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ぼつぼつCD購入も…。

E.クライバーのベートーヴェン
 休みは多いのに、前日の未明までネットを見ていて、起きるのが極度に遅く、意外に音楽が聴けていない。

 が ― 先日、ちょっと衝動買い的に買ってしまった、エーリヒ・クライバーのベートーヴェン、その第6番『田園』の第2楽章を聴いてみた。絶品でした。

 ONTOMO MOOK『リーダーズ・チョイス −私の愛聴盤− 読者が選ぶ名曲名盤100』(音楽之友社、2000年12月)では、読者投票リストに、第6番『田園』のみ、8位に入選している。
 第3、第5はリスト入選はなく、第3のほうがコンセルトヘボウ盤への読者コメントだけが載っている。

 入選の第6番は、ワルター、クレンペラーについで、高齢者=60代の支持が高い。これは初出の時代の影響が大きいだろう。

 私の入手した E.クライバー/コンセルトヘボウの『田園』は、ポリグラム盤ではなくキングレコード盤で、音質に不安がないことはないけれど、実際に聴きすすめると、高域には若干の混濁感がありつつ、中〜中低域と低域(ほんとうの低域はうちでは出ない)の充実感が補い、かなり厚みのある音を聴くことができて、速いテンポで進む第1楽章を通過し、第2楽章に入ると、すでに指摘されるように悠然とした進行になり、もう何もかも忘れて「ベートーヴェンの田園の、小川の光景」に誘い込まれる。

 末尾に近づいて、カッコウの擬音が奏される時には、聴き手は完全に音楽の描く世界に散策している。
 ‥‥あまりにすばらしく、そしてちょっと長く聴いていたので、その日はこの印象でリスニングを終わるべく、第3楽章以下は聴かずに‘針を上げた’…じゃなくてCDを取り出した。

 これは買ってよかった。
 同時に入手した、ウィーン・フィルを振った第3『英雄』、こちらはポリグラム盤だったのだが、高域は透明できれいな音なのに、中〜低域が薄く、全体として音楽の感興が、キング盤のコンセルトヘボウの『田園』のような具合に感じ取れない。
 低域が分厚くないのは、ウィーン・フィルの特色でもあるので、その辺もあると思われるが、キング盤が必ずしも悪いとは言い切れない例を、今回も経験した。
 全体にノイジーなところがあるが、キングに来ているマスターテープをそのまま、情報量を抑えも強調もせずにデジタル化したというふうである。

 もっとも同じマスターを使った MZ規格や K15C規格などのLPレコードだったら、高域の強調感が耳障りだったろう。

 ‥‥ちょっとCDを買い過ぎている、それでいてまだオクや Amazonを渉猟してやまない物欲地獄をさまよっている愚生であるが、手許に集まったディスク群をしげしげと眺め、実際に再生してみて、「いや〜、いいレコードばかりだぁ」と感心しない日はない。

 その上、まだまだじっくり味わっていない、とくにオペラのディスクは全トラックに耳を通していないアイテムも少なくないので、ほんとうに「もう買うのはやめよう」と思うこと頻りなのであります‥‥が。

 だいたいちょっとしたクラシック・ファンでCDを集めている人なら、「こういうのは持っているだろう」というセットで、持っていない(含む:手放した)ものは意外に多い。

 交響曲全集で、持っている作曲家:ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、シベリウス、ニールセン。
 同・持っていそうで持っていない作曲家:ブルックナー、チャイコフスキー、ドヴォルジャーク、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ルーセル、オネゲル、ヴォーン=ウィリアムズ。

 エルガーやスヴェンセンはそれぞれ2曲しか書いていないので、持ってはいる。マーラーは、バラで全曲、あることはある。

ブルックナー/ミスターS   ショスタコーヴィチ/ペトレンコ


 それらのうち、ブルックナーとショスタコーヴィチの交響曲全集は、持っていてもいいかな〜、と思いつつ、いろいろググっている。

 ブルックナーは、ヨッフムのドレスデン盤、EMIで ARTリマスターしたボックスを持っていたけれど、そんなに聴かないまま、生活費に変わった。
 ショスタコーヴィチは、バルシャイの Brilliant Classics盤をいちど入手するも、これもあまり聴かないうちに換金。
 ひとつには Brilliantにありがちな、情報量の少ないツルツルした音も不満だった‥‥現用の装置ではもっといい印象を得られるかもしれないけれど。

 ブルックナーは、買うとしたらスクロヴァチェフスキーの Oehms盤か。ショスタコーヴィチは、ペトレンコ盤(Naxos)を考えている。

 両セットを揃えるとすると、8,000〜11,000円くらいの出費だろう。
 2016年度分の税金と国保・年金保険料は、1月末までで収め終わったので、少し余裕のある分が回せるけれど、賃貸の契約更新手数料なども今年はかかってくるし、(私としては)お高いスニーカーを、もう1足買った(後述)。
 さてさて。
 マーラーの交響曲は、1曲1曲濃厚な個性を持っており、演奏を選んで聴き味わうことはたいへんな楽しみを与えてくれる。
 これに対して、よく言われもするようにブルックナーの交響曲は、「同じ音楽を9通りに作曲した」趣きが、ある。
 それなら、楽曲の習熟度からしても、第5、第7、第8、第9番あたりの有名曲=名曲を、納得のいく名演奏で何度もじっくり味わうほうが、全曲を揃えてせっせと聴きすすめるよりも感銘が大きいのではないか、と思えてくる。

 ではショスタコーヴィチのほうはというと、そもそもあまり感銘しない曲がある。
 第2、第3番は「仕事で書いた音楽」のような気もするし(バルシャイ盤も、よくは聴いていない)、第4(バルシャイ盤とラトル盤で聴いた)や第6、第9(バーンスタインのDG盤で聴いた)もそうピンと来ない。

 というふうに考えると、この二人の作曲については、聴きたい曲だけバラで持っている現状で十分なんじゃないかということになってくる。

 現在手許にあるブルックナーは、シューリヒト/ウィーンで第5、第8、第9、ヴァント/ベルリンで第7、第9、他にザンデルリンク/ゲヴァントハウスで第3、ジュリーニ/ウィーン・フィルで第7と第8、クナ/ミュンヘンで第8、のみ。
 これら‘超-超弩級’名演に比べると、ミスターSのバランスの取れた丁寧な演奏といえども、いささかかすむのである(Arte Nova盤で第7と第8番を、弟からもらって聴いたことがあるが、ザールブリュッケンのオケの音自体が薄く感じられて、アウト、でした;; 今の装置ではいいかもしれない)。

 ショスタコのほうは、第5番がバーンスタインの東京ライヴ(DSDマスタリングの前のヴァージョンで)、第8がムラヴィンスキー(ピッチ修正の Regis盤)、第14番がバルシャイのスタジオ盤(国内盤はスゴい値段になるので、Venezia盤)、第15番がザンデルリンク/クリーヴランド、とこれだけ。

 そして、ヘンなのではあるが、弦楽四重奏曲のほうはルビオQの全集を持っている。弦楽四重奏曲は、交響曲における第5番や第7番のような位置にある曲がないので、むしろ全曲手許に置いておきたくなる。

 さきほど、久しぶりにムラヴィンスキーの Regis盤から第1楽章だけ聴いた。
 ピッチは修正されているものの音質がよくないと低評価なリリースなのだが、現用の C-7030+PM6005+Mercury F1Cで、かなりリアルで、内容の迫ってくる音が聴けた。
 全篇、音が物質化、言うならば、エクトプラズムになってリスナーに吹きつけてくるような演奏だ。第1楽章末尾に、高らかに、かつ暴力的に吹き鳴らされるトランペットは、真鍮の輝きが見えるような響きで鳴った。
 ‥‥こういう音楽はそうそう日常的に聴けるものではないし、では全集を買って第2、第3、第9、第11番、etc.…を聴くだろうか、というと「?」マーク。

 というふうに考えあぐね、両全集には手を出しかねているが、早晩ポチってしまうかもしれない。

 どちらにせよ、昨年暮れからのそうとうな勢いでのCD購入 ― その何割かは好ましいマスタリングを選ぶための重ね買いでもあった ― の結果、何とも聴き応えのあるライブラリーになってきており、聴くのがそれに追いつけていない、とくにオペラは‘積ん読’状態のセットが多く、この辺りでブレーキをかけないといかんなぁ、なのであります。

 そんな中、今まで買ったものの「マスタリング買い換え」によって聴かないと判断したCDを、11点、枚数にして28枚を、ユニオンに売却した。2,700円弱になった。

 さて、穴やほつれの目立つズボンや鞄の買い換えのほうがほんとうは喫緊の課題。
 そっちを考えまひょ。が、ズボンやカーディガン、シャツ、あるいはカバンというような買い物は、1点数百円とは全然いきません。

くつ。

 去年買ったスニーカーとビジネスシューズ1足ずつ。
 スニーカーは、6年使ったものと同じニューバランスというブランド。
 アメリカはボストン発祥のランニングシューズ・メーカーで、今は世界に展開している、みたいな。買ったのはヴェトナム製だった。

 ビジネスシューズは、ムーンスター
 こちらは日本ブランドで、日本製。「ムーンスター」は、小さいころ運動靴 ― 当時は、「スニーカー」という単語もなく、「ズック靴」か「運動靴」と呼んでいた記憶がある ― の‘月星靴’として知られていた記憶が、あったりなかったり?

 去年11月に買ったニューバランスのスニーカーが、やはりいいので、もう1足買おうと、去年買った店に行ったら、同サイズで同じブラックがなく、グレーしか在庫がなった。
 1足買い足すのは、1足をほぼ毎日はいていると傷みが早いだろうから、2足を交互にはこうと思ったからだ。
 その場合、同じ色だと仕事先にはいていくにはいいが、履く際に「あれ、これ昨日履いてったほうだっけ?」となりそうなところ、色が違えば間違いなく違うほうを履いて出かけられる。
 ということで、グレーを買っちゃいました。
 これであと8年くらいは靴は買わなくていいな〜(おいおい)。

 その店では、古靴の下取りセールをしていて、ちょうど不燃ゴミに出そうかと思っていた古いい靴3足を持ち込み、それでもらった割引券で600円引いてくれた。
 とはいえ、写真に写っている3足 ― これで手持ち全部^^;; ― で、都合24,000円の買い物である。
 靴にこんなにお金をかけたのは、ナン十年ぶり‥‥ではない、生まれて初めてである。

 今まで、靴には金をかけてこなかった ― 主因はもちろん、お金がなかったからだ ― ことが、足の傷みに影響している…かも。
 仕事の端境期の今も、(ありがたいことに…)週3〜4日は仕事に出かけなければならない生活なので、クツは大事である。
 それに、3〜4月には賃貸の契約更新手数料と火災保険料とで、43,000円は飛んでいくから、CD購入はますますいけませんねえ〜‥‥。

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  • 2017.08.15 Tuesday
  • -
  • 22:27
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コメント
クライバーの「田園」は絶品です。私はキングMZ盤や、日本初出のLPも架蔵していますがキンキンした音ではなく、十分に楽しめますよ。最近ブログに感想を書くために聞いたCDは「オリジナル・マスターズ」のEU盤でしたが、実に瑞々しい音でした。DECCAのマスター保管技術もたいしたものです。
ショスタコーヴィチ、ブルックナーの交響曲は、聴く回数はともかく、人生の支えとして全集が必要ですね。いくつも必要です。
一方、マーラー、チャイコフスキー、プロコフィエフなどは「たまには楽しませてくれる」音楽で、人生との繋がりは深くなく、ひとつくらいあってもいいか。場所ふさぎならすぐ処分…です。
  • yositaka
  • 2017/03/06 2:28 PM
yositakaさん、

クライバーの『田園』、 ― 第2楽章までしかじっくり聴いていないのですが ― ほんとうにすばらしいものです。

キングの国内盤LPも yositakaさんの装置だと美しく響くようで、何よりです。
私がLPを聴いていたのは、安価なカートリッジ、プレーヤー、それに国産プリメインのフォノイコライザー使用だったせいか、キングの LONDON盤は高域が強調されて聴きづらい音でした。

> DECCAのマスター保管技術もたいしたものです。
‘Decca Legends’なんかもよい音を聴かせてくれますね。
英Deccaのボックスセットがまとまっていて、やや高騰していてもお買い得のようですが、私は上に挙げた2枚で、エーリヒさんは十分です^^。

> ショスタコーヴィチ、ブルックナーの交響曲は‥‥人生の支えとして全集が必要ですね。いくつも必要です。
> マーラー、チャイコフスキー、プロコフィエフなどは「たまには楽しませてくれる」音楽で、人生との繋がりは深くなく、
なるほど、面白いことです。私の好みは、yositakaさんに重なりつつズレてきます。
ブルックナーとマーラーとでは、私にとっての「人生の支え」、「人生との繋がり」は、マーラーのほうが濃厚です。
とくに第3番、第5番、第9番。
中学時代に触れたホーレンシュタイン/LSOの第3は、衝撃の体験であるとともに、「クラシック音楽」の原点でもあります。
ブルックナーは、後期三大交響曲はたしかに「人生の支え」とは感じます。

いくつも必要! ‥‥う〜ん、そうとう予算と保管場所があれば(← かつてはちょっとあった…;;)、ブルックナーならヨッフムの2つの全集、そしてバレンボイムの新旧全集も手許に置きたくなくはないですが‥‥やっぱり聴かないでしょう;;。

チャイコフスキーは、第2と第3は駄曲のように思われ、第1および後期三大交響曲、とくに『悲愴』は‘人生’に響いてまいります。
他方、プロコフィエフは‥‥1曲もなくても痛痒を感じません。
  • へうたむ
  • 2017/03/07 4:29 AM
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