LM3886 チャイナアンプ、改修。

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     春日無線プリアンプの改修がすみ、LM3886チャイナアンプに着手しようと思いながら、なかなか手が着かなかったが、春日無線プリの改修に続いて、やってみた。
     いちばんやっかい(そう)なのは、ブリッジ・ダイオード(4本リード、インラインの BR3510L、メーカー不明)を、ディスクリート4本のFRDに置き換える実装法。

    4本のダイオードでブリッジ…はムリ。

     パンジット ER504の足を、いろいろ曲げてブリッジを作ろうと思ったけれど、リードは太くて固く(非磁性)、リードどうしをハンダづけしようとしても、たっぷりのハンダが固まったあと、力を加えるとハズれ、付いていない。
     けっきょく、これは不採用で、4本はアウト。10本入りでよかった〜^^;。

     おっと、順番が逆。最初、フロントパネルをはずし、基板を取りはずした。

    フロントパネルをはずしたところ

     フロントパネルにボリューム(VR)のシャフトが固定されているので、フロントパネルをはずさないと基板がはずせない。VRは、基板固定型だが、フロントパネルにもナットで止められている。ノブの六角ネジを緩め、ノブを引き抜く。ムクの重いノブで、ノブとシャフトの間には、ゴムのキャップを挟んでいて、このあたりは感心の丁寧設計である。
     パネルのVRつまみ取り付け部も、外観からわかることだが、ザグリが入って、高級感ある作り。

    基板裏面

     IC=LM3886までハンダをはずすとやっかいなので、付けたまま基板を取りはずす。ICにはシリコングリースが付いているので、キッチン用ラップを貼って他に付かないようにする。

     基板のパターンは…よくわからない。直線の間隔で区切って、ベタ・アースをたっぷり取っている感じ。

     入力のカップリング・コンデンサー用の穴は、サイズによって使い分けられるように、入口・出口とも複数開いていて、これは fujiwaraさんのデザインと同じ^^。
     ERO MKT1813は、オリジナルのコンデンサーと同じ長さなので、元付いていた穴でOK。

     あとはケミコン群。NFB接地点のコンデンサーは、オリジナルでもニチコン BTという、ライトブルーの高温・高信頼型である。
     ここはDCがどちら向きにかかるか決定できないのでバイポーラーがよく、とうぜん、ニチコン MUSE ESの35V 47μF。オリジナルはデータシートの22μFだが、かの fujiwara氏のキットなどから、47μFあたりが妥当と判断。

     兵庫のオヤジ殿の起こされた回路図からもわかるとおり、この部分、通常は抵抗があって、次にコンデンサーを介して接地し、DCを100%帰還する。が、チャイナアンプは抵抗が先で、コンデンサーがGND側に来る(逆でした^^;。チャイナアンプはコンデンサーが先に来ている。)とくに問題はなく、入れ換えると抵抗の並びにコンデンサーが入ってやっかいなので、変えない。

     LM3886の11番ピンに接続される、MUTE回路のケミコンは、音には直接関係がないと判断して交換せず。

     あとは、電源デカップリングの電解を、エルナー RFO 50V 220μFに交換。2本が並んでいるので、スペースがちょっと狭いが、まあ入る。
     デカップリングとMUTEに使われている黒い50V 100μFは、「JAPAN」と印字されているけれども、見たことのないブランドだ。
     あった…ここです。NIC Components。この親玉らしい Nippon Industriesというカンパニーがまたアヤシく、どこがニッポンやねん? という代物である。「JAPAN」とあるので、日本の工場製なんでしょうか。

     コンデンサー系の最後、発振防止の出力並列のCR直列回路。これもふつうは 出力ライン→R→C→GND と並べるのだが、チャイナアンプは、CとRが逆で、出力にすぐCが付く。問題はないが、見かけでもこれだとコンデンサーから基板の容量を通してスピーカー出力に容量がブラさがる感じがするので、CとRを入れ換える。10Ω1/4W型のところにニッセイ APS 0.1μFを、オリジナルの0.1μFのフィルムコンのところに、ちょっと基板からはみ出すけれども、8.2Ω2W型を強引に挿す。

     フィルムコン 4本、ケミコン 4本、抵抗 2本の交換は、まあ単純作業だが、やっかいだったのは上記のとおりブリッジ・ダイオードをアキシャル・タイプ4本に置き換えること。

    ダイオード実装写真

     けっきょく、上の写真のようになりました‥‥といっても、ハンダが反射したりして、どこがどう接続されているのか、自分でもフタを閉めたらわからなくなる複雑さ。
     要するに、AC端子2ヶから、それぞれ+側にカソードが、−側にアノードが向き、AC同士が短絡しなければいい、という原理でもってくっつけた。
     ダイオードの足どうしのハンダづけが心許なく、接触不良にならないか心配な面があるが、たっぷりのハンダと、固まったあとラジペンでグイグイッとやって確認。

     半分を基板裏に取り付ける手もあるが、そうすると基板スペーサーを長くして基板を持ち上げる必要が生じ、そうなるとVRやLEDがフロントパネルとずれて具合が悪いので、かなり強引だが基板上に実装した。

     デジカメで写りにくいところを、手書きするとこんな感じ。
    ダイオード接続図


     というわけで、とりあえず改修終了。電源電圧を測るのは初めてだが、+(1番ピン)、−(4番ピン)とも26Vが出ていた。これだと出力は30W以下か。
     出力部のDCは、片方が-0.94mVほどで、もう片方はほぼ0mV。約-1mVはちょっと気になるが、まあ問題ない。

     LM3886を止めるビス、ナットは、ちょうどいい長さだが、磁性があったので、手持ちの非磁性ビスナットに換え、樹脂のワッシャー(ナット?)ははずした。
     あれ? 前に買ってからどこへ行っている〜…と探したシリコングリースが出てきたので、増し塗りして基板をもどし、完成。

    ACインレット部

     あ、その前に、電源のインレットの、ツメを曲げてハンダを盛るだけで通電している箇所(写真、矢印)に、銅線を挿してハンダを盛りなおした。
     全体に、‘デザインは周到、工作はザツ’が印象である。

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    改修後のチャイナアンプ内部


     こんな感じです。兵庫のオヤジ殿の回路図と、ウッドさんの改造後の写真を参考にさせていただいた。その他も、拙ブログへのコメントを始め、ネット上の情報に裨益された。厚く御礼申し上げます。
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    春日無線プリアンプ、コンデンサー交換

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      パーツ交換した基板

       ‥‥何とも暗鬱なままの2週間が経つ。節電でエアコンをできればつけないようにしている…せいでもないだろう、いや心理的なものとはっきりわかる、ずっと下痢気味です^^;。

       前記事のとおり、20日(日)のアキバ行で集めたパーツを中心に、春日無線プリアンプと LM3886チャイナアンプの若干のパーツ交換を、さていつやろうかと、着手はしたいけれど、余震が‥‥ブルブル、という状態で立ち往生。

       ハンダ作業はしたいけれど、余震が、というようなブログ記事はないものか、と探してみると、当日の帰宅も難事だった方のブログに逢着し、その方が早速アンプ改修をされているのにいささか勇気を得て^^、昨晩(25日)、プリのほうだけに手を着けた。

       春日無線5670/6N3Pプリの改修案は、出力のカップリング・コンデンサーを1μFから2.2μFに増量することと、カソードバイパスをニチコン KWから、ちょっとだけアップグレードすること、のみ。
       カップリング・コンデンサーは日立 MTBを用意し、カソードパスコンには、ニチコン MUSE KZを用意したが、またもや実際に基板にパーツを当ててみると、KZは超-大きすぎで、憚られる。5670、6N3Pとも、管壁からの輻射熱はたいしたことはなさそうだが、KZはあまりに大きく、次の改修なども考えると二の足を踏む。

       という次第で、週明けに通販で購入したニチコン FG 16V330μFとする。これでも、同定格で、それまで乗っかっていた KWより少し大きい。
       交換パーツは4点だけ、ラクチンなのだが、基板を取り出すのにハンダをはずすケーブルは、18箇所19本…だったっけ?
       配線をはずしまくり、基板を引っぱり出し、「はんだシュッ太郎」で旧パーツをはずし、日立 MTBから取り付ける。

       MTBはチューブラー型だし、旧品(パナソニック?)よりかなり大きいので、リードをぐ〜っと曲げて基板の穴に合わせる。
       左チャンネル(アンプ中央)は、リップル・フィルターのトランジスターが近いので、フロント寄りにするべくリードをフォーミングする。
       プレート電圧のかかる側は、とくに下にくる抵抗と触れないようにしたく、左右とも、2本のリードにエンパイアチューブをかぶせる。
       仕上がりは、フラフラしているが、まあいいでしょう。リードも延びるけれど、ラグ板配線の管球プリやパワーでは、もっと鷹揚に伸ばした配線もふつうだし。

       ケミコンの交換はもっと楽で、すぐ終わり、またやっかいな基板配線のハンダづけ。忘れもの、ないなー!? と確かめ、電圧確認のためテスターを用意して電源オン。あ〜、球さしてない〜‥‥これだとプレート電圧が降下しないので、コンデンサーの耐圧ギリギリがかかるかも‥‥すぐ電源を切り、70Vくらいに下がったところで、球を挿入。
       あとは、各部電圧正常。カバーをしめてラックにもどし、ケーブルつないでスイッチ・オン。あっりゃ、LEDのパイロットランプが灯かない! LED、電気的にサージをかけたはずはないので、機械的ショックでこんなに簡単に壊れるの、と呆れる。
       ケーブルをひっぱると、+側がスッポ抜け。切れてました。ハンダをやり直すとOK。

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       すぐ音出しをしたかぎりでは、付属のカップリング・コンデンサーの時より、繊細で耳当たりがよいものの、特定のシャリッとした音が強調される感じがあった。
       それと、スイッチを入れてから、各アンプのヴォリュームをさわって‘ザザッ’というノイズが出る時間が若干長くなった。
       これは明らかに、容量が増してDCチャージが抜ける時間が長くなったためだろう。

       ひと晩おいて、さきほど、少し聴いてみた。
       低域は、下に下がってはこないで、今までの中低域が増えた感じ。高域は相対的に減った感じがする。そして、音抜けは悪くなった。が、モコモコが気になるより、ゆったりと上品に響く感じになった。

      ・『恋に落ちて』岩崎宏美 … ハスキーさが増し、これはちょっと曇ってしまう。が、品位はいい。
      ・デジタル録音のバッハ:ヴァイオリン協奏曲、Ch.アルテンブルガー独奏(Delta原盤、DENONの千円盤) … 今までいろんな機器・パーツで、いわゆるデジタル的にキツいヴァイオリンだったのだが、ずっとハイエンドがまろやかに、粘っこい感じになる。端的には、聴きやすくなった。
      ・シューマン『幻想曲』、アルゲリッチ(RCA/Ricordi) … これも、今までリマスターの音が、‘倍音ジャリ〜ン’の過剰が耳についていたが、ずっと落ち着いた。細かい部分のタッチは明瞭さが減ったようだが、ニュアンスとしては豊か。
      ・イーグルズ『ホテル・カリフォルニア』 … タイトル曲。ギターがウツクシ〜^^。

       まだまだ鳴らし込むと変わる可能性はありそう。
       バッハのコンチェルトと、「ホテル・カリフォルニア」は、思わず‘うわ〜、音楽っていいなあ’と、このところほとんど電源を入れないオーディオだったもので(というか、スピーカーをおろしっぱなし^^)、ちょっとホワ〜ッと背筋に息が通る感じだった。

       ふわ〜…。

      やっと…秋葉原…。

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         東京では、やっと体感する余震が減って、落ち着いてきた感じだ。
         それでも、まだどうなるのかという不安はあって、計画停電は実施しないものの、秋葉原へパーツを買い出しに出向くのは、コワい。

         大勢の人たちが被災のどん底にいるというこんな時期に、オーディオの遊蕩にウツツを抜かして、という気持ちがある。
         弟にも「まだやめておいたほうが…」とクギをさされたが、一部をすでに入手しているので、あとのパーツも手に入れたかった。

         …手に入れて、も‥‥ハンダごてに電源を入れるのがまたコワい。ハンダごては、プラグを抜いても熱は持っているので、大きな揺れが来たとき、周囲の可燃物が落ちてきて接触しないようにしておかないといけない。

         じつは、地震の直後の記事に書いたように、11日当日、地震の前にこちらに注文していたパーツの見積りメールが来ていて、すぐオンラインで振り込んでいた。
         このお店は、発送には一定の時間がかかること明記しているが、いっぽうで「早い」との評判もあり、まあ週明けに発送してもらえば、と考えていてあの地震だったわけだが、なんと、当日夕刻以降にパソコンをあけてみると、「発送いたしました」メールが来ていたのである。
         そのメールの日付時刻が「2011/03/11/ 15:15:50」だった。早い!

         この品物は、速達メール便で月曜に届いた。
         そのあと、オーディオはほとんど聴くこともできない不安な1週間を過ごしたのだったが、あとのパーツを、とりあえず入手だけはしたくなり、今日(20日[日])、アキバに出て探した。
         西武線は、準急を運転していたので、かなり早く到着できた。
         とにかく、途中で何か起きて帰宅不能になるのがコワくて、懐中電灯と、それから…お数珠をカバンに忍ばせて^^、歩行も早めに、早く買物をすませて帰ろうという気持ちだった。

        改造用パーツ

         早めに閉まるお店から回る。
         上が、買ったものの写真だけれど、まず、秋月電子でパンジットの超高速ダイオード ER504の10本セット、350円を(3)。
         1本あたり400V 5Aと大容量で、チャイナアンプの整流ダイオード交換用。4本足インラインのブリッジから付け替えの方向がややこしい。
         ニチコン MUSE KZも安かったので、春日プリのカソード・パスコンを、デカいがこれにしてみようと購入(5)。

         次に、ラジオデパート2階で、春日プリの出力カップリング用の、250V 2.2μF(キットは1μF)を探す。パナソニックはなく、黄色いチューブラー型が並んでいる。シヅキのTMEだなぁ〜、これはちょっとなー、と思って手に取って見ると、容量によってシヅキと日立 MTBが混在しており、2.2μFは、日立 MTBだった!(4)

         日立の MTBは、15年以上前に 6CA7アンプを組んだ時にも、段間カップリングに、ASCや EROなどと取っ換えて聴いてみたことがあり、ASCの次にクセがなく、ASCほどの情報量はないものの、やわらかい高音に好感を持った記憶がある。
         このコンデンサーは、かつてはヒロセパーツセンターが多品種揃えていたが、今は店頭でもオンラインでも見ない。いささか嬉しく、ゲット(260円×2)。

         千石電商では、MUSEのバイポーラー ES(チャイナアンプの負帰還接地部用)の、求めていた値がなかったので、Zobelネットワークに使う8.2Ω 2Wの酸金(タクマン電子)だけ(7)。

         末広町の若松まで歩き、再入荷している感じのニッセイ APSの0.1μFを購入(6)。
         これは、以前、音巴さんがコメントでご教示くださった、中国での再建事業の一環らしい。中国製のAPSがかつての日本製と同じ性能かどうか、若干の懸念はあるが、とりあえず。これもZobel用。

         その上に見えているメタリック・グリーンのケミコンは、色が同じなので、慌てて MUSE ESと間違えて買った SUNCON(サン電子)のもので、バイポーラーではない。
         やはり一刻でも早く帰宅したかったのだろう。MUSE ESは、通販で週明けに買うことに。

         ― 早く帰りたくはあったが、この時期にアキバなので、ヨドバシに回って、LEDの懐中電灯か乾電池式照明がないか、きいてみた。
         ただ1品種のみ、単3乾電池で使えるLED懐中電灯があったので(980円)、単2型のエネループもないので、それだけ買って山手線に飛び乗った。

         さて、ギャレットさんで買ったものは、(1)の、ERO MKT1813の、100V 4.7μFと、(2)のエルナー RFO‘PURECAP’ 50V 220μF。
         MKT1813は、チャイナアンプの入力部カップリング・コンデンサーに使う。オリジナルは、中国製 Audiophiler MKPタイプで、400V 1.5μF。ここには400Vもの耐圧は不要なので、100Vで大容量の、しかも音質にも定評のある MKT1813シリーズにする。

         エルナーの RFOは、レヴューも少なく、効果のほどはわからないが、ちょっとニチコンを離れて。チャイナアンプの、電源デカップリングに使う。この品種はなかなか見かけない。

         ― お蔭さまで無事帰れました〜^^;。
         途中、小諸そばで230円のかけそば1杯。
         帰ってからの夕飯は、ご飯少なめに炊き、105円のレトルト・カレーに、ニンニク、タマネギ、マイタケを追加していただきました♪

         さて‥‥このパーツをアンプに取り付ける日は?

        鯰絵

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           …事態は深刻であり、私などまだ地震の不安におびえている。

           こんな時に、地震という災害をどのようにイメージするか、などということは無意味のような気がする。
           しかし、日本人は、江戸時代に、地震をあるイメージとすることで、災害に対する心理を落ち着かせようとしていたことは、「鯰絵」の資料から知られる。

           安政2(1855)年の江戸の大地震以後、大津絵・錦絵などに鯰をテーマとしたものが多く流布するようになったそうで、これを「鯰絵」と総称する。

           (財)消防科学総合センターがウェブ上に主宰する消防防災博物館には、「鯰絵」のページがあって、5点の資料が紹介されている。

           オリジナルのイメージは、もちろん鹿島神が「要石」でもって鯰を押さえつける図像である。
           それが、3番めの図像では、恵比寿神が瓢箪で鯰を押さえつけている。この図像は、「瓢箪鯰」とも称されるようだ。

           どうやら、このイメージの転換には、「つるつるした瓢箪でぬるぬるした鯰を押さえつけられるか」という禅問答の公案(詳細未勘^^;)に由来する「瓢鮎図」(ひょうねんず。「鮎」は鯰のこと)が介在しているらしい。

           上記サイトの解説にもあるように、これら「鯰絵」は、オランダの民族・日本民俗学者、コルネリウス・アウエハント Cornelis Ouwehandの研究、とくに中沢新一氏らによって邦訳された "Namazu-e and their themes. An interpretative approach to some aspects of Japanese folk religion" (『鯰絵』せりか書房)で光を当てられ、この書物も脚光を浴びた(はずである)。

           処分した蔵書の中には、この邦訳『鯰絵』もあり、上の、恵比寿神が瓢箪で鯰を押さえつける図は、私のマンガ自画像(と、そこからのHN)にちょっと関係ないでもない^^; とスキャンしておいたのである。


           クリックすると少し大きな画像をご覧いただける。

           空白部分にはびっしり文章が書かれており、学部は国文出身でない私は、この種の変体仮名は正しく読めないのだが、とりあえず、読んで(翻字して)みたものをアップする。瓢箪マークは「8」字で代用した。
          「どうもふだんからぬらりくなりとしてみたくても
          ねへやつだとおもつたがこんなことをするやつとハ
          おもわなんだ いま八百萬(やをよろづ)の神々ハみな
          いづもへたゝれてわれひとり留守居(るすゐ)
          すれど わがいちぞんでころすもならず
          ともかくもいけどりにしていづも
          おもてへさしのぼせ とがのほとを
          さたむへし 8

          8 どつこい
          にけるな大
          なまづ たいとハ
          ちがつてとりにくひ
          なんぼ神でも五尺
          の身で大地のそこ
          にわだかまるこいつを
          だいていづもまてゆくにハ
          ゆかれす かつぐもならず
          なまづなまなかとらへた
          うへハにがしてるすがすみハ
          せぬ アヽいゝところへきたうなきや
          はやくこいつをつかまへていづものやしろへ
          やつてくれ うなきや「どうして\/
          このやうなおほきななまづを
          神の手や人手でもつてハ
          まいられぬ
          「ハテそれハこまつた
          ものだ アヽいゝことを
          かんがへた 人手でハ
          やれぬなら「どうして
          やりませう
          「はやくむまにに
            してやるがいいわさ

           末尾の「いいわさ」の「さ」はかすれており、違うかもしれない。最初の「ぬらりくなり」も「くらり」かも。他にも読み違いは多いと思う。

           では、これに宛て漢字をして、現代仮名遣いにして読みやすく‥‥?
          「どうもふだんからぬらりくなりとして見たくもねえやつだと思ったが、こんなことをするやつとは思わなんだ。
          今、八百万の神々はみな、出雲へ立たれて、我ひとり留守居をすれど、わが一存で殺すもならず。
          ともかくも生捕りにして、出雲表へ差しのぼせ、科(とが)の程を定むべし。8

          8 どっこい逃げるな大鯰、鯛とは違って取りにくい。
          なんぼ神でも五尺の身で、大地の底にわだかまるこいつを抱いて出雲まで行くには行かれず、かつぐもならず。
          鯰なまなか捕らえた上は、逃がして留守居がすみはせぬ。
          ああ、いいところへきた、鰻屋、早くこいつをつかまえて、出雲の社へ遣ってくれ。
          鰻屋「どうしてどうして、このような大きな鯰を、神の手や人手でもってはまいられぬ。
          「はて、それは困ったものだ。ああ、いいことを考えた。人手では遣れぬなら、
          「どうしてやりましょう
          「早く馬荷にして遣るがいいわさ。

           「むまに」そのものも誤読かもしれないが、とりあえずこう読んで、「馬荷」を宛ててみた。
           手で持ってゆけない大鯰なら、馬荷にして=馬に乗せて送ればよい(うま=むま)、ということだが、「むまに」は「うまに」=旨煮の掛詞(「旨(うま)い」という形容詞も「むまい」の形あり)で、「ここで旨煮にして食っちまえ」ということにもなる。

           こうして、複数の解決法 →公けに議論する、という方向と、庶民の利益につなげるという、2方向で災害が処理された、と分析してもあまり意味はないのかも。

           それにしても、この図像のひょうたんは、大鯰を押さえつけるにはあまりに頼りない。(不謹慎ながら「爆」。)
           「瓢鮎図」の公案がそもそも、「瓢箪で鯰を捕らえるのはムリ」を示唆しているのだから、うまくいきそうなはずがないのだ。

           アウエハントの著書は、積ン読のまま処分に至った。今はけっこう古書価が出ているかもしれない。きちんと読んでくれる人に渡ったほうがよい。
           したがって、アウエハントの分析も、私は知りません^^;。

          こんな時に…。

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             こういう時に、ブログなんか書いていていいのだろうか、という躊躇がある。
             他方、微々たりとはいえ、近くは地震、見通しとしては生活そのものへの不安にひたされながら、することもなく、一人暮らしを送る中、全くひとえに個人的なことも絡みつつ、いろいろな思いが浮かんでは屈し、どのように自分を持すればよいのか、言葉にしたい衝動も制止しがたい。

             主たる被災地の被災者のことを思えば、全く無被害であり、若干の不自由以外何も問題のない暮らしをしている私は、では、自分のことを振り捨てて被災者の方たちに思いを馳せられるかといったら、まったくそうではなく、ガリガリに自分のことだけを案じている

             計画停電の実施は、今夕の3時間ほどが最初だった。
             ファンヒーターが急に止まると、冷却用のファンも即停止するので、ヒーターの熱が取れず、埃が少し焼けて焦げ臭い。
             地震発生後数時間は、テレビを消すことができなかったが、今は、“グラッと来た”時に「すわ!」とスイッチを入れるほか、できるだけテレビはつけない。
             節電からもそれがよいだろう。被害状況を都民が拜見しても、何もできず、気持ちが鬱屈するだけだ。

             今、14日以降、久しぶりにパソコンの部屋のエアコンをつけた。キッチンのファンヒーターは、消費電力は小さかろうと、食事時やテレビを見るときはつけているが、居室のエアコン使用は控えていた。が、痩せ我慢もほどほど、かもしれない。
             私のような持ち金も稼ぎも寡少な者は、こういった点でも、こんな時の「世の足手まとい」となるのである。
             経済的余裕のある人は、もっと消費電力の小さい新型のエアコンに買い替えている。そんなことも、うしろめたい。

             懐中電灯の数も少なく、予備の単1、単2乾電池は1本もない。今は店頭にも電池はない。
             仏壇用のろうそくも、つけてみた。この時期にろうそくはこわいが、揺れが来ないかぎり、消耗も光の散乱も照明には最適ではある。
             が、こわいので、すぐやめ、懐中電灯で、停電前に暖めたピザトーストと、薄いコーヒーを摂った。

             さきほどは、デジカメで白紙を撮影し、節電モードを切って、液晶に映し出してみた。暗闇に目が慣れると、この明かりでも少し部屋の状況が見える。
             すぐ電池切れになりそうだけれど、電池はおもにレンズを出し入れしたり撮影用の機構(フラッシュや、シャッター機構、画像処理ICなど)を動かしたりすることで消費するのでは、と考え、やってみた。
             その後、南向きのガラス戸のカーテンをあけ、屋外の薄明りを入れてみると、これもそうとう明かりになる。

            ―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


             あとはもっと個人的なことなので、書くのが憚られる、が…(個人的なことなので、大方はクリックされないほうがよろしいかと…)。
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            揺れました…。

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               揺れました (((~~;)。
               一夜明け…るまでもなく、太平洋岸の主被災地の惨状は目を覆うばかり。
               私が住んでいるのは、東京都西部なので、お蔭さまで地震を云々するのも申しわけないくらいの軽被害、いや無被害でした。

               11日は、前日まで同様(T_T)、仕事はないので、前夜明け方まで、アンプの改修パーツにふさわしいものをネット上を血眼になって探し、ようやく決定、アキバでは買えないものをネットショップで注文し、就床。
               当日は午後2時ごろ起き出し、まずショップの見積りメールを確認してオンラインで代金を振り込み、軽く食事をして「さて、アキバや〜」というところに、グラッ、グラグラグラッ、ドドドド〜ッ。

              スピーカーをおろして。

               なけなしの小遣いはたいた Mercury F1が落下〜、ではありません^^;。

               周囲の本箱などが、もうヤバいという感じになり、財布とキャッシュカードなどを入れた定期入れをつかみ、ジャンパーを羽織って外へ出ようと慌てました。
               スピーカーが気になり、もう落下寸前だったので、2つとも畳の上に下ろして(=写真上)外へ!
               駐車場に集まっている人たちと雑談。「いっや、たいへんですねえ」。携帯からの情報もないということで、AMラジオを持ってきてちょっと聞きながら、その間も余震、余震。アスファルトの足元がぐっらぐら。

               余震がややおさまりかけ、日も傾いてきたので部屋に戻ると、洗い物カゴから落下した大皿(ピラフの記事に登場^^)の一部が欠けてました。
               水屋そのものは倒れず、水屋の引き出し式トレイに乗せてあったものが落下、紅茶の葉を入れていたガラス容器が、分厚いにもかかわらず、クラッシュ。

               けっきょく、被害はこの2点だけのようで、8本ほどある本箱、その他、衣裳ダンスなどは倒れず。
               前につんのめっていたのは、母が持ってきていた、小さな軽い御仏壇。香炉も経机から落下し、散乱した灰の中に過去帳が突っ込んで灰だらけになっていました(T_T)。
               スピーカーはおろして保護したのに、仏壇は倒れるに任せ、へうの親不孝の本性がまたも露呈~~!!

              仏壇の傷


               仏壇には、キズが付いてしまいました~~。これじゃご先祖様の加護もないっすねえ。深夜、余震がだいぶん落ち着いてから、ちょっとお経を上げました…。

               スピーカーは、まだスタンドに乗せていません。今後しばらくは、聴いたあとスタンドからおろしたくなるかも。
               なお、いちばん上の写真は、畳の上におろした Mercury F1 Customを、地震のあと、部屋に戻って撮影したものですが、ぼんやりしたまるいイメージが写り込んでいるように見えます。
               空気中のゴミなのか、とも思われますが、こういう時の撮影であるだけに、不思議な感じがします。が、実際のところ、空気中にはゴミがかなり散乱していて、それにフラッシュが反射したんでしょう。

               揺れ出して床に散乱したものは、ほとんどが不用意に積んであった、チラシ・市報類と、非常勤講師をしていた時の学生の答案など。
               写真を撮りましたが、大学のロゴや雑誌名がバッチリなので、アップしません^^;。

               11日晩から12日未明にかけては、テレビの報道ばかり見て、余震・新地震発生の報に恐怖して、なかなかテレビを消して寝られず。
               夕食は、ご飯を炊く気がしなかったので、コンビニへ行きましたが、のべつ売り切れ。ローソン100ストアだけは‘穴’だったのか残っていて、しかしボリュームのある弁当は食べる気がせず、小さなお寿司1パック。
               風呂も、お湯を入れる気になりませんでしたが、未明の余震が少ない隙に、お湯を入れて入りました。


               …いや〜、東京へ来て20年は経ちますが、こんな揺れは初めてと言っていいでしょう。
               命の危険を感じる、というのとはやや違い、「これから、ただでさえ不安定な暮らし向きに、さらにいろいろ出てくるのかなー」と、住居や仕事の今後が重くのしかかるのを感じながら階段を駆けおりていた、と思います。

               一昨年に蔵書の3/4を処分したとはいえ、ハンパない量の本が残ってましたが、本箱は可能なものは全て転倒防止金具で壁の桟などに止めてあります。

              本箱のロック

               (1)は、倒れるといちばん危険なガラス戸付きスチール本箱。父の使っていたものです。ネジ止め金具では無理なので、つっかい棒式のもの。天井がしっかりしていないとだめなので、あまり期待できないかも。
               (2)は、もっともふつうのもの。(3)は、オーディオラックの上のカラーボックスを固定(左)。スチール本箱にはチェーン式のものも(右)。
               (4)は、それ自体は固定できない場合、隣の固定した本箱とリンクで固定したもの。

               これらも、揺れが大きくなれば倒れる場合もあると思いますが、倒れるまでの時間は稼げると思われますので、有意義だと思います。

               私のCDライブラリーは、どんどん痩せ細って、ほとんどスライド棚付き本箱1本のスライド棚だけに納まるくらいになっています。
               この本箱も金具で止めてあり、ここからのディスクの飛び出しはありませんでした。

               落ちたのは、これの上に平積みにしてあった数枚。
               拾い上げてみると、畳の上に破片がひとつ。

              欠けたCDケース

               CDの被害は、このサンタナの『Abraxas』(米CBS)のケースだけだったもよう。

               これを書いている今も、福島のほうの余震の余波が感じられます。
               全体に対しては、もう述べる言葉もありませんので、私の身の回りの、とりあえずのことのみ、です…。

              FP-54 続報、その他。

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                ラフマニノフ、ヴァーシャーリ FP-54でのヒアリングは、ひと晩(おっと、ひと昼^^;)おいてますます快調。
                 左の、今までもよく聴き、試聴でも聴いてきた、T.ヴァーシャーリの弾くラフマニノフの第2協奏曲を、けっこう興奮しながら、のめり込んで聴いた。

                 低音は出ていないのに、重心が低い感じがする。ヴァイオリンの最高音域は伸びきらず、硬いが、これは LM3886が繊細に伸びきった高音は聴かせてくれないのだろう。
                 音場の余韻感は、豊かでありつつ不自然でない。

                FP-54、被覆剥きテスト

                 熱で溶けやすそうな被覆のケーブルは、ワイヤーストリッパーで軽く切れ目を入れたところを、長岡式にライターの炎で被覆を熱し、ラジペンで引っこ抜くが、芯線が切れにくい利点はあっても、いささかアブない感じがするし、切れ目が汚くなり、‘お焦げ’が残る場合がある。
                 また、安全基準の見直しから、今後は百円ライターなどが簡単に買えなくなることもある。

                 そこで、せっかく買ってほとんど使わない、ハンダごて用のホットナイフ替刃を使ってみた。
                 上の写真、上のほうがライターであぶって剥いたもの、下側がホットナイフを軽めに当てて切ったもの。
                 これではほとんど違いはないが、上のほうには‘お焦げ’が付着し、カット面が斜めになっている。

                専用台上のホットナイフ

                 ホットナイフ仕様で専用台に置いた グット KS-30R。刃が飛び出してます^^;。
                 熱に強い台の上にケーブル端を置き、くるっと回すようにして、強すぎず、時間も長すぎないようにホットナイフを被覆外周に当てて切れ込みを入れる。
                 温度が低いうちはうまくいかないが、高くなりすぎても被覆が溶けだしてはみ出し、あまりうまくない。

                 ホットナイフの刃には、ケーブルの被覆が透明でも、黒くなったカスがくっつく。あとで、シンナーなどで落とさないといけないのだと厄介かなと思ったが、温度が下がってからカッターの刃やマイナスドライバーの先で‘こそげる’と落ちる。ホットナイフ刃も薄いので、軽くこそげる必要がある。

                 ホットナイフはそれ自体刃物なので取扱いに注意が要る上、加熱状態では触れたケーブルの絶縁をバッサバッサ^^切っていく恐れもあるので、作業場は整理して注意肝心。
                 しかし、今後はやわらいかい被覆のケーブル剥きにはホットナイフがいいかも。今回も1本も切れませんでした^^。

                〔附篇:あな恐ろしや、ケーブルの経年変化〕

                汎用スピーカー・ケーブルの溶けた被覆

                 これは、10年以上前に予備として買って、紙袋に入れて押入れに置きっぱなしだったお安い青白スピーカー・コード。
                 何が付着したのかわからないが、ビニール被覆の一部が溶けて、紙袋とくっつき、紙にも脂状のものが沁み出している。
                 理由・事態は全く不明。押入れにある、寝具類に染み付いた私の邪気・毒気が腐食させたのかっ~~!?

                黒化した銅線

                 もう一丁、ゴムで束ねたスピーカー・ケーブル。ゴムをちょっとズラしてあります。
                 どのくらいの期間かわからないが、ゴムで束ねて圧力が加わっていた部分の銅線表面が、見事に黒く変色している。
                 ちょうど、パンツのゴムがきつくて、腰の部分が赤く鬱血‥‥^^; 喩えがヘンになっちゃいました。撤回。
                 とまれ、こんなケーブル、恐ろしくて使えない。

                 じつは、このケーブル、思い出すに、中国製激安・美麗塗装仕上げ、の低音の出ない‘あの’スピーカーに付属していたものらしいのだ。印字は、中国語をアルファベット表記したような感じ。
                 同スピーカーは、オクに出品し、きゃーるさんが落札してくださったのだが、商品説明に、ケーブルは加えない旨書いていたと思う。
                 その時、ケーブルが見つからなかったからか、劣化していて付けないほうがよいと判断したのかは記憶していない。

                 このキョーフの劣化銅線写真であるが、よく見ていただくと、このケーブル、片側が銅色、もう片側は銀色で、つまり Beldenの 708、717よろしく片側錫メッキである。そして、さらによく見ていただくと、銀色のほうは銅色の線よりも黒化が少ないことがおわかりいただけよう。
                 こういう、導体素材も被覆素材もクオリティが疑われるようなケーブルでも、錫メッキのあるとないとでこれだけ違う、という、あのイェンヴィングさんの主張を裏付けるようなモノを、見てしまいました^^;。

                 ※きゃーるさんがお望みなら、このケーブル、お送りしますが、これはさすがに要りませんよね〜^^;。

                最終兵器? or お遊び?

                0
                   はてさて‥‥スピーカー・コードは依然としてどの方向に行ったらいいか、暗中模索…。

                   もう使えるお金もないし、明け方までネット上を徘徊するしかありません。
                   とはいえ、徘徊しているとどうしても使ってみたい製品があっちやこっちに。
                   このところ、高いこともあって使っていないヴァン・デン・フルの、‘Skyline Hybrid’(ティアックの国内型番:VDH-T8[現在はVDH-T8R2])のレヴューに「The Skyline Hybrid is softer and gentler, and arguably more organic than most」なんてあって、およよ^^;。

                   仕事先近くのヨドバシでは、もうひとつ上のランクのだけしか置いてなく、しかも VDH-T8R2も実売価格750〜780円/mなので、必要長を買うと6,000円!
                   …というわけで、その1/4のヒミツ兵器を買っちゃいましたが、そこへ行き着くまでに、まずはヴァンデンの主宰者、ヴァン・デン・フル博士のご高論を伺ってみようやないか、と。

                   オランダの本社サイトには、「A. J. van den Hul」とあって、このおやっさんのフルネームはなんちゅうんやろ? と調べてもなかなか出てこない。
                   ようやく、このサイト内PDF文書「Analog Magician」に、「Aalt Jouk van den Hul」というフルネーム発見! アールト・ヨウク・ヴァン・デン・フル、オランダ語に近く(?)表記すると アールト・ヤウク・ファン・デン・フル、かな。
                   こりゃ他国人には発音しにくい、ので A. J. van den Hulなんだろう。

                  Analog Magician

                   おっと、上↑のドキュメントはPDFなので開くのに時間がかかるし、アナログ・ファンがご覧になると、ヴァンデンのカートリッジ、欲しくなりますから要注意^^!!

                   それはともかく、こちら:「Carbon & Hybrid Technology」のほうのドキュメント(PDF)に書かれている、最初の「metal conductors and their vulnerabilities」が目をひく。

                  「Thanks to the mechanical and chemical treatment of the product during manufacturing, but also its handling and storage afterwards, in the mean time a lot of new crystal boundary contamination will have sneaked its way into the metal, this causing all kinds of audible side-effects like sonic harshness and masking of spatial information.」
                  (製造過程における機械的・化学的加工や、そのあとの取扱い・保存のせいで、金属中にはすぐにたくさんの結晶境界の汚損が忍び込むに違いない。これが、音のキツさや音場情報の欠落などといった、あらゆる種類のオーディオ上の副作用を起こす。)


                   ほほ〜。で、ここから新しい導体製造法に展開すると思いきや、同社自慢のカーボン導体の宣伝にあいなる、ようだが、その辺まで精読する語学力なし^^。
                   Skyline Hybridは、銅線導体の外側にカーボン導体を配しているけれども、銅のほうには何も対策してないんかいな、というツッコミを入れたくなる。

                   ここで、ヒミツ兵器^^が、錫メッキなもので、例のケーブル屋さん以外で、錫メッキ線の功徳を説いている御仁はいないか‥‥ Belden以外でそもそもスピーカー・ケーブルに錫メッキなんかしている原始的ブランドはないだろう、とググると、SAECが輸入している、スウェーデン・イェンヴィング Jenving社の、‘Supra Classic’シリーズが錫メッキとのこと。

                   このスタイルについて、主宰者、トミー・イェンヴィングのご高論が、またくだくだしい。
                   同社サイトにもリンクされている、《TNT Audio》(以前、ご紹介しました^^)にインタヴューがあって、縷々述べている。

                   イェンヴィング氏も、「The OFC copper is fine, but how long time does it stay Oxygen Free, unless you protect it by plating?」と、OFCがずっとOFCであるには、メッキなしでは不可能、という。

                   続いて、彼は、撚り線ではとくに、線間飛び移り=ストランド・ジャンプが起こるので、酸化物の間を信号がかけぬけるのがよくない、云々。
                  「Thus, the current passes the oxide of the the surfaces of the strands thousands of times per metre run in a cable.」
                  (そして、信号電流は導体表面の酸化物を、ケーブル1mあたり数千回も通過するのだ。)


                   銀メッキは、酸化銀が、信号が通るとノンリニアな歪みを生じる diodicityを形成する(長岡鉄男氏の言ったダイオード効果)ので、解決にならない、ゆえに、
                  「We tin-plated the strands, instead, as tin has a higher resistance, hence, making the current mainly be kept inside the copper which stays OFC, with less jumps and less oxide. Again, a better result at a lower price.」
                  (我われは、代りに導体を錫メッキすることにした。錫は高い抵抗値をもつので、信号電流を、OFCとしての品質を保っている銅の部分の中に閉じ込め、飛び移りも酸化も抑えることができるからだ。また、よい結果を安く提供できる。)
                  (まあ、「at a lower price」とは思えませんが^^。)

                   というわけで、裸銅線より錫メッキ線がいい、ということになってきました^^/。
                   じゃやっぱり Belden 8470やん!
                   あちゃちゃ、そうなりますねー。まあ最終的に 8470にもどってもいいんですが、Belden以外で Supra Classicより安い錫メッキのスピーカー・コードは、とググると、あの、汎用パッケージ・ケーブルのメーカー、富士パーツのFP-54がありました。
                  続きを読む >>

                  お手軽ごはん♪

                  0
                     ふひょ〜‥‥。
                     本日はオーディオ休業〜 (~_~;)。疲れました。
                     いや、疲れたのは、未明までネットオクの出品説明を書いてアップし、そのあと遅ればせの申告書を書き、朝10時からちょっと寝まして、ぎりぎりに市役所に申告書を出し、給料日なので口座の入れ替えをし、オクの落札品を宛名書きして発送、などなど。

                     仕事先の数は減っているので(T_T)、申告書を書くのは楽チンそのものながら、所得の少なさと、それにもかかわらず還付額が少なかったらどうしよう、という不安感で、源泉徴収票、あんまり見たくないんです〜><;。

                     いつもはオーディオを聴いたりする時間から、もうハラが減って、オク品発送の流れで買ってきた晩メシを作って食べました^^♪

                    105円ピラフ+α
                    キッタナいピラフ画像だな〜^^;。

                     ローソン100ストアの105円冷凍ピラフ。すぐ食べるので冷凍である必要はゼ〜ンゼンないけれど、インスタント・ピラフはこれがいちばん便利。
                     じゃ〜んとチンしてそのままお皿に、ではさすがにありません^^。
                     ニンニク2かけをスライス、タマネギ1/2個(いずれもローソン100)をみじん切りにしてエクストラヴァージン・オリーヴオイル(ベルトッリ!^^)で炒め、さらにちぎったマイタケも加えてちょい炒め。硫化アリル、アリシンたっぷり^^。

                     タマネギなどを炒める前に、フライパンで目玉焼きを作っときます。溶けるチーズ乗せ^^。
                     タマネギを炒めている間に電子レンジで短めにチンして半解凍にしたピラフを、フライパンにぶっちゃけてジャ〜ッと炒め、焦げ付かないていどでお皿に盛り、先ほどの目玉焼きを乗っけて、ケチャップを。

                     というわけで、総工費200円前後(ニンニク[105円で青森産。なので小サイズ]が意外と高い)の、お手軽ピラフ。
                     見た目、ほんっとうにキチャナいですが、タマネギのシャリシャリ感がよく、けっこういけます。

                     チンして一丁上がりのインスタント品に、おいしくなるかは別としてちょっと足してひと皿。
                     できあいのフルキットに、よくなるかは別に、パーツを加えるオーディオと、メシもほとんど変わりません^^。
                     ケチャップはこだわって HEINZです^^。アメリカ産の食材、食品は敬遠しがちですが、アメリカ産の HEINZのトマトケチャップは濃厚で美味。カゴメより口に合うのですが、最近は全てオランダ産(写真のも)で、容器も使いにくい(プッシュするタイプは、もっと最悪)ので、安価な西友の自社ブランド(GreatValue)に変えることに。バスプラ〜♪

                     え? オーディオはそのやり方でいつも失敗しとるやろ、って? はい^^、オーディオはたいていうまくいきませんが、メシはうまいです〜♪
                     デザートはトチオトメでした v(^_^)。今日も美味しい自作+独りメシに感謝。ごちそうさま。
                     ‥‥明日はまた、脂っこくない納豆にゴマ豆腐でも…。

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                    「ひきこもり」だった僕から
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                    上山 和樹
                    ‘本館’に所感をアップしてます(^^)。
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                    言葉と無意識 (講談社現代新書)
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                    丸山 圭三郎
                    小冊子ながら、限りない示唆に満ちた名著
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                    シンクロニシティ (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)
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                    F.デヴィッド ピート
                    ‘シンクロニシティ’を可能なかぎり、‘トンデモ’から離れて説いた良心的な一書。
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