春日無線プリアンプの改修がすみ、LM3886チャイナアンプに着手しようと思いながら、なかなか手が着かなかったが、春日無線プリの改修に続いて、やってみた。
いちばんやっかい(そう)なのは、ブリッジ・ダイオード(4本リード、インラインの BR3510L、メーカー不明)を、ディスクリート4本のFRDに置き換える実装法。
パンジット ER504の足を、いろいろ曲げてブリッジを作ろうと思ったけれど、リードは太くて固く(非磁性)、リードどうしをハンダづけしようとしても、たっぷりのハンダが固まったあと、力を加えるとハズれ、付いていない。
けっきょく、これは不採用で、4本はアウト。10本入りでよかった〜^^;。
おっと、順番が逆。最初、フロントパネルをはずし、基板を取りはずした。
フロントパネルにボリューム(VR)のシャフトが固定されているので、フロントパネルをはずさないと基板がはずせない。VRは、基板固定型だが、フロントパネルにもナットで止められている。ノブの六角ネジを緩め、ノブを引き抜く。ムクの重いノブで、ノブとシャフトの間には、ゴムのキャップを挟んでいて、このあたりは感心の丁寧設計である。
パネルのVRつまみ取り付け部も、外観からわかることだが、ザグリが入って、高級感ある作り。
IC=LM3886までハンダをはずすとやっかいなので、付けたまま基板を取りはずす。ICにはシリコングリースが付いているので、キッチン用ラップを貼って他に付かないようにする。
基板のパターンは…よくわからない。直線の間隔で区切って、ベタ・アースをたっぷり取っている感じ。
入力のカップリング・コンデンサー用の穴は、サイズによって使い分けられるように、入口・出口とも複数開いていて、これは fujiwaraさんのデザインと同じ^^。
ERO MKT1813は、オリジナルのコンデンサーと同じ長さなので、元付いていた穴でOK。
あとはケミコン群。NFB接地点のコンデンサーは、オリジナルでもニチコン BTという、ライトブルーの高温・高信頼型である。
ここはDCがどちら向きにかかるか決定できないのでバイポーラーがよく、とうぜん、ニチコン MUSE ESの35V 47μF。オリジナルはデータシートの22μFだが、かの fujiwara氏のキットなどから、47μFあたりが妥当と判断。
兵庫のオヤジ殿の起こされた回路図からもわかるとおり、この部分、通常は抵抗があって、次にコンデンサーを介して接地し、DCを100%帰還する。が、チャイナアンプは抵抗が先で、コンデンサーがGND側に来る。(逆でした^^;。チャイナアンプはコンデンサーが先に来ている。)とくに問題はなく、入れ換えると抵抗の並びにコンデンサーが入ってやっかいなので、変えない。
LM3886の11番ピンに接続される、MUTE回路のケミコンは、音には直接関係がないと判断して交換せず。
あとは、電源デカップリングの電解を、エルナー RFO 50V 220μFに交換。2本が並んでいるので、スペースがちょっと狭いが、まあ入る。
デカップリングとMUTEに使われている黒い50V 100μFは、「JAPAN」と印字されているけれども、見たことのないブランドだ。
あった…ここです。NIC Components。この親玉らしい Nippon Industriesというカンパニーがまたアヤシく、どこがニッポンやねん? という代物である。「JAPAN」とあるので、日本の工場製なんでしょうか。
コンデンサー系の最後、発振防止の出力並列のCR直列回路。これもふつうは 出力ライン→R→C→GND と並べるのだが、チャイナアンプは、CとRが逆で、出力にすぐCが付く。問題はないが、見かけでもこれだとコンデンサーから基板の容量を通してスピーカー出力に容量がブラさがる感じがするので、CとRを入れ換える。10Ω1/4W型のところにニッセイ APS 0.1μFを、オリジナルの0.1μFのフィルムコンのところに、ちょっと基板からはみ出すけれども、8.2Ω2W型を強引に挿す。
フィルムコン 4本、ケミコン 4本、抵抗 2本の交換は、まあ単純作業だが、やっかいだったのは上記のとおりブリッジ・ダイオードをアキシャル・タイプ4本に置き換えること。
けっきょく、上の写真のようになりました‥‥といっても、ハンダが反射したりして、どこがどう接続されているのか、自分でもフタを閉めたらわからなくなる複雑さ。
要するに、AC端子2ヶから、それぞれ+側にカソードが、−側にアノードが向き、AC同士が短絡しなければいい、という原理でもってくっつけた。
ダイオードの足どうしのハンダづけが心許なく、接触不良にならないか心配な面があるが、たっぷりのハンダと、固まったあとラジペンでグイグイッとやって確認。
半分を基板裏に取り付ける手もあるが、そうすると基板スペーサーを長くして基板を持ち上げる必要が生じ、そうなるとVRやLEDがフロントパネルとずれて具合が悪いので、かなり強引だが基板上に実装した。
デジカメで写りにくいところを、手書きするとこんな感じ。
というわけで、とりあえず改修終了。電源電圧を測るのは初めてだが、+(1番ピン)、−(4番ピン)とも26Vが出ていた。これだと出力は30W以下か。
出力部のDCは、片方が-0.94mVほどで、もう片方はほぼ0mV。約-1mVはちょっと気になるが、まあ問題ない。
LM3886を止めるビス、ナットは、ちょうどいい長さだが、磁性があったので、手持ちの非磁性ビスナットに換え、樹脂のワッシャー(ナット?)ははずした。
あれ? 前に買ってからどこへ行っている〜…と探したシリコングリースが出てきたので、増し塗りして基板をもどし、完成。
あ、その前に、電源のインレットの、ツメを曲げてハンダを盛るだけで通電している箇所(写真、矢印)に、銅線を挿してハンダを盛りなおした。
全体に、‘デザインは周到、工作はザツ’が印象である。
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
こんな感じです。兵庫のオヤジ殿の回路図と、ウッドさんの改造後の写真を参考にさせていただいた。その他も、拙ブログへのコメントを始め、ネット上の情報に裨益された。厚く御礼申し上げます。
いちばんやっかい(そう)なのは、ブリッジ・ダイオード(4本リード、インラインの BR3510L、メーカー不明)を、ディスクリート4本のFRDに置き換える実装法。
パンジット ER504の足を、いろいろ曲げてブリッジを作ろうと思ったけれど、リードは太くて固く(非磁性)、リードどうしをハンダづけしようとしても、たっぷりのハンダが固まったあと、力を加えるとハズれ、付いていない。
けっきょく、これは不採用で、4本はアウト。10本入りでよかった〜^^;。
おっと、順番が逆。最初、フロントパネルをはずし、基板を取りはずした。
フロントパネルにボリューム(VR)のシャフトが固定されているので、フロントパネルをはずさないと基板がはずせない。VRは、基板固定型だが、フロントパネルにもナットで止められている。ノブの六角ネジを緩め、ノブを引き抜く。ムクの重いノブで、ノブとシャフトの間には、ゴムのキャップを挟んでいて、このあたりは感心の丁寧設計である。
パネルのVRつまみ取り付け部も、外観からわかることだが、ザグリが入って、高級感ある作り。
IC=LM3886までハンダをはずすとやっかいなので、付けたまま基板を取りはずす。ICにはシリコングリースが付いているので、キッチン用ラップを貼って他に付かないようにする。
基板のパターンは…よくわからない。直線の間隔で区切って、ベタ・アースをたっぷり取っている感じ。
入力のカップリング・コンデンサー用の穴は、サイズによって使い分けられるように、入口・出口とも複数開いていて、これは fujiwaraさんのデザインと同じ^^。
ERO MKT1813は、オリジナルのコンデンサーと同じ長さなので、元付いていた穴でOK。
あとはケミコン群。NFB接地点のコンデンサーは、オリジナルでもニチコン BTという、ライトブルーの高温・高信頼型である。
ここはDCがどちら向きにかかるか決定できないのでバイポーラーがよく、とうぜん、ニチコン MUSE ESの35V 47μF。オリジナルはデータシートの22μFだが、かの fujiwara氏のキットなどから、47μFあたりが妥当と判断。
兵庫のオヤジ殿の起こされた回路図からもわかるとおり、この部分、通常は抵抗があって、次にコンデンサーを介して接地し、DCを100%帰還する。が、チャイナアンプは
LM3886の11番ピンに接続される、MUTE回路のケミコンは、音には直接関係がないと判断して交換せず。
あとは、電源デカップリングの電解を、エルナー RFO 50V 220μFに交換。2本が並んでいるので、スペースがちょっと狭いが、まあ入る。
デカップリングとMUTEに使われている黒い50V 100μFは、「JAPAN」と印字されているけれども、見たことのないブランドだ。
あった…ここです。NIC Components。この親玉らしい Nippon Industriesというカンパニーがまたアヤシく、どこがニッポンやねん? という代物である。「JAPAN」とあるので、日本の工場製なんでしょうか。
コンデンサー系の最後、発振防止の出力並列のCR直列回路。これもふつうは 出力ライン→R→C→GND と並べるのだが、チャイナアンプは、CとRが逆で、出力にすぐCが付く。問題はないが、見かけでもこれだとコンデンサーから基板の容量を通してスピーカー出力に容量がブラさがる感じがするので、CとRを入れ換える。10Ω1/4W型のところにニッセイ APS 0.1μFを、オリジナルの0.1μFのフィルムコンのところに、ちょっと基板からはみ出すけれども、8.2Ω2W型を強引に挿す。
フィルムコン 4本、ケミコン 4本、抵抗 2本の交換は、まあ単純作業だが、やっかいだったのは上記のとおりブリッジ・ダイオードをアキシャル・タイプ4本に置き換えること。
けっきょく、上の写真のようになりました‥‥といっても、ハンダが反射したりして、どこがどう接続されているのか、自分でもフタを閉めたらわからなくなる複雑さ。
要するに、AC端子2ヶから、それぞれ+側にカソードが、−側にアノードが向き、AC同士が短絡しなければいい、という原理でもってくっつけた。
ダイオードの足どうしのハンダづけが心許なく、接触不良にならないか心配な面があるが、たっぷりのハンダと、固まったあとラジペンでグイグイッとやって確認。
半分を基板裏に取り付ける手もあるが、そうすると基板スペーサーを長くして基板を持ち上げる必要が生じ、そうなるとVRやLEDがフロントパネルとずれて具合が悪いので、かなり強引だが基板上に実装した。
デジカメで写りにくいところを、手書きするとこんな感じ。
というわけで、とりあえず改修終了。電源電圧を測るのは初めてだが、+(1番ピン)、−(4番ピン)とも26Vが出ていた。これだと出力は30W以下か。
出力部のDCは、片方が-0.94mVほどで、もう片方はほぼ0mV。約-1mVはちょっと気になるが、まあ問題ない。
LM3886を止めるビス、ナットは、ちょうどいい長さだが、磁性があったので、手持ちの非磁性ビスナットに換え、樹脂のワッシャー(ナット?)ははずした。
あれ? 前に買ってからどこへ行っている〜…と探したシリコングリースが出てきたので、増し塗りして基板をもどし、完成。
あ、その前に、電源のインレットの、ツメを曲げてハンダを盛るだけで通電している箇所(写真、矢印)に、銅線を挿してハンダを盛りなおした。
全体に、‘デザインは周到、工作はザツ’が印象である。
こんな感じです。兵庫のオヤジ殿の回路図と、ウッドさんの改造後の写真を参考にさせていただいた。その他も、拙ブログへのコメントを始め、ネット上の情報に裨益された。厚く御礼申し上げます。