エミール・ベルリナー時代の終焉

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     2台のCDPとプリメインが、そこそこ一段落し、それぞれにそこそこの音を鳴らしてくれるようである。
     そんな時、皮肉にも、オーディオによる音楽鑑賞の主流、「ディスク再生」が終焉を迎えつつあるような情報が、説得力を持って登場してきた。

     SDカードのプレーヤー、あるいはトランスポートである。

    QA-550
    QLS-HiFi QA-550

    SDTrans 384
    SDTrans 384


     ひとつは、中国・QLS-HiFiの A-550で、こちらはSDカード・プレーヤー。
     もうひとつは、個人製作の、Chiaki氏によるSDカード・トランスポート SDTrans 384

     いずれもディスク再生では得られなかったジッター・フリー再生が実現できる、という優れものらしく、導入・試聴した方たちのインプレは、のきなみ「驚異的」。

     思えば、アナログ・プレーヤーの老舗である英LINNが、CDプレーヤーの生産終了を発表したあたりが、この流れが顕著になってゆくのを予感させていた。
     LINNの場合は「DS」=デジタル・ストリーミングという呼称で、パッケージ・メディアから配信音源への移り変りという面が強調されたが、光学ディスクのリアルタイム再生におけるジッターや読み落としの問題は、フォーマットの情報量制限に加えて、というより隠れつつ、当初から問題だったのである。

     光学ディスクの再生専用プレーヤーのピックアップ・システムは、基本的に1回読みだけでデジタル信号を取り出すので、読み落としが生じた部分の読み直し=「リトライ」はしない、というのが、プレーヤー、ディスクともに基準(つまりそれで音楽が再生できる)になっているようだ。

     これに対して、PCでデータCD-ROMのようにリッピングした場合には、リトライによって完全コピーができ、HDDから固体メモリー上に読み出されたデータは、ジッターレス(に限りなく近い状態)でD/A変換できる、という次第。
     こうなると、ディスクのダイレクト再生は確実に分が悪い。

    エミール・ベルリナー
    エミール・ベルリナー

     現在まで主流であり続けた「ディスクの面に情報を記録し、読み出す方式」というものは、エジソンが発明したシリンダー・タイプの録音再生方式をディスクに変えた、エミール・ベルリナー Emil(e) Berliner(1851−1929)の業績に、ず〜っと乗っかってきたものだ。

     SPその他初期のディスク式録音メディア、LP、レーザーディスク、VHD、フロッピーディスク、ハードディスク、MO、CD、MD、DVD、ブルーレイ、SACD‥‥方式の詳細はいろいろあれど、とにもかくにも、円盤の面に記録し、回転とともに読み出すという方式は、ここ120年の間というもの変わらなかった。
     これは、ちょっと偉大、というか壮大である。

     その、ベルリナーの影響が、いよいよ終焉を迎えようというのである!

     ディスクというパッケージ・メディアで音楽に接し、これを「蒐集」するということが、生きていることの大きな部分を占めてきた私には、何とも感慨深いし、納得せざるをえないものの、空虚感も大きい。

     数年前に手にした、佐藤浩義『原点回帰 オーディオセッティング再入門』(技術評論社、2007年)という本がある。
     タイトルからすると、スピーカーのセッティングのノウハウを記した本のように思えるけれど、じつはこの本、くだくだしいほどの「オーディオの哲学的論議」は措くとしても、そうとうな紙数と熱意とをもって書かれているのは、PCオーディオなのである。

     オーディオ・エンスーの著者が、わざわざ筐体内に高周波ノイズの嵐が吹き荒れるPCを、オーディオ・ユースにブラッシュアップする方法になぜ執心するのか、購読当初はぜ〜んぜん理解不能だった。

     しかし、著者・佐藤氏は、ディスク・プレーヤーの再生が、リトライをしない仕様であることに不満なようで、
    「デジタルオーディオにおいては、何回もリトライできるHDDか、何回かリトライできるCDドライブで音を取り出すというのが現時点での現実解なのだろうと思います。」(85頁)
    と言っていて、最近の固体メモリー・オーディオへの問題意識が、早いころから(といっても4年前だが)活字化されたもの、と言える。

     では、こうした流れから、佐藤氏の著書に、PCオーディオ、固体オーディオ(こちらにはとくに言及は多くなかったようだ)への全面的賛同のみが読み取れるのか、というと、データの単純なリッピング万能論への警告とも読める行文が見えもする。
    「コピーをしても情報が落ちない程度まで落としたはずのデジタルオーディオですが、筆者の経験上(理由はわからないけれども)あらかじめデータを削ぎ、デジタルコピーを行っても、さらにデータが落ちることがあります。
    (中略)
     筆者が知る限りでも、iTunesなどでCDをHDDにデジタルコピーしても、音の勢いが落ちることがあります。この場合でも、ビットコンペアしても違いが見当たらないことがあるのです。それにもかかわらず、なぜか音の勢いなどは劣化することがあります。」
    (83頁)

     佐藤氏は、元コンピューターエンジニアという肩書きなので、ソフトウェアに暗いアナログ派が、印象で「PCにダビングすると…」云々と言っているのとは同列に考えるべきではないだろう。

     佐藤氏のこの本は、随所に「オーディオの哲学的・心理学的考察」がちりばめられているので、オーディオ・ファンにはむしろウザッタかろう。
     私には、おカネに任せたハイエンド・マニアやオカルト的カリスマの‘持ち上げ取材’に腐心したオーディオ本より、ずっと好感がもてるのだが…。

     ‥‥さて、とまれ、120年に及んだエミール・ベルリナーの時代=回転ディスクの時代は、確実に終焉を迎えつつある。
     もっとも、SDカードが今後の主流になるとは限らず、むしろ光学ディスクドライブ(再生は、リッピングしてからメモリから行なう)、USB入力、LANなどをすべて備え、記録メディアもSSDを主体とした、ハードディスクすら追放した<デジタルAVセンター>が、近未来の音源装置になるだろう。

    春のオデオ遊び−その他。

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       連チャンのアップになるが、こちらは簡略に…^^;。

      CD2300の改修
       基板の銅箔パターンがかなりヤバくなっていて、満身創痍という感じもする CEC CD2300(改)。
       DACまわりのパスコンを、かなり元の設計を無視して、むしろチップのアプリケーションに忠実な形にしてみたけれど、また気が変わって、元の基板デザインを尊重した形に戻した。
       デジタル電源には、はずしてあった AVX社のセラミック・コンデンサー、アナログ電源にはニッセイ MMT 0.1μFを用い、形としては設計どおりに戻った。

       デジタルの大もとの平滑コンは、4,700μFから6,800μFにしてあるが、その時に選んだのは、汎用品・日ケミ KMGだった。オペアンプ±6V電源の平滑コンは、25V2,200μ×2の中華電解のまま。この3本を、今回、ニチコン FWに換えてみた。

       これらをオーディオ用に換えるとどうか‥‥品種も KWがよいのだろうが、ちょい節約して FWとした。KW、FWはサイズが小さいのが利点だ。
       これらはまた、許容リップルが汎用品より大きいことも期待できる。

      CD2300 平滑コンなど改。

       という次第。CD6000OSEの改修と同時に水曜(木曜未明)にやってしまった。
       DACのパスコンの戻しは、さらに前にすませているが、この時、DACの左チャンネル・デジタル電源のパスコンの足に4.15Vほどしか出ていないのに気づいた。
       何度測っても5V出ていない。めんどくせーなーとまた基板をはずして確かめると、電源の流れに、銅箔の剥離部分ができ、38Ωほどを示している。

       ハンダ乗せだけではうまく導通しないようなので、Φ0.5銅線を3mmほど切って補強とした。
       ここが、ヤバいと書いた所以だが、まあユニバーサル基板の工作であれば、裏面にパーツのリードと銅線とで配線してゆくのが常道だし…とか^^;。
       首尾よく5V出るようになり、OK。

       A.-S.ムターのヴァイオリンの重音など、CD6000OSEよりも濃厚妖艶に響く。
       ここは平滑コンのクオリティ・アップが効いている感じだ。
       どうせ三端子レギュレーターで安定化するのだから、その前の平滑コンは容量が十分であればあまり音質には関係ない、という考えが頭にあったのだが、いちばん最初のリップル・フィルターって、意外に大事かもしれない。

       なお、前記事にも書いたが、オペアンプ電源シリーズの抵抗(16Ωのニッコームにしていた)は、CD6000OSEのKIヴァージョンで取り去っているのを見て、CD2300でも速攻でジャンパーで短絡した。

      IA-4sのほうは…。
       プリメイン・ナカミチ IA-4sは、もう弄るところも浮かんでこないし、CDプレーヤーに気をとられて、しばらくそのまま聴いているのだが、若干の低域不足感から、入力カップリングを WIMA MKS2 100V4.7μFにした。サイズ、形状からも見映えもいい。

      カップリングに WIMA MKS2

       次に、電源基板への手入れ‥‥まず、+端子の足を曲げなくても基板に乗り、電流容量も大きい、新電元の600V15Aのローノイズ・ブリッジ、LN15XB60にしてみた。

       逆回復時間はそれまでの D4SBL20Uのほうが速い(35ns)のだが、そのあたりどうなのか…。LN15XB60は5μsと中途半端。現在ではファストリカバリーともいえないような品種で、ローノイズ、とあるのだけが汎用品との違いである。
       もっとも、かつて真空管パワーアンプの整流に人気のあった、東芝 1S2711(こちらのページの上から2項目目を参照)なんかは、逆回復時間は20μsとある。

      電源基板

       さらに1点、電源平滑コンデンサーに並列にフィルムコンを実装する穴が基板にある(もと、ポリエステルと思しいのが付いていた)が、ここに WIMA MKP2 100V0.1μFを入れてみたのだが、やはり高域が明るくなりすぎるように感じ、前々回の記事に書いたように、最近のメーカー製はパラっていないことを確認し、これははずした。

       写真は、WIMAをパラう前で、現時点と同じである。
       この形で、なかなかよく鳴っていると思う。カップリングを WIMAにしてみて、解像感が低下するのを案じたけれど、CDPがハッキリした音を出すので、むしろちょうどいい感じである。

      春のオデオ遊び−CD6000 OSE

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         マランツ CD6000 OSEのパーツ交換を、取り敢えず終えました。
         電源スイッチの部分は、おとはさんから、ディスクトレイの前パネル(=フロントベゼル Front Bezelというらしい)をはずすとプレーヤーのフロントパネルがはずれるので、そこからスイッチのシャフトが前に抜けるのでは、とご教示いただき、そのようにすると、抜けました m(^_^;)m。

         本番ではフロントパネルをはずし忘れ、スイッチのシャフトの元をラジペンで拡げる形で抜き、そのせいか戻したあとスイッチ・オン動作の時に「カチッ」という抵抗が強くなってしまった。スイッチ本体内部を若干損傷したかな?

         CEC CD2300のトレイは、止まっている時はロックされるが、CD6000OSEのトレイは動くので、前にスライドしてもらうと、主基板がガガァ〜ッとはずれる。
         電源トランスは基板にネジ止め、かつそのまま底板にもネジ止めされるが、基板の一部に切り込みを入れてある。これは、トランスの振動を基板に伝えないようにするためだろう。
         トランス部分にかかるビーム(梁)も、スポンジでトランスを押える形になっている。

         トランス端子は、たっぷりのハンダで基板に接続されていて、トランスごと基板を取り扱わないと仕方がない…が、さして重くはない。
         以下、3枚の写真は、いずれも基板裏から。

        トランス端子部分

         下は、DAC=NPC SM5872SB部分。チップには「ΣDECO」と印字されている。

        SM5872SB

         下は、デコーダー・チップ(DSP)PHILIPS SAA7372CP。DACが主演俳優とするなら、デコーダー/DSPは監督に当たる?
         じつは、ケンウッド DPF-3010でずっとノイズが出ていたディスクが、CD2300、CD6000OSE双方では全くノイズなく再生できるようで、どこが原因なのかわからないが、優秀機と思っていた(今も思っているが)DPF-3010に、もう手放しているが、落胆している。

        SAA7372CP

         そして下の写真は、はずしたLPF用HDAM基板(こういうのをドータボードというのかな?)の、HDAMに被せられた銅シールド。

        HDAMの銅シールド

         上から見る分には「おお〜、MARANTZのロゴも入った、ゴージャスなシールド!」と見えるが、サイド部分は基板から隙間もあり、さわるとケガをしそうな銅板の切りっぱなし。

         パーツ交換は、基本、かの Ken Ishiwata氏によるという、KI Signatureヴァージョンに近づける、だけ。
         KIヴァージョンは、HDAMの電源パスコンを、LPF以外すべてELNA Silmicとし、メインの平滑コンを1,000μF×2から3,300μF×2に、さらにデジタル系は、OSEの段階で SM5872BSのアナログ電源のパスコンは Silmicが採用されているが、デジタル電源も Silmicに換える。

         さらに、各電源ラインには直近のパスコンの前に22Ωの抵抗が入っているのを、LPF、バッファーともに8本全部を短絡している

         これにならって、22Ωを取り除き、ホールがけっこう大きいので、Φ0.8錫メッキ線をジャンパーとした。
         元の抵抗は、発熱を考えてリードをフォーミングし、基板から離して実装していたが、ジャンパーはふつうに実装した。
         元の抵抗は金属皮膜らしく、ラジペンもくっつかない(=非磁性体)ので、いちおう取ってある。

         ※CD2300にもオペアンプ電源に22Ωが入っていたのだが、KI氏のこの判断を見て、速攻で CD2300の22Ω(すでに16Ωに変更している)も除去を決めた。

        抵抗あり


        抵抗なし


         KIヴァージョンでは、電源トランスのトロイダル化、シャーシ内部の銅メッキがこの他の改善点だが、これはしようがない。

         アナログ HDAM用±12V電源の平滑コンをどうするかだが、電源ラインの抵抗を短絡し、そのため、および基板サイズの点で、若干パスコン容量がさがるにせよ、KIでは平滑コンを3,300μFとしているのだろうが、せっかくスナップイン端子タイプの大型平滑コンが使える基板デザインなので、ここにニチコン KGの最高グレード“SuperThrough”35V2,200μF×2を選んでみた。
         ただ、三端子レギュレーターのあとにつながるパスコン容量を考えると、KWか FWでいいから3,300μF〜4,700μF×2としたほうがよかったかも、と取り付け後から考え出している。
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        オーディオ遊び…いろいろ。

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           ‥‥Marantz CD6000OSEのコンデンサーを13本ほど交換しようと思うが、大〜きな1枚基板には電源スイッチまで乗っていて、フロントパネルのスイッチ・ボタンからシャフトが出て、つながっている。どうやってはずのがいいのかな〜。

          基板のスイッチ部分

           こちら(← こちらは、困ったことに Operaでは正しくレンダリングされず、テーブルが写真にかかってしまう…)が、CD6000OSEを改造している ― Blackgateに交換^^ ― 例だが、作業過程はわからない。
           トラポから全部はずすのかな…。ゆっくり考えてみまひょ。

          パワーアンプの平滑コン
           手を入れて、何とか鳴っている…というよりはかなり快調なプリメイン、ナカミチ IA-4s、これのカップリングを WIMA MKS2 100V4.7μFにして、MKT1813よりもやや曇った感じ ― とよく言われるが、マイルドで好感 ― になったので、また平滑コンデンサーに、WIMA MKP2 0.1μFをパラってみ…ると、やはり高域がキラつきすぎる。

           基板に穴が、つまりオリジナルにある設計なので入れてみたくなるのだが、最近のメーカー製プリメインの、メイン・アンプ部の平滑コンはどのようになっているのか。

           ネット上にサービスマニュアルはいろいろ転がっていて、登録が必要、あるいは有料などいろいろだけれど、こちら:《Audio Circuit Denmark》は、画像認証があるだけで、ここにアップしてある製品なら、自由にダウンロードできる。

           というわけで、マランツ ― またマランツだが、PM66SE KI Signature(で、また KIだが^^;)、同じく、日本でもけっこう人気のあった、薄型でスタイリッシュな PM17SA、英国製は、Musical Fidelityのが見たかったがないので、ケンブリッジオーディオ Azur 640A(日本では非発売?)の回路図から、平滑コン部分を見てみた。

          PM66SE KI

          PM66SE KI Signatureの平滑コン。


          PM17SA

          PM17SAの平滑コン。


          Azur 640A

          Azur 640Aの平滑コン。


           PM66SE KIは、10,000μF×2。抵抗を介して、他回路の電源を取っており、そのレギュレーターの前後にはフィルムらしいCがあるが、メインの出力段電源は、電解だけである。

           PM17SAは、さらに大きく、15,000μF×2。上にリンクした《オーディオの足跡》さんの画像でも、ラグ端子型の巨大なブロック・コンデンサーが目立つ。
           パラのフィルムは、ない。

           ケンブリッジオーディオのは、Azur 340A(これも日本では見ない)という安価なプリメインがあり、これは何と! プリ部は NE5532、メイン部は LM3886を使った、超手抜き、もといお手軽アンプである。これはもう削除したが、6,800μF×2で、フィルムのパラなしだったと思う。
           お手軽アンプなのだが、意外にいい音がするかもしれないという気がする…。

           640Aは、ちゃんと! したディスクリート・メインアンプを持っており、平滑コンデンサーは、2,200μFの電解を4本パラにしただけの8,800μF×2。
           最近はメーカー製、自作ともこのパターンがけっこう多く、電解をパラにしてESRを下げようという意図があるようだ。

           以上は、大きな問題でもないが、平滑コンにフィルムをパラうという習慣は、ひとつには昔のブロック・コンデンサーの高周波特性があまりに悪かったゆえ、もうひとつは、70年代後半くらいに秋葉原で大音量で店頭デモをする時に、高域がキラキラ、パッパカしたほうが目立ったから、ではないだろうか、などと考える。

           このところの、とくにオーディオ用の電源平滑用電解コンデンサーは、高域もよく出るし、高周波特性もさして悪くなく、そのまま(フィルムやセラミックをパラわなくても)出力段の石に給電しても、インピーダンスが高くて発振を起こすようなことはまずないのだろう。

           加えて、ある時期以降、それまでの反動からかソフトな音を求める動きがユーザー、メーカー双方に優勢になっていったことも関係あるかもしれないが、フィルムコンの並列はどうやら主流ではなくなっているようだ。

           いや、私の癖として、(自分だけの個性、などと主張したくはありつつ)“大勢の人がやっていればそれが安心”という他人志向なところがいちじるしーのである^^;;。
           というところで、やはり平滑コンデンサーには、フィルムはパラわないのが(非-普遍的^^)正解のようであ〜る、というオチです <(_ _)>。

          CDプレーヤー遊び♪

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             ‥‥今日はスッサマジ〜嵐ですぅ〜~~;。
             じつは、仕事の少ないこの時期、今日、明後日と追加のコマが入ったのだが、連絡ミスだったとのことで今日はボツに (T_T)。ですが、こんな嵐の日だったので、むしろ幸運かも。

             元新潟のUさん、きゃーるさんには‘落札したCDPもどうせまた触るんだろ’的コメを頂戴しているのだが…。
             で、昨晩は朝までググってました‥‥ら、なんと!
            ♥ばっかるこ〜ん \(^o^)/!
             CD6000のサービスマニュアルが、またタダで転がってました。《Audio Karma》のドメイン内に。カルマ…やっぱ‘業(ごう)’です^^。

            CD6000 Service Manual

             CD6000のサービスマニュアルとあるものの、OSE、KIなど全ヴァージョンの相違を記載している、とありがたいおコトバが!

            CD6000OSEのアンプ部。

             昨晩、再度 CD6000OSEの中をあけ、リア付近のトップバーをはずして写真を撮った。
             OSEヴァージョンの目玉でもあるのが、黒い大きな ELNA FOR Hi-Fi 35V1,000μFの電解2本。これは、HDAMの±12V電源の平滑用である。小容量なのにデカい。容量のわりに大きい電解は良質だというが、1,000μFはちょっとこころもとない。

             ただそれでも、こちらの比較ページによれば、オリジナルは470μFだったそうだから、倍にはなっている。三端子レギュを出たあとも470μFなので、オリジナルでは電源オフ時に逆流しかねない。
             CD2300でも、ここは2,200μFなので、CD6000OSEは3,300μFは欲しい…と思うと、KIヴァージョンはそうなっている。

             サイズがΦ25×40mmのスナップイン端子型のようで、エルナーは手に入りそうにないが、ニチコンの KGタイプがある。
             秋葉原やいつものオンラインではちょうどいいのが見当たらないが、チップワンストップで 50V3,300μFの KG GoldTuneが買えそうだ
            [※チップワンストップは、利用規約で「入会申込者が営業目的以外で当社サービスで商品購入をする場合」を取引き対象者外としている。なので、わからないだろうとはいえ、ここの登録はヤメ。
             三栄電波で2,200μFを買うことにしませうか…。−4/5未明追記]


             こちらに、CD6000OSEを「Marantsとは思えない傑作」としながらも「力のない、芯の弱い音。‥‥いい音だけど、ぱっとしない。ゆるい」と評している。これは、オーケストラを聴くと印象がちょっと異なるけれど、やはり同意する。
             このあたり、アナログ・アンプの平滑コンを大きくすると効果がある‥‥かどうか^^;。

             土台は1枚基板で、電源トランス部分もいっしょにはずすので、どういう手順ではずすのか、ちょっと不安。
             部分部分のデカップリングなどは、今の音がとてもいいので、むやみに触らないほうがいいような気がする。

             上に引いた比較ページには「the active low pass filter substage by four HDAM discrete amplifiers」と書いていて、最初、NJM2114Dと置き換えられているのは、追加基板のHDAM 2モジュールだけだろうと思っていたので、誤記かと思ったが、元来 NJM2114Dを2基、つまり各チャンネルに2回路使って SM5872BSの出力を受けている(ダブルディファレンシャル)ので、2階基板のほうは、銅シールド1個にHDAMは2モジュール分実装されており、「four HDAM amplifiers」で正しいのである。
             送り出しアンプの(親基板に元からある)HDAMと合わせると、都合6ユニットのHDAMが搭載されている。これはゴ〜ジャスである。
             聴くにつけ、オケ曲はヴァイオリンのユニゾンの粒だちが美しい。

            [このCDプレーヤーは、フロントにも光デジタル出力があるが、カバーを開いても光っていない。壊れているのか、と思い、こんなところを使う機会はあまり考えられず、壊れていても問題ないのだが、出力部の回路図には、電源+5Vにトランジスターが入っている。となると、ベースに信号をオン/オフして切り換えられる可能性があるな、とネットを見ても、サービスマニュアルはあってもユーザーマニュアルは有料サイトばかり。
             とある掲示板で、「■(ストップ)を長めに押すと出力する」報告があり、やってみると点いた^^。
             海外仕様は、OSEヴァージョンでもこの出力はないようだ。これはムダな感じがする。−4/5未明記]


            CD2300のオペアンプ遊び♪

            オペアンプ群

             CD2300で、あとやっていないことというと、ソケット化したオペアンプ部の交換。
             手持ちの OPA2604、LM4562、LME49720、OP275、AD823などを挿し換えて少しずつ聴いた。

             OPA2604、OP275、AD823などFETを含む品種は、弦のザラつき感などがよく再現され、反対にバイポーラーのみ、オーディオ・ユースを謳った LME49720はツルっとしたタイプの美音だ。
             LM4562は、LME49720と同一だといわれるが、前々からキツめだと思っていたが、今回もそうだった。ピアノの実体感は CD6000OSEの比ではないが、弦がキツいので却下。
             AD823が、細かい粒子感がよく出てよいように感じるが、とくに‘このオペアンプが’という印象はなかった。ただ、NJM2068DD(デフォルトは 2068D)は、さすがにそっけないという感じはした。
             PCM1710Uのアプリケーションは OPA2604なので、それでもいいかも。

            CD2300…これで改修完了?

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               前記事の、マランツ CD6000OSE落札と並行しつつ、タッチの差で前になるけれど、シツコくパーツ交換してきた CEC CD2300の、ほぼ最終となる改修を終えている。これ以上触ると基板の銅箔パターンがヤバいので、その辺から‘最終’。交換パーツ表は、「第9次」になっている^^;。

               これまで、DACまわりの電源のデカップリング/バイパスに、AVX社の積セラや、OSコンづくしなど、個性的なラインナップを試してきたが、どれも気に入った出音に至らなかった。
               そこで、最も当たり前な組み合わせ ― オーディオ用電解+オーディオ用によく使われるフィルムコン、というパターン行き着いた。

              最終改修−DACとオペアンプ部

               オリジナルでは、DAC・PCM1710Uの、VCC2LとVCC2Rの電源ピンはアナログGNDに、デジタル電源ピン(VDD 左右各1本)はデジタルGNDに、0.1μFで落とすというデザインになっているのだが、PCM1710Uデータシートの試験用アプリケーション回路では、VCC2と隣接するVDDは短絡させ、パスコンは10μF+0.1μFとして、まとめてデジタルGNDに落としている。

              PCM1710U アプリケーション回路の電源

               EXT1/2というピンが、10μFを介してアナログGNDに落ちており、VCC1は当然アナログ電源なのでパスコンはアナログGNDに落としていいだろう(CD2300の設計どおり)。

               上に見たような、PCM1710Uのデータシート・アプリケーションに最も近いパスコンの形とするため、まずニチコン FW 50V10μFとニッセイ(中国日精)APS 0.047μFを、APSのリードに FWのリードを巻きつけてハンダづけし、これをVDDとD-GND間のパスコンの穴に実装。さらに、この+側と、VCC2のパスコン穴との間を、0.5mm径錫メッキ線で短絡した(下写真、黄色い○で囲んだ部分)。

              PCM1710U−パスコン現配置

               これで、左右別々に、VDD+VCC2Lと、VDD+VCC2Rが、それぞれ10μF+0.047μFを介してデジタルGNDにバイパスされる。
               こうすると可聴帯域が、左右それぞれで十分にデカップリングされるのでは、と考えたのだが…。

               APSを0.047μFにしたのは、0.1μFだと大きすぎるからだが、こちらの例が頭にあったのは事実である。
               ところで、このようなサイトはどんな人が参考にするのか‥‥アマチュアのマニア向けではなさそうだし、といってややこしいLSIのピンとその動作を理解して設計するプロのエンジニアが、このようなページを参考にしているとしたら、ちょっと情けない…。

               VCC1 ― これは、左右の別を設けていないが、PCM1710Uの中で完全なアナログ・アンプ電源らしく、ニチコン KW 16V220μFと、最初の交換近い形だ。
               パラには、積層ポリエステルのニッセイ MMT 50V0.1μFを入れた。このコンデンサーは、流通の残り分のようだが、秋月で10ヶ200円ともったいない値段で売られているので、喜んで利用。
               オペアンプのパスコンのパラも、WIMA MKS2からこちらに換えた。

               今回、今までと違う試みをしてみたのは、DACの+5V電源を、オリジナルではDSPの電源を供給したあと、その下流が基板パターンを流れ流れてDACまでやってくるのだが、これを途中で切り、レギュレータードライバー+電流バッファーTrに近いパターン部分から直接取って、ケーブルで PCM1710U直近に持ってくるというもの。

               DSPチップの電源を供給し、そのデカップリングのケミコンがいくつもぶらさがったあとの流れは、ある意味でノイズがフィルターされているともいえるが、他方ノイズが加わったり、DSPや駆動系の電力需要による電源変動を、時々受けることにもなる。

               というふうに考えて、途中のジャンパー線をはずし、レギュレータードライバーを出たところのコンデンサー(これも KWと APSに交換)に近いジャンパー線の一端から、DACに近いジャンパーまで、Beldenの22AWG錫メッキ線で直結した。

               下が、デジタル部。
              デジタル部

               デジタル系も、またではあるが、OSコンをやめて KZHにしている。

               ‥‥予測では、いちばん当たり前の音になりそうなのだが、果たしてそのとおりになった感はある。なら、マランツ CD6000OSEは買わなくてもよかった‥‥のだが、やはり基準となるメーカーの音は知りたい。

               かくして CD2300(改)も、一段落したようだ。ここまで追い込んだ音は、やはり‘オレ流’で、ディテールを追い込んだスタイルになり、元の機器のキャパを超えてしまう感じがあり、ムリをしている感ありありではあるが、AVXの積セラに任せたときの歪み感も、OSコンに任せたときの厚かましすぎる出音も、ない。
               あとは、CD6000OSEとの比較試聴で、ということになりますか…。

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