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ベートーヴェンのピアノ・ソナタ、全集は?

 バッハの平均律‥‥ミカエル・レヴィナスのディスクには、ちょっとお引取り願おうという段になり、けっきょくまたリヒテルのクレスハイム宮録音に手が出た。
 以前持っていたのは、メロディア原盤のビクター盤で、金蒸着K2コーディングというものだった。

 で、今回は、 RCAの輸入盤、もうず〜っとまあまあ安い価格で出続けているセット。


 同じ音源のはずである。RCAのは、メロディア(Mezhkniga)と Eurodiscとの共同制作という形で、ブックレットなどには、ビクター盤に記されていた、レコーディング・エンジニア:ホルスト・リントナー('59年のケンペ/ベルリン・フィルの『エロイカ』[EMI → Testament]も担当している人)の名前すら記さない。

 リマスターの記載もないが、聴いてみると、元来「風呂場で鳴っているような」余韻多すぎの録音を、ムリにナンとかしようとしたものよりずっといいように感じる。
 ビクター盤では、「シャリーン…」というような付帯音が聞こえた記憶があるが、RCA輸入盤は少ないようだ。

 さて、そんなことで『平均律』もグールドとリヒテルという、みごとに“レコ芸名盤”で固まったあと、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集って、必要なの? という段階にきている。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、グルダの全集(Amadeo → Eloquence)をいちど手許に置き、聴いてみようとしたものの、名前の付いたものと、後期第28番以降の楽曲以外は、どうにも退屈に聞こえ、生活費の必要だった時に手放した。

 思い出したが、イヴ・ナットの全集もいちど持っていたが、手放している。

 今、ネット上で見ると、リチャード・グード(Warner/Nonsuch)、スティーヴン・コヴァセヴィチ(元EMIの Warner)、それにブレンデルの Vox録音を集成した Brilliant Classics盤などが、激安ボックス仕様で買える。
 が! ‥‥買っても、また無名曲は聴かないまま換金ということにならないか?

 というのも、現在手許にあるCD、延べ7枚、曲数にして13曲のソナタの、楽曲と演奏とが、スゴ過ぎるといえばスゴすぎるのである。

 第8番ハ短調 Op.13『悲愴』 バックハウス、アラウ(新)
 第14番嬰ハ短調 Op.27『月光』 バックハウス
 第15番ニ長調 Op.28『田園』 バックハウス
 第17番ニ短調 Op.31-2『テンペスト』 バックハウス
 第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』 バックハウス、アラウ(新)
 第23番ヘ短調 Op.57『熱情』 バックハウス、アラウ(新)
 第24番嬰ヘ長調 Op.78『テレーゼ』 グルダ(Amadeo)
 第26番変ホ長調 Op.81a『告別』 バックハウス
 第28番イ長調 Op.101 ポリーニ
 第29番変ロ長調 Op.106 ポリーニ
 第30番ホ長調 Op.109 ポリーニ、ゼルキン(L)
 第31番変イ長調 Op.110 ポリーニ、ゼルキン(L)
 第32番ハ短調 Op.111 ミケランジェリ、ポリーニ、ゼルキン(L)

 というような状態 ― バックハウス盤はステレオ、ドイツ国内仕様 Eloquence 2枚組で、AMSIリマスター、グルダの第24番はこれもドイツ国内仕様 Eloquence盤の『ディアベリ変奏曲』のフィルアップ ― であり、たとえばアラウ(デジタル新録)の『ワルトシュタイン』の冒頭を再生するや、その美しく深〜い響きにタメ息が出るのである。

 これで、“全集”を買う必要があるのか、あるとしたら、それは「物欲」と、「買物したい欲」を満たすだけのもののような気がする。
 う〜ん、しかし‥‥。

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  • 2018.07.15 Sunday
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  • 01:52
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コメント
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集…私には一家に1セット備えていいものと思われます。6大ソナタ、後期ソナタの良さは言わずもがな、第4番、18番、24番、27番など、聞く回数は多くないものの、聞けば聞いたで感動します。ピアニスト選びは苦労しますけれど、バックハウス、アラウ、ナットが基本ですが、あとは気分に応じて。
  • yositaka
  • 2018/05/29 11:09 PM
yositakaさん、

> 一家に1セット備えていいものと思われます。
お〜っとっと、このコメントを頂戴したいがゆえにこの記事を書いた‥‥のかもしれません(あれま)。
う〜ん‥‥ポチりそうです(← いっしょに他のCDも);;;。が‥‥このところ、ホンット〜〜に聴く音楽を選んでしまうようになっております。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタに関しては、記事中に表で示した13曲 ― 32曲中の4割ですね ― が、あまりに名曲名演なので、他のに手が伸びない気もします。
ピアノ三重奏曲は、オイストラフ・トリオの『大公』さえ手放し、1曲もありません。

シューマンの『謝肉祭』は、レヴィナス盤にやや失望し、ほかのに手を出そうとしつつ、楽曲そのものの魅力に「?」でもあります。

“CD購入”のヨクボーに突き動かされつつ、今のラインナップの、超-選び抜いた、ある種極限状態の魅力もなかなか捨てがたいものがありまして‥‥。

むむ〜。
  • へうたむ
  • 2018/05/30 1:49 AM
>今回は、 RCAの輸入盤...

これ、みっちの持っている盤と同じだと思いますが、とっても音が悪いと思います。(笑)
買ってあまりにムッとしたので、それをネタに過去記事も書きました。(爆)
https://mitchhaga.exblog.jp/26079534/

>これで、“全集”を買う必要があるのか...

はぁ、昨今のようにCDが爆安になっている現状では、ベートーヴェンのピアノソナタ全集くらいは、1つと云わず2つ3つ、持っていてよろしいのではないでしょうか。(笑)
なんならいっそ『大人買い』で、その棚にあるの全部包んでもらいまひょ、とか云って買いたいです。(爆)
たしかに、28番以降の圧倒的な作品群と、たとえば19番20番あたりが同列に論じられるのか、など疑問はありますが、何と云っても、セットもので買っちゃった方が便利です。単品ばら売りでは、売ってないのもあるし、あっても入手に結構手間がかかります。
みっちさん、

> とっても音が悪いと思います。(笑)
> 買ってあまりにムッとしたので、それをネタに過去記事も書きました。(爆)
はい、購入の前に、御記事拝読しております^^。

> とっても音が悪いと思います。(笑)
これは、「RCA盤のマスタリングが悪い」ということではなく、「この録音自体のクオリティが、よくない」という意味と拝読しております。
そして、その意味でなら、全面的にではないにせよ、同意です。

そもそも、こういう残響大杉の録音の解像度を上げようとして、K2だの96kHz24bit(日本の BMGで出ております)だのと手を加えても、ノイズ的付帯音が強調されたりするだけで、いいことはないと思います。
ビクターの金蒸着K2盤より、この米RCA盤のほうが、その点でずっと“素直な”音がしていて、好感を持ったのです。

で、これを「残響豊かなサウンドによる類いまれな美しさ」と聴くか否かは、リスナーの好み・システム・部屋等の諸条件によりましょう。
もう手放そうと思っている、ミカエル・レヴィナス(2003年、仏Accord)のも、もやもやした解像度の低い録音で、かつ、デジタル時代にありえないようなヒスノイズっぽいノイズまで入っています。
一聴して、こういう音作りが「癒し」感をもたらすことは、ないとはいえません。

> ベートーヴェンのピアノソナタ全集くらいは、1つと云わず2つ3つ、
> 持っていてよろしいのではないでしょうか。(笑)
ネコパパ先生に加えて、みっち先生からも散財のお薦めが!! わ〜っ。

> 単品ばら売りでは、売ってないのもあるし、
全集では入れていない名ピアニストもおられます。
アンドール・フォルデシュ、ハンス・リヒター=ハーザー、等々。
あちゃ〜っ!
  • へうたむ
  • 2018/05/31 11:44 AM
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