デフレ???

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    オレリア 赤 世はデフレ大宣伝時代に突入、こんなに物価が上がらず、下がる傾向では、ますます勤労者の給与は下がり、たいへんなことになる、とメディアで喧伝。

     買物はするわ収入は低いわ、で買うもの(物価全般、とは言うまい)の実勢価格(とその変化)には敏感なつもりだ。‘百均’では決して買い過ぎない。スーパーで税込88〜98円で買えるものが確実に105円する。
     仕事柄、口中清涼剤が欠かせないが、《さわやか吐息》が完敗状態の中、安いこともあって《ミンティア》を常用しているが、仕事先近くに多いサンドラッグというチェーン店だと、1個78〜80円だけれど、百均で買えば105円。1個につき25円違うから、4個買えば100円の差になる。

     チェーンのドラッグストアの過当競争とそこで働く人たちの激務には思いを致しつつ、私はやっぱり安いほうで買う(T_T)。

     私は‘飲まないと寝られない’たちなので、窮迫してきても酒(とコーヒーと袋菓子^^)だけは常備している。このところ愛飲^^しているのは、近所のスーパー、オリンピックで扱っている《オレリア Castillo de Olleria》の赤
     オリンピックも加盟しているネットワーク、シジシー・ジャパン(何という音写^^。‘CGC’である)で企画したスペイン産の安ワインだが、渋みと酸味が適度で、私には常用として、けっこういける。

     私は酒は味では選べない。値段で、である(T_T)。しかし、味も許容範囲にないと飲めない。《オレリア》は、オリンピックの通常価格が449円、時に398円のセールをしていた。そういう時に、3〜4本買い込んでおく。ところが、昨年のリーマン・ショック以来、398円のセールがぱったりとなくなった。
     そして、ここ数日で498円に上がったのである!! 加えて、値札にはCGCのキャンペーンである食卓応援宣言と書いてあるのである!!!

    (>_<;)


     なにがデフレじゃ、とテレビのコメンテーターをブン殴りたくなる実状である。現今の“デフレ!”喧伝は、いよいよ物価を上げても文句は言えんぞ〜体制への洗脳のように思える。非正規労働者の給与など、また好況になって物価が上がりまくっても、全く上がらないのである。

     そのいっぽうで、鳩山さんがデフレ宣言をしたことを「社会の元気をさらになくさせる」と無責任に難じる。私は、矛盾するが、鳩山政権のデフレ宣言はマイナスには取っていない。雇用への視点があれば、それはひとつの見識だ。

     2012年人類滅亡説、とやらで今夜も特番(ゲストがしょぼ過ぎて視聴中断)をかましていたけれど、この年は、地上波アナログ放送全終了の翌年となる。地デジ化が低所得層=国民のかなりの部分を「テレビ」から遠ざけ、いわゆる「広告代理店」や「芸能界」の収奪構造がそれこそ滅亡への一歩を踏み出したら、なかなか面白いことになるだろう。

    2010.1.13追記

     ここ数日、オリンピックで、上記、《オレリア》がまた449円に下がっている。“食卓応援宣言”のキャッチは付けたまま。客からクレームがかなりあったのだろうか。それにしても、数週間の‘49円値上げ’は何だったのだろう。プレートを印刷しなおした費用もムダだ。
     これで、ちょっと記事の意味も薄れてしまったかもしれないが、隠れたところでの実質値上げは、けっこうありそうなのだが。

    アンプ製作−ちょっと...。

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      ロータリースイッチが高抵抗に... いいかげんにアンプを作り始めようと思いながら、なかなか情報をググルばかりで手が着かない。
       アンプ回路そのものと、整流ダイオード、平滑コンデンサーくらいを交換すればOKだろうと思っていたが、念のため、と入力端子(ハンダがきったねぇ〜(~~;))からセレクター(ロータリースイッチ)を通ってVRまでの導通を調べてみた。
       すると、ロータリースイッチの1回路の導通が不安定になっている! テスターで測ると、他方の回路は0.xxΩくらいに下がるのに、一方は50Ω〜180Ωくらいを不安定に揺れている(上写真)。シールド線をはずし、端子同士で計っても同じ。セイデンの高級品だったのに〜、と落胆浅からず。

       セイデンのロータリースイッチは20年前から自作派に人気の高い、信頼できる製品なのだが、《試聴屋》サイトのセイデン製品の紹介文に、「接点部に特殊オイルを塗布しています。そのため、ときどき接点を摺動することで接点と扇動子が良い状態に保たれます」と記してあるのを見つけ、やはり20年近く全く動作させないでおいたから、これは劣化も仕方がなかろう、と交換を決定。

       オンライン販売を見たけれど、高い! 同じ規格(たぶん1段2回路6接点というやつ)で4,000円近く。今回の問題で信頼が、というわけではないが、安いこともあるし、岩通のにしよっかなー。ついでにヴォリュームの東京コスモス RV30YGも2,660円〜;;;。RV24YGでも300円しか違わないので、30がいいだろう。VRは抵抗値などは変わっていないが、長期間、摺動させていないのはよくない※ちょっとお金使いすぎ、の感あり、使えるものは使おう、と、VRは問題があれば交換ということで、今回は購入せず。(12月22日1時、補訂^^;)

      ガランドウのアンプ内部 という次第で、年内はとても手をつけらないことがわかった。Beldenのかなり太いシールド線(何番、だったか忘れた[不燃ゴミ袋行き^^;])を使った入力配線も、全部撤去した。

       ケースはトランスを残してがらんどう。電源スイッチも熱がかかったので、買い直し予定。このケース、フロントパネルの出っ張りを入れると幅438mm、出っ張りを除いて412mm、奥行きはノブ、スピーカー端子などを除いて339mm、高さは脚を入れて73mm、とデカい。LM3886のアンプで、BTLやパラでもないのにこんなデカいケースに組んでいる例は、ほぼ、ない。
       小規模で作るのだったら、ケース、トランスから揃えて最初から作ったほうが簡単だったかもしれない。が、ゆったりと入力セレクターまで配線できるスペースは貴重ではあり、もっと小さなケース、電源トランスでも、パワーアンプ用となると最低でもそれぞれ4〜5千円はする。
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      とりあえず、アンプ基板完成。

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        LM3886STD基板
         オーディオワークス LM3886STD基板キット、とりあえずCR類だけハンダづけした。商品ページを見ると、完売となっている。ここ数日でだから、私のロットで最後だったのかもしれない。
         この基板キットは、LM3886基板キットの中では、群を抜いて高価だ。付属の電解コンデンサーが、ニチコン MUSE KZ(電源)と、MUSE ES(バイポーラー。負帰還のDC100%帰還用)とはいえ、これらも秋葉原店頭では100円台の代物だし、付属の抵抗器は1/8Wのカーボンの汎用品と思しい。

         これでステレオペア割引き^^、税込11,800円。これは高い。が、これを選んだのは、不要なオペアンプ回路がないこと、1チャンネルごとになっていること、非反転入力と反転入力の間を高周波帯で短絡するコンデンサーの実装穴があること、などなどでだった。
         こうした基板は《お気楽オーディオ》やデジットで出ていた痕跡があるが、今は完売しているようだ。オーディオワークスの LM3886キットは、「LM3886EXM」というのが計画中とある。「STD」は「スタンダード」のことだろう。負帰還点にバイポーラー・コンデンサーを同梱しているのは、この部分に基本はDCがかからないので、心にくい配慮ではある。
         全体にコンパクトにまとまっていながらハンダづけ、や場合によっては部品の交換もやりにくくないサイズで、パターンは私はどうこう言える者ではないけれど、うまくできている。このアートワークに5,000円 ― は高いけれど評価できる。

         抵抗はすべてこちらで用意した品種を用いた。負帰還抵抗は DALE RN60の27.4kΩ。帰還接地部の1kΩとで、ゲインは28.4倍になるはずで、約29dBである。この1kΩと、入力負荷抵抗100kΩはニッコーム RP24、入力直列の1kΩはタクマン電子のオーディオ用炭素皮膜REXにした。ミュート回路の15kΩも音に影響するという情報があるが、コーアの金皮の安価なものに。
         非反転入力と反転入力の間に入る220pFのコンデンサーは、1個250円のディップ・マイカにした。

        タンゴ DC-65 LM3886もハンダづけしてしまおうかと思ったが、いろいろ手を着ける前にネットでググる癖がやまず、いろいろな記事を見ていると、上記デジットのキット(単電源と±電源の両方があったらしい)の組立てマニュアルPDF(URL省略)に、「LM3886ICは放熱板に仮止めし、本体基板にはスペーサを付け、放熱板と基板の高さを調整してから、ハンダ付けすれば合いやすい」と記されていたのが目にとまり、すぐにハンダづけするのはやめた。なるほど、である。
         25mmと30mmのスペーサーを買ってあり、旧アンプの放熱板を使うと、25mmのスペーサーで、LM3886が放熱板の穴にぴったり合う。旧アンプを作った時は、いろいろ考えていたらしく、基板上側のスペーサー固定ビスは、すべて非磁性体ネジを使用していた。それを再利用することに。

         電源トランス−タンゴ DC-65は、上の写真では見えにくいが、295VAという大きな容量だ。120Wクラスのステレオアンプが組めるくらいだろう。これの22V端子を使うつもり。
         週明けは朝いちからの仕事、そのあとはコマ数は少ない(ToT;)が毎日出てゆくし、21日から元旦までは、これまた1日のコマ数は少ない(T_T)がオフ日がない。製作は慌てずに年越しを見すえてゆっくりと‥‥。でも夜だけ仕事の水〜金で深夜にやるかも^^;。

        スピーカーの歪み?

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          J.M. ルイサダ 《ゴイェスカス》
           
          J.=J. バルビエ サティ作品集
           フランスの個性的ピアニストによる2枚の個性的ディスク‥‥というトピックではなく、あくまでオーディオばなしです^^。
           ジャン・マルク・ルイサダの弾くグラナドス《ゴイェスカス》(DG国内盤 UCCG-4144)は、ダイナミックなピアニズムを捉えたいい録音だと思うが、かつて使っていた B&W DM601S2では、強打鍵の最も強烈なところでバリッと割れた記憶がある。あれ〜、録音から歪んでいるのか、国内盤だからか、それともCDプレーヤーのDACのせいか、とイラつくとともに落胆したが、オーディオプロ Avanti A.10では何ごともなかったように全曲を再生してしまった。これももう記憶だけれど ― A.10は手放して、六本木工学のキットに替えたので ― 。

           また、ジャン=ジョエル・バルビエの弾くエリック・サティ作品集中、「5つの夜想曲」の、第1曲、第2曲で、ずっと静かな曲想が続くうち、クレッシェンドして強音が打ち込まれるところで、歪みが発生する。これは A.10でも残ったので、しようがない、これはマスタリングないしマスター・テープそのものの問題なんだろうと諦めた。

           バルビエの弾くサティ・ピアノ作品全集は、海外ではアコール Accordレーベルが1枚もので4枚でリリースし、途中から Accordが Universal傘下に入ったので、最初それで集め始めたので、表紙デザインも Accordの白ジャケやら、あのトゥールーズ・ロートレックの絵だったりばらばら、最後のは Universalのロゴが入っていた。
           集まって、統一感はないし、サティの曲がさして好きでもないこともわかってきたところで海外盤はリマスターした廉価盤セットになり、嫌気がさして売った。そのあと、中古店で、ちょうどいい選曲の国内2枚組(ビクター VICP-40183〜4)を見つけて買った。
           この盤は、日本盤の通例でジャケ画のキャプションはないが、サティの自画像らしい「M.SADI」の絵やら、レイアウトもきれいで、2枚という分量もいいし、何より、サティの曲は曲名の翻訳があったほうがいいので、とりあえず重宝している。
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          KITスピーカー - ウーファーのコイル交換

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            左:新旧コイル 右:新コイル取り付け トゥイーターを替えて中低域にボンつき(ボワンつき?)感が出てきた KIT-HE07LU(EU?)をどうしようかと考えていた。

             コンデンサーの小容量化は、3,500円/個も出した Jantzen Superior Z-capを捨てることになるのでもったいないし、麻布では次の容量は入れていなかったかもしれない(横浜ベイサイドでは、より高価だし、黒ヴァージョンになる)選択できず、けっきょくウーファー直列のコイルを1ランク大きいものにして、ウーファー(Usher KSW2-5029)の高域部分を若干早めにカットすることでバランスが取れるのでは、というところに。
             キット同梱品のような比較的安価な芯入りコイルは個別部品として売っているところはほとんどなく(困る〜~~)、芯入りコアとして最も安価なものは、横浜ベイサイドで扱っている JantzenのP-コア入りコイルが、1.8mHで1,900円と比較的安価だったし、空芯のようなサイズではないので、蛮勇を起こして注文。

             バッフルは接着ずみなので、トゥイーター、ウーファーをはずしてコイルを交換する。トゥイーターははずさなくていいが、今回は気のせい程度ながら右に用いているほうが、倍音のエッジが効くようなので、換えてみようと思ったし、はずして作業したほうがキズもつかない。

             ホットボンドのグルーをどうやってはずそうかと思ったが、熱で軟化するからとヘア・ドライヤーの熱風を当ててもあまり効果がない。最終的に、MDF表面に金属パーツという、今回のような場合は、マイナス・ドライバーの刃先でコジ取るのがベストだとわかった。グルーは、コイルの金属部分には実質的に‘接着’はしないのだ。だから、接着するときも、‘枠’を作って固定する感覚で周囲に流す必要がある。

            LPG 26T
            LPG 26Tの周波数特性
             
            Eton 25SD1
            Eton 25SD1の周波数特性
             
            Usher KSW2-5029E
            Usher KSW2-5029Eの周波数特性
             外科手術よろしくエンクロージャー内部にハンダごてを突っ込んで結線をはずし、コイルをこじ取り、新コイルを置いた状態でウーファーのマグネットに当たらないか確認してから、またハンダごてを突っ込んでハンダづけ。
             そののちホットボンドのグルーをドワァ〜と流す。前部と後端の一部だけにしかかからないが、いちおう固定を確認してから、ユニットに配線をハンダづけ、ユニットをバッフルに固定して出来上がり♪

             新しいP-コア・コイルは、450gということで、スピーカー1台の重量も7.5kgに近づく。このサイズで7.5kgは前代未聞。
             ドキドキしながらコンポの電源を入れ、音出し ― ボワンつきが気になった、ポリーニ+アバドのバルトーク協奏曲では、やはりまだボワンが残るが、ややスリムになり、気のせいかピアノの鮮明度も増した感じがする。
             オーケストラ、とくに低音の十分に入った録音では、低域が出すぎる感じがする。もともと出ていた低域ではあるが。

             デュメー、コラール、ロデオンによる、いつもながら再生の難しいフォーレのピアノ三重奏曲(東芝EMI)は、今までになかったスムーズさ! ちょっとヴァイオリンが右に跳ぶところを感じ、トゥイーターを左右で入れ換えたのはどうだったか、と案じたけれど、部屋・耳・ソースに原因もあろう。
             元もとの音色の硬さの中に、チェロはチェロらしい響きを鳴らし、ピアノもクリスタルな感じで、いい。
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            まんが (^^)

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              >今夜は別の記事でもアップするか…(前記事
              の、‘別の記事’^^。

              まんが...

               てなわけです。前記事で100番だったんだな〜。

              Yahoo!フォトURLの勝手変更。

              0
                表示できません ここに書いたオーディオ系記事のいくつかには、画像にリンクを持たせ、別途《Yahoo!フォト》にアップしたサイズの大きい画像を表示できるようにしたものがある。
                 今、そのひとつをクリックしたが、「Internet Explorer ではこのページは表示できません」画面になる。ま〜た IEのトラブルか、と Firefoxであけて、クリックしてみたがおんなじ。

                 で、Yahoo!フォトにログインして自分のアルバムを開き、最も大きいサイズの画像(ここに使ってるやつ)のプロパティから、画像URLを見たら、違っている 画像URLが、ユーザーの知らない間に変更されていたのだ。
                 下に例示してみたけれど、Yahoo!フォトの画像URLは、通常の「〜.jpg」「〜.gif」というような画像ファイル拡張子で終わらず、サーバー表示も「
                http://proxy.f3.ymdb.yahoofs.jp/〜」となるように、どうやら複雑なプロキシ・サーバー経由で、元画像がどこにあるかわからないようにされているらしい。この辺は、まったく素人なのでわからないのだが、その辺のサーバー構成を Yahoo!のほうで変えたので、画像URLが変わってしまったのだろうか。

                 例を見てみる。「DAC基板キット 第2弾 ― 試聴記」の冒頭画像:
                  ↓
                DAC1794-1.5、外観
                の大きいファイルだが、当初、Yahoo!フォト・サイトで取得し、当該エントリに貼り付けたURLは、下記:
                http://proxy.f3.ymdb.yahoofs.jp/users/495a4dee_3f22/bc/d888/__hr_/9e84.jpg?bcgvBALB5jEfz_1y
                で、クリックすると表示されていたが、これが、下記:
                http://proxy.f3.ymdb.yahoofs.jp/users/495a4dee_3f22/bc/d888/__hr_/9e84.jpg?bcDlqjLBTsPlz_1y
                に変わっていたのである! 赤字の部分が変更点。

                 まったく、ユーザーを愚弄しきっている。アホ!!

                 たぶん、仕様上&ビジネス上、こうするしかないんだろうし、Yahoo!ブログの利用者などには、一括しての自動URL書き換えなどをしてくれているのかもしれないが、ちょっとヒドいという感触を持つ。ITサービスの特徴ではあろう。ここに書いている人がいるし、去年の記事だから前からある仕様なのだろう。

                 今夜は別の記事でもアップするか、早く寝るつもりだったのに、トンでもない災難だった。

                年末嗟嘆 2009

                0
                   去年の暮れに書いたのと同じく、今年も年末嗟嘆。

                   よくまだ生きていたもんである。春に蔵書を処分したのが、ある程度の額になっていなかったら、もうホームレスかも。いや、ほとんどそれに近い。
                   それにもかかわらず、今年はオーディオ・パーツを恐ろしい勢いで買い込み、コンポーネントを作った。加えて、キツさも窮まったこの年末に、昨日はアンプの基板キットとウーファー用コイルを注文して約17,000円を散財した。自分の行為ながら笑っちゃうしかない。もう狂気である。

                   引っ越し前提に蔵書処分をしたけれど、まっだまだ本が多過ぎて身動きが取れない。この一年は、通勤の車中以外、ほとんど本を読まなかったし、本の内容についての思い入れが、元来、無い人間だということをより深く自覚した。あとの本もたいていは処分しちまったらいいのだ。

                   占いで「家族縁が薄い」という言い方をすることがあるが、私はその見本みたいなもので、今となっては、幼少期の、家族と写した写真類は全部棄ててしまってもいい。弟がいるから、棄てては怒るだろうから、すべてそっちに送りつけようかと思っている。

                   思うにつけても、私を夫や父に持つ者がいたら、不幸だったろう。それだけは回避できたことは、まあひとつ、今生での罪滅ぼしになるだろう。

                   教材はすべて揃っているところでの採点解説の仕事だけが主になり、教材を作り、講義をするタイプの仕事はもう、ほぼ、ない。1コマだけあったダイガクの仕事は、蔵書をほっぽらかして論文執筆が完全に不可能になった上は続けていることはモラルハザードだし(事実上、研究史に繰り入れてもらえるペーパーを書けなくなった時点でアウト^^;)、学生に向き合う気持ちも雲散したので、辞意を提出した。

                   巷では、若者の‘夢を実現する’テーマのポップスが、異様に熱気を込めて歌われる。
                   その反面、前に触れたように、「人は、何かができるから、持っているからではなく、存在していることに価値がある」という言説が、喧伝されもする。
                   上で取り上げた鈴木秀子氏の本などには、肯んずべきものを多々感じ、いいことばだと思うのだけれど、世相全体の中で、こういった言説が「ビジネス」として売買されることが盛んになればなるほど、実際の流れは逆になっている現実と対照されてきて、醜悪なものすら感じる。

                   この数十年、メディアは人々の生きる意欲とヒューマニズムを、まるで選挙運動時の候補のように絶叫調で連呼して続けてきた。日本テレビの《24時間テレビ 「愛は地球を救う」》は、1978年開始というから、30年を超えた。
                  年間自殺者数の推移
                   いつも同じ調子で書くのも能がないけれど、そういう流れの中で、因果関係とは別に、年間自殺者数3万数千人の社会になったのはまぎれもない事実だ。
                   《24時間テレビ》には、“チャリティなのにギャラが出ているのはオカシイ”という指摘があるが、そういうこととは別の次元(ただし、底にあるメンタリティの点で無縁ではない)で、ナンカオカシイ気がする。

                   こういう雰囲気の文化の中では、ショスタコーヴィチの音楽などは異物であること甚だしい。
                   かつて、何回か続けて、某大学オーケストラの定期を聴いたことがある。レスピーギの《ローマの松》なんかトスカニーニ盤より明るくていい(!)かもしれないと思ったし、ラフマニノフの交響曲第2番のような難曲もこなす技術の高さ。だが、ショスタコーヴィチの第5交響曲は、スコアを追うことに終始し、音楽になっていなかった。

                   音大オケでもないのに極めて高い技術を持つまで自分たちを鍛える意志力を持つ若い人たち、それを支える親御さんたちの愛情と経済力、等々を思うに、コンサートのたびに、私は会場にはいづらくなって、音楽には感動しつつ、とぼとぼと家路に就いた。
                   そんな彼らゆえ、ショスタコーヴィチを演奏するスタイルを内に持たないのだ。彼らに、「あなた方が卒業してはばたいてゆくところは、いつ失業するかもしれない、職があれば過労死するまで働かされるかもしれない、外づらばかり明るい、偽装された社会と時代なのだ」と言ってやりたかった。彼らは、不愉快に感じただろうが、ショスタコーヴィチはもうちょっと深く演奏できたのでは、と思う。

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                  永沢 哲
                  整体の創始者・野口晴哉の核心に初めて思想研究として迫った力作!!
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                  「ひきこもり」だった僕から
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                  上山 和樹
                  ‘本館’に所感をアップしてます(^^)。
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                  言葉と無意識 (講談社現代新書)
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                  丸山 圭三郎
                  小冊子ながら、限りない示唆に満ちた名著
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                  シンクロニシティ (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)
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                  F.デヴィッド ピート
                  ‘シンクロニシティ’を可能なかぎり、‘トンデモ’から離れて説いた良心的な一書。
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