レヴァインさんのモーツァルト、とか。

 ‥‥昨日(=アップ時点で一昨日)は、私学共済の要求している(らしい)書類の請求に、年金事務所に行き、今日(=アップ時点で昨日)はゴゴイチで、大病院の口腔外科の診療。
 お蔭さまでこちらも、レントゲンで、左上顎洞はきれいになっているということで、この治療はこれで終了、あとはかかりつけの歯科医院でブリッジの再構築となる。

 国民年金のほうは、65歳直前まで可能な任意加入は、遡ってはできず、申し込んだその月からになるということで、しかも任意加入の場合、保険料の納付は口座引落しのみということで、引落し口座の通帳確認と、申込書への銀行届出印の押捺などが必要というので、病院からもどってすぐまた、電車とバスを乗り継いで年金事務所。

 全額前納で、年額20万弱の保険料(4月末に引落しらしい)、現在の経済状態ならまあ払えるか、という状況なのだが、もらえる年金額は微々たる額だろう。それでも、今数十万円を貯金しておくよりは、たぶん有利だ。
 明日はイレギュラーな仕事が夕刻少し、と、今週はユーイギな“夏休み”‥‥だったかも。病院と年金‥‥人生のメンテであります〜;;。

 さて。モーツァルトの交響曲で、いわゆる「後期六大交響曲」の前の、第25番ト短調、第29番イ長調、第31番ニ長調『パリ』の3曲。
 これが1枚に入っていて、そこそこ評価も高い、レヴァイン/ウィーン・フィル盤(DG国内盤)。

レヴァインのCD

 国内盤の音質ということ ― 高域エッジがキツめで、音の潤いに欠ける ― もありそうなのだが、演奏がどうも琴線に触れこない。
 もしかすると、「音楽」だけでなく、「ジェームズ・レヴァイン」という人の、容姿(おっと)と、“あの件”の影響が、皆無とは言えないんじゃないか、とか思ったり。

 こういう感想になってきたのは、第25、29、31番で、エルネスト・ブール/バーデン・バーデン南西ドイツ放送響盤(Classical Gold)、第29番では、シモン・ゴールドベルク/オランダ室内管盤(Philips → Retrospective)が手許に来たためでもある。

モーツァルト、交響曲CD


 エルネスト・ブールの、正体不明録音のモーツァルト交響曲集は、どれも聴くごとに味わいの深まる、なかなかの名演だと思う。
 レヴァイン/ウィーン・フィルの演奏では、中声部・低域などヴァイオリンに対する対旋律を、むしろできるだけ響かせないようにした感が強く、これはウィーン・フィルのやり方でもありそうである。
 ブールのほうは、この辺はず〜っとニュートラルで、楽曲の構造が見えやすい演奏だ。
 それでいて、楽想の歌わせ方にはニュアンスがあり、乾いてはいない。

 先日、オクで買った、ゴールドベルク PHILIPS録音集成(Retrospective、8CD)は、まだまだ聴き込めておらず、ゆっくり聴いていきたい。
 この中にモーツァルトの交響曲第29番(1958年ステレオ。マスタリングもいい)も入っている。

 快適なテンポで進めてゆく演奏だけれど、レヴァインの快速が、どこか「慌てて、前につんのめってゆく」のに対して、地に足のついた進み方のように聞こえるし、ブールにしてもゴールドベルクにしても、ちょっとした「ホッとする」フレーズを、聴いていて「ホッとする」ように演奏している(と聞こえる)のだが、レヴァインの演奏には、何か安らぎが不足する。

 「小ト短調」第25番については、ワルター/ウィーン・フィルのライヴ(Sony日本企画)盤もあり、こういう状況だと、レヴァイン盤は便利ながらほとんど魅力がなくなり、手放す方向で考え中。

 上の写真に写っている2枚だけが、手許にあるJ.レヴァインさんのCDだ。
 もう1枚は、ベルリン・フィル、ウィーン・フィルなどの管の名手たちと演奏した、プーランクの管の室内楽曲集(DG国内盤)。
 こちらも、ジャック・フェヴリエらによる仏EMI盤(→ Brilliant Classics)や、エリック・ル・サージュらによる RCA盤という、お膝元フランスの名人たちによるディスクがあり、それらのほうが「フランスの味」がありそうではある。

 が、EMI盤はいちど持っていたもののあまり魅力を感じないまま手放している。
 レヴァイン盤は、レヴァインさんはピアノ担当、いわば縁の下の力持ち(いかにも!^^)であって、独墺系の管楽器奏者の、曖昧化しない、端正できっちりした歌わせ方が、これはこれですばらしく、こちらは置いておこうと思う。1枚ものなので、聴くにもいい分量だ。

 手放すCDの選出も、ちょっと進み、の現状であります〜。

散財報告−続篇。

 前回の、“HMV中古盤祭り”(← 勝手に自分で)のほとぼりも冷めないうちに、また約1ダース注文。

6月購入分

 今度は新盤1セット=アルテミス弦楽四重奏団のベートーヴェン全集
 Virgin/EMIの制作だが、届いたものはすでに Warner/Erato盤になっていた。

 これは、なかなかもってたいへんなセットだ。
 私は、第12番 Op.127の出だしの、ブ厚い響きが好きで、試聴でこの部分がいい感じだったのでアルテミスQを選んだ ― 安かったのももちろんだけれど。

 ヴァイオリンの音の、倍音がかなり入ってきて、アルバン・ベルクQの残響多めで、高音のツルンとした音とは、取り方の方向性が真逆に近い。
 C-7030で始めの2楽章を聴くと、耳にキツいところと、演奏自体がきわめてスケールが大きいと同時に精細なことが相俟って、じつに疲れる
 1楽章聴き進めるのが、まるでフルトヴェングラーの振る第5交響曲を聴くがごとし、なのである。ふ〜〜、シンドい;;。

 ABQのほうは、いくら現代的であっても、さすがに、バリリやウェラーからつながる「ウィーンの伝統」みたいなものを底流に持っていて、そこにリスナーは安らぎも求めつつ聴き進められるのだけれど、アルテミスにはそういう要素はなく、もちろん初めて聴いたゆえでもあろうが、「次の展開が予測できない」というように、集中力を求めてくる。
 しかし何にせよ、これは近年稀な室内楽の大輪の花といえる大収穫ではあろう。

 メンバーの交替が多く、こちらの方が、とてもていねいにまとめておられる。
 そして、全集完成後に、ヴィオラ奏者のフリーデマン・ヴァイグレ氏が若くして亡くなるという不幸に見舞われ、さらなるメンバー交代を強いられながらも、高評価と期待とを獲得し続けている名クァルテットのようだ。

 いっしょに買ったのは、カラヤン/ベルリン・フィルによる、1971年EMI録音のチャイコフスキー後期交響曲集(EMI GEMINI)。
 「盤質:S 未開封」とあったのだが、シュリンク密封はされていなかった。最初からシュリンク包装がなく、しかし未使用 or 未販売在庫だったのだろうか。

 「カラヤンにしては珍しい“爆演”」の世評のある録音だ。第4番は、一時は原盤故障でリリースできないといわれたようだ。
 当GEMINI 2枚組は、DIGITAL MASTERINGが(P)2007となっていて、この時期の DIGITAL REMASTERは ART相当になるはずだ。

 第4番をちょっと聴きだすと、高域が強く、低域はこもってモゴモゴし、金管の強奏部が過ぎて木管の弱奏部になると、ほとんど聞こえないくらいの低レヴェルになる。
 つまりはダイナミック・レンジが異様にワイドなわけで、金管のファンファーレなどの強奏部を、抑えることなく大音量で再生できるなら、「カラヤン離れ」した大爆発サウンドで、楽想の展開もカラヤン離れした濃厚なチャイコフスキーを堪能できる。
 が ― このときのカラヤンの心境はどんなものだったのか??

 あと、マリー=クレール・アラン女史による、バッハ名曲集の、2枚組、Eratoの Bonsaiシリーズ。
 細かい録音時期表記も、オルガンの記載もないが、「ADD, DDD」とあるので、2回めと3回めの全集からの抜粋が混在しているのかも、と思ったが、(P)は1983、1984、1986とある。
 今、HMVの、第3回全集(デジタル)のデータを見ると、この中の最も早い1985年収録の楽曲は、Bonsai盤には収録されていないので、2回目の全集からの抜粋ということになる。
 3回目のデジタル版全集から再編された2枚組を選んだほうが、とも思うが、2回めの全集も評価は高いし、中古価格は安かったし(432円)、何より聴きたい楽曲が多い。
 こんなレビュー(「Comments:」欄をどうぞ^^)を読むと、ポチらざるをえません;;。

 前回のHMV中古まとめ買いの、バックハウスのベートーヴェン以外の、細かい収穫。

前回のまとめ買い

 上左端:腐食で聴けなくなった、英ASVの、ブロドスキーQによるエルガーとディーリアス。クラウンの国内盤が、なんと帯つきで756円!
 中:アシュレー・ウォス(ウェイス?)という若手による、フランク・ピアノ曲集(Naxos)、右:世界初CD化の、ジョリヴェ『赤道コンチェルト』(Sony)。2011年、CDの時代が終わり始めて、やっとCD化。
 下段左:TIME盤『ソニー・クラーク・トリオ』。帯つきで1,080円。テイチクではなく、ポニーキャニオンのリリース。どっちが音がいいのか?
 中:ハーゲンQとジェラール・コセによる、ブラームスの弦楽五重奏曲(DG)。これは未開封で、高かった。すでに廃盤で、中古は安くなさそう。
 右:これはオクで。レヴィナス教授のシューマン:『謝肉祭』が、いささか面白みに欠けるので、高評価のラローチャ盤を。

 いっや〜、買った。
 今回、なんでベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集かというと、同全集は、ブダペストQ(Sony、ステレオ盤)とABQ(EMI旧盤)の2セットしか持っておらず、ピアノ・ソナタ“ですら”ブレンデルとバックハウスが揃い、加えて単独ディスクがあるので、弦楽四重奏曲全集ももう1種あってもいいのでは、と思ったからです。
 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、2全集以外、単独盤ないし後期集は、ラサールQ、ブランディスQ、カペーQと、すべて手放しておりました…。もうこれでいいでしょう。

とりあえず、散財報告;;。

 枚数にして約3ダース、“怒濤のCDポチり”の収穫が次々と到着‥‥。

 まずは HMVに注文した中古盤ばかり(!)7点14枚(下写真、箱の中)と、オクで落とした、シモン・ゴールドベルク PHILIPS録音集成(RETROSPECTIVE、8CD)。
 HMVの荷物の中に、バックハウスのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集などが入っております。
 うち1枚は、商品説明と異なり、CD-R(HMVは CD-Rは「CD-R」と表記する)で、擦りキズも多かったので、返品を願い出た。

HMVからの荷物

 見えているのは、ハーゲンQとジェラール・コセによるブラームスの弦楽五重奏曲集(DG)。
 いい演奏で、評価も高いが、廃盤で、中古も見かけにくい。他はまた別途。

 ある演奏家のメモリアルのセットなどはほぼ全く買わないのだが、バッハの協奏曲などがいいということで、しかも単独の PHILIPS盤は高騰しているので、RETROSPECTIVEレーベルの8枚組を3,000円の即落でポチってしまった。
 ちょっと聴きにはおとなし〜い演奏ばかりだが、これはい〜いセットだ。

 ついで、“アマさん”とオクで揃えた、アルフレート・ブレンデルのベートーヴェンのソナタ全集と変奏曲・小品集(ともに Brilliant Classics、米Vox録音)。

ブレンデル、他。

 ブレンデルの Vox録音は、35枚の総集成版が Brilliantから出ているが、そのうちのベートーヴェンのソロ楽曲の、ほぼすべてが、この2セット14枚に収まっているはずだ。
 先ほど、確認のためにヘッドフォンで少し聴いてみたが、とくにソナタ全集は、Brilliantの割りにマスタリングが、悪くない。

 ちょっと気になったのは、変奏曲のトップ、『エロイカ変奏曲』Op.35において、高速の強打鍵パッセージ部分で、D/A変換がうまくいっていないかのようなノイズが付帯すること。
 プレスに問題が、つまり製盤のバラツキがあったのか、A/D変換時の問題か、あるいは元の収録時にアナログ・テープに入った歪み的なものかも‥‥。

 他のロットを買い直すまでもないし、送料入れて900円だったのだから、がまんしよう(ソナタ全集も中古だが、こちらは安くなく、3,000円以上だった)。スピーカーでだと気にならなくなる可能性もある。
 ソナタ全集と異なり、変奏曲集にはモノラル録音もけっこうある。

 福島章恭さんは、Vox時代の“まだ堕落していない”ブレンデルをいたくお好みで、文春新書では上記35CDボックスを推薦している。
 これらは、1970年のベートーヴェン生誕200年の年に、日本コロムビアから、《ダイヤモンド1000シリーズ》で、ずいぶんたくさんリリースされていたようだ。
 このベートーヴェン記念リリースの一環に、ヨーゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団による交響曲全集(Everest原盤)も入っていた。それらは、全く購入していない。

 前にあるのは、ペルルミュテールとパレナンQによる、フランクとフォーレ(第2番)のピアノ五重奏曲(仏INA, mémoireVIVE)。
 けっこう有名な音源なのである。

 この1枚は前記事の、エルネスト・ブールのモーツァルトや、アルゲリッチのワルシャワ・ライヴなどとともに、立川のブックオフ(Loft内)の500円コーナーで、である。
 ‥‥もう欲しいものは買っちゃったので明かしますが^^;;。
 他にも、Cassiopéeレーベルのハイドシェックのドビュッシーが残っていたり、FYCDレーベルのイヴォンヌ・ルフェビュールのフォーレとデュカスの1枚があったりした。
 ハイドシェックのフォーレがあれば買おうと思ったが、今週の月曜にはもうなかった(初めからなかったかも…)。

 あと、ディーノ・チアーニの6枚ボックス(伊DG)とか、ハラシェヴィッチのショパン集成(PHILIPS、Eloquence、10枚ボックス)とかも500円で買えますよ〜ん♪ よかったらどうぞ。

「アレ」、買っちゃいました^^;。

 ‥‥上顎洞の膿のほうは、ブリッジを壊した部分から、逆にカテーテル状の針を刺して、上顎洞を生理食塩水で洗浄する治療を、先週までに3回施術してもらい、ドクターの所見では、ほぼ膿が出なくなった、とのこと。
 これできれいになってくれれば、大がかりな手術はしなくてすみそうであります。

 というようなことで、CDをまた買い込み‥‥で、ついに、“アレ”を買っちゃいました^^;;。

 ブックオフ某店の500円コーナーに、マニアが放出したディスク群が入ったのか、ちょっと面白いことになっていて、買おうかどうか迷ったのだが、買ってしまいましタ。

ブックオフで。

 左のであるが、知る人ぞ知る(のか?)エルネスト・ブール指揮バーデン・バーデン南西ドイツ放送交響楽団による、モーツァルトの交響曲集。
 ネット上に、4枚組のクアドロマニア盤の記事がとても多く、それの、5枚組で第21番と第31番『パリ』も入った、完全(?)版。

 何の変哲もないが、しっかりした演奏だという評価が多く、しかし音質が金属的で耳が疲れるというのもある。
 そのとおりだった。

ハフナー

 2枚めの外周部に、盛大な引っかきキズが! ここ、『ハフナー』の場所です^^;;。
 全曲聴いて、音に影響はなく、久しぶりにじっくり『ハフナー』を聴いたなぁ、という感じだった。
 500円だから、内容に関わらず損をした気にならないということはあっても、ベーム/ベルリン・フィル盤と聴き比べて、聴き劣りがするということはなく、存在感を主張している。

 とりあえず『ハフナー』と『ジュピター』を聴いた。『ジュピター』や第40番など、編成や響きの大きな曲は、若干音量レヴェルが低く収録してある感もあるし、全体に高域寄りである。
 アンプで高域を下げ、低域をブーストして聴く、場合によっては PHILIPS TDA1549T=CD5000に任せる、等々で十分鑑賞に耐える。

 音質のせいもあるかもしれないが、「対位法をちゃんと演奏してまっせ!」的な感じがなく、しかし各声部が明瞭に歌われ、かつとても自然で、楽曲の進行とともに熱を帯びもしてくる。
 発売元は、Weton-Wesgram B.V.(だから、オランダの)という会社で、今も活動中‥‥かもしれないが、アウト=バイエルラントという町にあること以外は、不明。
 ごていねいに輸入元の日本語の帯も付いているが、こちらには輸入元カンパニー名はなし。
 5枚のディスクが薄いスリーヴに突っ込まれているので、出し入れは著しくやりづらい。

 ブールは、Astréeレーベルだったかと思うが、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキー、ルーセルの4枚組(フランス国立放送管)を持っていたことがある。
 『海』にしても『春の祭典』にしても、もっと印象の強いディスクが他に複数あったので、生活費に換金されていった。

 真ん中は、ルービンシュタインとアルゲリッチの、ショパンの協奏曲、ワルシャワ・ライヴである(CD Accord)。
 こちらでは、「おもしろ編」に上がり、「<姐さん、やっちまったねぇ>」とコピーが打たれている。
 じつにそんな感じで、強打鍵の連続は、ちょっと機械的にボクササイズで連打している感がある。ボクササイズといっても、モハメド・アリ級の、である!

 まだよく聴いていないが、ルービンシュタインのバックのロヴィツキは、かつてこういうイヴェントでは必ずバックを務めるのが、“お仕事”だったのだろうと思うが、よさそうだ。
 世代は変わり、このところは、カジミエシュ・コルドや、グジェゴシュ・ノヴァークといった人たちが、海外から来るピアニストたちをサポートする。

 ノヴァークは、ヤヌシュ・オレイニチャック盤(上引のサイトでは、これもいいらしいが、すでに高騰…)でもバックを務めている。
 こういう仕事は、ポーランドのマエストロは、ちょっと飽きてもやらないとしようがない仕事なのだろう。ノーベル賞のスタッフたちが「ちょっと飽きたから、スウェーデン以外の国でやってよ」とは言えないのと同じ?(ちゃうかな?)

 右の、ジュリーニ/ベルリン・フィルによる『第九』は、「アレ」盤ではありません。
 スカラ座フィルの第1から第8までのセットを買ったので、これも、となった(500円だし)。

 そして‥‥コメントで背中を押していただいたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集、その他、怒濤のようなポチりの嵐が‥‥。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ、全集は?

 バッハの平均律‥‥ミカエル・レヴィナスのディスクには、ちょっとお引取り願おうという段になり、けっきょくまたリヒテルのクレスハイム宮録音に手が出た。
 以前持っていたのは、メロディア原盤のビクター盤で、金蒸着K2コーディングというものだった。

 で、今回は、 RCAの輸入盤、もうず〜っとまあまあ安い価格で出続けているセット。


 同じ音源のはずである。RCAのは、メロディア(Mezhkniga)と Eurodiscとの共同制作という形で、ブックレットなどには、ビクター盤に記されていた、レコーディング・エンジニア:ホルスト・リントナー('59年のケンペ/ベルリン・フィルの『エロイカ』[EMI → Testament]も担当している人)の名前すら記さない。

 リマスターの記載もないが、聴いてみると、元来「風呂場で鳴っているような」余韻多すぎの録音を、ムリにナンとかしようとしたものよりずっといいように感じる。
 ビクター盤では、「シャリーン…」というような付帯音が聞こえた記憶があるが、RCA輸入盤は少ないようだ。

 さて、そんなことで『平均律』もグールドとリヒテルという、みごとに“レコ芸名盤”で固まったあと、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集って、必要なの? という段階にきている。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、グルダの全集(Amadeo → Eloquence)をいちど手許に置き、聴いてみようとしたものの、名前の付いたものと、後期第28番以降の楽曲以外は、どうにも退屈に聞こえ、生活費の必要だった時に手放した。

 思い出したが、イヴ・ナットの全集もいちど持っていたが、手放している。

 今、ネット上で見ると、リチャード・グード(Warner/Nonsuch)、スティーヴン・コヴァセヴィチ(元EMIの Warner)、それにブレンデルの Vox録音を集成した Brilliant Classics盤などが、激安ボックス仕様で買える。
 が! ‥‥買っても、また無名曲は聴かないまま換金ということにならないか?

 というのも、現在手許にあるCD、延べ7枚、曲数にして13曲のソナタの、楽曲と演奏とが、スゴ過ぎるといえばスゴすぎるのである。

 第8番ハ短調 Op.13『悲愴』 バックハウス、アラウ(新)
 第14番嬰ハ短調 Op.27『月光』 バックハウス
 第15番ニ長調 Op.28『田園』 バックハウス
 第17番ニ短調 Op.31-2『テンペスト』 バックハウス
 第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』 バックハウス、アラウ(新)
 第23番ヘ短調 Op.57『熱情』 バックハウス、アラウ(新)
 第24番嬰ヘ長調 Op.78『テレーゼ』 グルダ(Amadeo)
 第26番変ホ長調 Op.81a『告別』 バックハウス
 第28番イ長調 Op.101 ポリーニ
 第29番変ロ長調 Op.106 ポリーニ
 第30番ホ長調 Op.109 ポリーニ、ゼルキン(L)
 第31番変イ長調 Op.110 ポリーニ、ゼルキン(L)
 第32番ハ短調 Op.111 ミケランジェリ、ポリーニ、ゼルキン(L)

 というような状態 ― バックハウス盤はステレオ、ドイツ国内仕様 Eloquence 2枚組で、AMSIリマスター、グルダの第24番はこれもドイツ国内仕様 Eloquence盤の『ディアベリ変奏曲』のフィルアップ ― であり、たとえばアラウ(デジタル新録)の『ワルトシュタイン』の冒頭を再生するや、その美しく深〜い響きにタメ息が出るのである。

 これで、“全集”を買う必要があるのか、あるとしたら、それは「物欲」と、「買物したい欲」を満たすだけのもののような気がする。
 う〜ん、しかし‥‥。

シューマンのピアノ曲のCD。

 先月末日、立川に出た折、立川のブックオフ‥‥なんて何もないよな〜、と見たら、同じデザインの国内仕様帯をつけた未開封輸入CDが、1枚500円で、つまり500円コーナーに並んでいた。
 内容は、きっわめてレアな、マニア向けの古楽とか。ベートーヴェンの室内楽などもあったが、聴いたこともないアーティストとレーベル。

 その中で、バッハの『平均律』(仏Accord)を持っている、哲学者・エマニュエル・レヴィナスの令息、ミカエル・レヴィナスの弾くシューマンのアルバム、『謝肉祭』、『交響的練習曲』、『蝶々』の入った仏Saphir盤があったので、迷ったが買ってしまった。

 輸入元は、株式会社マーキュリーというところ。
 こちらの、『CDジャーナル』の記事に、イヴェントの開催元として出ていたりするが、ここに記されたURLは、表示されなくなっている。
 たぶん、この会社の解散か倒産のゆえに、放出されたのだろう。

レヴィナスのシューマン

 マーキュリーで付けた解説書も同梱されていて ― ファクトリーシールドの輸入CDに、帯と解説書を付けている ― ブックレットにあるレヴィナスへのインタヴューが、全訳されたりしていて、ずいぶん手がかかっている。

 何でも輸入、とか、レーベルの代理店というのではなく、ある種のセレクトショップとして、自分たちが紹介したいCDだけを、丁寧なブックレット翻訳とともに売っていたのだろう。
 税別2,800円の定価で、これはフランス盤の場合、国内盤仕様でなくても、これくらいの価格にはなるだろうから、高すぎることはないが、やはりそんなに売れなかったと思しい。

 ブックレットとレーベルのデザインは、それはもう“おフランス”そのもののお洒落さ。
 で、ていねいに開封し ― 「Télérama ffff」のステッカーも残しつつ^^ ― C-7030に乗せて聴いてみたのだが、『謝肉祭』という楽曲のキャラもあるのだろうが、あんまり面白くない orz....。

 シューマンのピアノ曲は、アルゲリッチとリヒテルだけで、計3枚しか持っていなかったが、これらは極名演であり、この3枚に比べるとちょっと気の毒なのでもあるが、精彩に欠ける。
 が! CD5000(=PHILIPS TDA1549T)で鳴らしなおすと、地味な音と音楽ではあるが、最後まで聴くと、そこそこの「聴かせてもらった」感があった。

シューマン、2題。

 しかし、第一印象の希薄さから、「これなら、やっぱり『クライスレリアーナ』のホロヴィッツ盤を買うのが正解だったかな」と考え、Sonyの国内盤で、DSD化される前の盤で、未開封品がHMVにあったので、送料込み800円ほどで入手。
 『子どもの情景』の冒頭を聴くだけでも、この世離れした美しさに、「やっぱりシューマンはこうでなくっちゃ」と大納得。

 1枚のアルバムとして、一夜のリサイタルを聴かせてもらうような気分で臨めば、レヴィナス盤も価値があるとはいえるけれど、ほかがリヒテル、ホロヴィッツ、アルゲリッチなので、聴く機会は巡って来にくい。
 じつは、ゆ〜ったりした“癒しの平均律”のつもりで買った『平均律』も、そんなに聴かぬうちから物足りなく感じ始めていて、ルートヴィヒ(リュドヴィグ、Ludwig)Qと共演したフランクのピアノ五重奏曲(Naxos)以外は、手放そうと思っている。

 M.レヴィナスは、『平均律』に関して、こちらで、
 「問題は技術面。 ‥‥普通に言えばタッチが不安定で(粒が不揃いかつ細部が曖昧になりがち)、曲によってはかなり危なっかしい(弾けてないとも言っていいくらい)。 これがコンクールだったらまず通らないだろうという曲もある」
とかなり酷評されている。

 この評者の方は、ピアノのコンクールの記事もあるように、ピアノ演奏の技術面を重視する方なので、こうなるのだろうけれど、私の耳でも、テク的に締まらないところがかなり顕著だ。

 指テク、メカニックが最高レヴェルからかなりはずれていても、ペルルミュテールのように、他では聴けない詩味、香りといったものが確固としてあるピアニストなら、聴き続けることができるのだけれど、レヴィナス先生 ― まさにパリ音楽院の先生、である ― は、アルバムによくインタヴューが掲載されることからも見えてくるが、ちょっとコトバ=アタマでアピールするピアニスト、といえそうだ(作曲家でもある)。

 ルートヴィヒQでは、レジ・パスキエと共演したブラームスの弦楽五重奏曲(同じく Naxos)も持っているが、音がきれいなだけで、表現意欲と重厚さに欠ける感じがして、ハーゲンQ+ジェラール・コセ(DG、廃盤)なんかがよさそうだなぁ、と思っていたのだけれど(ルートヴィヒ盤は、米Amazonでは、第2番が、音程が外れている、と酷評される)、これも CD5000で再生してみると、なかなか聴ける音楽になっている。

 もちろん、C-7030も絶好調で、前記事で、管球プリに色目を使ったりしているけれど、C-7030+PM6005で聴く、フォーレ‥‥イザベル・ファウストの弾くヴァイオリン・ソナタ(Harmonia Mundi France)や、パスカル・ロジェ+イザイQのピアノ五重奏曲(Decca)なんか、もう艶やかで溢れんばかりの美音である。

 そんなところで、『平均律』と『謝肉祭』は、別ディスクに気が向いておりまス。

4月に買ったCD。

 4月も終わり。四日間だけだが、ゴールデンウィークだぁ〜。

4月に買ったCD

 4月は、『薔薇の騎士』と『フィデリオ』、超有名オペラの中の、欠けていた2曲を揃え、ポゴレリチの『展覧会の絵』を買った。

 そのあと、ユニオンとオクで、6枚ゲット。6枚で4,220円也(オクの送料込み)。
 いずれもいちおう懸案のディスクである。

 まだ冒頭の試聴ていど。
 C-7030は、やはりどういっていいかわからないくらいいい音で鳴ってくれて、買った盤より、気になっていた手持ちディスクを聴いてみて、Supraphonの古い、高弦が乾燥気味の音源(日本コロムビア国内盤)などがとてもしっとりと鳴ったりするので、感動、である。

 ピックアップが、やっと機種本来の精度で信号=アイパターンを生成するようになったのだろうか!? デジタル信号のクオリティが上がると、オンキヨーの謳う高精度クロックも活きてくる…のか?
 メカは、当初の途中トラック開始ノイズの件の修理で1回、今回の音飛び修理で2回、もう3回も交換されていることになる。

 左上が、デュトワ/モントリオールの『シェエラザード』。外盤が欲しかったが、最近のプレスは見当たらず、かなり古いポリドール盤、もち、帯付き^^。
 ダノン盤が、帰還した C-7030での音質がとてもよく聞こえたので、要らないかとも思ったが、世評の高い新しい録音として1枚。
 Deccaとしてはホールトーンをたっぷり入れた収録で、演奏もいいのでしょう。

 左端下は、アバド/ベルリン・フィルの、『展覧会の絵』、ほかムソルグスキー作品集。併録の『禿げ山の一夜』は、長〜いオリジナル・ヴァージョンとか。 
 真ん中上は、C.デイヴィス/コンセルトヘボウの『春の祭典』+『ペトルーシュカ』。『春の祭典』は、ブーレーズ 63年盤、マルケヴィッチ、モントゥー/パリ音楽院と3種あるのでもういいのだけれど、『ペトルーシュカ』が、モントゥーの『春の祭典』のカップリング盤1枚だけというのも寂しいので、1枚。デイヴィスのは1947年版とのこと。聴いていてどう違うのか、モントゥー盤と比べて‥‥わかるかな〜?

 真ん中下は、フリッチャイによるコダーイ作品集。
 非O.I.B.P.盤の『新世界』国内盤から ORIGINALSの O.I.B.P.盤に買い換えたので、『ハーリ・ヤーノシュ』がなくなっていた。
 Naxosにある、《Hungarian Festival》というお国ものアルバムに入っているもので補っていたが、フリッチャイのエナジーと味わいに溢れた演奏が、やはりいちばん。これはリマスターもよいように感じられ、高域はさして強調感はなく、低域は反対に十分に入っていて(持ち上げていて)、トーンコンをはずしてもいい音だ。

 Naxos盤は、お膝元ハンガリーの演奏家、マーティヤーシュ・アンタール指揮ハンガリー国立管の演奏。
 Naxosの《○○○ Festival》はだいたい東欧のオケなので、フランスなどはイマイチな演奏であるそうなのだが、ハンガリーは同国の演奏家たちのせいか、気合も入ってなかなかいい。
 が、フリッチャイのはやっぱりスゴい。録音は、アンタール盤はずっと新しいデジタル録音ではあるが、高弦はツルン、のっぺりした低情報量でコクがなく、フリッチャイのほうは、当時のDGの録音の一流のクオリティを実感させる。

 右上は、ブリュッヘンによる、モーツァルトの《13管楽器/グラン・パルティータ》。
 この楽曲は、ベーム盤が千円盤で出た時に求めていたのと、一時期、同じDGのヨッフム盤も所持していたのだが、そんなに名曲とは感じず、ヨッフム盤は録音は古いし、楽器のキーを叩いたりする演奏ノイズが気になり、2枚とも手放して以後、CDはなかった。
 ブリュッヘン盤は、リリース以後の『名曲名盤…』ムックでダントツ1位のディスクなので、期待できる。

 右下は、有名なヨッフム/コンセルトヘボウ、オットボイレン教会ライヴのブルックナー:交響曲第5番。
 この音源、最初 No Noiseシステム使用リマスターを謳った外盤を求め、次に通常国内盤を求め、No Noiseシステム盤は、世評どおり情報量、コクが少なく、国内盤を持っていたが、聴く機会がほとんどなく、生活費に変わっていた。
 今回のは、蘭PHILIPSにおけるリマスター。ちょっとコクがありすぎる感もないではないが、日本盤は、オクでも店舗でも、けっこう高騰しているのである。
 この盤は、オクで500円開始で、帰宅までに終了するので、少し高めに入札しておいたのだったが、だれも競っていなかった。

 いずれも、世評で‥‥という言い方に‘自主性’がなければ、「客観的・歴史的」に名盤とされているものばかり。
 もう超名曲の超名盤が、本棚にい〜っぱい、である。

 C-7030は、ほんと〜に何が原因か、はたまたプラシーボ感覚なのかわからないが、高級機みたいな(← 聴いたことがないが^^)音になっている。
 オーケストラの、チェロのユニゾンの、ステージに柔らかに広がる、あのクラシック音楽ならでは味わえない豊かな響きが、安いシステムから、そこそこ出ています〜♪
 CDプレーヤー2台、それぞれ持ち味が生きて、ありがたいことです。
 そ、それに引きかえ、コーヒーメーカーは2台とも、マ・ズ・い!

風邪‥‥で、ハイティンクのシューマン♪

 ‥‥やっぱり風邪だなぁ〜。
 火曜日の夜から、右のヘントウ腺がかゆ〜くなってきて、水曜、病院からの帰路以後、だんだん鼻水が流れ出してきて、ま、それは排膿剤や なた豆茶(笑)の効能も加わっているのかもしれないが、体もいささか熱っぽい。

 月曜に、病院のカフェでゆ〜っくりコーヒーなんぞ飲んでいたので、あるいは院内をうろうろしている時に感染した感触もないではないけれど、むしろ、この2週間ほど、いつもと違って生活が朝型にシフトしていて、身体がビックリして調子を崩したような気配が。

 今日は午前中に体温を測ると36.6度。低体温傾向なので、ふつうの人だと37.2度くらいの感覚だ。
 まったく起きられず、固着したイメージが混乱したような、ヘンな夢にうなされつつ、午後2時過ぎにまた測ると、36.2度。
 ボクとしては高温状態だけれど、いちおうインフルではないでしょう‥‥1日1錠だけどクラリスロマイシン飲んでるし。

 きちんと薬を飲み、なた豆茶(笑)もときどき飲み‥‥音楽は、何か気持ちが晴れ晴れするようなものが聴きたい。

 ということで、シューマンの交響曲第3番『ライン』を、ハイティンク/コンセルトヘボウ管で。


 買った時、‘ハイティンクにしては’なんとすばらしい演奏なのか、と驚嘆したものだが、楽章単位で聴くくらいで、交響曲1曲を通して聴いてはいなかったようだ(画像は再利用)。

 ハイティンクの『ライン』。聴き進める(C-7030で)うちに、滋味ある豊かな響き、深い叙情。
 この響きはすばらしい。シューマンのオーケストレーションは、しばしば拙劣だと言われたりしかねないのだが、むしろハイティンクのベートーヴェンやマーラー(BPO)より、充実しきったサウンドが流れ出してくる。

 こういう楽曲のこういう演奏に美点を発揮するハイティンクさん、アナログ期のブラームスや、ブルックナーの、コンセルトヘボウとの再録音(第7〜第9)は、なかなかいいのだろうと推測される。
 もっとも、これらの楽曲は、もうすでに超-秀逸盤を揃えているので、買い増しはないと思う。

 しばらく病院の予約もないので、ラトルなどをオク出ししよう。
 じつは、フルトヴェングラーの、戦中1943年のベートーヴェンの第4番も、演奏があまりに特殊すぎて手放し予定。

ラトル、また放擲〜;;。

 さ〜て‥‥前記事のとおり、病院から帰宅後、午後ず〜っと空いたので、(居眠りしながらも)しこたまCD、聴きました^^;;。
 ハイドンは、交響曲2曲聴いた上に、アルノンクールの『天地創造』も全曲聴いた次第。

 ところで、2度めの購入、『フィデリオ』まで入ったセットで買ったラトル/ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集(9CD。
 たしかに HMVのレビューに1件あったとおり音はよかった ― なので、この全集のファンにはお勧め ― のだけれど、やっぱり今回も感興を覚えない。かければ、寝る。

ラトルのベートーヴェン

 同時に買った、ジュリーニ/スカラの「交響曲集」(=第1から第8まで。Sony、5CD)のほうは、超スローテンポでありながら、瞬間瞬間の音の流れに「音楽」が満ちていて、たいへん充実した音楽体験を与えてくれる。

 フルトヴェングラー、トスカニーニ、ワルター、クレンペラーの4種に、あと何か、ということで、ハイティンク新盤もブロムシュテット旧盤もアウト、ということで2種、導入したのだが、ラトルはまたお別れ、である。
 QEDのスピーカー・ケーブルもであるが、オク出し予定になるが、病院の治療日程が未定なので、オク出しも、それに通販の注文も(入院、ということになると受け取れない)できない。

 なぜ4種の次は6種類にこだわるかというと、「5」は「五黄殺」の数字なので、ちょっと‥‥だったり。
 もちろんそんなことを言い出したら、七五三の「五」は祝えないことになりかねないし、ご祝儀で、5千円というのもよくないことになるので、口実にもならない。

 まして、ジュリーニのセットは第九のない交響曲集なので、全集に算入しなければ4種のまま。
 ただ、第九は、近い時期にベルリン・フィルを指揮したDG盤が単独であるので、それを加えたなら、それで全集と考えることもできる。

 今日は、ハイドンを聴き始める前に、クレンペラー指揮でベートーヴェンの第1を聴いたが、充実感も味もあって、さすがにすばらしかった。
 スタイルの全然違うトスカニーニもまたいいし、上記、ジュリーニ/スカラのも、“歌”に心のこもったいい演奏だ。

 もうこれだけあれば、「あと、な〜んかいいのないかな〜」と無理に食指をユスる必要もないのかもしれない‥‥「食指が動く」という故事は、「親指人差し指がぴくぴくっと自然に動く」ことをいうので、「意思的に動かす」のではない。

 ジンマンもノリントンも合わないだろう。コンヴィチュニー、シュミット=イッセルシュテット、ベーム、いずれも悪い演奏などでは決してないものの、ダメだった。

 ジュリーニのセットは、ベルリン・b-sharpスタジオの24-bitリマスターになり、ここのリマスターには、ワルターのモーツァルトやグールドのバッハなど、気に入らないものが多かった。

 このジュリーニのセットは、同シリーズで出ている、RCA録音の、C.デイヴィスのシューベルトのように高域端強調型(旧RCA盤に買い直した)ではなく、単発オリジナルの音から、やわらかなホールトーンを若干除き、では楽器が近くなるのかというと、そうではなく、「いわゆるベートーヴェンっぽい音」というふうで、オケは遠くにありながら、余韻を削ぎ落として弦のザラつき感を増した感じになっている。

 ヴァイオリンの低音やヴィオラがザラつき感を伴って聞こえてくるタイプで、ベートーヴェンには必ずしも悪くない。
 気になったのは、『田園』で、第3楽章の左チャンネルが、ちょっと意図的にレヴェルを上げている感(約3dB)があること。
 画像は示さないが、測定ソフトで見ると、それがわかる。

 第4楽章の嵐も、フィナーレの「感謝の歌」も、盛り上がることなく、比較的小音量で静かに推移しつつ全曲を閉じる、という形になる。

 セット盤のマスタリングが、オリジナルの単発盤とまるで違ったら、リマスタリングの「さかしら」だ、と、単発盤も買って聴いてみた(ので、セットものの第3楽章の改変が確認できた)。
 全体として、スカラ盤の『田園』は、第4楽章の嵐は、まるで内なる神の叱責に耳を傾け、フィナーレは、自然への讃歌を歌い上げるというのでなく、静かに宇宙に思いを致して祈る、といったていのものになっていて、きわめて特殊だが、これがマエストロ最晩年の「境地」だったのだろう。

 残された私の人生、ベートーヴェンの交響曲などは、もう“超-名盤中の超名盤”(もちろん、自分基準)にしか、時間を費やす価値を見出さないようである。

 ― ということで、ラトルのボックスに入っている『フィデリオ』も放棄することになるので、別盤をひとつ、調達しないと、ということになりそうだ。あちゃちゃ。
 DG録音の目ぼしいもの‥‥フリッチャイ、ベーム、バーンスタインあたりから1セット、ということになりそうだ。

CD5000と C-7030

 だいたい、主なリスニングは、Onkyo C-7030(下段)で。
 トラッキングはピックアップ交換でよくなっているし、音はもうほんとに聴くたびに、「この値段でこの音!」と感心しているのだが、3〜4日にいっぺん、ディスクの演奏し始めにトチって、「ザザザ…」とかになることがある
 ディスクを挿入して、TOC情報を液晶にいちど表示させてから演奏開始すると、まず問題なさそうなので、そうしているのだけれど。

 Gotham SPK 2x1.0mmに戻して、これもいいです。この細いスピーカー・ケーブルでこれくらい低音が出るか、という感じ。
 もちろん、よいシステムから見れば低音は出ていないのだが、PM6005と Mercury F1Cの組み合わせで出る低音は、余すところなく出ているような。

“名曲名盤”本。

 ‥‥少し日数がかかるといわれた歯の治療に使うため、3月後半の仕事はすべて「おことわり」で返していたが、歯科に行くと「治療のできる大病院は予約がすぐには取れないだろうから、4月以降に休みが必要になるだろう」云々と言われ、ありゃりゃ、とがっかり。
 その愚痴はまた、ということで、近況〜‥‥。

 アンプに合わなかったお高い電源コードはオク出し中、もう数件入札をいただいている‥‥もっとも開始価格は買価の1/4ていどにしたのだけれど(← 記事アップ時、終了ずみ。スゴい高値まで競り上げていただきました;;。もう恐縮…)。

 このところの、マスタリングの比較などに使って、「要らない」側に行った盤は、先日ユニオンに売った。1枚20円〜100円くらいだが、これでも御の字である。
 売れるディスクはオクに出し、この前などはユニオンで2,000円で買ったブロムシュテットのベートーヴェンが2,600円にまで競り上げられた。オクの手数料と送料(CDは送料込み価格で開始している)を引いても、買価からの差益が残りそうだ。
 というわけで、ユニオンさんに売るのは、ど〜しようもない盤ばかりなので、申しわけないくらいだ。

 本も読んだもの、読む予定が立たないものは放棄してゆくことが肝要。
 イギリスの精神科医・アンソニー・ストーの、『音楽する精神』(白揚社)と『孤独』(創元社・新訳)を、いちおう読み了り、今後引用などしそうにないということで、いちど最寄のブックオフに持っていったら「お値段がつきません」。

 で、仕事先近くの小さな古書店に見せると、ご主人、「うちだと2冊で400円にしかならないよ」。400円! ありがた過ぎである。
 だいたい、こんな翻訳人文書は、ゆうメール送料(重いからけっこうかかかる)込み500円くらいでオクに出しても、数週間経ったって入札は、まずない。

 ストーは、河合隼雄氏が『ユング』を訳出していたりするが、音楽にも造詣が深く、『孤独』にも作曲家の例が多く出る。
 が、この人、かのフレイザーが「アームチェアの人類学者(=書斎に籠るだけでフィールドに出ない人類学者、の意)」と言われたのと“似た雰囲気”の、いかにも「アームチェアの心理学者」然とした英国風中庸の美学が、物足りないことおびただしい。

 ストー自身は、医師としてむしろ実際の治療に当たっていたはずだが、じつに穏やかな、エルガーのアダージョや、タンノイやハーベスのスピーカーを産んだ国の文化だなぁ〜、と実感させる穏当さゆえ、アームチェア云々と言った次第。2冊は、面白くなくはなかったが、得るところは‥‥あまりなかった(爆)。
 この人の最初の奥さんが、児童文学者として有名なキャサリン・ストーだそうである。
 おっと、2冊しか売っていないのに書きすぎた;;。

 他には、ここ1〜2年、オクと AmazonのCD購入で、山のように溜まったクッション付き封筒を、数枚を残して、「不燃ゴミ」で廃棄した。
 市のゴミ出し分別基準には「クッション(プチプチ)付き(接着)封筒」を何に分類するのか、サイトに出てこない。透明窓の付いた封筒は、透明ビニール部分だけ切り取って「不燃ゴミ」に、紙のみの部分は「紙資源ゴミ」(無料)に、とある。
 これに準じて、クッション部分を剥がせない(剥がしにくい)ものは不燃ゴミ。可燃と同じ価格の市指定袋に入れて出した。

 このところは、未聴CDがまだまだある中、オクなどを漁りはするものの、実際に「買って聴くのか?」となると、「いやぁ〜、もう要らんよなあ」となるばかり。

 「名曲の名盤」を、あの吉田秀和『LP300選』を基準に、ほぼ集めきった‥‥以上のライブラリーになり、手持ちの名盤群を、眺めて悦に入る毎晩、だったり。

 本はもちろん、さらに新規購入しない(してはいけない)のだが、しばらく「その手の本」を買っていない、音楽之友社のムックで、評論家のベスト盤をリストアップした『名曲名盤』シリーズの、2000年以降刊行のものがひとつ、オクに半額近くで出ていたので、購入。
 『レコード芸術』編『新編 名曲名盤300 ベスト・ディスクはこれだ!』(音楽之友社、2011年4月刊、2014年7月7刷)。

 こういう本、じつにバカバカしいと思う向きは多いだろう。
 私は、この『名曲名盤』を、もう5種持っており、今回で6冊めになる。他方、小林利之『ステレオ 名曲に聴く』や“宇野組”文春新書4点など以外で、宇野功芳、黒田恭一、出谷 啓といった人たち、つまりひとりの評論家の書いた「ベスト盤」本は、一冊も本棚にない。

『名曲名盤』本

 これらに加え、『リーダーズ・チョイス 名曲名盤100』が、自分のライブラリーを「確認」するに際しての重要基準になっている。
 上写真、上段左から古い順に、1983年、87年、93年、下段左に移り、95年(「プラス200」=300の補遺編で曲目が異なる)、99年、そして今回の2011年版。

 現在、去年出た『最新版 名曲名盤500 ベストディスクはこれだ!』が最新版のようだ。安い古本が出たら買うか‥‥買わなくてもいいか。
 右側の文庫本は、野村あらえびす『紙上音楽会』(音楽文庫)と、吉田秀和『LP300選』(新潮文庫)。

 こういう、まさに「他人志向」型の音楽評価、演奏評価は、オーディオの評価を気にすることと同じく、「自分を持っていない」空しさの現れであることは、まず否めないだろう。
 が、こういう基準 ― 吉田氏の『300選』からして、他人基準だ ― がなかったら、数千曲、数百枚のディスクを耳にして、自分のライブラリーを作らなければならず、たいへんなことになってしまうのだ。

 上のほうの写真にちょっと加えたみたが、野村あらえびす『紙上音楽会』(音楽之友社・音楽文庫、昭和25年。引用は通行字体に変更)が手許にある。
 敗戦後まだ5年しか経ていない時期に、まさに「名曲名盤」を「啓蒙」するために書かれたことを、「序論」で明瞭に記している。
 「或批評家は、レコード雑誌の問答欄の調子に慊焉たるものがあり、「第五のレコードは何れが良いか」といふ問と答とを、毎月くり返すことの愚かしさを論じてゐる。その道の有識者に取つてはまことに左もあるべきことである。併し一般のレコード愛好者のうち、百人が九十九人までは、依然として第五のレコードの選択に迷つて居ることも事実であり、雑誌は官報ではない限りその重大なる問と答を、毎月くり返しても一向差支へは無い筈であると私は信じて居る。」

 また、「銘々の趣味と生活感情に適応するよき音楽を心行くばかり味はふ為には、レコードに拠るの外はなく、そのレコードは何を採るべきかの決定は、(中略)一般人に取つては決して容易の業ではない。私がこの稿を起したのは、この百人中の九十九人のために、曲、演奏、録音共に最高級のレコードを選び、それ等音楽に愛着を持つ人々に便したいといふ心持に外ならない。」
という。

 現代の状況から見たなら、上から目線のパターナリスティックなお節介の標本みたいな啓蒙主義そのものと言えるが、このあとの吉田秀和『LP300選』もじつはその流れの中に位置づけてよいと思うし、この吉田本がなかったら、多くの音楽好きのレコード蒐集は、もっと混乱した経過をたどっていったのでは、とは思うのである。

 そういう自分も、20〜30年前には、いわゆるマイナーな作曲家や演奏家を、輸入盤ショップや中古店店頭で印象で買い求めることも多かったのだが、歳をとり、生活が困窮するにしたがって、いわゆる“レコ芸名盤”最優先といっていいラインナップになってきている。

 さて‥‥2011年版『名曲名盤』は‥‥全体に、むしろ先祖がえりという風を呈していて、保守路線に落ち着いている。
 こんな ↓ディスクが1位を維持、ないし返り咲いている。

レコ芸名盤

 まあ、つまり、↑こういうレコードが、ず〜っと“レコ芸名盤”なるものなのである。
 うちにもたっぷりあり、音楽鑑賞上、かけがえのない「宝」であることは否めない。
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