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ハイドンの交響曲で、2セット!

 ハイドンの交響曲で、気に入ったレコードを探すのは、とてもむずかしい。

 先日、アバドの4枚組がどうにもしっくり来ず、どうしようかとネット上を漁りながら考えあぐねた挙句、シギスヴァルト・クイケン/ラ・プティット・バンドによる《ロンドン・セット(ザロモン・セット)》4枚組が、文春新書で福島氏、宇野氏の高評価もあり、古楽器で演奏したホグウッド盤がきわめてよかったこともあって、ネットオクで、定価の約半額できれいな盤をゲット。

 もうひとつ、8年前に一度購入するも、現代オケの厚いサウンドが、急速楽章の強奏部で、そうとううるさく感じて手放してしまっていた、クレンペラーの EMI 3枚組も、ネットオクで購入。

クイケンとクレンペラーのハイドン

 クイケンのセットは、どれを最初に聴いたか ― 到着した日の帰宅後、深夜だったのでヘッドフォンで ― 忘れたけれど、じつにいい演奏だと思った

 ホグウッドの聴かせるヒューモアにはいささか欠けるものの、緩徐な弱奏部の、考え抜かれて、しかも神経質でない繊細さ、声部のかけあいにおいて、どの声部も意味をもって演奏される、等々‥‥聴いていると、ハイドンの交響曲ってこんなに楽しい楽章の集まりだったのか、と初めて認識される思いだった。

 この経験をしてから、8年ぶりにクレンペラーの重い演奏を聴くと‥‥「重い」というのはむしろ思い込みで、全ての楽想に意味を吹き込み、緩徐な部分の安らぎ感もとても深く、クイケンとは異なる形で非常に繊細な演奏であることが聞こえてくる。

 クレンペラーの『軍隊』は、第2楽章の‘軍楽’も盛大に鳴らすけれど、基本はじつに繊細であり、トライアングルが全体を圧して鳴り響くさまは、意外にも、MJQの『たそがれのヴェニス』における、コニー・ケイの演奏を思い出させた。
 全曲聴き終わって、「あ〜、聴いたぁ」という実感である。

 この2者を聴いてからアバドのセットから1曲、なんでもいいから聴いてみると、アバドの演奏が、ベートーヴェンをやる時に有効なタイプの「指揮者の感情移入」によってなされているように聞こえて、「これは違う!」と思った。
 ただし、客観的にはいい演奏だろう。

 こちらに載せたCDのうち、デイヴィス、ロペス・コボス、チェリビダッケは、すでに売却している。
 これらも客観的にはよい演奏のディスクだと思う。
 チェリは、クレンペラーと同じ点は楽曲に感情移入しないところであり、その辺で「市民広場」のような交響曲を聞かせてくれるところがよかったのだが、何といってもテンポが遅すぎるところに指揮者の「我」が顕示されすぎ、クレンペラーのほうで聴いていこうかと思った。

 クレンペラーは、マーラーですらロマン的感情移入を避ける指揮者で、実演で同時代音楽を積極的に取り上げたというが、その辺のスピリットがハイドンに合うのかもしれない。

 クイケンのディスクは、今はオリジナルのアルバム(5枚)では、内外盤とも揃えにくそうだ。
 BMGジャパンで独自に《ロンドン・セット》をまとめてリマスター、廉価発売したもの(BVCD-38136〜39)は至便であり、米Amazon.comでも英Amazon.co.ukでも高評価(英Amazonには、米Amazonのレビュー 3件が転載されている)であり、欧米のリスナーも、輸入盤で若干高価になるようだが、このセットを重宝していることがわかる。

 レビューには、日本語解説しかないことを残念がる行文も見える。
 いちおう「96kHz/24bit Remastering using JVC K2 Technology」となっている。
 高域はキラめき気味だが、これは古楽器オケ特有の響きであり、とくにリマスターで強調したものではなさそうだ。

 ‥‥という次第で、アバド盤は手放す方向だが、‘苦手な’ハイドンの交響曲ばかりで手許に計8枚もCDが揃った。あれま〜。

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  • 2017.10.23 Monday
  • -
  • 03:41
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コメント
クレンペラーのハイドンは、というかクレンペラーは何を演っても良いです。音楽をよくわかっているなあと聴いていていつも思います。
ハイドンも結構、音楽が動いていて、鈍重さはあまり感じません。
  • 七味とうがらし
  • 2016/10/25 8:35 PM
七味とうがらしさん、

全くおっしゃるとおりですねえ。
私は、そんなにクレンペラーの聴取経験はないのですが、ディスクを探して、実際に聴いてみると、クレンペラーの凄さが少しずつ、という感じです。

クイケンの古楽器ヴァージョンもよかったです。正反対のようでいて通じるところもあるか、と感じました。
  • へうたむ
  • 2016/10/26 12:21 AM
オーディオで試行錯誤の連続でしたが最終ポイントに到達されたんですね
羨ましいです、購入・・オークション売却・・又購入・・オークション売却
はたしてへうたむさん浪費の連続はどうなるのか?他人事ながらサイフの心配していました
音楽に没頭の毎日、おめでとうございます

私もへうたむさんのように思い切ってちょい上等のアンプを買えば「アレほしい、コレ落としたい」の物欲病も治まるかと・・・

CDのレビューも興味深く読ませていただいています
今後も色々教えてください(どこかの天守みたいな口調ですが)
  • 辺境の民
  • 2016/10/30 10:47 AM
辺境の民さん、

> 最終ポイントに到達されたんですね
> 音楽に没頭の毎日、おめでとうございます
ありがとうございます m(^_^)m。
実際には、仕事が夜ですので、ちゃんと聴けるのは日曜だけです ~~;…。
それと、オーディオが一段落して、やることがなくなると、‘自分が没頭する/突き進む’ものがなくなった空虚感がでてきたのか、皮肉なことにどうも体調はよくありません…。

> 浪費の連続はどうなるのか?他人事ながらサイフの心配していました
新品のアンプを模索していた昨年11月〜今年3月は、さすがにどうなるのか、と自分でもコワかったですね。
大きな部分を入れ替えると、こういうことになりがちです。
それゆえ、スピーカーをちょっと換えてみたい、という意識が芽生えても、さわるのは危険です^^;。
CDプレーヤーなら、オクで数千円で試すことができますが、音楽鑑賞の「大黒柱」になるアンプとスピーカーはたいへんです。

> ちょい上等のアンプを買えば「アレほしい、コレ落としたい」の物欲病も治まるかと・・・
あ、辺境の民さんもいろいろ「「アレほしい、コレ落としたい」の物欲病」をお持ちですか^^。
お聴きになるジャンルとお好みに合った機器が手に入るとよろしいですね。

こんな状態で、最近は苦手だったハイドンに手を出したり、入手したCDのマスタリングに不満が出て、機器同様買い換えたりの嵐になっておりますが、ぼつぼつ一段落にしないと‥‥。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
  • へうたむ
  • 2016/10/30 6:32 PM
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