先月末に Amazon.co.jpの海外マーケットプレイスに注文したCD 5点が、先週までに届いている。
ちょっと興味が出て欲しくなった曲や、持っている曲のディスクを別のものに換えたいという動機。
①〜③までが同じショップで、10月30日発送メールで11月8日到着なので、約1週間。同梱されてきた。
①は、英ハイペリオン Hyperionレーベルの、シマノフスキー・ヴァイオリンとピアノのための楽曲全集。
②は、ちまた? で大人気の、ヴァシリー・カリンニコフの交響曲第1番、第2番。英シャンドス Chandosレーベルの、ヤルヴィ指揮スコティッシュ・ナショナル管弦楽団。
③は、聴くと脳が活性化すると噂の、モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ K.448を収める、マレイ・ペライアとラドゥ・ルプーによるデュオ(Sony)。この1枚だけ、ケース表側にクラックが入ってました~~。
④と⑤の2点は同じショップで、こちらは④が最も遅れ、11月16日に届いた。それでも半月ほどだ。
Amazon.co.jp自体が持っているものもあったが、Amazon本体のほうが安くなる、ないし100円ていどしか違わない場合以外はマケプレで買う。
上のショップは米国本拠、下の2点を買ったショップはドイツ本拠と称するが、両店ともドイツ発送だった。
①は、シマノフスキーのヴァイオリン・ソナタでよいディスクがないか調べていて遭遇した。
手持ちのは、韓国出身のヴァイオリニスト、チー・ユン(キム・チーユン 金 詩妍)と江口 玲によるデンオン盤。チー・ユンというヴァイオリニストは、明らかにコンチェルトなどの似合う、ヴィルトゥオーゾ・タイプの、スケールの大きな演奏をする人で、室内楽にはちょっと合わないものを感じていた。
入手したのは、ロシアの若い女性ヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァ Alina Ibragimovaとフランスのピアニスト、セドリック・ティベルギアン Cédric Tiberghienによるデュオ。
上にリンクしたHMV(ここのマルチバイより500円安く買いました^^)のレヴューでも高い評価だし、音楽好きの方たちのブログでかなり評判のようだ。
この人の名前、イブラギモヴァは、アブラハムのアラビア語形・イブラヒムに由来するように思える。‘ロシア生まれ’という以上の情報は見つけていない。
英語版 Wikipediaによると、ロシア人やタタール人の姓としてふつうにあるという。
で、この演奏、まだちょい聴きなのだが、じ〜っつに繊細で、美しい。加えて、ピアノのティベルギアンがまた繊細。チー・ユン盤では江口さんのピアノは、ひたすらヴァイオリンに合わせ、自身の主張が見えない、というより、チー・ユンのようなヴァイオリンだと、インティメートに歌い交わすことはできないので、ソロを生かすべくバッキングに徹したという感を持った。
②のカリンニコフは、あまりに評判 ― 名曲というより、佳曲という ― なので、一度聴いてみたいと思い、手を出した。
これはもう、こういう曲なのだろう。NAXOSにあるテオドール・クチャル指揮の盤が安いけれど、NAXOSの‘ちょっと無名指揮者’ディスクには、先日のスヴェンセンで懲りたので、やや高いけれどヤルヴィのレギュラー盤を求めた。
③は、まだよく聴いていない^^;。同じジャケで、Amazonにはいくつかの商品が登録されていて、値段が違い、いちばん安いのを買った。
この盤の面白いのは、‘SONY CLASSICAL ORIGINALS’というシリーズの1枚で、ポリグラム系の ORIGINALSシリーズと同じく、レーベルがLP盤面になっていること。
ソニー買収後の CBSは、かえってオリジナル・レーベルの COLUMBIAを堂々と表記したりするようになっているが、これも、ヨーロッパCBSがクラシックのイメージアップのためにか、MASTERWORKSというレーベルを復活している。レーベル・デザインまでオリジナルどおりかどうかは確認できないが、きれいだ。
④は、ヒラリー・ハーンとヴァレンティーナ・リシッツァによる、アメリカのチャールズ・アイヴズのヴァイオリン・ソナタ全集(DG)。
こちらはすでに有名な女流で、この盤の評価も高い。音色が、まるで電気的発振音のようで、おかしい、というレヴューもあるが、実際ちょっと特殊な音色を、意図的に出しているようだ。
これは、NAXOSの、カート・トムソン盤が、美音ながらあまりに平凡な演奏だったので買い替えたく思っていて、ただしよいディスクが見当たらずにきて、やっとハーン盤を見つけた。
このディスクだが、たっちんさんにご紹介いただいた、「節操のないクラシック音楽嗜好」さんが記 事で詳細に論じられており、私など何も言うことはない。
米Amazon.comの商品ページには、レヴューが19件投じられており、賛否があるが概ね好評のようだ。
余談だが、いつも思うのは、わが国の Amazonや HMVのカスタマー・レヴューには、そうとう乱暴なものが多くて、ていねいな論評は少なく、一読、国語力の限界を露呈している(私もいえませんけど^^;)投稿が山を成している観がある。
米Amazon.comのレヴューは、これに比べると実にていねいで、アメリカという国が、文化教養面で決してバカにできないという印象を持つ。もちろん、そこにはある種階級格差があるからこそ、かもしれないけれど…。
その米Amazon.comの同ページに、「"koshiro" (Japan)」として投稿されている方、「節操のないクラシック音楽嗜好」のブロガーさんではないか思う‥‥おっと、書いてよかったっけ。事後承諾をお願いしよう…汗;;。
最後の⑤は、サンソン・フランソワの弾いた、ショパンのエチュード集(仏EMI)。
これ、ポリーニのディスクがつくづくイヤになり、代替演奏盤を決めかねていた。ポリーニの完璧演奏は、どう聴いても‘ショパン’の雰囲気がなく、もはやオーディオ調整音源だけに成り下がっていた。
練習曲だと、指テク的にフランソワはどうなのかな、という懸念はあったが、何より『Les Introuvables de Samson François 知られざるサンソン・フランソワ』(仏EMI、8CD)があまりにすばらしかったので、フランソワ、と決めた。
まだちょい聴きだが、期待に違わぬフランソワ一流の‘詩味’が馥郁と漂う演奏。やっぱりショパンはこうでなきゃ。
実はフランソワのショパン集成も、(月給もらっていたころ^^;)買っていたのだが、ご馳走も目の前に並びすぎると食傷するように、かえって有難みがなくなって手放した。
このエチュードの1枚は、すでに廃盤の残り在庫のようだが、国内盤はリマスターがやや不安なので、こちらにした。仏EMIもクレンペラーのマーラーで大失望したので不安もあったが、いいマスタリングだった。「STEREO」表記だが、モノ録音(ほとんどのトラック)は擬似ステレオ化してはいない。
[動画追加](11/25)
カリンニコフの交響曲第1番第1楽章、YouTubeにあるライヴ映像を。
FSUフィルハーモニアというオケの演奏です。1分23秒くらいから流れる流麗なテーマがこの曲を有名にしたもののよう。不運のうちに夭折した作曲者の人生に重なります…。
アリーナ・イブラギモヴァの映像も。
英語版 Wikipediaによると、やはりタタール系と記されています。
1996年、10歳の時、彼女のお父さんがロンドン響の主席コントラバス奏者に就任したことからイギリスに移住、そのイギリスの環境についてインタヴューに答えた映像、みたい。
彼女のオフィシャルサイトもあります。
演奏から離れると、ふつーのおねえちゃんです。田畑智子にちょっと似てっかな〜^^。
ちょっと興味が出て欲しくなった曲や、持っている曲のディスクを別のものに換えたいという動機。
①〜③までが同じショップで、10月30日発送メールで11月8日到着なので、約1週間。同梱されてきた。
①は、英ハイペリオン Hyperionレーベルの、シマノフスキー・ヴァイオリンとピアノのための楽曲全集。
②は、ちまた? で大人気の、ヴァシリー・カリンニコフの交響曲第1番、第2番。英シャンドス Chandosレーベルの、ヤルヴィ指揮スコティッシュ・ナショナル管弦楽団。
③は、聴くと脳が活性化すると噂の、モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ K.448を収める、マレイ・ペライアとラドゥ・ルプーによるデュオ(Sony)。この1枚だけ、ケース表側にクラックが入ってました~~。
④と⑤の2点は同じショップで、こちらは④が最も遅れ、11月16日に届いた。それでも半月ほどだ。
Amazon.co.jp自体が持っているものもあったが、Amazon本体のほうが安くなる、ないし100円ていどしか違わない場合以外はマケプレで買う。
上のショップは米国本拠、下の2点を買ったショップはドイツ本拠と称するが、両店ともドイツ発送だった。
①は、シマノフスキーのヴァイオリン・ソナタでよいディスクがないか調べていて遭遇した。
手持ちのは、韓国出身のヴァイオリニスト、チー・ユン(キム・チーユン 金 詩妍)と江口 玲によるデンオン盤。チー・ユンというヴァイオリニストは、明らかにコンチェルトなどの似合う、ヴィルトゥオーゾ・タイプの、スケールの大きな演奏をする人で、室内楽にはちょっと合わないものを感じていた。
入手したのは、ロシアの若い女性ヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァ Alina Ibragimovaとフランスのピアニスト、セドリック・ティベルギアン Cédric Tiberghienによるデュオ。
上にリンクしたHMV(ここのマルチバイより500円安く買いました^^)のレヴューでも高い評価だし、音楽好きの方たちのブログでかなり評判のようだ。
この人の名前、イブラギモヴァは、アブラハムのアラビア語形・イブラヒムに由来するように思える。‘ロシア生まれ’という以上の情報は見つけていない。
英語版 Wikipediaによると、ロシア人やタタール人の姓としてふつうにあるという。
で、この演奏、まだちょい聴きなのだが、じ〜っつに繊細で、美しい。加えて、ピアノのティベルギアンがまた繊細。チー・ユン盤では江口さんのピアノは、ひたすらヴァイオリンに合わせ、自身の主張が見えない、というより、チー・ユンのようなヴァイオリンだと、インティメートに歌い交わすことはできないので、ソロを生かすべくバッキングに徹したという感を持った。
②のカリンニコフは、あまりに評判 ― 名曲というより、佳曲という ― なので、一度聴いてみたいと思い、手を出した。
これはもう、こういう曲なのだろう。NAXOSにあるテオドール・クチャル指揮の盤が安いけれど、NAXOSの‘ちょっと無名指揮者’ディスクには、先日のスヴェンセンで懲りたので、やや高いけれどヤルヴィのレギュラー盤を求めた。
③は、まだよく聴いていない^^;。同じジャケで、Amazonにはいくつかの商品が登録されていて、値段が違い、いちばん安いのを買った。
この盤の面白いのは、‘SONY CLASSICAL ORIGINALS’というシリーズの1枚で、ポリグラム系の ORIGINALSシリーズと同じく、レーベルがLP盤面になっていること。
ソニー買収後の CBSは、かえってオリジナル・レーベルの COLUMBIAを堂々と表記したりするようになっているが、これも、ヨーロッパCBSがクラシックのイメージアップのためにか、MASTERWORKSというレーベルを復活している。レーベル・デザインまでオリジナルどおりかどうかは確認できないが、きれいだ。
④は、ヒラリー・ハーンとヴァレンティーナ・リシッツァによる、アメリカのチャールズ・アイヴズのヴァイオリン・ソナタ全集(DG)。
こちらはすでに有名な女流で、この盤の評価も高い。音色が、まるで電気的発振音のようで、おかしい、というレヴューもあるが、実際ちょっと特殊な音色を、意図的に出しているようだ。
これは、NAXOSの、カート・トムソン盤が、美音ながらあまりに平凡な演奏だったので買い替えたく思っていて、ただしよいディスクが見当たらずにきて、やっとハーン盤を見つけた。
このディスクだが、たっちんさんにご紹介いただいた、「節操のないクラシック音楽嗜好」さんが記 事で詳細に論じられており、私など何も言うことはない。
米Amazon.comの商品ページには、レヴューが19件投じられており、賛否があるが概ね好評のようだ。
余談だが、いつも思うのは、わが国の Amazonや HMVのカスタマー・レヴューには、そうとう乱暴なものが多くて、ていねいな論評は少なく、一読、国語力の限界を露呈している(私もいえませんけど^^;)投稿が山を成している観がある。
米Amazon.comのレヴューは、これに比べると実にていねいで、アメリカという国が、文化教養面で決してバカにできないという印象を持つ。もちろん、そこにはある種階級格差があるからこそ、かもしれないけれど…。
その米Amazon.comの同ページに、「"koshiro" (Japan)」として投稿されている方、「節操のないクラシック音楽嗜好」のブロガーさんではないか思う‥‥おっと、書いてよかったっけ。事後承諾をお願いしよう…汗;;。
最後の⑤は、サンソン・フランソワの弾いた、ショパンのエチュード集(仏EMI)。
これ、ポリーニのディスクがつくづくイヤになり、代替演奏盤を決めかねていた。ポリーニの完璧演奏は、どう聴いても‘ショパン’の雰囲気がなく、もはやオーディオ調整音源だけに成り下がっていた。
練習曲だと、指テク的にフランソワはどうなのかな、という懸念はあったが、何より『Les Introuvables de Samson François 知られざるサンソン・フランソワ』(仏EMI、8CD)があまりにすばらしかったので、フランソワ、と決めた。
まだちょい聴きだが、期待に違わぬフランソワ一流の‘詩味’が馥郁と漂う演奏。やっぱりショパンはこうでなきゃ。
実はフランソワのショパン集成も、(月給もらっていたころ^^;)買っていたのだが、ご馳走も目の前に並びすぎると食傷するように、かえって有難みがなくなって手放した。
このエチュードの1枚は、すでに廃盤の残り在庫のようだが、国内盤はリマスターがやや不安なので、こちらにした。仏EMIもクレンペラーのマーラーで大失望したので不安もあったが、いいマスタリングだった。「STEREO」表記だが、モノ録音(ほとんどのトラック)は擬似ステレオ化してはいない。
[動画追加](11/25)
カリンニコフの交響曲第1番第1楽章、YouTubeにあるライヴ映像を。
FSUフィルハーモニアというオケの演奏です。1分23秒くらいから流れる流麗なテーマがこの曲を有名にしたもののよう。不運のうちに夭折した作曲者の人生に重なります…。
アリーナ・イブラギモヴァの映像も。
英語版 Wikipediaによると、やはりタタール系と記されています。
1996年、10歳の時、彼女のお父さんがロンドン響の主席コントラバス奏者に就任したことからイギリスに移住、そのイギリスの環境についてインタヴューに答えた映像、みたい。
彼女のオフィシャルサイトもあります。
演奏から離れると、ふつーのおねえちゃんです。田畑智子にちょっと似てっかな〜^^。