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CD5000、試聴…続。

 ‥‥ Lamp氏絶賛の Marantz CD5000、オンキヨー C-7030と単純に比較すると、シンプルに「ナロウで地味な音のCDプレーヤー」なのですが‥‥。

CD5000、試聴ディスク

 もうひ〜っさしぶりに聴く、内田光子/J.テイトのモーツァルト:ピアノ協奏曲第21番(PHILIPS国内盤)。
 これは、ふつうに聴く分には C-7030のほうが音が輝いていいかと思われる。しかし CD5000でも、木質調の落ち着いた音で、悪くない。

 CD5000が、とくに秀逸だと思われるのは、前回の、ブラームスの弦楽五重奏曲もそうだったけれど、室内楽で、弦の合奏が重なって、和音を、ことにフォルテでぐっ! と突き上げる瞬間である。
 こういう局面で、国産のオーディオ機器や、LPレコードは、経験上、最もキタナい音を聞かせることが多い。
 そういう場面で、CD5000=TDA1549Tは、とても美しい、まさに「和」した音を聴かせることがある。

 モーツァルトとしてはかなり大柄な、ちょっとブラームスのような恰幅のある、フォーレ四重奏団のモーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番ト短調(DG海外盤、写真手前右)。
 この団体のブラームスも手に入れていたが、ディスク周囲に緑色のペンが塗られていた(無水アルコールで払拭)こともあって、手放している。
 モーツァルトも、演奏が大仰な感じがして敬遠していたが、CD5000で、今夜、ゆっくり聴いてみると、これはこれでロマン的ではあるが、感興の深い、いい演奏だと思った。
 こういう感じは、ピリオド奏法の潮流とはどういう関わりなんだろうか?

 さらによかったのは、アマデウスQによるハイドンの弦楽四重奏曲セット(DG海外盤、TRIOシリーズ。写真手前左)からの、作品76-6。
 このセットは、OIBP表記でなく、ヨッフムのブルックナー最新パッケージのように、「Mastered by Emil Berliner Studios」とあるもので、この Emil Berliner Studiosの噛んだものは、けっしてそうよいマスタリングだと感じられないところもある。
 このアマデウスQの1組も、国産CDPで再生すると、音がざらついてイマイチな感じなのだが、CD5000だと、なかなかいい。

 こういうディスクに向いているようで、じっくり聴けた。
 作品76の四重奏曲集は、やはりハイドンの作品群の中でも最高峰で、作品76-4『日の出』と 76-5(緩徐楽章 Largoのある曲)がいいが、76-6もよかった。

 東芝EMIによる、リリー・クラウスのモーツァルト:ピアノ・ソナタ集(グレイト・アーカイヴ・シリーズ TOCE-15019。写真左奥)。
 岡崎氏マスタリングである。第3番 K.281、第9番 K.311、第11番 K.331『トルコ行進曲付』、幻想曲ニ短調 K.397を収録している。L.クラウスのモーツァルトは、個性的に過ぎて、この1枚で私にはちょうどいいくらいだ。
 ほかに内田光子の『ライヴ・イン・コンサート』(PHILIPS → Deccaの2枚組。幻想曲ニ短調だけクラウス盤と重複)があれば、モーツァルトのピアノ・ソロ曲はもうたっぷり、です。

 このクラウス盤は、基本、CD5000が、フルレンジ的な鳴り方でいいのだが、「トルコ行進曲」は、強奏部でデジタル変換時のノイズのようなものが付帯している ― 東芝EMI保管テープの劣化だと思われるが ― 部分、どちらで聴いても気になり、かつ、C-7030の「ふつうの美音」でも悪くない。
 EMIミュージック・ジャパンに社名変更してからリリースしている「リリー・クラウスの芸術」は、文春新書で宇野氏絶賛の音質なのだが、上の TOCE-15019とアナログ・マスターもリマスタリングも同じはずだと思う…。

 まあこんなところで、モーツァルト、ハイドンを楽しみました♪

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  • 2018.11.15 Thursday
  • -
  • 23:18
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コメント
性格の違うプレーヤーが2台あるメリットですね。
元新潟のUさん、

はい、いちおうメリットですね。使い分けできます。
  • へうたむ
  • 2018/03/05 3:09 PM
こんにちは。好きな曲の話だとつい喋りたくなります。モーツァルトのピアノ四重奏曲。フォーレ四重奏団のはモーツァルト111というBOXに入っていたので聴きました。ピリオド奏法の影響があまり感じられない、すっきりとした演奏で好感を持ちましたが、愛聴盤であるボザール・トリオ+ジュランナや、ワルター・クリーン+アマデウス団員と比べると、いまひとつと思いました。特に前者はメナヘム・プレスラーという人の凄さを思い知ったものです。
リリー・クラウスのソナタ全集の旧盤、オンマイクで強音が詰まりがちなのはマスタリングより、シャルランが収録したもともとの音質だと思います。マスタリングや使用テープによって音が違うのは事実で、私も自分でも呆れるダブリ買いをしていますが、結局はもともとの音質、ということに落ち着きます。人生の残り時間は、未知の演奏、未知の音楽を少しでも、という気持ちに傾いています。
  • yositaka
  • 2018/03/07 1:15 PM
yositakaさん、

> ‥‥いまひとつと思いました。
なるほど。
私も、聴き比べればそういう感触になりそうにも思います。
フォーレQを選んだのは、お書きになっている「未知の演奏‥‥を少しでも、という気持ち」ゆえ、だったかも。
クリーン+アマデウス団員は、タワー盤で第2番まで揃って復刻されましたが、第2番の一部にマスターテープ損傷からのノイズが入ってしまったのが残念で、手放しています。その時は、この楽曲の魅力をあまりわかっていなかったようです。

ボザールもよさそうですね。ヘブラー+ベルリン・フィル団員の(PHILIPS)も、オクでけっこう高くなっていますが、安ければ、と思ったりもします。

こうした、室内楽やピアノ・ソロの世界と、ピリオド奏法全盛の風潮とは、たとえば音大生の間でどのように整理・理解されているのか、ということに興味があります。

> リリー・クラウスのソナタ全集の旧盤、‥‥結局はもともとの音質、ということに落ち着きます。
なるほど。私は、東芝EMIのソナタのみのセットと、韓国盤(← 意外に期待はずれでした;;)とを聴き、けっきょく東芝のリマスター1枚ものだけで、クラウス旧盤はお腹いっぱい、という状態に至っています。
モーツァルトのピアノ・ソナタは、あと入手するとしたら、ピレシュ盤でしょうか。

> 人生の残り時間は、未知の演奏、未知の音楽を少しでも、という気持ちに傾いています。
それも大切な音楽への接し方としてすばらしいことだと思います。

私の場合は、一時期マイナーなものを集中的に聴き、これがあまり充実感をもたらさなかった ― もちろんよい経験にはなったと思うのですが ― このことが“歴史的名曲名演至上主義”に傾くことにつながった、のかも‥‥。
レーガー、プフィッツナー、ツェムリンスキーの弦楽四重奏曲を延々と聴き、独特の雰囲気に浸りつつ、「う〜ん、これって、大学教授がルーティン仕事で紀要に書いた論文だな〜」という思い(ホントはそれで済ますのは不当だとは思っていますが;;)を持ったことがあります。

この点は、また別記事にて‥‥。
  • へうたむ
  • 2018/03/07 11:14 PM
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