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シューマンのピアノ曲のCD。

 先月末日、立川に出た折、立川のブックオフ‥‥なんて何もないよな〜、と見たら、同じデザインの国内仕様帯をつけた未開封輸入CDが、1枚500円で、つまり500円コーナーに並んでいた。
 内容は、きっわめてレアな、マニア向けの古楽とか。ベートーヴェンの室内楽などもあったが、聴いたこともないアーティストとレーベル。

 その中で、バッハの『平均律』(仏Accord)を持っている、哲学者・エマニュエル・レヴィナスの令息、ミカエル・レヴィナスの弾くシューマンのアルバム、『謝肉祭』、『交響的練習曲』、『蝶々』の入った仏Saphir盤があったので、迷ったが買ってしまった。

 輸入元は、株式会社マーキュリーというところ。
 こちらの、『CDジャーナル』の記事に、イヴェントの開催元として出ていたりするが、ここに記されたURLは、表示されなくなっている。
 たぶん、この会社の解散か倒産のゆえに、放出されたのだろう。

レヴィナスのシューマン

 マーキュリーで付けた解説書も同梱されていて ― ファクトリーシールドの輸入CDに、帯と解説書を付けている ― ブックレットにあるレヴィナスへのインタヴューが、全訳されたりしていて、ずいぶん手がかかっている。

 何でも輸入、とか、レーベルの代理店というのではなく、ある種のセレクトショップとして、自分たちが紹介したいCDだけを、丁寧なブックレット翻訳とともに売っていたのだろう。
 税別2,800円の定価で、これはフランス盤の場合、国内盤仕様でなくても、これくらいの価格にはなるだろうから、高すぎることはないが、やはりそんなに売れなかったと思しい。

 ブックレットとレーベルのデザインは、それはもう“おフランス”そのもののお洒落さ。
 で、ていねいに開封し ― 「Télérama ffff」のステッカーも残しつつ^^ ― C-7030に乗せて聴いてみたのだが、『謝肉祭』という楽曲のキャラもあるのだろうが、あんまり面白くない orz....。

 シューマンのピアノ曲は、アルゲリッチとリヒテルだけで、計3枚しか持っていなかったが、これらは極名演であり、この3枚に比べるとちょっと気の毒なのでもあるが、精彩に欠ける。
 が! CD5000(=PHILIPS TDA1549T)で鳴らしなおすと、地味な音と音楽ではあるが、最後まで聴くと、そこそこの「聴かせてもらった」感があった。

シューマン、2題。

 しかし、第一印象の希薄さから、「これなら、やっぱり『クライスレリアーナ』のホロヴィッツ盤を買うのが正解だったかな」と考え、Sonyの国内盤で、DSD化される前の盤で、未開封品がHMVにあったので、送料込み800円ほどで入手。
 『子どもの情景』の冒頭を聴くだけでも、この世離れした美しさに、「やっぱりシューマンはこうでなくっちゃ」と大納得。

 1枚のアルバムとして、一夜のリサイタルを聴かせてもらうような気分で臨めば、レヴィナス盤も価値があるとはいえるけれど、ほかがリヒテル、ホロヴィッツ、アルゲリッチなので、聴く機会は巡って来にくい。
 じつは、ゆ〜ったりした“癒しの平均律”のつもりで買った『平均律』も、そんなに聴かぬうちから物足りなく感じ始めていて、ルートヴィヒ(リュドヴィグ、Ludwig)Qと共演したフランクのピアノ五重奏曲(Naxos)以外は、手放そうと思っている。

 M.レヴィナスは、『平均律』に関して、こちらで、
 「問題は技術面。 ‥‥普通に言えばタッチが不安定で(粒が不揃いかつ細部が曖昧になりがち)、曲によってはかなり危なっかしい(弾けてないとも言っていいくらい)。 これがコンクールだったらまず通らないだろうという曲もある」
とかなり酷評されている。

 この評者の方は、ピアノのコンクールの記事もあるように、ピアノ演奏の技術面を重視する方なので、こうなるのだろうけれど、私の耳でも、テク的に締まらないところがかなり顕著だ。

 指テク、メカニックが最高レヴェルからかなりはずれていても、ペルルミュテールのように、他では聴けない詩味、香りといったものが確固としてあるピアニストなら、聴き続けることができるのだけれど、レヴィナス先生 ― まさにパリ音楽院の先生、である ― は、アルバムによくインタヴューが掲載されることからも見えてくるが、ちょっとコトバ=アタマでアピールするピアニスト、といえそうだ(作曲家でもある)。

 ルートヴィヒQでは、レジ・パスキエと共演したブラームスの弦楽五重奏曲(同じく Naxos)も持っているが、音がきれいなだけで、表現意欲と重厚さに欠ける感じがして、ハーゲンQ+ジェラール・コセ(DG、廃盤)なんかがよさそうだなぁ、と思っていたのだけれど(ルートヴィヒ盤は、米Amazonでは、第2番が、音程が外れている、と酷評される)、これも CD5000で再生してみると、なかなか聴ける音楽になっている。

 もちろん、C-7030も絶好調で、前記事で、管球プリに色目を使ったりしているけれど、C-7030+PM6005で聴く、フォーレ‥‥イザベル・ファウストの弾くヴァイオリン・ソナタ(Harmonia Mundi France)や、パスカル・ロジェ+イザイQのピアノ五重奏曲(Decca)なんか、もう艶やかで溢れんばかりの美音である。

 そんなところで、『平均律』と『謝肉祭』は、別ディスクに気が向いておりまス。

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  • 2018.09.24 Monday
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  • 02:24
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コメント
>税別2,800円の定価で、これはフランス盤の場合、国内盤仕様でなくても、これくらいの価格にはなるだろう...

こういう商売は今や難しくなりましたねぇ。例えば、ミカエル・レヴィナスの弾くシューマン、これをPresto Classicalからまともに1枚だけ買っても、1700円+送料600円くらいですもんね。CDクォリティのFLACダウンロードでよければ、1300円ぽっきり。(驚)
これに対し、輸入元で付けられる付加価値と云えば、せいぜいライナーノートの翻訳と帯(笑)くらい。これではとても太刀打ちできません。

>シューマンのピアノ曲は、アルゲリッチと...

アルゲリッチの、ルガーノにおける一連のアルバムをひととおり聴いて、彼女のシューマンは、ほとんどが良い、という感想を持っております。(愉)

>C-7030も絶好調で‥‥イザベル・ファウストの弾くヴァイオリン・ソナタ(Harmonia Mundi France)や...もう艶やかで溢れんばかりの美音...

わぁ、いいなぁ。
ファウスト嬢のVnは、実演を耳にしてから、どうも拙装置には問題があるような気がしてならないのであります。(汗)
これは、そろそろスピーカーを「あれ」とか「ほれ」とかに変えた方がええんではなかろうか、まぁ、いつもの、きりのない煩悩です。(笑)
みっちさん、

> こういう商売は今や難しくなりましたねぇ。
マイナーなところは難しいでしょうね。キングインターナショナルの国内盤仕様などがタワーやHMVで売られるなどは、ずっと成立しているようです。
アリアCDとか、成り立っているのかな、とか考えますが。

> アルゲリッチの、ルガーノにおける一連のアルバムをひととおり聴いて、
私の持っているアルゲリッチのシューマンは、RCA(Ricordi原盤。『幻想曲』と『幻想小曲集』)と DGの『クライスレリアーナ』だけで、よくプレーヤーにかかるのは前者です。
両方ともすばらしいと思いますが、DG盤はあまり聴いていません…。

> これは、そろそろスピーカーを「あれ」とか「ほれ」とかに変えた方が
> ええんではなかろうか、まぁ、いつもの、きりのない煩悩です。(笑)
う〜む〜‥‥みっちさんの基準は私の基準をはるかに超えた次元かも。

私の装置は、それなりの機械をお持ちの方から見れば、ハイコンポに毛の生えた程度です。
が、ケーブル類も含めて吟味を重ねたラインナップは、値段からすると、クラシックにかなりオールマイティなシステムになりえていると自負(意味もなく)しております。
ですが、「きりのない煩悩」が生じないわけではありません。
  • へうたむ
  • 2018/05/21 11:40 PM
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