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Der Rosenkavalier re-remastered.

 カラヤン/フィルハーモニア管、1956年 EMI録音、R.シュトラウス『薔薇の騎士』、Warner Classics 2017年リマスターCD、来ました〜♪

EMI盤と。

 2001年 ARTリマスターの EMI盤と並べて。


パッケージ

 パッケージは、上製本にカバーをかけた形。ブ厚い本文のほとんどは、英独仏の歌詞対訳である。

CD1

 CDは、表紙裏に CD 1が、裏表紙裏に CD 3が、その前のスリーブに CD 2が格納されている。
 硬い表紙にスリーブがくっついている CD 1と CD 3は、製造の際の挿入時にすでにコスれが付いてしまっている。
 写真は、信号面が見える形で収納しているが、デフォルトはレーベル面。この状態では、引っぱり出す時に信号面にツメを立てて引っぱり出す形になるので、裏返した。

 このようなスリーブやウォレットの場合、私は基本的に、信号面を上にして、つまりレーベル面に重力・摩擦がかかるようにして収納し、また出し入れもするようにしている。
 紙ジャケ用の、“前方後円”型内袋に入れてみたが、スリーブとの間隔がタイトで、出し入れしにくいのでやめた。

 音質は、終幕部分、CD 3の 20〜22トラックあたりと、冒頭部だけ、ちょっと比較試聴してみた。
 EMI 2001年リマスター盤も、前回聴いた時より気にならない音質で、「あれ、これでもよかったんじゃない?」とも思ったのだが、Warner 2017年盤はやはりかなり違う。

 音がおとなしくなり、ザラつき感が減った分のせいか、ほんの僅かに収録レヴェルが下がったような気がしないでもない。
 EMI盤は、多くのリマスターに多い、高弦を強調する感じがあって、それがザラつき感をもたらし、いい部分もあるのだが、元からの音質が歪みっぽい音源の場合、ビリつく寸前という感触も出てくる。
 Warner盤は、高弦を、いい意味でも悪い意味でも「ツルン」と滑らかにし、“ホコリっぽい”歪み感をかなりなところまで追放している。

 「デジタル録音みたいにツルツルじゃないか!」と怒り出す人もいそうな感じだが、高弦のエッジを抑えたマスタリングは、高弦、低弦、管、いずれもが平等に主張の場を持ち、それがしかるべきホールトーンを伴って、スコアの細部を曇らさずに、かつ混然と融け合って響いてくる。

 EMI盤では、いささか奥まったオーケストラをできるだけ引っぱり出そうとしているように聞こえるのが、Warner盤では、これはオペラハウスのオケ・ピットにあるオーケストラなのだ、と認めた上で、オケ・ピットからオーケストラの音が溢れ出てくる、というふうに仕立てた‥‥何と言ったらいいのか、英語で overwhelming などという感じ、か?

 「EMIらしさ」というと、解像感の低さが言われることも多いけれど、弦の独特の混濁感や、もちろんオーケストラ・奏者によって異なるが、オーボエの音色が、ちょっとサカリのついたネコのように倍音の多い甲高い音になるのも特徴かと思うのだが、これがまた、目立たなくなっている。

 好みと装置によって、2001年リマスターのほうがよかった、という人も出てきそうではあるが、『薔薇の騎士』は“ご祝儀もん”として、駘蕩の気分とともに楽しみたいオペラでもあり、新しい Warnerの快適サウンドは、こういう音楽が好きな人には、恰好の「音のおせち」になるのでは、などと思うこと頻り、私は今のところ、こっちを残そうと思っている。

 CDを何度も棚から取り出して聴いているうちに、外がけカバーがキズついてきそうな危惧を持つ。
 そして、このカバーの表紙側折り返し部分に、ちょっと興味ある、アンドリュー・ウォルターのメモが載っているので、スキャンして掲出しておく。

折り返しメモ

 こんなところに大事な情報‥‥まさに sleeve note ‥‥とはちょっと違うか。
 文中、Chris Parkerとあるのは、著名なクリストファー・パーカーのことと思われる。

 今回のリマスターはサイモン・ギブソンのはずなのに、なんで2001年リマスター Great Recordings盤にクレジットされるアンドリュー・ウォルターが書いているのか、となるのだが、このあたりのメンバーは Abbey Road Studiosのスタッフとして、チームで仕事をしているのだろう。
 オリジナルのエンジニアも、ダグラス・ラーターがクレジットされるのに、Ch.パーカーも参加していた、ということなのだ。

チャイコフスキーと。

 EMI時代のカラヤン音源の Warnerリマスターは、71年ベルリン・フィルとのチャイコフスキー後期交響曲集・国内盤(WPCS-51027/9。フィルハーモニアとのバレエ音楽も、音も演奏もいい!)も、元のよくない音源を可能な限り改善しているよい仕事だと思ったが、この『薔薇の騎士』もそれに並ぶものだと感じた‥‥もっともまだほんのちょっとの試聴ではあるし、私、オペラはよくわからぬのですが(汗;;)。

 パッケージは、通常の2〜4CDが収納できるプラケースよりちょっと厚みがあって、通常のケース用ビニール袋(ユニオンなどで売っている)では入らない。
 むしろ出し入れの際にこすれるのは気になるのだが、カバーのままで棚に置くのもキズつきそうな気もして、店頭かオクかで買ったセットが入っていた、大きめの外袋に入れた(上写真)。

 Warner盤CDの、タワーの紹介文には、「アビイ・ロード・スタジオでの24bit/96kHzリマスターを行」ったとあるが、国内盤ではシングルレイヤーの SACDのみの発売であり、同じマスターを使ったのなら、一度 PCM化した上で DSDマスタリングした、のだろうか。
 e-onkyoでは、24bit/96kHzのままの FLACファイルを販売しているので、PCオーディオの方には、こちらのほうが PCMでも高情報量であるし、ちょっとお安い(し、ディスクが出しにくい不便もない;;)。

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  • 2020.07.30 Thursday
  • -
  • 02:45
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コメント
おーっ、届きましたか。音質もなかなか良さそうですね。
こんな企画が通るくらいですから、このカラヤン1956年盤は、売れ筋なんでしょうなぁ。これで初出の1987年、1996年モノーラル・リマスター、2001年リマスター、2017年リマスターと4種になります。ネットで見ると1997年リマスター(ステレオ)という表記のCDもありますので、ひょっとすると、これもヴァリエーションの一つかも。(汗)

>PCM化した上で DSDマスタリングした...

大半のSACD盤は、そうなっていると思います。原理的にDSDでは編集がやりにくいようなので。
PCM録音を介さずに直接DSD化した盤もありますが、そういうのは「ダイレクトDSD化!!」とか惹句が付いていますね。タワーレコード・オリジナル企画で、旧エテルナ盤のSACD復刻なんかは、わざわざアナログで編集して、DSD化したと書いてあります。PCM録音・編集の工程を省いた、ということなんでしょう。それに意味があるのかは、知りませんが。(笑)
みっちさん、

> こんな企画が通るくらいですから、‥‥
> 初出の1987年、1996年モノーラル・リマスター、2001年リマスター、2017年リマスターと4種になります。
はい、そうなりますね。
サバタ+カラスの『トスカ』も数回リマスターを繰り返していて、人気の高さがうかがえます。
手持ちのは、Great Recordings of The Century の、盤(黒)と地(金色)が逆になった、シリーズ100点めの記念リリースらしく、逆でないのは1回めかというと、そうではないらしく(未確認…)、1997年の ARTリマスター:
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51LK7ICdrOL.jpg
も、確実に存在するらしいのです。
そして:
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/813WIwlSEsL._SL1500_.jpg
が、Warner Classics 2014年リマスター:
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5920518/
が「オリジナル・マスターテープから、アビイ・ロード・スタジオによる24bit/96kHz最新リマスターが施されています。オリジナル・マスターテープからのリマスターは、今回が初!」という次第です。
手持ちのは、絵葉書まで付いた超豪華版なので、これは ― しかも私、オペラ・ファンではないですし(汗;;) ― まあいいか、と思っています。

回数とは別に、Warnerが手がけると、EMI時代とはたたずまいがガラッと変わることがあるので、それで EMIの時の欠点が減じることもあれば、EMIらしいよさが消えることもある、と、ケース・バイ・ケースなので、とりあえず EMIレーベルで不満がなければそのままで、となりそうです。
カラヤンのチャイコフスキーは、グッジョブ♪ だと思いました。

>> PCM化した上で DSDマスタリングした...
> 大半のSACD盤は、そうなっていると思います。原理的にDSDでは編集がやりにくいようなので。
なるほど、そうなのですか。

> タワーレコード・オリジナル企画で、‥‥PCM録音・編集の工程を省いた、ということなんでしょう。
> それに意味があるのかは、知りませんが。(笑)
SACD=DSDが世に広がりだしたころから、その一つの動機として、どうもある種の「PCMアレルギー」があるような気がします。
技術的なことに暗いのですが、PCMの方式が、「デジタル臭い音」の元凶だ、というような。
反対に、SACDに否定的なサイドは、超高域に追いやられるとはいえ大量に発生するノイズを言うようです。
こちら:
https://www.e-onkyo.com/news/115/
などにもありますが‥‥あ、みっちさんのおっしゃっている、アナログで解決、というのも言われています(笑)。
  • へうたむ
  • 2019/11/25 2:45 PM
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