R(9番ピン)。
               予想どおり、パターンはどんどん剥がれ、けっきょくスチコンのリード(非磁性体)で、PCM1710Uの電源ピン直近までのばして通電させるという、超アクロバット的作業とあいなりました。ふっへ〜。

              PCM1710Uへの給電

               スチコンは縦の筒型なので、筐体をゆするとテコの原理でリードに強いストレスがかかり、パターンが切れてくるので、ハンダは多めに盛ったが、スチコン自体をいじらないように注意して作業し、シャーシに。

               今回、スチコンは熱に弱いということが念頭にあったので、作業前にかつて買ってあったはずのヒートクリップを探した。数年前の〈お気楽〉DACの製作のときから探しているが見つからない。
               買ったのは、エレキットの管球式CDプレーヤーを作った時にSBDをハンダづけするのに使おうと思って、だった。

               出てきた^^。ハンダごてなどを突っ込んでいる押入れの箱の中でした。
              ヒートクリップ

               ヒートクリップを使うとリードが長めに残るし、周辺パーツ配置によっては使えないところも多く、かつそうとう長時間コテを当てるのでなければ不要と見て、DP-1001の作業では使わなかった。

               で、CD2300への実装、何とか完了。
              CD2300にスチコン投入

               電圧OK、どうなのかなー、と不安と期待を抱きつつフタを閉めて音出し。
               このところよくテスト盤にしている、アマデウス四重奏団員によるモーツァルト:弦楽三重奏のディヴェルティメント K.563。

               耳を傾ける。驚きの美音である!
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