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グールドの『平均律』、買い直し。

 この記事で書いたように、Sonyの、 b-sharpスタジオ(ボックス・セットには記されていないが、ショップ・サイトで明記している)のリマスターになるボックス・セットを数セット、他のヴァージョンに買い替えている。

 そして、転居後に買った、グールドの『平均律』のいちばん新しく、いちばん安い4枚組セットなのだが、これにはリマスターが b-sharpであること、担当者名もフィリップ・ネーデル Philipp Nedelと記されている。

 最初は気にせず聴いていたのだけれど、このセット、ピアノの音像が2つのスピーカーの間に大きく広がり、かっちりした「像」感が少ない。
 音自体も、倍音が強調されて、耳にビンビンと来る。

 『ゴールドベルク変奏曲』の手持ち盤は、散文的なブックレット/インレイ・デザインの、20-bitリマスターを明記し、SBMのステッカーがケースに貼ってある外盤(SMK 52619。「remixed by Andrew Kazdin (Producer) and Miguel Kertsman (Engineer)」とある)である。
 これと比べた時、新しい「平均律」が顕著に異なることに気づいた。

 取りようによっては、新しい b-sharpによる音作りのほうが、‘グールドらしい’ものなのかもしれない、とも思った。
 が、聴いていると、私の耳とシステムには、やはり従来の SBM表示のもののほうが自然なのである。

 『ゴールドベルク』は、つねづね第32トラックの主題の再奏を、一夜の「レコード・コンサート」のクロージングに聴くばかりで、最初から聴き始めたことがじつはない(!)のだったが、先日、最初から半分くらい聴いた。

 SBMの『ゴールドベルク』は、音像の周囲に適度に余韻のオーラが漂い、この音作りが声部の対位法的なからみを、むしろうまく聴かせてくれるように感じる。

 と! いうことになり、Amazon中古では2枚組×2セットでは、SBMの外盤はまだ安く求められる。
 が! これだとスペースを食うので、新セットと同じく4枚がシングル2枚分の厚みのケースに入っているセットを探すと、これがなかなか出てこない。
 最も新しいのは、国内盤のSACDハイブリッドのセットがあるが(これはまた別マスタリングを依頼している)、こんな高いものを買うべくもない。

 そこで、いろいろ見ていると、殺風景な表紙のヨーロッパ盤が4枚セットで、Amazonでは HMVが送料別で1,000円くらいで出品しており、それなら、と、バッハのピアノ演奏ディスクで欲しいと思っているものを加えて2,500円超にして、送料無料で注文した。

バッハのピアノのCD群

 ガヴリーロフの新盤のほうの『フランス組曲』(DG、2CD)と、ポゴレリチの弾く『イギリス組曲』第2、3番(DG、MASTERS)をいっしょに。

 もう1点は、オクで500円で買った、バルトークのヴァイオリン・ソナタ、スターンの旧盤(ザーキンがピアノを弾いているもの)。

 では、グールドの『平均律』、2種の写真。

グールドの平均律


 ↓レーベルとブックレット。入手した旧4枚組は、薄紫系のレーベルで、ブックレットには、グールドの著書を引用しただけの、Michael Stegemannという人の簡略なノートだけ。
 各トラックの録音日と場所は記されているが、リマスターに関する情報は一切ない。

グールドの平均律、中身


 Amazon.co.jpの、このレビューに書かれていることがほんとうらしく、SBMの外盤と同じと考えてよいようだ。

 ‥‥というわけで、グールドを聴くのは、こっちにしよう。

ポゴレリチのインレイ、背。

 今回、ポゴレリチは、新盤は2枚組のガヴリーロフの『フランス組曲』より高く、ちょうど HMVが432円の中古を出していたので、そちらにした。
 盤質A盤表示だったが、ブックレットはちょっと汚れがあって、ページがくっついていたり、何より、インレイカードの背の黄色が褪色していたのがショック。

 MASTERSシリーズ(外盤)の背は、上と下のラインの範囲内のみ黄色で、レギュラー盤の全面黄色ほど印象的ではないので、まあいいかな、とは思うのだが、新盤を注文したほうがよかったかも。

 ガヴリーロフとポゴレリチ、それぞれ個性的だが、グールドの持つ「思弁性」からは遠い。
 いずれの組曲にもある、ゆったりした「サラバンド」を、ショパンのワルツやノクターンを聴くような感じで聴くのが心地よい。

 ‥‥余談だが、HMVはショップ直でも Amazon経由でも、中古品の発送は3営業日めになるようだ。
 昨今の中古の発送では、ちょっとびっくりするくらい遅いが、この辺は気長に待って、安くて欲しいものを購入したいと思う。

 もうひとつ余談‥‥は、けっきょく b-sharpがリマスターしたものの中では、ブダペスト四重奏団によるベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集だけが、手許に残った。
 他のヴァージョン候補としては、中古でもけっこう高価な国内Sony盤しかなく、かつ b-sharpのセットの中では、ちょっと高域をトーンコンで下げてやると、聴ける音にはなる、ということで、残っている。

 おっと、3つめの余談。こちらで、アッカルド+ジュリーニのベートーヴェンが、ディスクのばらつきのせいか、音がキンキンした感じなので廃棄を考えている旨記したけれど、中性洗剤とぬるま湯で洗ってみたら、プラシーボ的なのだが少し聴ける感じがしてきたので、置いておこうと思う。

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  • 2017.12.11 Monday
  • -
  • 23:44
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コメント
みっちです、こんにちは。

グールドは、2015年の「リマスタード」で聴いていますが、「平均律」の音像は、後年のマルチマイク録音のものと比べると、大きめです。
このマスタリングを担当したAndreas Meyerの説明では、この頃のコロンビア・スタジオはハーフインチのテープに3チャンネルの録音、3つのマイクを「デッカ・ツリー」配置、チャンネル1と3がステレオの左右、チャンネル2がアンビエントとのことで、もの凄くシンプルなスタイルです。
当時はLPレコード製作用にドルビー(Aタイプでしょう)などのイコライザーをかけたマスターが作られており、これは当然ステレオ2チャンネルですから、この段階でリミックスが行われていたわけです。

このようにマスターテープと云っても、実は何種類もあるわけで、いろいろなリマスター盤で音の差が出るのは、まあ当然なんでしょうねぇ。
みっちさん、こんにちは。

> 2015年の「リマスタード」
Andreas MeyerリマスターのSACDハイブリッド盤ですね。

マイヤーの手になるものは、CDでも81枚セットの形で出たそうですね(USBメモリ版も)。
それに関わる記事:
https://www.glenngould.com/remastered/remastering/
がありました。

SBM処理を表示してリリースされた「The Glenn Gould Edition」は、再発プロデューサーとして A.カズディンが関わっているので、‘現場の音’を知っているのでは、という信頼感が、いちおうあります。

この「The Glenn Gould Edition」シリーズでは、マイヤーは『フーガの技法』を担当しているようです:
https://www.discogs.com/release/1675438
(この discogsのサイトでは、このシリーズのリイシュー担当者名を全て記しています。)

カズディンが担当しているから忠実だ、とも、だからよい、とも言えないのですが、どうもこのシリーズが私には聴きよいと感じられます。
81枚組は、興味はなくはないのですが、そもそもグールドがそんなに好きではない私(笑)には不要ですし、SACD再生機を持っていないので、SACD盤もネコに小判なのです…;;。
  • へうたむ
  • 2017/05/06 5:05 PM
また買い直しですか。ご苦労様です(^_^;)
元新潟のUさん、

またです〜。
リマスターの違いは面白いものでもあります。

このところ機器・パーツのほうはほんとうに触っていませんからねえ。

ぼつぼつ CDP-XE700のオペアンプを交換?
  • へうたむ
  • 2017/05/06 10:05 PM
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