やっぱりSOICタイプ?

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     ふひ〜.... 今日は納税準備預金(古〜。もう使っている人いないんでは? 昔はちょい利率高かったんです^^…)に月曜に落ちる市都民税を入れました。

    OPA2211+LT1028 ゆうべは、またも“CD、売ろかな〜”とかゴネっていたけれど、帰ってまた電源を入れ、ちょっと聴く。

     やはり、基本的に音楽が気持ちから遠ざかっているのを感じる。
     マーラーの第9、終楽章は美しい音楽なので、ディスクの音、オーディオの状態などにかかわらず、それなりに美しい音が響くのだが、第1楽章から聴き始めると、新ヴィーン楽派ばりの複雑な音響は、マスタリングやオーディオの状態をアバキ出してくれる。

     ラトル/ヴィーン・フィル(EMI)は、OPA2211+NE5532で、低音も豊かなリアリティだが、ちょっと締まらない。ジュリーニ/シカゴ(DG)は、O.I.B.P.リマスターのヴァイオリンがギスギスして「あれ? こんなつまんない音だったっけ?」。バルビローリ/ベルリン・フィル(EMI)も、ヴァイオリンのエッジが無機的でキツい。

     昨日、昼寝の入眠誘導剤代わりに(なるんです^^)聴いていたモーガン・フィッシャーの《Peace in the Heart of the City》も、どうもピアノの音が耳にビビン、ビビン、と来ていた。

     こうなると、最初にSOPタイプを試した、OPA2211+LT1028CSという、加藤モータースさんヴァージョン、ということになる。
     はたして、音の重心は下がり、高域の輝きは減る。‘中抜け’の感じは、実際の中抜けではなく、音の押付け・衝撃感が少ないことから感じるようだ。
     アルゲリッチのピアノ(前引)は、ぐっと暗くなるが、LT1469では、がっちりした打鍵感が薄かったのが、LT1028ではそうではない。

     特定の楽曲では NE5532が際立って美しい場面があるが、た〜くさんの音源を高品位かつバランスよく、となると LT1028である。
     さすが、加藤モータースさんの炯眼! いや慧耳、か。
     数十分聴くと、ケースの上面が暖かく、開けてレギュレーターの放熱器に触れると、とくに+側がチンチン。
     I/V変換抵抗には高域カットの大きなコンデンサーが入ったから、OPA2211の動作もいちおう心配ないだろうし、LT1028は、1基7.6mA以上消費し、これは OPA627BPより多い。なので、発熱は仕方ないだろう。コンデンサーも高耐熱型にしたし。

     I/VにLPFが入ったことで、OPA2211の動作条件が変わっているが、以前のヴァイオリンの異様なほどの蠱惑的美音から、ややカジュアルな音になっているようで、インパクトは減ったが聴きやすい。

     ‥‥といっても、やはり音楽そのものからのインパクトが減っている‥‥。聴きながら、「このDAC、オクに出したら、落とした人、どう感じるかな」なんて考えている。

     ま、オクはとりあえずリニアテクのオペアンプ、LT1028以外を全部出しまひょ。

    手許不如意で‥‥秋の思い?(暑いのに〜^^;)

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       しばらく仕事がほとんどないが、こうなると不登校・引きこもり時代そのままに、昼夜逆転シフトに陥る。
       鬱病と診断される方の愁訴に、「睡眠障害」というのがある。私は、言ってみれば中学時代以降ずっと、マトモに夜気持ちよく就眠して、朝気持ちよく起きる、ということがない、といっていい。
       薬剤(催眠系だけでない)は、中学時代にはずいぶんお世話になったが(精神神経科に通院、処方)、ある時などは副作用(‘正’作用かも^^)でスサマじい焦燥感に襲われ、タクシーでその医院へ跳んでいったこともある。その後、脳がその感覚を覚え、再発(感)を感じる恐怖を持った。

       そのあと、母が野口整体を知り、その考えで、内服薬はできるだけ使わない、というポリシーに変え、その代わりに30代以降は寝酒なしの夜は、ない。
       のちに医療系の学校で非常勤を務めた時、講師控室で同席した、やはり非常勤のドクターにこの話をすると、「その薬、○○じゃなかったのかな」とおっしゃっていたが、今ごろ言われてもなあ、なのであった。

       そんなこんなだが、このところまた、生活費をどうやって工面しようか、もう手持ちがないぜ、という現状で、深夜はネットに依存して逃避し、昼間は何とかして夢に逃避しようとする。

       そこで、いよいよ(唐突かもしれないが)最愛(?)のオーディオ音楽とお別れの時かな、などとも考える。
       自作DACとキットSPが今までで最高の音を出してくれつつある今、お別れは、先ずはツラい。が、私のオーディオ音楽は、“イヤでも聞こえてしまう”ものなので、かけ替えのない楽しみでもあると同時に、非常にシンドいものでもあり、これがなかったらラクやろな〜、という思いが常にあった。しかも、その他諸々と同様、運に恵まれない。

       ネット上には、自ら「耳悪」、「駄耳」を自称するヴェテラン・オーディオマニアがいらっしゃる。この種の自称は、謙遜、かつ「オレは音がわかる、なんてみっともないことは言わぬ」という矜持のゆえだろうと思う。
       が、私は、ゴーマンかますが、耳は‘わかる’ほうだと自覚している者なのである^^;。
       国内盤クラシックのLPレコードをかけて、「いや、アナログはええですなあ」などとおっしゃる向きの気が知れん、のである(シツレ〜。再生機器によっていい音は、出ますが^^;)。

      バルビローリ、シベリウス交響曲全集ポリーニ、ショパン:練習曲集
      左シベリウス交響曲全集、バルビローリ。右:ショパン:練習曲集、ポリーニ。
       ‥‥もごもご。‥‥というよーなグチたらたらのうちに、オーディオの電源を入れて、バルビローリ指揮のシベリウス交響曲全集(ハレ管弦楽団、EMI。CMS 5 67299、ARTリマスター。今はタワーレコードが安い[が、サイトが出ない…])から、第4番を聴いた。

       深沈たる低弦が、ズズ〜ンと這い出してくる冒頭から、ロマン的に訴えかけることのない沈んだ悲哀がじわじわと盛り上がる中、ティンパニの強打がリアルだ。
       不登校だった中学時代に、初めてセット(交響曲のみで4枚組だったか。バルビ卿のインタヴュー17cm付き)のLP(東芝、PTSカッティング)のレコードを買ってもらった、かなり思い入れのある録音。

       CD化して、それも東芝EMI独自のHS2088リマスター盤は避けて、英EMIのARTリマスター(上記盤)を待って求めた。
       それでも、市販CDPでは、高弦がツルッとしすぎ(東芝のLPは、逆にノイジーだった)、せっかく出たのに再生を楽しむのが難しいディスクだった。同じEMIの、ベルグルンドの全集もあるから、こっちで聴くか、と思うこともあったが、DAC1794-1.5の今の状態で、LPで聴いたことのない深みと迫力で鳴った。

       聴いている間じゅう、ずっと考えていた。
       こういう、蠱惑的極まりないが、こんな世界から解放され、賃貸の畳と壁だけを見つめ、安くてうまい食事だけを考え、できるだけ多く仕事をする(ったって、シンドがりの私のこと、半ニートのままだけど^^;)。
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      オペアンプ試聴中…もうちょい。

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        いろいろ、音源を聴く ―。
        プレトニェフのスクリャービン。アルゲリッチ、シューマン。(リコルディ盤)
        左:プレトニェフ指揮のスクリャービン。 右:アルゲリッチのシューマン。

        ズート・シムズ《Zoot at Ease》
        ズート・シムズ《Zoot at Ease》
         きのうまでと少し毛色の違う音楽を聴いてみた。

         スクリャービンの交響曲第4番《法悦の詩》。性行為のオーガズムを交響詩にした、とよく言われる(? …某○泉社系のクラシック入門書は、こういう物言いでクラシックを‘啓蒙’しようとしてたっけ^^)曲で、同時に神智学の影響も大きい、とかゴタクがある。音楽は、金管が輝かしく使われ、オーディオ的にはとくにトランペットがよく鳴り、かつ鳴り過ぎないのが勘どころ。

         昔から、メータ/ロス・フィルのロンドン盤の評価が高く、同じDecca録音のマゼール/クリーヴランド盤も知られていたが、私はどちらもイマイチな感じで、3年ほど前に買ったプレトニョフ/ロシア・ナショナル管盤(ユニバーサル/DG UCCG-4247)が好み。
         全体に響きが豊麗で、弱音部は‘ロシア風’でなく繊細、トランペットも鳴り過ぎない。交響曲第3番《神聖な詩》が併録されて、いいディスクだと思います。

         これの再生で、OPA2211+LT1469ではちょっと音がくすみがちになる。
         そうしたここの音源での問題以前に、やはり OPA2211を使うと、もうほんとうにいい音なのだが、高精度過ぎて疲れてくるのである。
         そこで、LPFの LT1469の代わりに、MUSES8820を挿す。いい音だ。LT1469の時は、音場全体が奥行き深く、その中に何があるのか探すといった趣きなのだが、MUSES8820だと「ステレオのスピーカー」から音が出ているという安心感がある。
         ただ、トランペットは響く〜。

         もうひとつ、気になる音源を…。
         マルタ・アルゲリッチは、DGにデジタル録音でシューマンの《クライスレリアーナ》などを入れていて、名演だが、'76年にイタリアのリコルディ Ricordiに《幻想曲》と《幻想小曲集》のアルバムを入れている。LP時代にはCBS・ソニーから出て、CD時代になって学研がプラッツ・レーベルで発売し、その後、EMIに移って東芝EMIから国内盤も出ていた。

         BMG/RCAが Ricordiを買収したことで、RCAレーベルで日本盤がリリースされたものが最も新しく、RCAのプレス会社である独ソノプレス社で24ビット・リマスターされている。
         この盤(BVCC-35111)を入手しているが、リマスターはていねいだとは思うが、かなり高域を鮮明に、倍音も強調気味に処理され、強音部分では“ジャリーン”という響きの上にさらに付帯音が付く感じだ。メーカー製ローコストCDPでは心地よい再生が難しい。
         OPA2211+MUSE8820だと、強音の多い曲で、チリンパリンという付帯音が耳につく。

         LPFに LT1469を入れていた時には、MUSES8820の示す‘輝きすぎ’は全くなかったが、反対に打鍵の衝撃感が、とくに中音域より低いところで薄かった。
         では、どうするか…そこでまた、NE5532。OPA2211(1,680円)とは価格が違いすぎて、合わせることを考えなかった。
         が、これは、よかった。カチッと締まった音がして、なおかつ付帯音は少なめ。

         この音源は、BMGでリマスターされ、徹底的によくなったともいわれるが、EMI盤も聴けたら聴いてみると面白いかも。
         演奏は、(《幻想小曲集》は、このディスクとリヒテルのものしか聴いたことないが^^)超名演だと思います。このレコードは正確な録音日がわからないそうで、BMGのCDもジャケ写はCBS・ソニーのLPのものを使っている。

         NE5532では、上のスクリャービンのトランペットもちょうどいい按配だ。

        ― そんなところで、オペアンプ…。
         当初は思いも寄らなかった OPA2211+NE5532組を、今は入れいている。MUSES8820もけっして悪くない。NE5532とともに、いいところは過度な解像度がないこと、だろう。
        OPA2211とNE5532

         ジャズのスタンダード、「朝日のように爽やかに Softly, as in a Morning Sunrise」は、私はMJQやソニー・クラーク・トリオのよりも、ズート・シムズの演奏が好きだ(《Zoot at Ease》、Famous Door原盤、CDは Progressive PCD-7110)。

         《ダウンホーム》なんかはアップテンポの曲が多くて私には全く合わず、こっちのほうがいい。ほんとは《オン・デュクレテ・トムソン》の「黄昏のパリ」ばっかり聴いているのだけれど…。
         で、この《Zoot at Ease》の「朝日のように爽やかに」は、OPA2211+LT1469では、朝日…ではなく夕陽のように深沈と、な感じだったのだが、NE5532でずいぶん軽くなりました^^。

         ― ま、こんなのは気分と音源でぽいぽいと変わる評価だが、I/V変換に高速、広GB積オペアンプを、LPFには逆にうんとGB積の小さいものを、という組み合わせもいいかも。NE5532だと、またオールTIチームになります。

        非正規教育補助労働、とか...。

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           仕事先の講習期もほぼ終わり、8月後半はほぼ完全失業状態。
           ここ1年以上の、ちょっと狂気じみたほどの、DACとスピーカーの調整の甲斐あって、趣味のオーディオのほうは聴いたこともないレヴェルの音は出ているのだが、精神的にはもう生きている心地がしない。

           いや、精神的にというより経済的に、なのだが。
           こういうテーマは閲覧のお客様方には不快に決まっているのだが、ちょっとそうした、‘マジメ愚痴’を‥‥。

           仕事先の講師控室では、しばしば、担当する生徒たちの問題点を講師たちが口々に語り、さあどうしてゆくのがいいか、お互いにサジェッションを交わし合う。個別指導の講師が、生徒はこんなこともわかっていない、のにこんな偏差値の大学を希望している、さあどうしよう…。

           今の日本で、受験産業従事者と蔑まれながら、そこに低い時給で不安定なコマ給を求める以外、他に生きる方途を見出しがたい非正規教育労働者(専任の学校教員からは、たぶん教育労働者とも思われていない)は、どれだけいることだろう。

           塾、予備校、それも超一流高への入試突破を目的とする有名校でなく、補習を基本に、何とか次のステップを切り開きたいという生徒たちのお相手を日々するのだが、学校での学習が、多くの生徒の場合、きわめて不十分に終始している ― もう言うまでもないことだろうけれど。

           私どもは、その面のサポートとしては、実質かなりお役に立っている、とは言わないまでも、私どものような存在がいなければ、この社会の教育水準は、今よりさらにヒドいことになっていることは否めない、とは言わせてもらっていいだろう。

           が、こういう非正規の教育補助労働は、低時給で不安定、結果、低収入であり、私たち従業者もそれを当たり前と考えている。周りを見ると、有名大学卒業者ばかり、といっていいが、たぶんその同窓生で正社員・専任職に就いた人たちより格段に低収入だろう。

           いっぽうで、こうした従業者=講師の目から見ても、正規の「学校」への授業料以外に、相当額の高額な出費を負担して、子弟にこのような‘教育補助サーヴィス’を受けさせない限り、きちんとした「教育」を施したことにならない社会というのは、どこかたいへんにおかしいのではないかとは思えるのである。

           「学校」だけでは基礎的レヴェルでさえ完結しがたい教育。それを補助することで収入を得る者たちは、低収入かつ生活が保障されず、それはむしろ低所得で生活が不安定であるからこそ、何とか保護者が払える額 ― かなりな負担だが ― で教育補助が行ないえている、ということなのだ。

           もちろん、これは社会全体の正規・非正規雇用の局面からしてそうなのだし、学校に限っても、莫大な員数を「非常勤講師/教員」でまかなうことで、わが国の学校経営は成り立ってきたわけだ。
           現在、‘非正規’の問題が言われつつ、思うことは、このような非正規被雇用者が多いからこそ、この社会は‘持って’いるのであって、いわばここが陥落すると社会が崩壊する「生命線」だと考えられているのではないか、ということだ。そして、だれもみなそう思っているが、倫理上、それは絶対に口にできず、反対のこと=正規雇用を増やすべきだ、とは言うが、実際にはこの「生命線」は動かせない。

           これは、「人件費」の問題で、どうにも動かせないことだから、最初から解決不能、というより、解決してはならないこと、であるのかもしれない。
           もっと言えば、教育補助労働で得る低収入でさえも、本来は、勤労者の可処分所得の中から支払われるべき筋合いのものではない、とまで言えるのである。
           私どもは「おまえたちは教育熱心な親の思いに付けこんで収入を得ている者たちであって、本来なら、おまえたちは一人として収入を得ていいはずのものではない」と言われつつ日々暮らしているような気がする。

           ― どうも現状を、言葉を飾った愚痴で表現しただけになってしまったけれど、小学校〜高等学校の専任教員(教諭)が異常なほど多忙化するとともに、いじめや虐待に対する対応がますます高度に求められ、それに比例して従事者の鬱病発症などが激増している、という現状は覆うべくもない。
           その反面、低収入・不安定労働の中で、子どもたちの学力が何とか維持されようとしている、という有様は、やっぱり異常だ。

           北欧各国で、失業した人が転職しやすいように、大学で再教育を受ける際に補助されるというようなこと(こちらなど参照)はよく報道される。
           また、これも北欧だが、フィンランドでは“塾も競争もない”と紹介される。こういう社会では、私のような者は全く収入を得られないわけだが、それでも、こちらのほうが当たり前、だし、フィンランドで大学・大学院出身者が大量に職を得られず、自殺などに走っている、というような話は聞いたことがない。

           こういった事例が、しばしば‘理想形’のごとく紹介されながら、いっこうにわが国の現状は変わらない。

           社会でも個人でも、小さい間違いには「あ、マズい」と気づいて訂正することが多い。が、間違いが大きくなってきたらだんだんと、訂正どころか指摘もできなくなってくる。
           個人の場合は、他者が叱責したり、排除したりで強制的に訂正されるが、大きな組織や、社会全体となると、オカシナことが増大するほど、“みんなそれに乗っかっておけ”状態になる、のである。
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          オペアンプ試聴中…続き。

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             前稿からのオペアンプ遊びの続き…ばかりしていてもしようがないけれど、いちおう聴ける候補を2ペア・プラスアルファほど。

             I/V変換には、とりあえず OPA2134と LT1469をということになり、OPA2134の相方は NE5532がよかったので、折にふれ OPA2604などを、ということに。

             LT1469の相方は、MUSES8820がベストのように聞こえるのだが、全体に美しく音作りをし過ぎて、オケ曲の弦の粒立ちや、ティンパニのパンチ感に欠ける嫌いがある。
             いろいろあてがってみたけれども、意外に、今までの組み合わせでは歪み感が強くて使えなかった、TI TL072が面白い。

            また、ジュリーニのブラ2。 室内楽の再生も大切ながら、好みの、ジュリーニ/ヴィーン・フィルによるブラームスの交響曲第2番。
             終楽章も終わりに差しかかった、スコア(全音楽譜版を参看)でいうと何小節だろうか(よくわからないが;;)‥‥終楽章は全429小節、その415〜416小節で、ティンパニが連打し、416小節でイッパツ、スタッカートの付いた四分音符を叩く。ここが「パンッ!」と気持ちよく決まらないとどうにもカタルシス感がない。
             「パンッ!」が軽くても物足りないし、倍音が埋もれて「ドズン」と重く沈んでもいけない。

             この感じ、LT1469と MUSES8820では、全体は美しいけれど、ティンパニの強打が「ドボン」になってしまう。
             これが、LPFに TL072を持ってきた場合、あるいは OPA2134+NE5532のコンビでは、実に気持ちよく「パンッ!」と鳴ってくれる。
             そして ― 末尾425〜428小節で金管群が高らかな咆哮を上げ、429小節でフェルマータの一発「ジャーン!」で終わりっ!! この金管の鳴りも、MUSES8820ではやや上品な艶に終始するのだが、TL072では、胸のすく解放感がある。
             今まで、ここはホルンが活躍するものとして聴いていたが、スコアではホルンとトランペットは4小節とも音価は同じで、前3小節で「ホワ〜ン…」と吹き上げるのはむしろトロンボーンみたいである…。

             何なんだろう、と考えてみるが、これはどうも、2段のオペアンプの1箇処に、FETの、高インピーダンス部分があることが奏功しているのではないか、と推測する。
             しか〜し! TL072では、やはりヴァイオリンのソロはキツい。ムターとワイセンベルクの例のブラームス:ソナタでは、鋸の目立て寸前;;;。あいたたた。

             コマッタ。しかし結局、パンチの効いたティンパニを聴きたいときは OPA2134+NE5532コンビニ挿し換え、通常は LT1469+MUSES8820できれいな再生音を、ということにしておきまひょ。

             ここでオペアンプを入れた小型タッパーを見ると、例の OPA2211はしばらく使っていない。I/V段は、補償Cなしで LT1469が発振したので、不安定だったわけだが、1,800pFをパラっているから、OPA2211を挿しても問題はないはず。
             で、挿して聴いてみる‥‥とりあえずのベストの相方はやはり LT1028だが、どうも中域が抜けがちに聞こえる感じが‥‥MUSES8820にしてみると、悪くないけれど、LT1469との時より改善するところがない。

            OPA2211+LT1469 で! ― LT1469を後段=LPFに、というのを思いついた。
             これは、よかった。OPA2211+LT1469では、FETはどこにも使用されていないが、他のFET入りコンビの味わいを彷彿させ、歪み感はなく、情報量も多い。OPA2134+NE5532組よりもずっと重心の低い、ゆったりしたサウンドだ。
             決まり、とはいえないが、これもあり、である。

             OPA2134+NE5532は、古いチップながらオーディオ用として定評あるもので、なるほどと思わせるところがあるのに対し、OPA2211は、GB積が80MHz、LT1469では同90MHzと、最近の広帯域アンプ(ただし、ビデオ用ではない)の最先端を行くコンビで、際立って対照的だ。
             OPA2211は特性的に他を圧しているが、LT1469も、同メーカーでより高速な LT1358、LT1364よりも雑音特性、歪み率で優れている。データで音がどうにかなるものではない(無関係でもない)が、精神衛生上はいいだろう。
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            オペアンプ試聴中…。

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              LT1469 少しばかりの塾の講習のあと、アキバに出て、といってもう買うものもないのだが、DAC1794-1.5製作当初に使ったアナログ・デバイセズ(←ナカグロを入れるのがAD日本法人の正式表記)OP275を再度買った。

               LME49860のI/Vは悪くないが、バックハウスのモーツァルト(Decca Ovation、非リマスター盤)で、ピアノの音が滲む(「トルコ行進曲」で)。
               OP275では、高域が神経質になるが、I/V変換抵抗にコンデンサーをパラったこともあってか、当初より聴きやすい。

              バックハウスのモーツァルト。 この流れで、発振したあと使っていなかった LT1469をI/V部に挿してみた。
               これが、いい。LPFには MUSES8820が合う。ヴラフ四重奏団のドビュッシーなど、こんなオペラグラスで舞台を見るような再生音は、ちょっと聴かない。
               ただ、2基を左右で入れ換えると、ちょっと倍音・子音のエッジが異なって鳴る(ような気がする^^;)。超広帯域なオペアンプは、やはりクセがあるのだろうか。

               OP275は、FETとバイポーラーを組み合わせた‘バトラー・アンプ’を謳っているが、入力バイアス電流は100nAとバイポーラー型並みに大きい。
               I/V変換用オペアンプには、入力バイアス電流の少ないことが大切という解説があって、バイポーラー入力オペアンプはまずいのかな、と思ったが、これに対し、それは微小なDCの変換の話で、AC変換のDACのI/V変換には関係ない、という説(こちらの873番書き込み)が見え、オーディオDACについてはこちらが妥当だろうと思う。

               そんなこともあって、オーディオ用でよく話題に上がるオペアンプ18種の、恣意的に選んだデータの項目を、これまた恣意的な表記で作ったリストを作り、PDFファイルにした(Wordで表を書き、OpenOffice.org/Writerで出力)のだが、けっきょく入力バイアス/オフセット電流は関係ない、ので無意味に近くなったが、とりあえず Yahoo!ジオシティーズの拙HP上に置いておきましょ(PDFなので開くのに時間を取ります。また、直では開かないことがあるので、アドレスバーを反転させた上でリターンキーを押していただくと、ダウンロードのダイアログボックスが出るはずです)。自己責任でご利用…ではなく、利用はしないで、データはデータシートを見てください^^;。

              OPA2134とNE5532。
               FET入力オペアンプは、入力バイアス/オフセット電流がピコアンペア・オーダーで少ないのだが、低雑音や高速性が犠牲になりやすいようだ。
               これを両立させたのが OPA627なので、ある意味高価なのは当然なのである。
               だが、このタイプで、しかももうごく安価になっているものに OPA2134がある。語り古されて新鮮味もない石だが、これがI/V部に入れて意外によかった。

               LT1469、LT1364(これはやはり高発熱)と比べて、高域の輝きが強く、といって最高域端ではなく、ヴィオラの倍音がよく聞こえ、ティンパニの皮をひっぱたく衝撃感がよく伝わる。
               LT1469でも低域が LME49860、OP275よりズシ〜ンとくるが、OPA2134も低域は出てくる。
               LT1469+MUSES8820では、ぐっと音が暗くなり、繊細な情報量を聴かせるが、OPA2134+NE5532では、高級オーディオではないが、いかにも生きいきと音楽をやっている、楽器を鳴らしているという感じが伝わって、いい。― この辺、バーンスタイン/ヴィーン・フィルのベートーヴェン:第五、グルダの《皇帝》などで試聴。グルダのピアノは、OPA2134ではかなり明るくなるが、定位感もよく、オケの弦、ティンパニも生きいきしている。

               LPFには、MUSES8820も置いてみて、これもきれいな音でいいが、NE5532のほうが、素朴ながらいかにもアクースティックの楽器音らしく聞こえる。
               アルバン・ベルクQのモーツァルト(Teldec)は、音量を抑えないと耳にビィンとくるところがあるが、歪み感のある音源はそのままに鳴らす、というのもオーディオ機器としては必要でもあるかな、と納得しておく?
               シングルの NE5534×2も試したが、ちょっとキツい感じが増して、5532のほうがよく感じた。内部補償でスルーレートを下げてあるのが奏功しているのか…。

               OPA2134は秋月電子で1ヶ200円だから、100円前後の NE5532と合わせて500円のオペアンプ陣。その上、DAC以降全部TIのチップになるが、悪くない。
               OP275はちょっと勇み足だった感があるが、I/V変換には LT1469と OPA2134を基本に備えておき、LPFには NE5532、MUSES8820、OPA2604などを気分に合わせて挿し換える…というようなことでいいかな。溜まりすぎたオペアンプは、新品が激安のNS品などは売りようもないが、1基千円前後したものは、まとめてオクに出そう。

              ※この稿、最初のものは失効になり、OPA2134だけでいこうかと思ったが、LT1469もいけるし〜、などとやっているうちに別稿になりましタ^^;。

              似ている? 美人キャスター

              0
                 ♪え〜、ちょいとブレイク。脳みそブレイク・ダウン^^♪
                左:皆藤愛子さん 右:掛貝梨紗さん
                 美人お天気キャスター、皆藤愛子サン(ここはカタカナ? いや「ちゅわん」でも互換性ありか^^。「.html」と「.htm」ていどの‥‥ぶふっ~。あ、写真左)が、いつまでも‘お天気キャスター’でもないだろう、とかで総合キャスターに‘昇格’したあと、よく似たおねえさんがお天気やっている〜と頬がゆるんでしまッたのが、掛貝梨紗サン(写真右)。

                 この二人、ネット/ブログ上で、激似しているんじゃない、というような言説がいっぱいあるんじゃないだろうかと期待してググルも、ダイレクトな指摘は見当たらない。
                 てきとーな画像をDLして、《PhotoshopElements》の「Photomerge」で合成したのだが、こうして並べると、当然ながらさすがに別人ではある。

                 似ているように見えるファクターは、第一には笑顔などの表情なのかもしれないが、やはり、この二人、似ている。
                 顔の形は、日本伝統美人顔? の‘うりざね顔’、それに目の下の涙ぶくろが厚く、目の形も目元側が高く、目尻に向かって下がる。
                 両眼の並びが、ほぼ水平で、しかも垂れ目という感じをほとんど与えないていどに垂れている。
                 口は芸能人らしく大きいが、閉じると真一文字+微妙なカーヴを描いて凛々しい。

                  うひょ〜っ! こんな美女評論みたいなん、したことないぞ〜。爆っ。

                 掛貝さんの起用は、やっぱり皆藤さんを意識してるだろうな〜、と思わざるをえないし、セント・フォースも皆藤さんの後継として、意識して採用したことは十分に考えられる。

                 あ、いえ、で、こういうタイプ、ほんとうに‘きれいなおねえさん’そのものなのだが、私がエロス的にそそられるタイプではにゃいんである。ほんと^^。
                 むしろ、‘鉄壁のプロフェッショナル・ウーマン’中田有紀サンなんかのほうが‥‥だったりする。
                 それにしても、中田有紀、杉崎美香、皆藤、掛貝、など、セント・フォースというところは、次々必殺の美人キャスターを繰り出してくる、ある意味で虎の穴やショッカーなどが足元にも及ばない「組織」である(どんな喩えや)。こわいよ〜^^;。

                 あ、最初のテーマは酷似している芸能人、でしたね。
                 かつて、新山千春さんと藤崎奈々子さんが似ているな〜、と感じて、Photomergeで1枚作ってPCに置いとりやす。へほ〜。
                左:新山千春さん、右:藤崎奈々子さん(たぶん^^)。
                 こちらは、共通する特徴は頬骨でしょうかね。


                  v(^_^;))))

                I/V部にコンデンサーを−データシートに近づける。

                0
                  I/V部抵抗に、裏からAPS 1,800pF。
                   前記事からかなり時間が空いたけれど、すでに先週くらいには、DAC1794-1.5のI/V変換部の帰還抵抗(=I/V変換抵抗)に、ニッセイ APSの1,800pFを付け、LPFの2,700pFも APSに換えた。

                   今のところの感触では、これがベスト、と一応言える。LPFのコンデンサーは、WIMA、Philipsと品種・容量を変えてみたものの、音は硬くなったりきつくなったりするばかりで、けっきょく最初の APS 2,700pFに戻っただけだが、製作当初、I/Vにコンデンサーがなかったときの記憶と比べて、ヴァイオリン・ソロの高音はかなり顕著にまろやかに、耳当たりがよくなった。

                   I/V部にはナショセミ LME49860を入れ、LPFはアナログデバイセズ AD823としている。リニアテクノロジーの LT1469は発振しないが、低格では消費電流の少ない LT1358の発熱は低下しない。そして、音はリニアのものでは、やはり綺麗でないのである。
                   LPFは終段で音決めでもあるのだが、JRC MUSES8820は音はきれいだけれども低音が貧しく、やや人工臭も感じるので、AD823にしている。

                  I/V変換部回路図 I/V部帰還抵抗に1,800pFをパラったことで、遮断周波数が118kHzの1次LPFを形成する ― はずである。
                   PCM1794Aのデータシート・アプリケーションでは、2,200pFで、これはDVD-Aの再現可能周波数上限96kHzに合わせたものと考えられ、拙作ではこれにこだわる必要はないため、やや高くした(左図は、〈お気楽オーディオ〉さん所載の、Prostさん作成回路図から加工)。

                   結論として、I/V部にはこのくらいのコンデンサーをかまして、LPFも付加してやったほうがいいような感触を持った。
                   音質の変わりようは、解像度自体は減少の方向を感じる。遮断周波数は、いずれも可聴帯域をはるかに超えていて、聴感には影響がないはずの改変だけれども、お約束?^^ だろうか、変化は感じた。

                   可聴帯域外なのではあるが、帯域制限をすることで、制限された帯域内での動作が、何となくクリーンになったような感じだ。
                   聞こえる必要のある、楽音の帯域が充実した、と言ったらいいのか。オーディオ的解像度としては緩やかになった方向なのに、楽器の‘在る’感じは濃厚になった、というようなところだ。

                   I/V変換部の動作は、これで低速化したのだろうが、TI/BBの設計どおり(しかし、同社刊の数々のドキュメントには反して)コンデンサーを並列にするのがいいようである。

                   不思議なものである。I/V部の高速性を重視するなら、コンデンサーは最低限位相補償ていど、オペアンプが発振しなければそれも省略し、オペアンプも高速なものが適当、ということになるはずなのだが、BBのデータシートは、LPFになる容量のコンデンサーを設け、オペアンプも NE5534なんかを推奨している。その選択で音もいいのだから、不思議だ。

                  グルダ、ベートーヴェン:ソナタ、協奏曲全集。超名盤!! F.グルダの弾くベートーヴェン:ピアノ・ソナタ、協奏曲全集(Amadeo/Decca、独Universalリマスター全集)は、Amadeo原盤のソナタは美しく響くが、Decca原盤の協奏曲は、リマスター(AMSI)がうまく合っていず、オケの響きに過剰感があったのだが、今回の状態では、『皇帝』のソロ・ピアノは、目の醒めるような存在感のある音で、しかも深ぶかとした低音が聴けた。

                  ムター、ワイセンベルクのブラームス。再掲。 ムター、ワイセンベルクによるブラームスのソナタ(EMI)も、同じヴァイオリニストのDG録音のようなツヤはないけれど、今まででいちばん穏やかで歪み感なく聴ける。

                   素人なりに考えると‥‥高周波帯ノイズがきちんとフィルターされることによって、可聴帯域内信号への影響が少なくなること ― これは、動的にもオペアンプの高周波帯域での歪み発生なども抑制されるから、なのかな、などと想像する(だけである)。

                   なお、コンデンサーの音質という点でも、I/V部に2,200pF(Linkmann WDQC)、LPF部にPhilips 2,700pFの時とは比較にならないていどに、まろやかできれいだ。ニッセイ APS(今回は、三栄電波でG級=1ヶ110円を求めた)のよさを再確認した現在、各店で櫛の歯が欠けるように在庫切れが増殖している。

                  チップPPSコンの導通改善※デカップリングのチップPPS、パナソニック ECHUは、ランドぎりぎりのサイズであるため、ハンダが導通していないことが危惧され、今回、LPF部のこれが導通不良だった。PPSは熱に強い、と聞いていることもあり、ハンダを増し乗せし、こてでジュワーッと熱した。導通確認は…OK〜^^/。
                  ※PCM1794Aの左右アナログ電源デカップリングのケミコンは、ニチコン FGに換えた。

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