‘夢’って…

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     秋葉原無差別殺傷事件の、容疑者の両親のテレビ会見には、‘やっぱり(放映を)やったかぁ・やっぱり見てしまったかぁ・やっぱりそういう気持ちになったかぁ…’という、異様に想定内の感触を持った。《BIGLOBEなんでも相談室》というのがあって、そこにこの報道への違和感を質問にしたものがアップされている。そのサイトの趣旨とはちょっと異なる質問というより問題提起だが、「会見は両親が申し出たのだから、それをメディアの非常識ということは的外れだ」という反論が出ている。一見、論理的に正論なのだが、この手の‘正論’がふつうの市民の論理(=筋道)感覚だというのが淋しい。
     両親が申し出た、その意思を尊重した、というのがメディアと、それを擁護する一般の言い分だろうけれど、これが逆に取材を拒絶するものだったら、或いは全く異なるシチュエーションだったら、メディアは当事者の意思を尊重したのだろうか。松本サリン事件の時が思い出される。
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    秋葉原無差別殺人

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       秋葉原で起こされた無差別殺人の凶行‥‥連日、現場映像を不必要なまでに見せつけて報道されている。ウェブ上では、案の定だが容疑者に対して「どうして自殺しなかった」という種類の非難が満ち溢れかえっている。このような凶行に対しては、憎悪に満ちたことばを吐きつければ吐きつけるほど、‘発信者の正義’が強調される、と一見明白なので、容疑者への攻撃はいくらでもなされる。あたりまえの現象なのかもしれぬが、やはり読んでいて不快だ。
       こんなことをいうと、「オマエもやりかねない反社会的意思を持っているからそう感じるのだ」とたちまち言われそうだが、実のところ、今回の容疑者の自分の人生についての慨嘆や職場への不満、不安の言として伝えられるものには、私はかなり‘わかる’感を持っている。友人ができない、異性にもてないことが爆発の原因という報道でも、‘負け組’意識のもたらす焦燥感にしても、私においても同様に深刻なものと感じてきている。

       何しろ私は、50歳を越える今まで、友人らしい友人もいないし、つきあった女性はゼロ人である。が、もとよりこういうことは、無差別に他者を傷つけて癒される類いのものであろうはずもない。
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      格 差!

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         船場吉兆の廃業のニュースはもう賞味期限が切れてしまっているし、私のような低所得層には何の痛みもない…のだけれども、‘ブランド’の上っ面をひっぺがしただけではなく、取り巻く人々の虚しさも世間の目に刻印してしまった。1回の食事で2〜3万円はくだらないプライスの飲食店で料理・食材の使い回しをしていたということに驚くけれども、むしろそれだからやっていた、という気もする。どうせ来る客は味が“わかったつもりでわからず、湯水のように金が払えることを普通と考えている連中だから”と(潜在意識的に)考えてやったんじゃないだろうか。
         使い回し品は、接待を‘する’側に供していたということで、こちらなどにニュース記事が残っている。接待をする側とされる側、という‘接待社会’の構造を利用した偽装だ。弱い立場の者は強い立場の人間からだけではなく、ともに利用する料亭からまで搾取されるのだ、という構図を正直に描き出している。

         この‘立場格差を徹底的に利用して収益を図る’構造は、パート従業員に責任を押し付けきろうとしたという報道から、この会社の根っこにこびり付いていることを見せつけた。
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