また買っちゃった^^;。

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     むふ〜~~ ‥‥眼窩が痛い〜~~;。
     眼窩 ― 頭蓋骨の目ん球の入っている、落ち込んだ穴の周囲であるが、左の眼窩がイタいのである。
     PCの見過ぎ、“朝までパーツ探し”が災いしていることはあろうだろう。
     が、2年ほど前に治療した歯のブリッジのあたりが炎症を起こし、目に影響しているのか。
     体調も、一種風邪に近く、ぞくぞくする感じもある。

     …というのに、また、買っちゃいました^^。DAC7機。

    DP-1001

     KENWOODの DP-1001である。よく出品され、流通している。
     テンキーもリモコンもない‥‥リモコン、じつは先走って、このCDPのシステム・K'sのリモコンも落としたのだが、リモコンは K'sのアンプ KA-1001にのみ受光部があり、他の機器にはシステム・コントロール・ケーブルをつないで操作する。

     DP-1001Gに、電源スイッチの横にヘッドフォンジャックのように見えるのは、あれはリモコン受光部なのだろう。
     DP-1001Gは、電源コードを太くしたりして単品扱いモデルとした、とのことだが、その辺のサービス変更らしい。が、DP-1001Gでも、オク出品品にはリモコンのないものがほとんどというありさま^^。

     というわけで、操作はちょっと不便だが、Marantz CD34の時代に戻ったと思えばナンということもない。
     完動品だが、ディスク排出時に、ディスクのエッジがメカにひっかったようになり、「ガッ…チャン」と飛び出してくる。それでもディスクにはキズは付いていないので、問題はなさそう。
     即落5,000円+消費税、送料は宅急便なのに一律800円と安い。

    DP-1001 内部

     フロントパネルからして、がっちりしたメタル感を主張した K'sのコンセプトで、D/A部以降の回路は DP-7050と同一といっていいものながら、DP-7050は基板はプラ製ストッパーでシャーシに固定されていたのに対し、DP-1001では、D/A基板は縦に設置され、アングル状の金具などを介して、底板にカチッとビス止めされている。

     その辺で音変わりしている…とちょっと困るのだが、DP-7050よりはぐんと高域が明瞭で、腰高な、カチッとしたサウンドだ。
     「カチッとした」と書いているブロガーさんもいたか、と‥‥この「カチッとした」は、音質の形容であるとともに、ほんとうにこのCDPは「カチッ」というのである^^
     ふつう、CDプレーヤーは、出音時以外は出力をトランジスターのミューティング回路で切っているが、本機はリレーで入り/切りしている。
     高価なパーツなのになぜ? しかもウルサイ^^。

     終段に、フラッグシップ機・L-D1と同じく、2SD2012/2SB1375によるエミッターフォロアーが付いている、のでパワーアンプなみにリレーとしたのだろうか?
     パワーアンプならユーザーが電源をON/OFFする際だけリレーが動作するが、CDPはしょっちゅう入り/切りする。

     DP-7050は、オペアンプ入口に、ディスクリートのカスコード差動回路を入れていたが、DP-1001はオペアンプに直接入り、出口にエミッターフォロアーがあり、それゆえ「最終段にはディスクリート構成のバッファアンプを追加」とうたえる。

     落札したのは、海外で購入されたモデルのようで、下のようなACプラグの変換(形状)アダプターが付いている。
     取説も珍しく付いていたが、中国語(簡体中文)とスペイン語(らしい^^)。

    ACプラグ

     このアダプターはかっこ悪いので、125V12Aくらいの日本仕様のACコードに換えようと思いまス。

     音的には、DP-7050とはそうとう異なるメリハリ・サウンドではありながら、英Decca原盤のミュンヒンガー/ウィーン・フィルのハイドン(BELARTレーベル)が、手を入れた DP-7050と似た、高精細な高弦と、ゴリッとしたベースを聴かせ、その辺は DAC7だな、と思わせる。
     が、このままではかなり味気ない、つまらない音で、導入して「鳴らしてみたら驚きです。ドンドン・シャリシャリと刺激的な個性があります」という感 想も、ありえないものではない。

     で、すでにアスカ情報さん、ギャレットさんで、7,000円を超える交換パーツを購入ずみ^^。

    交換用パーツ

     DP-7050でよかった経験から、WIMAの赤ボックスを多用予定。反対に東信の UPZは、これしかない容量(820pFとか)以外は使わない。
     ディップマイカは、秋葉原店頭での双信や松崎のものより、輸入のコーネル・デュビリエ(CDE/Cornell Dubilier)のもののほうが意外に安かったりする。
     電解は、レーダーシュタイン Roedersteinの220μFを買ってみた。TDA1547周り用。Roedersteinは、フィルムコンデンサーは「ERO」のロゴになるので、「エロい」なんてギャグが飛ばせるが、電解は、なぜかロゴが「ROE」。‥‥。

    考えさせられました。

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      CD473J
       写真は前のを流用^^;。

       海外版 CD473の改造記が、こちらにある。
       ここの上に見えるのが、同系統の Marantz CD75 MkIIだが、ついさっき気がついたが、これの‘お面’がそのまま日本版 PHILIPS CD473Jのお面なのである。
       では CD75というのは、日本でも出ているが、これはちょっとまた違う。

       中身というと、上のサイトの紹介している、やはり CD473のほうで、基板上にひっくりかえした子基板が乗っかっているのが同じ。
       CD75 MkIIのほうは、アナログ出力が2系統あって、固定と可変を分けている。CD473Jは、可変1系統のみで、音質的には音量調整回路(ICを使っているもよう)をパスできないので、改造しないかぎり不利である。

      カペーとホヴァネス

       やって来た CD473Jで気になるのは、再生中のメカの動作音だが、ディスクによって大きく異なり、写真の、米Delosレーベルのホヴァネスの交響曲で、盛大に出た。

       じつはこの盤、買った当時(1995年)現役の、パナソニックの型番は SLP-Jxxxx…忘れたが、ゴォキュッパ機で、冒頭にD/A変換不能によるノイズが、盛大に入って、求めたタワーレコードで交換してもらっても同じ、という問題があった。
       ここは、何ごともなくパス。やはり信号に対する追随性はきわめて高い。が、シャシャシャシャシャ…とりスニングポイントで聞こえるメカ音は、好感度を一気に減殺した。

       いっぽう、SP復刻盤では、針音がメカ音をマスクする…だけでもあるまいが、たいへん音楽的な再生を聴かせ、あまり聴き通すことのないカペー四重奏団のベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番を聴いた。何か初めて「カペーを聴いた」という気分にさせられた。

       CD2300(改)との比較表を作ってみると…

       CD473J   陽   暖色  ポジティヴ  やや雑 
       CD2300(改)   陰   寒色  ネガティヴ  かなり精細 

      ということになりそうだ。

       ‥‥安物だが‘純正PHILIPS’を手にしていろいろ考えさせられた。
       黙って音楽を聴いているなら ― そしてメカノイズをあまり気にしなければ ― PHILIPSで十分なのだが、私自身のマインドに“何も手を入れずに機器を使って音楽を楽しむ”ということで楽しみを得る、という要素が、あんまり、というかほとんど無いことに今さらながら気づいた^^;;。

       ゆうべ、そんなことを考えて午前中まで寝られなかった。
       自分が手を加えると明らかにネガティヴで、聴いてリラックスできない音になるのに、なんでこれほどまでに「自分が手を入れる」ことに執着するのか?

       あんまり考えないでも自分でわかっていることだが‥‥ずっと自分自身が社会、といって大げさなら「周囲」に入りづらく、いわゆる“居場所”がない状態であり続け、さらに高齢化してその度合いが増しつつあるという現状が、オーディオに出費できないというお財布事情とあいまってこういう偏執的性向に至っているのである。

       という次第で、すでに CD473Jへの気持ちは霧消したに近い。
       さきほど、ある安価機のサービスマニュアルを、497円で買いました。

      PHILIPS CD473J 導入…。

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         調子よく鳴ってくれていた DENON DCD-1515ALが、私のちょっとした不注意から昇天したあと、ケンウッド DP-7050のほうにも、特定ディスクの再生で音飛びが発生し、2台の、'90年代の Made in Japanとは1年でお別れとあいなった。

         メカが完動なのはオクに出す予定だった CEC CD2300(改)だけなので、久しぶりにラックに入れて、ワルター/コロンビア響のマーラー:交響曲第1番『巨人』(英Sony Classical、リマスター表記なし)を聴いてみると‥‥DCD-1515ALでは物足りなく、ハイ落ち気味に聞こえる音源だったものが、キラキラと繊細に輝く第1ヴァイオリンのトレモロに乗って始まり、「お〜、さすがオレのチューンが入っとる^^!」と悦に入ってしまった。

         とはいえ、CD2300(改)だけでは、長時間聴くには神経質すぎていささかつらい。
         くわえて、フシギなことに(どこが!^^;)1年で収入の最閑散期~~となるこの時期に、毎年CDプレーヤーが欲しくなるのである^^;。

         いつものオクを、期待と落胆と焦燥に駆られてウロツキまくると、DP-7050の仲間の DP-7020などというのが出ていたり。これは評価も高く、時折りブログを拜見する 杉ちゃんさんも落札されている。
         が、同じ系統のメカを持っているものはちょっと敬遠。

         違う系統、となるとフィリップスのスイングアームが、全く違う系統になるが、スイングアームを採用したCDPは、最近はほぼ絶滅、中古で出てくるものでもフィリップスかスチューダー/ルヴォックスの高級機ばかりだ。

         安価機でたまたま出ていたのは、PHILIPS CD473Jという機種。海外ヴァージョンの CD473と、中身は同じと思われるが、フロントパネルの形状が異なる。
         CD473(海外)は、フロントパネル下部1/4ほどがスラントパネルのように前にせり出した構造になっている。
         下の写真は、さらに下の文にリンクしたサイトからいただいた。

        PHILIPS CD473(海外ヴァージョン)

         日本向けの CD473Jは、このせり出しをやめ、ありきたりのフラットなパネルとし、操作ボタンのみ下端を前にせり出す形状としている。

         ショップの開始価格は15,000円。四半世紀前の安価機としてはお高めである。PHILIPSのスイングアーム機ということで、こういう値付けにもしたのだろう。
         即決16,000円にしていたが、まず入札者はあるまい。
         で、落ちた。

         CD473に関しては、こちらに、初期の PHILIPS、MARANTZのCDプレーヤーの主だったものを紹介する中に上がっている。
         この記事中、PHILIPS CD104とあるものが、日本におけるかの Marantz CD34である。

         CD34直後世代の CD150は「The sound is sadly likewise: synthetic and plasticky((筐体がプラスチック主体であるのと)同様、音もシンセっぽく、プラスチックふうだ)」と酷評なのに対し、CD473は、
         「…this one is almost 100% plastic. ‥‥The CD473 isn't the best Philips there was, but it doesn't sound as synthetic as the CD150 did. Like all swing-arm/TDA1541 equipped players, it sounds full and smooth in the bass, creamy in the midrange and fluid in treble.
         (…本機はほぼ100%プラスチック製である。‥‥CD473は、最善の Philipsではないけれど、CD150のようにシンセ的な音ではない。全てのスイングアーム+TDA1541搭載プレーヤー同様、豊かでズムーズな低域、クリーミィな中域、そして滑らかな高域を聴かせる。)」

         などとあるではないか!^^ノ

         で、来ました。
        PHILIPS CD473J

         いそいそと開梱し、ディスクを入れて鳴らすと…

         ♪シャカシャカシャカシャカ…
         あっれ〜 (◎o◎;)ノ なんだこのメカ・ノイズは!!??

         いっや〜、四半世紀前のプレーヤーは回るといってもこんなトラブルが…と中をあけてみると、ディスクのエッジがトレイの一部に接触してシャカシャカいっているのがわかり、トレイがあと0.3mmほど前で止まれば‥‥などと思ったのだが、
         これは私などが犯してはならない超-アホ凡ミスをやらかしていたのだった!! (●^m^●;)

         つまり、スイングアームのプレーヤーは、輸送時のメカ固定ネジが底板に挿されていたのである。
         見ると、赤いピン(ネジではない)が2本挿さっていて、ごていねいに使用時に保管するダミー穴まで設けられていて、そこへ移せ、というわけである。

         う〜ん、これでメカがダメージを被ったかな〜。
         しかし、ピンを移動してディスクをかけると、スムーズに回り、鳴った!

         CD473のメカは、CDM2か CDM4/11か、どちらかということらしいが、入手した CD473Jは、TDA1541+CDM2であった。
         ふむ〜‥‥音質は、まあ価格帯相応。なのだが、やはり一聴、「これが四半世紀前の普及機? なるほど PHILIPSの音だな〜」というくらいの感銘は十二分にあった。

         日本マランツ扱いで、Made in Belgiumであるところ、ディスクトレイに8cm CDを落とし込む枠がないなど、約27年前の CD34に似た部分が多い。

         手を入れた CD2300でけっこう感激して聴いたワルターの『巨人』。この終楽章を CD473Jで再生してみると、高域はけっしてキラめかないが、そこそこきっちり出てくる。そして、グランカッサ(大太鼓)の「ド〜〜ン」は、小さな Mercury F1Cをドライヴして、意外なドスを聴かせる。

         「オーディオ」として聴くなら、手を入れた CD2300のほうが明らかに楽しめるのだが、ブランド米を使ったおにぎりながら、パラパラこぼれて食べづらい、というのが率直な感じ。
         CD473Jは、安い米だがパラパラと崩れることのないおにぎり、というところ。

         TDA1541/TDA1541Aは、ダイナミック・エレメント・マッチングというD/A変換方式を持つマルチビット型DACで、この回路に、各チャンネル7ヶのデカップリング・コンデンサーを要する。
         ハイエンド機やマニアの自作DACでは、ここに ASCやなんぞ、高級フィルムコンを使い、TDA1541の両サイドに、衛兵の隊列よろしくコンデンサーを整列させるのが見どころであるが、CD473/CD473Jクラスでは、見えない^^。
         基板裏面に、表面実装のチップ・コンデンサーを実装しているのだ(本機では未確認。他サイトにて)。

         このチップコンはたぶんセラミックなので、音質的にはあまりよくないと思われるが、そこら辺も計算の上で、このクリーミィな(経年でクリームはそうとう乾燥しているが^^)サウンドをデザインしているのだろう。
         とりあえず、DP-7050や、かつての CD6000OSE、あるいは初期不良修理以前の CD2300でトラブったディスクのトラックを再生させてみたが、今のところ何ごともなく通過する。

         ディスク内周、つまり若い番号のトラックを再生する際には、回転速度が速いので昨今のプレーヤーよりはモーター音がうるさい。これが、固定ピンを付けたまま動作させたことに起因するのかはわからいないが、たぶん当初からこんな感じだったという気がする。
         いろいろゴタクをコネクリマワシたいことはいっぱいあるが、それは今後の記事で^^。

        DENON DCD-1515AL破損。

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          画像なし^^;。

           DENON DCD-1515ALは、このところ無改造でいい音を聴かせてくれており、気持ちもオーディオから離れてしまっていた。

           そんな DCD-1515AL、カップリング・コンデンサー以降の対GND抵抗値を測ろうとフタをあけ、測ると約12kΩ。
           これだとカップリング100μFはちょうどだな、と思い、そこでやめておけばよかったが、通電して、主信号系でない、マイナス電源の電圧を測っていたところ、バチッと火花が飛んで、それまで -45V出ていた電圧の部分が -7Vほどに下がった。
           異臭もしたので、電源を切っていろいろ見てみたが、焦げたパーツなどはなし。

           再度電源を入れると、やはり -45Vのところがずっと低く、また異臭がし始める。
           いろいろ触ってみると、電源トランスが熱い。
           どうも、電源回路のツェナーか何かをショートさせ、それで電流値が多くなったような感じだ。

           CDを入れて読ませると読むが、これはマズい。
           回路図は流布していないので、お手あげ。

           残念だが、廃棄することにした。
           ダイオードの一端とGND間の電圧を測定して(もちろんテスタはDCモード)不具合が生じるような設計は、のちのちも問題を起こす可能性が高く、もちろん今回は、テスタの先端で2つの部品間を短絡させた可能性も高いけれど、素人が手を入れつつ使い続けるには、アブない。

           とてもいいCDプレーヤーだったので、ほんとうに残念だが、約5,000円の出費、1年のお付き合いでお別れと、あいなった。
           さて、するてえと CEC CD2300はオク出しできなくなる? それとも別のCDPを?

          モーツァルトなど大幅入れ替え。

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             たいへんな勢いでCDを買い込んでいるが、同じ楽曲で4種を超える演奏・ディスクは持たない、というのを基準にしている。
             というわけで、買ったら売らないといけない‥‥出費補填の意味もあるが、中古店への売却は、このところディスクユニオンでさえブックオフの様相を呈していて、フツーのCDなら1枚50〜100円にしかならないから、手許のCDコレクションをできるだけ‘理想の顔ぶれ’にしておくという意味がほとんど。

             モーツァルトの後期六大交響曲 〜 第35番『ハフナー』から第41番『ジュピター』まで 〜 は、個別にシューリヒトやワルターのを聴いているが、セットでは(バラ売り版だが)クーベリック/バイエルン放送響(CBS → Sony)のを持っていた。
             大勢の評論家にも絶賛のものだが、実際にはあまり聴かない。聴くと、ちょっと穏やかすぎて、いわゆる‘微温的な’物足りなさを感じる。

            クーベリックのモーツァルト

             そこで今回、3枚とも放出ということにした。
             置き換わったのは、ステレオ初期の決定盤・ベーム/ベルリン・フィルの、DG ORGINALS盤。全集も同じリマスターだが、全集はまず買う可能性はゼロなので、これを。
             ほんとうに最初にクラシックを聴きだしたころ、第35番『ハフナー』の17cm LPを、このベーム盤で買った。
             第40番ト短調と第41番『ジュピター』のカップリングの30cm国内盤LPも、この演奏だった。
             このアルバムと、安い外盤中古があったので、アルノンクールの再録音、ヨーロッパ室内管のライヴ(Teldec)で、第38番〜第41番の2CDも。

            (※「アルノンクール」は一般には「アーノンクール」と表記される。フランス語、ドイツ語いずれでも、(語末以外の)r が母音化することは考えられない[日本人が聞いて聞こえないことはあろう]し、こちらなどを参考に「アルノンクール」と表記することにする。井上太郎氏も「アーノンクール」はおかしい、と書いていた記憶がある。)

            ベームとアルノンクール

             同じ2枚組なのにベーム盤は後期6曲全部、アルノンクール盤は4曲しか入っていない‥‥のは、この4曲しかヨーロッパ室内管弦楽団との録音がなかったから、だけではなく、アルノンクール盤は第41番『ジュピター』など40分もかかる演奏なので、時間的にも2枚には4曲しか入らないのだ。
             なお、ネットオクで入手したベーム盤は、アメリカ盤だった。

             やはり「クソ」がつきそうなほどマジメなベーム、対してアルノンクールは、この人のご面相から連想するのもアレだが、悪戯っぽさを感じさせる自己主張なのだが、『ジュピター』の一部を聴いたぐらいだけれども、どちらも壮麗で気合いの入った立派な演奏である。
             とりあえずクーベリックの大人しさよりはずっと、私には満足を与えてくれる。

             余談だが、クーベリック盤の、第38番と第39番をカップリングした1枚は、異常なまでに音量レヴェルが低い。
             Amazon.co.jpのカスターマーレビューにも指摘されていて、レビューされているのは1,250円の、最も新しい国内盤なので、これも同じマスターだとわかる。
             CBSの全録音をまとめた海外盤ボックスはどうなのだろう。

             第36番『リンツ』と第39番は、ジェームズ・ロックハートのディスクも持っていた。これは、こちらに取り上げられている。
             記事にあるように、東京芸大の客員を勤め、名誉教授になっている人で、わが国の音楽教育が恩をこうむった人でもある。

            ロックハートのCD

             EMIに録音しているメンデルスゾーンの交響曲第4番『イタリア』が、たまたま聴いてみてエネルギッシュかつスタイリッシュな立派な演奏なので興味を持ち、中古店で見つけたモーツァルトも買った。

             『イタリア』のほうは、カップリングの第3番『スコットランド』のほうが、サー・アレグザンダー・ギブソン/スコティッシュ・ナショナル管という、スコットランド人たちによる‘本場もの’(たぶんそういう顔合わせの第1号)だったので買ったのだが、この『スコットランド』は、正直に言って面白くない。
             ギブソンはのちに Chandosに入れたシベリウスなどは評価も高いが、この EMI録音は録音も冴えないし、演奏も乾いている。

             そのロックハートさんのCDではあるが、なかなかいい演奏なのだが、細かいフレージングに‘華’がない、と言ったらぜいたくすぎるだろうか。
             『イタリア』は、アバド/ベルリン・フィル盤(Sony)が決定的で、申しわけないけれど入れ替え。
             モーツァルトのほうは外盤マイナーレーベルということでか、査定は20円だった…。
             この2枚は売却を取りやめてネットオクに出そうかと思ったが、送料こっち持ちで、封筒代、落札手数料などを込みに計算すると、2枚抱き合わせで400円以上の開始価格にしなければ採算が合わない。
             それで出品して、たぶん入札はおろか、アクセスも極少だろう。査定額50円前後というのも、買取のリスクテーキングを入れるとしようがなさそうだ。

             さて、モーツァルトの室内楽は、弦楽四重奏曲はアルバン・ベルク四重奏団の旧盤(Teldec)でハイドン・セットと『プロシア王』を、弦楽五重奏曲はメロス四重奏団で2枚ほど持っていたが、両団体とも演奏が立派すぎる。
             これは交響曲と反対で、モーツァルトの室内楽で交響的にすぎる演奏というのは、聴いていてシンドい。
             アルバン・ベルクQのディスクは、録音の音質もきつく、しかしこれは第1ヴァイオリン・ピヒラー氏の音自体もきついのである。

            アルバン・ベルクQのモーツァルト

             ではこれは何に、というと、第8番から第23番(『プロシア王』第3番)までを収録している、ズスケ四重奏団の6枚組(Berlin Classics)を選んだ。

            ベルリンQのモーツァルト〜LP
             ズスケ四重奏団は以前はベルリン弦楽四重奏団と呼ばれていた。
             ベルリンは、東ベルリンで、旧東独VEB Schallplatten録音なので、国内盤LPは徳間音工から出ていいはずだったが、なぜか西独 Eurodiscを経由して日本コロムビアから出ていた。左は、小さい画像をちょっと拡大したが、中古店のサイトからもらった、その第14、第15番のLPのジャケット。
             名盤選のような本で、モーツァルトのカルテットでズスケQをあげるものは全く見ないが、このLPが国内盤で出た時には、『レコ芸』の月評で高評価だったゆえか、注文して買った記憶がある。

             ベーム盤と同じく、数十年ぶりかもしれない再会。これはいいです。
             第1ヴァイオリンが浮くこともなく、典雅でありつつ楽曲の構造はしっかりと描き出す…そんな演奏。

             最近の Berlin Classicsのボックスセットは、5枚くらいでも3,000円しないものが多く、各ショップで3,000円を超えるこのセットは、簡単なパンフくらい入っているかと思ったがナシ。
             各ディスクは紙ウォレット入りで、困ったことには、録音データはもちろん、カルテットのメンバー名すら記載していない。

             この四重奏団で、ベートーヴェンの中〜後期を、バラで数枚買った(徳間の千円盤CD)ことがあるけれど、ベートーヴェンは物足りなかった。
             私の感覚では、ベートーヴェンはアルバン・ベルクQ、モーツァルトはズスケ(ベルリン)Qが、それぞれ合っている。

             最後に ―
             このところ、好きな指揮者、たとえばカール・シューリヒトやピエール・モントゥーのCDでも、自分の感触に沿わないと感じたものは手放している。
             モントゥーでは、有名なウィーン・ライヴのチャイコフスキー(Vanguard/コロムビア)は面白くなかった。とくにオグドンとのピアノ協奏曲は、オグドンの演奏に繊細さが聴き取れない。
             シューリヒトは、コンサートホール原盤のブラームス:交響曲第4番にはお別れした。

             クルト・ザンデルリンクも尊敬する大指揮者ではあるが、ブルックナーの交響曲第7番は、ヨッフム/ドレスデンの全集のほか、ジュリーニ/ウィーン・フィル(DG)、シューリヒト/ハーグ・フィル(コンサートホール→ Preludio)に加えて、去年の球フェアの日に買ったヴァント/ベルリン・フィル盤と、ザンデルリンク盤を入れると5枚になる。

            ザンデルリンクのブルックナー

             ブルックナーの7番という曲は、1楽章ですらそう安易に聴けるものではない。もちろん数十種のディスクを持っているリスナーは大勢おられるだろうが、私は4種で十分。
             というわけで、ザンデルリンク/シュトゥットガルト放送響(Hänssler)とお別れ。
             これは、じつにゆ〜ったりした、マイルドな演奏で、好みと言えば言えるのだが、いささか柔らかすぎるフトンにくるまれているような感触がかえっていけない。リリースされた翌年の『レコ芸』リスナーの推薦盤として、私の投稿した文言が載ったこともあり、ちょっと責任は感じるが、ごめんなさい。

             隣のは、ずっと早いころ録音された、ゲヴァントハウス管との第3番(Berlin Classics)。
             トゥッティで歪み感があるようなので、ヨッフムの全集盤に任せて、こちらも手放そうかと思ったのだが、時をおいて聴くと、そう問題もないし、演奏はヨッフムの演出を感じさせるものとはかなり違う素朴かつスタイリッシュなブルックナー、これは残しておきましょう…。

             上の、ズスケQのモーツァルト同様、ザンデルリンクの3番も NO NOISEシステムのノイズ・リダクションを利用している。
             そのための情報量劣化はあるかもしれず、平林直哉氏などは嫌うだろうが、NO NOISEを使っていないはずの徳間盤は、もはや Amazonにも出てこない。

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