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Marantz CD5000の評価。

 ↓これ、どう評価したものか‥‥。

CD5000

 Marantz CD5000。もちろん、C-7030が故障した際のバックアップ機として、先日も、あって助かったのだけれど、このプレーヤーをどう評価し、使いこなしたらいいのか、なかなか難しいのである。

 マランツの、中身スカスカの安価機でありながら、安価機としてのみならず、PHILIPS/Marantz全体として、PHILIPSのDACを使った最終機でもあるようだ。
 このあと、マランツのCDPは、いったん NPC(現・セイコーNPC株式会社)のDACを採用し(これが、CD19、CD67、CD6000世代で、けっこういいようだ)、そのあとシーラス・ロジック社のものに移って今に至る。

 もうずっとブックマークしているけれど、ポーランドの“何にでも管球バッファーを入れる人”=Lampizator氏のサイト・ページに、CD5000と、その PHILIPSブランド・ヴァージョン・CD753、そして、同じDAC TDA1549Tを使ったもうひとつ、PHILIPS CD751(デコーダーICなどが前2機種と異なる)を特筆絶賛している。

 曰く、「Before lampization with the 6H6P tube I listened for an hour or so and I really like this player. It is not only a good player, but it is NICE. It is full of details, with strong energy, with rythm, with full scene, with clean powerful trebles, with long treble decay and reverb, the achilles heel of the opamped players. (6H6Pの管球バッファーで‘lampization’する前に、一時間あまり聴いて、私はほんとうにこのプレーヤーが好きになった。いいプレーヤーというだけでなく、“ナイスな”プレーヤーなのだ。音のエナジー、リズム、全体像、クリーンでパワフルな高域、長く消えてゆく高音と余韻などとともに、細部がしっかり再現されるが、これらはいずれもオペアンプ出力のプレーヤーの弱点なのである。)」

 さらに「THIS IS A KILLER PLAYER BY ALL MEANS AND WITHOUT THE RESERVATION "for such a cheap and ugly player." Cover it with a rug and play it to the audiophiles and they will say Wadia 860.(これは、あらゆる点で、“この安価で安っぽいプレーヤーとしては”という但し書きなしで、スゴいプレーヤーだ。これに毛布をかけてオーディオマニアに聴かせたら、Wadia 860だと言うだろう。)」
 末尾は前にも引いたっけ。

 CD751のほうについても、ルーマニア人・フローリン・バチウ氏に教えられたことを感謝しつつ、「My expectations of un-modified, un-lampized player were very low. BUT ... This must be the best sounding stock player I ever had. It totally beats almost all players, and it is about equal with the best stock machines, if memory serves me, like for example Copland 289, JVC1050K2, Naim CDS-1 and maybe Cambridge CD-4. It would even beat the stock Meridian 506.20 (Lampizeする前の期待はとても低かった。しかし‥‥これは間違いなく、私が今まで聴いたことのあるほとんどすべてのCDプレーヤーを凌駕した。そして改造しないままのベスト機種群 ― 私の記憶が正しければ、たとえばコープランド CDA 289、ビクター XL-Z1050、ネイム CDS-1、そしてたぶん Cambridge Audio CD-4 ― と同等である。このプレーヤーは、無改造の Meridian 506/20よりもいいかもしれない。)」

 読み返すにつけ、そして CD5000を実際に聴くにつけ、「どう考えてもこりゃ大げさだろう」といささか呆れつつ ― まあ、記事を面白くするネタである部分はあるにしても ― しかし「何でこんなに誉めることができるんだろう」とも思うのである。

 C-7030では、高域がメタリックにすぎる鳴り方のCDを、少しハイ落ちののんびりした再生音にするので、いわば妥協的に聴く用途に使ってきていて、Lampizator氏のいうほど ― もちろん、悪くないが ― 「秀逸な」音は、あまり聞こえてこない。
 それで、もっと「近代的な=国産中級機っぽい音のする」CDPを、またぞろオクで漁る毎夜でもあるのである。

 とはいえ、もう予算もあるわけではないし、オク現状出品品の多くは、リモコンも動作確認もないのに万単位以上の開始価格というものが多く、機種的にも魅力は乏しい。

ヨッフムのブルックナー

 で、CD5000独自の「よさ」があれば聴いてみたい、と思いつつ、ちょっと以前に買っている、ヨッフムのブルックナー:交響曲全集、DGのほうから、第4番と、第3番を、C-7030との比較には重点をあまりおかずに、聴いてみる。

 このセットは、OIBPという形ではなく、Emil Berliner Studiosでマスタリングした、という表記がある。
 現在、これ以外の内外盤全集は、そうとう高騰していて手が出ないし、現行ボックス版はスペース・セイヴィングなので、これしかない。
 が、Amazon.co.jpの、旧外盤全集へのレビューには、「この盤が一バン音がいい。薄くなった白黒の写真のはだめだ」というのがあって、「薄くなった白黒の写真の」というのは、私の買った現行盤(COLLECTORS EDITION)ではないかと思う。

 このレビュアーが言うように、どうもこの外盤カートン入りボックス盤のリマスターは、全体が混濁して、マスとしての存在感を強めてはいるが、弦のツブだちなどが、ツルンとしてしまっている。
 C-7030ではあまり心地いいサウンドが流れてこない。

 そこで、CD5000のアナログ出力で聴くと、こんどはまたラインケーブルが気になりだす。
 高域のツヤが少し強調されても、C-7030とは鳴り方が違うし、では、またモガミ 2534にしてみたらどうか、と、L-4E6Sもいちどつないで試聴し、2534に換えてみると、CD5000の“埃っぽさ”、“田舎っぽさ”が緩和されて、ハイファイ的になる。

 CD5000も電源コードのクランプ式フェライトコアははずしている。
 この形で、ブルックナーのヨッフム・DG盤は、かなり「それらしい」よい鳴り方をしてくれた。

 いっぽうで、CD5000のデジタル出力を PM6005に Belden 1506Aを介してつなぎ、PM6005内蔵のシーラス CS4398で聴くと、あまりよくない。
 CD5000のデコーダー=DSP・SAA7378は、評価が低いのである。
 こちらの掲示板には「the digital filter in the SAA7378 is mediocre at best. The internal resolution is not sufficient at all, stop-band attenuation is very poor, …(SAA7378のデジタル・フィルターは、よく評価してもつまらないものだ。内部解像力は全く低く、ストップバンド減衰は非常によろしくない…)」とある。

 こちらの掲示板投稿には「the SAA7378 digital filter, these don't have bit-perfect digital output and that can be annoying (SAA7378のデジタル・フィルター[を使った機種は]ビット・パーフェクトなデジタル出力を持っておらず、それがイヤなのである)」とある。

試聴ディスク

 ‥‥フェライトコアなし、NEGLEX 2534 → PM6005+KDK-OFCで、一部 C-7030と比べながら、また試聴。

 ブラームスの弦楽五重奏曲、六重奏曲のCD(左上)は、以前、アマデウスQのドイツ盤3枚組を持っていたが手放し、しかし名曲ではあり、国内盤2CDを中古で確保した。
 国内盤は、ドイツ盤より若干、ヴァイオリンがキツいようで、C-7030ではトーンコンで高域を下げても耳障り感が気になるのだが、CD5000で、かつアンプ側で高域を下げてやると、なかなかいい音になる。
 思わず、弦楽五重奏曲2曲とも、50分間聴いてしまった。

 手持ちの、スカルラッティのソナタは、ミケランジェリのキング/LONDON盤と、DGのポゴレリッチ盤(バッハの『イギリス組曲』のフィルアップの、MASTERS盤)だけしかなく、曲目は重ならない。

 ミケランジェリは、C-7030では、高域の歪み感が出てきて、ちょっと聴きづらいが、CD5000では、その辺が緩和され、聴きやすい。

 ポゴレリッチのほうは、C-7030のアナログ出力(Wolfson WM8718)のほうが、高域の艶、余韻もいい。デジタル録音で、歪がもとより少ないせいか、高域が十分出てもきれいだ。
 が、ポゴレリッチ盤は、C-7030の光出力から PM6005のDAC(Cirrus Logic CS4398)で聴くのが、もっとも高精度で、いい。
 うちの接続では、PM6005内蔵の CS4398は、歪みのないデジタル録音のピアノの再生で、最も真価を発揮するようだ。

 とはいえ、CD5000で聴くポゴレリッチも、いささか艶消しながら、音楽的で悪くない。

 Gimell録音の、ウィリアム・バード:四声のミサ曲。明らかに、広い音場と余韻感、透き通った高音など、C-7030に合った音源だけれども、CD5000では、解像度や音場感を削ぎ落としつつ、流れてくる音声はきわめて音楽的だ。

 タリス・スコラーズの歌唱‥‥ヒリアード・アンサンブルといい勝負の透明な声質に、女声が加わったもの、というところ。終曲に近づき、Sanctus, Benedictusから Agnus deiに進むにつれ、指揮者・ピーター・フィリップスの意図なのか、かなりロマン的に盛り上げている感じだ。このCDは双方のCDPで聴いて、よさが聴けそうだ。

 ヴィクトル・デ・サバタのSP録音、ブラームスの交響曲第4番のカップリングの、R.シュトラウスの『死と変容』。
 C-7030と比較していないが、これは CD5000がハマリ、のようだった。
 向こう(海外)のSP復刻の例にもれず、針音はかなりカットしている感じだが、そこから来る高域の情報量不足はあまり気にならず、じつに味のある音だ。
 復刻・リマスターは、クラウス・シャイベという表記がある。

 音楽愛好家諸氏が愛聴盤を語った、『クラシック名盤 この1枚』(光文社 千恵の森文庫)では、ブラームスの交響曲第4番について、DGの復刻LP(内外盤の別は不記)について、「筆者が持っている盤はひどいものだった。音が窮屈な印象を受けるのだ。聞いたこともないマイナーレーベルならいざ知らず、グラモフォンによる正規の音取りでこの有様は考えものだ。SP盤との落差があまりに激しすぎる」と書いている方がいる。
 このCDは、どうなのだろうか‥‥書いている方の落胆したLPと同じていどなら、そのていどの音でいろいろ言っているに過ぎないのかなぁ、と思ったり。

 しかしまあ、安価な割りにいろいろ突っ込み甲斐もあり、音楽もちゃんと聴かせてくれるCDプレーヤーが2台もあるのは、けっこうなことです。
 今日は、しっかりいい音楽を聴かせてもらいました♪

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  • 2018.11.15 Thursday
  • -
  • 02:34
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コメント
ソフトによって機器を使い分けるのはマニアにはよくあることですね。
えーっと、今ごろ何を云うとるんだ、ということなんですが、へうたむさんのHPがあるのに気付いて、見に行きました。
オーディオ関係、ずいぶん試行されているのに驚きました。
みっちが今使っているスピーカーは、LS3/5a(Rogers65周年記念版)なんですが、‘ザ・キット屋’さんのkit LS3/5Aを使われていたこともあるんですね。
LS3/5aはオリジナルを1970年代に聴いてますけれど、キャラクターはあまり強くなく、大入力ではさっぱりアカンという印象でした。今の65周年版は、結構大きなボリュームでも、それなりに鳴るのが不思議です。音質もモニターぽいです。所詮オリジナルとは違うということでしょう。

と、全くトピックに関係ないコメントで失礼しました。
元新潟のUさん、

はい、そういう形で使い分けるのがいいでしょうね。
  • へうたむ
  • 2018/02/26 3:49 PM
みっちさん、

> HPがあるのに気付いて、見に行きました。
ご笑覧、恐縮です(汗;;)。
このブログの開設に先だって、ちょっと作ったものです。タグは全部《メモ帳》で“手書き”で、書いているときはけっこうリキ、入ってました^^。
JUGEMブログを借りてからは、更新していません。

> ずいぶん試行されているのに驚きました。
安価機をくだくだしくあげつらうことしかできませんが、思うところは率直に書いているつもりです。

> ‘ザ・キット屋’さんのkit LS3/5Aを使われていたこともあるんですね。
あれは、私のサイフで「まあなんとか買える」価格でしたから。
あそこに書いているように、当時コイズミ無線からも“LS3/5Aもどき”キットが発売されていましたが、ネットワークの設計など、常識外のめちゃくちゃぶりだったと思います。
どちらも、元は中国でテキトーに設計された、まさに“ニセLS3/5A”に過ぎないと思っています。

> 所詮オリジナルとは違うということでしょう。
「オリジナル」そのものがすでに、ひとつではない、とも言えるのではないでしょうか。数社のライセンス生産があったわけですし。
  • へうたむ
  • 2018/02/26 4:11 PM
他人の評価をいささか気にされているご様子ですが、音盤はともかく、オーディオの評価は難しいですね。演奏なら、具体的な表現の在りようを言葉に変換して議論することもできます。しかし、オーディオの場合、評者ごとに聴取環境が違います。ましてその中でプレーヤーだけを単独で評価しようとするのは難事と思います。パスピエさんはいい耳をお持ちなのですから、それを信じればいいと思います。ライターはちょろ聴きでも巧く書くものですよ。

『クラシック名盤 この1枚』は快著ですが、音の評価については、オリジナル盤への強すぎる拘りが「撹乱」を生んでいます。「落胆したLPと同じていどなら…」と気にされる気持ちがマニア地獄への第一歩。孤独な彼らは、一人でも仲間を増やしたいのですよ。

  • yositaka
  • 2018/03/02 10:15 AM
これは失礼!ご尊名を間違えました。私も頭がアウトになってきたようです。削除してください。
  • yositaka
  • 2018/03/02 10:43 AM
yositakaさん、

情けないといえば情けないのですが、“他人の評価”は、演奏の質、ソフト、ハードの音質ともに、どうしても気にしてしまいます。
いわゆる「オーディオ評論家」は措いておくにしても、ご一覧いただくとよろしいのですが、この Lampizator=ポーランド人・ルーカス・フィクス Lukasz Fikus氏のサイトは、なかなか興味深いものです:
http://www.lampizator.eu/Fikus/ABOUT_US.html

こういう人物が、こういう安価機種に「ひとこと」言っている ― 彼は、日本でも伝説的人気のある Panasonic/Technics SL-PS700にも、思い入れたっぷりの賛辞を送っています ― という時、「なんだろうな〜」と興味が尽きないのです。

> オリジナル盤への強すぎる拘りが「撹乱」を生んでいます。
おっしゃるとおりだと感じます^^。
こういう志向が、演奏(家)の評価にもつながっているような気がします。
ブラームスの弦楽四重奏曲について、「本当に推薦できるのはブダペスト四重奏団だけ」(文庫版300頁)だと言い切っているのなど、読んでいてそうとうな抵抗を覚えました‥‥とはいえ、CD化されているこの Deccaのヴェーグ盤、欲しくなりましたけれど。
なお、私のは文庫版でして、単行版はさらに記事が多いとか、そちらも気になっています;;。

> ‥‥削除してください。
あ、お気になさらず‥‥削除すると内容まで消えますし、といって私が編集して貴名を‘騙って’再投稿するというのもナンですし…。
高名なパスピエさんと間違っていただき、これは光栄かも、と存じます (^o^;)。
‥‥これを機に、パスピエさんのブログもブックマークし、お邪魔しようと思います♪
  • へうたむ
  • 2018/03/02 4:08 PM
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